とあるHACHIMANがあの世界に行った   作:はチまン

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【アカウント停止になったピク○ブの現状説明】
※これの投稿の為のサブアカウントも、下記と同様の申し出、理由で、投稿後およそ15分でアカウント停止になりました。

 このメッセージは完全な復垢でお送りしています。
 アカウントが戻り次第このアカウントは消滅させますのでご心配なく。
 ちなみに現在停止中のアカウントは本垢です。普段はなろう民ですよ。念のため。

 まずはシリーズ作をお読みいただいた皆様にお礼を申し上げます。かなり反響があったようで、書いた私としても大満足でございました。
 さて、本日最終話投稿後しばらくして突然作品アカウントが停止いたしました。
 そのため、ピク○ブ運営からのメールを確認すると、以下のような文言が。

~~~~~~~~~~~~
はチまンさん

pix○v事務局です。

複数のユーザーより規約に抵触するという報告が寄せられたため、
システムがアカウントを自動停止しました。

下記のいずれかに抵触する行為が複数報告された場合、
アカウントが自動停止します。

・不適切な作品投稿を行っている
・嫌がらせ・荒らし行為を行っている

上記報告について、事実と異なる場合、詳細な内容を添えて
弊社までご連絡ください。状況を確認させていただき、問題なければ
アカウントの停止を解除させていただきます。

また、上記報告について該当する事実がある場合、ご利用状況の改善を
お願いいたします。改善が完了されましたら、改善状況を添えて
弊社までご連絡ください。

ご連絡は下記のフォームから送信してください。
https://www.pix○v.net/support.php

お手数ではございますが、ご確認のほどよろしくお願いいたします。

~~~~~~~~~~~~

 ということで、私の作品は自動的にアカウント停止になったようです。
 ただ、この文言にはいささか不満があります。

 確かに不適切な~や、嫌がらせ荒し~などの訴えはあったのでしょうが、私の作品のどこどこがどうダメだとは触れられたはいないのです。
 そもそもメールの通り、このアカウント停止はあくまで『自動』
 つまり、とにかく気に入らない作品は大勢で訴えるだけで、自動的に相手の作品などは削除される仕組みと言うわけですね。なるほど、こうやって作品たちは消えていくのですね。

 さて、そこでわたしは現状あの作品に関しては、上記のような規約違反を侵したつもりは一切ないので、再度の閲覧状態への復帰をピク○ブ運営へと出したところです。
 文言によれば大体一週間くらいで回答があるそうなので、そのころまた運営から連絡があることでしょう。

 ここで問題提起ではあるのですが、今回の私の作品をお読みになって確かに不快になられた方は多かったと思います。なにしろ主人公が狂人の上、物語のキャラクターに激しく憎悪し、かつ暴力的な行為に及んで最終的には……
な展開でしたから、気に入らない方が出ても仕方がないと思って書いておりました。
 私が設定したキャラクターはあくまでオリジナル。
 第一話で詳細に書きましたが、俺ガイルのアンチヘイト作品が好きで特定のキャラクターがおとしめられるシーンが大好きな38才の男性。独身無職でネット依存の気があり、凶悪な面もあって、異世界(俺ガイル世界)にあっては殺人までをも行おうとするほどの異常な存在。
 そのようなキャラを私は作り上げ、彼の人生終了後の三日間を描いたにすぎません。
 これのどこがまずいのでしょうか?

 むしろ私は原作キャラはなるべく忠実に再現できるように最新の注意を払いましたし、そのような原作キャラが狂気たるこの主人公から逃げ切り生き延びようとする話。

 ホラーというタグは入れませんでしたが、13日○金曜日やエルム街○悪夢のように主人公、ラスボスであっても問題ないでしょう。

 仮に……
 この主人公に自分が似ていると思ってしまった人がいたとしたら、それこそ問題な気がしますがどうでしょう?

