これからも、このくらいのペースになるかもしれません。
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続きを投稿させてもらいます。
『唯唯普通の人間である程度の能力』
それはある意味、藤原妹紅の持つ『老いる事も死ぬ事も無い程度の能力』と類似している。
どこが類似しているか、それは死後が無いという事だ。
人間は、人間であるからして生きて老い、死ぬ。
そして、その後霊体となって、天界へ逝き転生する。
しかし、この能力は少し違う。
能力によって、人間でなければいけないのだ。
つまり、人間として生きて老い、死んでは幼子からやり直す。
それがこの能力の本質だ。
「化け物ね」
無意識のうちに、私は呟いていた。
「よく言われるよ」
それを何でと無いかの様に流す少年──彩月。
──化け物。
そう言って、ブーメランだと思い直す。
私は化け物だ。
宙をふわふわと飛んでいるだけの化け物。
飛んでいる事によって何者にも触れられず、逆に触れれ無い。
そこにいて、そこにいない。
まるで幽霊の様な存在だ。
「もう一度聞くけど、君は何なんだい?」
その答えては決まっていた。そして、理解していた。
「私は博麗霊夢、何でもない化け物よ」
私はスキマを抜けてから能力が使え無かった。
しかし、それには理由があった。力の変換だ。
人間の体には霊力が巡っている。常識の事だ。
それは私も例外ではなく、体内には霊力が巡っている。
しかし、スキマを抜けた後、新しい力が巡っている。
それは、私自身が身近に触れていた力だ。
──妖力。
それは、霊力と似た力であり、反対の力だ。
例えるなら、光と闇。
生き物は絶対的にどちらかの力を持っている。
人間は霊力。妖怪は妖力。
また、他の動植物も同じ様にどちらかの力を持っている。しかし、どちらを持っているかは、その動植物の生きざまによって変わる。
私は勿論人間だ。
それゆえ、霊力を持っている事は当然の事だ。
しかし、今はどうだろうか?
私の中からは妖力が感じる。
しかし、霊力を失った訳ではない。
妖力の出現により、弱まってしまったのだ。
先ほども述べた通り、霊力と妖力は真逆の力だ。
つまり、両方の力が互いに相殺し合い、能力が使え無いのだ。
先ほどの私の答えに一瞬頭を捻った彩月。その後、「……もしかして」と小声で呟き、私に質問を投げ掛ける。
「君は、東方projectを知っているかい?」
「知らないわ」
即答で返す。
私のその返答に彩月は目を見開き、「やっぱりそうか」と言う。そして、一つの箱の様な物を指差し「少しこれを見てほしい」と言う。
その箱の様な物は二つにパカッと開いて、中から黒曜石で出来た様な黒く輝く物が現れる。
「これはパーソナルコンピューター、通称パソコンと言われる物だよ。」
彩月は、聞いていない事も丁寧に説明してくれる。
──パソコン。私はそれを知っている。
八意永琳、月の頭脳と呼ばれる彼女直々に教えてもらったのだ。
しかし、私が知っているパソコンとは、少し形状が違う様だ。
私が知っているのは、この様に薄くなく、折り畳めず、重い物だ。
それがどうだろうか。このパソコンはその常識を覆す様な存在だ。
そこでふと、永琳が昔、私に言っていた事について思い出す。
──パソコンはディスクトップパソコンと言われている置き型パソコンと、ノートパソコンと言われる持ち運びの出来るパソコンの二種類があるのよ。──と、
これはそのノートパソコンと言う、持ち運びの出来る種類のパソコンなのだろう。
「これさ」
彩月は私の方にパソコンを向け、画面を見せてくる。そこには、私服(博麗の巫女装束)を着た私と、ロリ中二病かりちゅま吸血鬼(レミリア)が弾幕ごっこをしている所が写っていた。
「これは……何かしら?」
思わず私は呟いてしまう。
「これは、東方project第六弾“東方紅魔郷” 約七億年後に出来るゲーム。そのレプリカさ」
私に見せつける様に一回ウインクをしてみせ、格好付けながら言ってきた。その言葉のほとんどを私は理解できずにいた。
「東方project? 第六弾? 東方紅魔郷? 七億年後? レプリカ? 貴方は何を言っているのかしら?」
思わず問い掛けてしまう私。それに対し彼は、一つ一つ丁寧に返してくる。
「東方projectは上海アリス幻樂団のZUNさんによって製作されている著作物であり、第六弾は六作目の製作で、そのタイトルが東方紅魔郷。七億年後はそのままの意味で、七億年後にこの作品が製作されて、レプリカは僕がその作品を模作したから、わかったかな?」
私は全てを聞き、頭で整理する。
『東方project』それは作品名であり、その製作をしている団体名が上海アリス幻樂団。そしてその製作者がZUNと言われる人。第六弾はその人が六個目に作った作品だから第六弾。そこまでは理解した。
しかし、七億年後とはどういう意味だろう? そして、それを模作したとどういう事なのだろうか?
そこで、少し前に彼が言っていた事を思い出す。
──“神暦百五三年”つまり月人が地球にいた時代、と。
先ほど、私は神暦について意味がわからないと言ったが、それは何故神暦が出てきたかが分からなかっただけで神暦については知っている。
ある時、永琳から輝夜の相手(暇潰し)を頼まれた時、輝夜から昔話を聞かされた。その時、神暦が出てきたのだ。そして、神暦百五十年が輝夜が生まれた年だと言う事を聞かされた。
神暦百五三年、つまり輝夜が生まれて三年目と言うことだ。
何故そんな時代にいるのか? そして何故彼は未来の事を知っているのか? そう思うより先に、彼の言葉を疑ってしまう。
だってそうでしょう。誰だって目の前の相手が「昔にタイムスリップしたよ」とか言ってきたら、目の前の相手の言葉を信じるよりも先に、ただの戯れ言だと思ってしまう。
つまり、そういうことだ。
「貴方、ふざけてるのかしら」
私は彼の言葉を全く信じていない。否、信じれないのだ。
それは全てにおいてそうだ。
彼がだした東方projectといわれる作品。それを認めてしまうと、自分がただの人形だ、と認めてしまうのとおなじだ。
だってそうでしょう。創作物の世界の登場人物が、「自分は物語の人間です」と認めてしまえばそれでおしまいだ。物語は終了する。最悪の形で。
しかし、彼が言ってる理由もわかる。だって彼がは嘘を言っていないのだから。それも“勘”で理解できる。
結局、私は否定して欲しかったのだ。
自分はただの人形ではない。意思のあるちゃんとした人間だと。
「ふざけてないよ。僕はいたって真面目さ」
そして、私の薄い期待は簡単に壊される。
気が付けば私は、机の上にあった果物ナイフに手を伸ばし、
喉元に突き刺していた。
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