不屈のヒーローアカデミア   作:nyasu

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試験っていうか殺しに来てるだろ

コロコロ、コロコロ、俺は鉛筆を転がす。

ヒーローとは逆境でこそ輝く者、ここが俺の限界、それを超えてみせる!

 

「時間です。やめて下さい」

 

俺はやりきった。

提出していく紙を見ながら思った。

普通のテストより雄英ってムズくね。

わかんないところは天運に任せた。

 

 

 

次の試験は実技だった。

ヒーローなんて結局強くなきゃ何も出来やしない、分かりやすい。

実技で落ちた場合、ヒーローのサポートに回るサポート科とかに入るらしい。

それでも他の学校よりも設備が充実してるから、戦えなくても実技試験を受ける奴もいるって聞いた。

 

ヒーローを目指してる奴は、この中に何人いるのだろうか。

少なくとも最初からヒーローになろうと思ってるやつは全員ではない。

普通科ってのになろうと思ってるやつは、サポート科になろうと思ってるやつは、この実技を嬉しいとも思わんのだろう。

でも試験だから、ある程度成績を残したい、無理をしてでも受けないといけない。

 

「圧政だ、これは悪逆だな」

 

運動が出来ない者を運動に駆り立てる、これが試験という名の雄英による圧政だ。

俺の夢の人も言っていた圧政は良くないと、権力で押さえつけるまさに圧政である。

 

 

『今日は俺のライブにようこそー!エヴィバディセイヘイ!』

 

実技試験の説明を受ける。

ロボットを倒してポイントを稼げというものだ。

取り敢えず倒せば良いのは分かりやすいが、戦闘向きじゃない個性とかどうするんだろうか。

例えば描写する個性とか、製図が得意でサポート科志望の奴は無理ゲーである。

 

『はい、スタート』

 

ざわつきが会場を支配する。

もう始まってるらしい、でもこのざわざわは始まってたからではない。

もっと普通の運動テストだと思ってたのだろう。

彼らは守られるべき弱者だ、俺のヒーローは見捨てないのである。

どうせ記念受験、一番難しい雄英は筆記で落ちるだろう。

なら、他の者と争ってまで実技を頑張っても仕方ないな。

 

「あ、ああああ」

「怪我を治せばさせてもいいって訳じゃねぇぞ」

 

座り込んで頭を抱える女の子が居た。

ブッ殺すと襲いかかるロボットが居た。

その金属の腕を、思い切り振り回すロボット。

危ないだろ、何を考えてやがる。

 

「ッ!オラァ!」

 

金属の拳が俺の頬を殴る。

俺の拳がロボットを殴る。

金属を殴る、当然の如く拳が痛い。

なんだったら、擦りむいて傷が出来たくらいだ。

だが、案外脆いのかロボットは動かなくなる。

 

「おい、誰かコイツをどうにかしろ。お前も泣くな、怪我してないんだろ」

「あり……えぐっ……ひぐっ……」

「戦えないやつは道具を使え、ロボットは叩けば動かなくなる」

 

会場は街のように広い、寧ろ街を再現されている。

なら、設置物もあるわけで自転車やバイク、樹木や街灯と武器になりそうな物はたくさんあった。

 

「一人で戦うな、協力しろ!誰かを出し抜く奴がヒーローじゃねぇだろ、協力したって全員に点数は入る!」

 

先生に聞いてないので確信はないが、それで怪我するやつが減るなら別にいい。

俺の言葉に、そこら辺にある武器になりそうな物を持って徒党を組む。

そんな彼らを襲うロボットを近い順に殴る。

 

「喰らえ、自転車アタック!」

「危ない!」

「チッ、うおぉぉぉぉ!」

 

自転車をロボットに向けて投げる奴の後ろから悲鳴が漏れた。

よくわかんないが、どこかからかミサイルが飛んできたのだ。

何でミサイル、普通に死ぬわ。

俺はそれを壊して助けるべく、近くにあった標識を掴む。

掴んで引き抜き、それを振り抜いた。

 

「伏せろ!」

 

爆発、破片が地上に飛ぶ。

何名かその結果怪我をした。

試験で怪我をするとかどういう神経してるのか、ヒーローを目指すなら仕方ないっていう考えか。

 