 もしこの主張が認められないのであれば、もはやこの先オリジナルキャラで作品を書くことはできなくなりますね。なにしろ、たまたま作りあげたキャラと設定が被る実在の人が現れる可能性があるわけですから。でしたら、私だけでは不公平です。
 ピク○ブ投稿作品でそのような作品をすべてアカウント停止にしてくださいね、運営さん。

 私は運営の指導があると信じて返信を待つことにします。規約にまったく抵触していないとは私も断言できませんので、指摘箇所は修正して再投稿したいと思います。

 ただ、あくまでこの作品の主人公はオリジナル。
 HACHIMANという、ピク○ブで既存の偏執的なキャラクターにそっくりなだけの私の作りあげた狂人です。

 運営が軽挙妄動に踊らされることなく、厳正に審査指導してくれることを切に願っています。

以上、ピク○ブだとすぐにアカウントを止められるため、こちらに掲載しました。
他サイトの情報を載せ、大変失礼しました。



最終回 八幡とHACHIMAN

「ヒッキー!」

「比企谷君!」

 蹲る俺に抱き着いているのは由比ヶ浜と雪ノ下だった。そして少し視線をあげてみれば慌てた様子でこちらへと駆け寄ってくる雪ノ下さんと葉山の姿。平塚先生は慌てて携帯を取り出してそれを操作しようとしていた。

 それから自分の腹を見る。

 そこには制服にめり込むように刺さっているアーミーナイフの刃と柄の部分が。

 俺はそれを見てから由比ヶ浜たちの方へと向けた。

 二人は泣いていた。泣いて動揺して俺の肩を力いっぱいに握りしめていた。

 痛い……

 マジで痛い……

 

「…………」

 

 もう一度腹に視線を送ってみるのだが、その一連の動作全てがまるでスローモーションの様で、俺一人だけが全てを知覚している様で……

 だが、痛みの刺激だけが確実に脳へと送り続けられていた。

 握りしめられている俺の肩から!!

「いや、マジで痛いからお前ら。少し力を緩めろよ」

「へ?」「え?」

 言った途端に雪ノ下達の力が弱まる。と、同時に俺に駆け寄ってきていた連中と平塚先生が何やら呆然となって俺を見下ろした。

「ひ、比企谷? お、お前刺されて……」

 そう言葉にしながら先生たちは俺の腹の水分で滲んだところを見て、そして今度は俺の周囲の床に視線を向けた。

 そこは濡れていた。

 そう、コーヒー色に。

「先生……どうやら俺助かったみたいですよ」

 そう言いながら俺はアーミーナイフを徐に引き抜くと、今度はそれが刺さっていた制服のポケットに入っていたそれを取り出した。

 そこに入れておいたものは当然これだ!!

 刃が刺さり、ぐにゃりと変形しつつ微かな穴の開いた缶コーヒーである。

「いやぁ、さすがトネ・スチールマッカン! 完全に刃を止めてくれたな。これアルミ缶だったら確実に貫通して死んでいた!」

 それは紛れもなくこの世の至高の一品! 世界のトネコーヒーが提供するMAXコーヒー250mLスチール缶コーヒーだった。やぱりスチ缶MAXは最高だ。特に味でだけれども!!

 俺はどぼどぼとコーヒーを垂れ流しているマッカンを片手にみんなを見回した。すると、先生、葉山、雪ノ下さんは脱力した感じでため息を吐いて、両隣のふたりはと言えば、あははと泣き笑いをしている由比ヶ浜と、自分の行動に赤面してしまっている雪ノ下の姿。いや、その反応マジ止めろよ、俺の方が恥ずかしくなるから。

「まあ、そのなんだ。俺は大丈夫だから」

「ヒッキー!!」

 言った瞬間に由比ヶ浜に抱き着かれた。って、デカい! 柔らかい!! いい匂い!?

