編集しておきました。
これからも宜しくお願いします。
約三時間、私は森の中をさまよっていた。
頬から汗が滴り、地面を濡らす。
──暑いわね。
辺りでは蝉が鳴き、太陽は燦々と大地を照らし、真夏の暑さを醸し出していた。
──おかしい。
幻想郷では初雪が降り始め、外に出るには防寒の結界が必要になる程の寒さだ。
それがどうだろうか?
今では世界が変わった様に温度が上がり、体温が上昇していく。
その上、スキマを抜けた後、能力の使用が何故か上手くいかなく、結界や能力による体温調節が出来ない。
それにより、身体から水分が抜け、喉が異様に渇いていく上、目がかすみ意識が朦朧としてくる。
──これじゃ不味いわね。
分かっていてもどうにも出来ない。
人は真夏の高温多湿の環境の下で長時間居ると、体温調節機能や血液循環機能が十分に働か無くなる。
つまり、熱中症になるのだ。
──もう、無理。
私は、力無く土の上に倒れ込んでしまう。
そこで、私の意識は途切れてしまった。
人は何を思って生きているのだろうか?
それは一人一人違うと思っている。
しかし、一つ思うことがある。
もしかしたら、深層心理では、人は皆繋がっているのではないかと。
人はどの世界でも神を求め、救いを求めた。
他にも、争いをし、富求めた。
場所や時は違えど、人は同じ事を繰り替えしている。
夢を見た。
新品の様に綺麗で、身長に合わせた博麗の巫女装束を着た幼い私が目の前にいる。
ここは何処だろうか? と思い、辺りを見渡して見ると、鳥居が見え、神社が見える。
そこまで見て、理解した。
──嗚呼、博麗神社か。
理解をすると、辺りの景色が鮮明に見える様になってくる。
──幼い頃の私の記憶か。
幼い私は竹箒を持ち、神社の境内を掃いている。
一人で黄昏れながら、
──寂しそう。
その眦には、薄らと涙が浮かんでいた。
「うわああああ!!!! 疲れたああああ!!!」
突如、境内の石段から大声が聞こえてきた。
幼い私は一瞬ピクリッと震え、石段の方に視線を移す。
そこには、石畳の上に寝転ぶ一人の少女がいた。
その少女は、体型に見合わない程の大きくつばの広い三角帽を着用し、黒く動きやすいドレスに、エプロンを着けた様な服装をしている。
「誰?」
幼い私は少女の前に立ち、少女の顔を覗きこむ様に見る。
少女は一瞬きょとんとした後、にかッと笑いながら立ち上がり、
「私の名前は霧雨魔理沙! 普通の魔法使いだぜ!」
そう、名乗りだした。
目が覚めた。
私は布団の上にいる。
最初、夢だったのか? と思ったが、周りを見渡して見ると違う。
まず床が違う。
私の家は全てが畳で出来ているが、ここは木の板で出来ていた。
そして、そこかしこにあるコード。
まるで、アリスの家と輝夜の部屋を足して2で割った様な見た目の部屋だ。
誰かが助けてくれたのだろうか?
周りを見渡してみると、この部屋に不釣り合いの物が目に入った。
狐の仮面。
それを見た瞬間、何かが身体を突き抜ける様な感覚に陥り、鳥肌が立つ。
私はその仮面をしっている。
しかし、知っているだけで、記憶には無く、何故か無性に悲しくなる。
私は這いずる様にして布団から出て、仮面に手を伸ばす。
「あ、起きたんだ」
ふと、後方から声がかかった。
私は、咄嗟に伸ばしていた手を引っ込み、後方を確認する。
そこには、勇儀の様なラフな格好をした十歳位の少年がいた。
少年。しかし身に纏う雰囲気は、何千年生きた大妖怪そのものだった。
一瞬、妖怪か! と思ったが、少年の身体から妖力が感じられず、それは違うかと思い直す。
「貴方は誰?」
私が質問すると、少年は一瞬嬉しそうとも驚いたとも取れる様な表情をした後、笑顔で答える。
「僕は一星 彩月(ひとつぼし さつき)、唯の人間さ」
少年は答えた後、やれやれと言った様に両手を上げ、首を横に振る。
「嘘ね」
私はその回答に即答し、目を細める。
「ハハハッ 手厳しい事だね。そう言う君は誰なんだい?」
少年はおちゃらけた様に言い、私に質問を返す。しかし、その目は笑っていなかった。
「博麗霊夢よ。楽園の巫女をやってるわ」
「それこそ嘘だね」
私の回答に少年は即答で否定する。
「は!?」
私は素っ頓狂な声を出してしまう。当たり前だ、正直に言った事を否定されたのだから。
「博麗霊夢、僕も知ってるよ」
まるで何かを語るかの様に言い出す少年。
「彼女は幻想郷の巫女、東方projectの主人公の一人さ。しかし、今は“神暦百五三年”つまり月人が地球にいた時代。どう考えても時代が合わないのさ、偽物巫女さん」
意味がわからなかった。
少年が言ってる神暦についてもそうだが、東方projectという言葉についてもそうだ。
それに、少年が言う月人が地球にいる時代が本当なら、何故私の事を少年は知っているのか?
そして、そこからどうして私が偽物の推理したのか?
「貴方は、何者?」
気が付けば、再び同じ様な質問をしていた。
「先ほども言ったけど、僕は一星 彩月、普通の、唯唯普通の人間さ」
少年は再び同じ様に答え、私はもう一つ質問を付け足す。
「それなら、貴方の能力は何?」
普通、相手の能力を聞くのはマナー違反だ。それが睨み合っている相手なら尚更だ。
「いいよ。答えて上げる」
しかし、少年は余裕な表情で私の質問に答える。
「僕の名前は一星 彩月、能力は『唯唯普通の人間である程度の能力』を持つ、普通の転生者さ」
気が付けば、少年の目からは光が消えていた。