「布を卷け、それから足を挫いたやつは手を貸してもらえ、後ろの方ならロボットも来ないだろ」

「おい、命令するな!そうやって、俺達を足止めさせて自分だけポイントを取る気だな!それでもヒーロー志望かよ!」

「喧しいぞ馬鹿が、目の前の奴くらいヒーローなら救ってみせろ」

「そもそもお前がミサイルなんか壊したから怪我したんだろ!」

 

その指摘はもっともだ。

ミサイルが落ちたら、そう思って行動したがもしかしたらもっといい方法があったかもしれない。

助けようとして状況を悪化させたかもしれない、だがそんなものは結果論だ。

 

「悪かったな、だがアレが最善だ」

「ふざけんな、だか……ら……って」

 

爆発するような音が響いた。

ビルが壊れ、黒い巨大な影が俺を覆う。

振り向いた先、そこには緑色の巨大なロボットが手を広げて迫ってきていた。

すげぇ、スケールだ。そして、アホだこの学校。

俺達生徒を殺そうとしてやがるとしか思えない。

 

「うわぁぁぁ!」

「逃げろ、0Pヴィランだ!」

 

俺の横を走り去っていく受験生達、逃げれるなら逃げればいい。

問題は、足を挫いたりした奴。

たくさんいりゃ、一人くらいそういう奴がいる。

見捨てるか、試験だから死なないだろうって。

 

「違うだろ、ヒーローってのは」

 

俺の知ってるヒーローは逃げたりしない。

笑って逆境を乗り越えるのだ。

その背後に、守るべき弱者がいる限り戦うのだ。

 

「勝てる勝てないじゃない、立ち向かわないと行けないんだ」

 

足を挫いた奴の元に行く、そして頭上から来るロボットの腕を見る。

俺の個性は回復と強化だ、壊れる身体はすぐに治り強化されている。

だが、いつからか壊れることもないくらいに丈夫になり、俺の個性は頭打ちだった。

医者の話じゃ個性による一世代限りの進化、人間としての肉体スペックが高くなったかららしい。

結果、俺がボロボロになるような事が減ったのだ。

 

「きゃぁぁぁぁぁ!」

「うるせぇ、黙ってろ!」

 

押し付けるようにロボットの拳が俺に振り落とされる。

両手を頭上に上げ、構えた。

数秒後、重い衝撃が身体を駆け巡る。

筋力に物を言わせ、足を曲げずに支える。

ピキリ、と地面に亀裂が走った。

俺の足が地面に減り込んだ。

腕がミシミシと、筋繊維が壊れる音が聞こえた。

血管がブチ切れ、足の骨が折れたのか熱くなる。

胸に込み上げてくる何かが血だと吐き出してから気付く。

 

「あっ、あっ……」

「耐えたぞ、クソッタレ!」

 

だが、俺はやり遂げた。

巨大なロボットの拳を受け止めた。

身体を緑の光が駆け巡った。

身体中の痛みは無くなり、一回り体格が大きくなる。

だが、まだ足りない!こんなんじゃ足りないんだよ。

俺じゃコイツは倒せない、オールマイトのようなパワーが足りない。

 

「ロボットが!」

「また殴ってくるってか、来い!」

 

俺の身体からロボットの腕が離れていく。

その隙を見て挫いていた奴を抱える。

倒せないなら倒さなくていい、今は人命救助が最優先だ。

俺は結局、そのまま時間いっぱいロボットから逃げまくった。

 

 

 

雄英以外の学校も受け、まさに総当たりで試験ばかり受けていた。

どこもかしこも戦闘があるが、少なくとも雄英ほどぶっ飛んでなかった。

怪我はありそうだが、流石に殺しに来てたのは雄英だけだ。

 

「おい、合格通知来てるぞ!驚くなよ!」

「いきなり部屋を開けられたことのほうが驚きなんだが」

 

親父が紙を渡してくる。

本人じゃないのに、封筒開けたのか。

まぁいい、どこの学校だと思ってみれば雄英だった。

 

「はぁ?」

「スゲェな、記念受験で受かるとかスゲェなぁ!」

「おいおいどういうことだよ」

 

確かにロボットは幾らか倒したが、俺より倒してるやつはたくさんいた。

どういうことか、成績表を見る。

 

「レスキューポイント?はぁ、なるほど」

 

どうも人を助けたことでもポイントが入る説明があり、俺は合格点に達したようだった

 

「親父、ラーメン食ってくる」

「おう」

 

玄関を出て、俺は合格通知を握りしめた。

 

「しゃぁぁぁぁぁ!待てろ、ラーメン!」

 

このあと滅茶苦茶ラーメン食った。

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