「お、おいやめろよ」

「ヤダよ、ヤダヤダ!! ヒッキー、ヒッキー―」

 由比ヶ浜はそう言いつつぎゅうぎゅうと抱きしめて放さなかった。それをどうしたものかと思ってあたふたしていた先で雪ノ下と視線が合ったのだが、奴はジトっとした目で俺を見つつポソリと言ったのだ。

「諦めなさい」

「マジか」

「ヒッキー、ヒッキィ……」

 俺は由比ヶ浜をぶら下げたままで立ち上がる。正直めちゃくちゃ恥ずかしかったのではあるが、とにかくみんなに無事な姿を見せることにしたわけだ。

「あーあ、制服に穴が空いちゃったねえ」

「まあ……仕方ないっすよ。」

 俺は穴の開いた制服のポケットに手を入れ、そのまま指を出してくいくい動かしてみたりした。いや、さすがにこれ完全に刺さっていたらどうなっていたのやら。

 俺は今更になって背筋が冷える思いだった。

「比企谷……本当にごめん。ぜんぶ僕がわるいんだ」

「ん?」

 そう言われて振り向いてみれば、そこにいるのは優木悠斗だ。さっきまで暴言を吐きまくって目を血走らせていたあの面影はまったくなく、ただ力なく項垂れていた。

「僕……僕は……」

「いや、まあ、あの、その、なんだ……とりあえずお前は何もやっていないしなにも言っていない。うん。」

「え?」

 俺の言葉に目を見開いた優木を見た後で、俺はその場の全員に向かって言った。

「それでいいよな?」

 すると、銘々頷きつつ口々に……

「確かに優木は何もやっていない。強いて言えば錯乱状態だったというくらいか?」

「そうだねぇ、優木君は何もやっていないでいいんじゃないかな? それよりも比企谷君の方が面白いことになってるし。いいの? 雪乃ちゃーん。このままじゃ比企谷君、由比ヶ浜ちゃんに取られちゃうよ?」

「取られちゃうってなんすか? お、俺は別にものじゃないですし……」

「ヒッキィ……ぐす……」

「別に構わないわ。そんなことよりも私は彼に教えられて目が覚めたわ。目の前の些細なことばかりにかかずらって、結局私は本当に大事なものを見ようとして来なかった。姉さん、私やりたいことがあるの!」

「ゆ、雪乃ちゃん? 雪乃ちゃんが何かに目覚めた!?」

「ま、まあみんなもこう言っていることだし、悠斗、もう大丈夫だから、何も心配しないでいいよ。もしもの時は俺がなんとかするから」

 うっわ葉山。お前この期に及んでまたそんな大言壮語を!! それで出来なかったらどうすんだよ、まったく。

 でもまあ流石だ、その場を収拾させちまうスキル。俺にも分けてくれよ、ってか、俺のこの抱っこちゃん人形状態をなんとか収拾してくれ! おいこらてめえ無視すんな!!

「み、みんな……ありがとう。本当にごめん」

 優木はそう言って泣き出してしまった。その肩を葉山が抱いているわけだが、ここに例の腐女子が居れば完全に鼻血スプラッシュだったな。鉄分採れよな、貧血になるから。

 こんな感じで事態は収束にむかうことになったのだった。

 場所を借りたドーナツショップの人たちには、先ほどまでの騒ぎは学校の舞台の練習の一環だったと適当に誤魔化して説明。はっきりいってナイフも出たし、刺さったし(マッカンに)、罵詈雑言の雨あられのせいで警察を呼ぶ一歩手前だったらしい。

 だが、そのすんでのところで止めることが出来たのでなんとか警察を呼ぶまでの騒ぎにはならなかった。ならなかったが、当然お店の人に滅茶苦茶怒られた。とくに先生が!

 まあ立場的に仕方ないが、今回一番割食ったの先生なんだよな、だってほとんど何もしていないのに、めちゃくちゃキツイこと言われまくる日だったんだから。

 そうして俺達は、さきほどみたあの透明な存在のことを口にしないままでその場を辞したのだ。

 これは後日談になるのだが、どうやらあの騒ぎの一部始終を見ていた店員の一人が、店の防犯カメラも確認してから俺達へとわざわざ教えにきてくれたのだ。

 それは、あの存在のこと。

 あれがナイフを振り回した光景は……ビデオには一切残っていなかった。

 残っていなかっただけでなく、あの場にいた店員もあの姿はみていないとのことだった。

 ただ……ナイフが……

 ひとりでに勝手に浮かんで、俺に刺さるように見えた……と。

 俺達は優木のためにも、アレを茶番だとして処理しようとしていたから当然それは何かの見間違いだと徹底して認めなかったのだが、確かにあれはあそこに存在していたのだ。

 そしてそいつが多分……

 優木を操っていた。

 そうとしか俺達には思えなかった。

 

 

 

 

「結局あれは何だったのかしら」

 奉仕部の部室で徐にそう雪ノ下に言われ、俺は視線を一度ちらりと向けただけで答えた。

「さあ……ただのお化け……にしちゃ色々怨念執念が凄まじかった……ような気がする。あれか? お前何か恨み買うようなことしたんじゃねえのか?」

「あら、なぜそれを私に言うのかしら? 寧ろ人に聞く前に自分の胸に手を当ててみてはどうかしら? 嫌われ者谷君?」

「パッシブで嫌われっぱなしになりそうな名前に勝手に改名しないでね」

 まあ、むしろ改名する以前にまったくその通りの状況ではあるのだが……辛い!

「あたしはヒッキーのこと嫌いになんかならないよ? はい、いろはちゃんの応援アカウントのアドレス、学校中のみんなに送ったからね」

「まじか‼ もう終わったのか?」

「本当なの? 由比ヶ浜さん?」

「へ? うん。だってみんなフェイスブックとかラインとかやってんじゃん。その辺上手く使えば簡単だよ。ほら後はヒッキー、いろはちゃんの公約のまとめの文章、早く頂戴。すぐ流してあげるから。あと、ゆきのんも応援演説の原稿早く書いちゃってね。トピックだけまとめてそれも載せちゃうから」

 そうスマホを操作しつつテキパキと指示出しをしてくる由比ヶ浜。こ、こいつこんなに使える奴だったのか……いや、こいつのコミュニケーション能力マジパナイ。ぱないわぁ、ないわぁあ。とか、戸部みたいになっちまった。てか、なんで今戸部!?

「凄いわね由比ヶ浜さん。これは私も負けてはいられないわね」

「おいおい、雪ノ下まで本気出すんじゃねえよ。こっちはまだ一色自筆の箇条書きの解読すら進んでないんだぞ」

 まったくあの一年坊主は訳の分からない公約をばんばん書きやがって。こんなに書いたって全部どうせ空中分解なるだけだろうが?

 というか余計な公約多すぎだ。

 地域コミュニケーションを図るイベントをたくさん開催しますとかな! これ完全に俺達手ごまに使う気まんまんじゃねえか。破って捨てちまうぞ!

 てへっ!

 脳裏にあの小悪魔めいた可愛い笑い顔が浮かんだのだが、一周まわって、鉄拳で可愛がってやろうかまで想像しそうになった。おっとアブナイアブナイ平塚節は、マジで訴えられそうだから慎重にしないとな。

 

 説明するまでもないことだが、俺達はあの後和解した。

 そして一色の選挙の件に関して三人で真剣に話し合い、満場一致で結論を導きだした。

 それは……

 一色、なめんじゃねえよ!! と。

 まあ、つまりあいつはポップでカルチャーでスポット的なお手軽な肩書だけは欲しい、けど面倒は嫌だとかそういうことを平然と言ってしまえる舐めた女子であるということが、多角的な情報から、いや、特に由比ヶ浜の情報網から集まり、結果、だったらいっそ一色を生徒会長にしてしまえと、そういうことになったのだ。

 愛嬌もあって見た目も可愛い一年の女子が頑張る姿って……たぶん滅茶苦茶みんながときめくよ! とか、そんなことを奉仕部として進言してみたら、一色のやつは、ですよねーとか言って簡単に受諾。こいつやっぱりチョロインだったよ。

 ということで、その交換条件として俺達奉仕部が彼女のサポートをすることになったのだ。

 公約の文章とホームページの作製は俺の担当、雪ノ下は応援演説などの草案の執筆で、由比ヶ浜は広報の仕事になったというわけ。

 で、今に至るのだ。

 おっと、もうひとつ重大な話があるのだが、それは……

「ヒッキー、ねえヒッキーてば」

「お、おお。な、なんだよ?」

 急に由比ヶ浜に顔を近づかされて俺もドギマギしてしまった。ええと? 今何を考えていたんだっけか? と、そんなボヤっとした頭で由比ヶ浜をもう一度見ると、彼女はすぐに口を開いた。

「だから、このまえのあのオバケのおじさんの正体……なんだったのかなって?」

「ああ、そのことか……」

 あの時あれは確かにあそこにいた。

 優木の前に突然現れた大柄な太めの中年男性の姿。その透明な身体の手にはアーミーナイフが握られたままで、あのナイフによって俺は刺殺されるところだったのだ。

 だが、直後奴はナイフを残して消え去った。

 そして優木が正気にもどって……

 ほんと……いったいなんだったんだ、あれは。

 だが俺はなんとなくその正体を理解したような気がしていた。

 いや科学的にとか、個人を特定できただとかそういうことではないんだ。

 俺が理解したのは、あの存在が誰よりも自分を見て欲しいという承認欲求の塊であったのだということ。そしてその想いがどれほど当人を苦しめるのか、そのことを俺は理解していたんだ。

 人間一人ではやはり生きてはいけない。

 どんなに周囲を拒絶したところで、この日本という社会そのものが消えてなくなるわけでもないんだ。

 誰かに見て貰いたい、受け入れてもらいたい、知って貰いたい、理解してもらいたい。

 そんな欲求は誰にでもある。当然俺にだって。

 いや、俺は人並み以上にその欲求が強かったのかもしれない。ただ、それを生かせるだけのスキルを持ち合わせていなかった。だからいつもから周りをして、結局そんな自分に絶望し続けていたんだ。

 あいつはひょっとしたら……

 認めてもらいたかっただけだったのかもしれないな。特にこの俺に……

 同じような苦しみを抱いていたのであろうこの俺に。

 だから化けて出て……

 いやいやいや、だからって化けて出ちゃだめだろう。せめて出る前に行動をリサーチしておけって話だ。迷惑かけんなよな、マジで。危うく俺死んじゃうとこだったんだから。

 はあ、マジでもうマッカンに足向けて寝れねえよ。今度箱買いしても絶対枕もとにおくことにしよう、そうしよう。え? そういうことじゃないって?

「ま、そんな話はどうでもいいだろう」

「ふーん」

 俺はその話を適当に切り上げて仕事へと戻った。

 とにかくあいつは消えたんだ。もう心配ないとは思う。だが……

 

「もういい時間ね、今日はそろそろ終わりにしましょう」

「だな」

「っあー、疲れた!! ねえねえ、ヒッキー今日もうちに来る?」

「うっ……え、えーと、ど、どうしようか……」

「送っていってあげなさいな。それがナイトの役目でしょ」

「う……うう……」

「やたっ! じゃあさ、夕飯も食べていってね。ママも男の子の子供が出来たみたいってヒッキーが来るの超楽しみにして待ってるからさ、えへへ」

「じゃ、じゃあお言葉にあまえて」

「うん」

 そう、こんな感じで俺はほぼ毎日由比ヶ浜を家に送っている。というかもはや完全にお付き合いしているのである。

 もう説明は不要だろう。

 あの事件の直後、俺が刺されてしまったことが本当にショックで、由比ヶ浜は俺から離れられなくなってしまった。そしてその日の夜中、由比ヶ浜は本当に怖かった、俺がいなくなってしまったかと思った、苦しかったと懇々と俺へと思いを訴え続け、そんな由比ヶ浜が本当に愛おしくなって大事すぎて、その雰囲気のままに俺は彼女に愛の告白をしてしまったのだ。

 しまった!! と後悔したが後の祭り。いくらいい雰囲気だからって、いくら由比ヶ浜が可愛すぎたからって、俺の告白が成功する訳がないと思えたのだ。ああ、これでこの関係も御仕舞か……そう思った直後、なんと由比ヶ浜も俺へと告白してきた。

 そしていい雰囲気のままに、なんとすぐにファーストちゅ、ちゅーまで……

 なんだったんだろうかあれは。もう意識がほとんどないままに、ふわふわ、もやもや、まるで夢を見ているような感覚のままで長いキスをして……

 長く感じたが実は一瞬のことだった……とか、そんな表現を普通はしようものだが、実際あれは長かった。だって計測していたからな。俺のファーストキスは12分30秒だった。いや長すぎたな。後半舌を入れてもいいかな? とか考えちゃったし、結局入れなかったけども。

 こうしてお付き合いを始めもう一週間。

 付き合い初めは雪ノ下も飽きれた顔をしていたが、今はもう慣れたもので俺へともっとしっかりしなさいと叱ってくれるまである。

 おまえは一体どこの母親だよ。

 だが、そんな雪ノ下は言うのだ。貴方にはもっと男らしくあって欲しいのだと、私の目標であるのだから……と。

 雪ノ下は俺に幻想を抱きすぎなのだ。

 俺はそんな高尚な人間ではないからな。

 だが、決してそういう立場を譲ろうとしない由比ヶ浜と雪ノ下に、俺も完全に諦めた。いや、その言い方はおかしいな。俺も覚悟を決めたのだ。

 俺は決して二人を裏切らないと。

 由比ヶ浜が俺を恋人として必要とするのなら、当然それに応えられるようになるし、雪ノ下が俺を目標にするのなら、あいつに決して負けない自分になって見せる。そうしなければ俺は彼女達を守ることなど出来ないのだから。

 新たな関係になった俺達……

 雨降って地固まるではないが、もうどんな雨でも負けないようになってやろう。

 二度とてめえの好き勝手にはさせねえからな。

 あの消えた存在に嫌悪しつつも、そんな決心を俺は確かにした。

「さて、では帰るとしましょう」

 雪ノ下のその言葉を合図に俺達は奉仕部を出る。

 誰かに見つめられているような……そんな思い込みを胸に抱きながら……

 




【後書のようなもの】
 これでおしまい。
 この作品は今のpixivの現状を見ていたら居てもたってもいられなくなって思わず書いてしまいました。 
 ポイントは二つ。
 基本のストーリーは原作小説からの引用を多用することで俺ガイルの雰囲気の固定化に努めたことが一点目と、オリキャラ視点での彼の独白に詰め込めるだけ今のHACHIMAN信者の気持ちと実態を詰め込んだってところ。
 ですから原作を一度でも読んだことがある日とでしたら一話目から、『ああこれは相当な皮肉だな』と思えるはずなんですけども、どうやらこれを読まれた方の多くはそれに気づけなかったようで……
 残念でした。
 ともあれ、最後まで読んでくださって本当にありがとう。
 最後はHAHIMANに対してのアンチ・ヘイトで終わりだったけど、彼らっていつも言ってるじゃない。二次なんだから好きに書かせろって。まあそういうことです。
 一つ言いたいのは、今の二次小説書きさん達はみんな勘違いしているようですけど、二次小説ってグレーじゃなくて、真っ黒黒な完全違法行為ですからね、そこは忘れない方が良いと思いますよ。
 例えば『ブラックジャックによろしく』とか『恋姫』とかのような原作が二次創作を許可していれば問題はまったくないけどそうでない作品の場合、その全ての著作権は原作者にあるのですから。
 それを侵害されたと本来訴えることは可能ですが、世の中に二次作品があまりに多くその全ての侵害の度合いを裁判で図ることが困難なため、『あえて見て見ぬふりをしてもらっている』。そういうことです。
 ですからそのことを踏まえて執筆した方が良いということは言うまでもないかな。
 原作を貶めるようなことをして、結果誰も二次小説を書けなくなってもいやじゃない? どんなに自分で考えたのだもの!! って言ってもあくまで原作者は別なんだもの。貴方の作品じゃないからね?
 そんなに自分の好きに書きたいなら、多くの人の様に一次作品を書きなさいよ。そうすれば書籍化したり、アニメ化したりして印税もがっぽがっぽ貰えるかもよ? 
 なんて、他人の作品で好き勝手している人にアイデア出してみたり。
 言いたいことはこれだけです。二次はやっぱり原作ありき、だから節度を持って書いたり読んだりしましょうね。
 と、この話をみんなが理解してくれると嬉しいのだけどなぁ。
 まあ、そういうことです。
 本当にありがとうでした。ばいばい。
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