とあるHACHIMANがあの世界に行った   作:はチまン

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バッドエンド。からの……

 くそっ! 

 話の流れからして、これは葉山隼人がここに来ちゃう展開じゃねえかよ!

 よりによってなんで悪の総本山の葉山に今会わなきゃならないんだよ。こんなの納得できない。

 あいつは裏で画策しまくって八幡を貶めまくっているんだぞ? 頭のいい陽乃さんなら気が付いて居そうなものなのに、こうやって八幡ゲットにむけて動いている最中だっていうのに、呼んでしまうなんて……

 ほら、八幡だって滅茶苦茶嫌そうじゃねえか、なにか必死に小声で陽乃さんに訴えているけど、多分ここに葉山を呼ぶなと説得しようとしているってことだろう。

 それにしてもだ。

 この今の待ち時間という奴は本当にきつい。

 何しろ俺の隣には顔真っ赤な仲町千佳。そして対面には折本かおりがいて、なにやら二人でいろいろお喋りをしつつたまに俺にも振ってくる感じだ。もとより俺だって社交辞令くらいのスキルはあるからな、適当に相槌をいれたり、適当なことを話したりしてあしらってはいるが、なんにしても場がもたねえ。

 良くもまあリア充とか呼ばれている連中はずっと話していられるよ。

 俺だってネットの掲示板だったら誰よりも速く返事しまくれるのだけどな、ヲチスレならガンガンヘイトしまくって下げまくって、相手の苦情を遥か彼方へ消しさる技術はあるのだが。今は使えないスキルだった。

 ま、まあ、隣に女の子がいて、恥ずかしそうに俺を見つめてくるのはなんだかむず痒いというか気持ち良いというかで、ネットの殺伐とした殺し合いよりずっと良いようにも感じるが……むは。

 そうこうしているうちに時間が経過して、周囲を見れば俺達の他には誰もいなくなっていた。

 ん? まだそんなに遅い時間じゃないはずなんだけど、なんだ?

 そう思った時だった。

 

 ガ――……

 

 自動ドアが開いてそっちをみれば、そこに立っていたのは葉山……と由比ヶ浜、雪ノ下、それに平塚の4人? 

 はぁ? いったいなんだこりゃ? どうしてここにくそガハマたちと平塚までが……

 はっ!?

 咄嗟に脳裏に嫌な予感が過ぎって陽乃さんをと見れば、彼女は本当におかしそうに笑っていた。 

 そして言った。

「さあ、君の大嫌いな人たちを全員集めてあげたよ、優木くん」

 そう言いつつ立ち上がると同時に、俺の傍にいた折本と仲町さんの手をひいて遠ざけた。

「え? え? どういうことですか?」

 まったく理解できないと言った具合に周りを見渡して右往左往する仲町さんに陽乃さんが言った。

「せっかく楽しみにしてくれてたのに本当にごめんね。この埋め合わせはきっとするから、この比企谷くんが」

「いや、なんでそこで俺の名前を出すんですか」

「いいからいいから、えっと、説明する時間はあまりないから、君たちはすぐに帰って。ここにいない方がいいから。わかった?」

「え? は、はい。行こ、千佳。あ、比企谷、バイバイまたね」

「お、おお……」

 そう言って手を振った折本が仲町さんの手をひいて店をあとにした。

 残されたのは当然俺と八幡、それに陽乃、葉山、ガハマ、雪ノ下、平塚の7人。まるで俺を取り押さえようとでもしているかのように取り囲んでいた。いや、これはまじで捕まえようとしているのか?

 周囲を改めて見て見れば他の客は遠巻きにこちらを覗っている感じで、店員も見てはいるが、口を挟もうとはしていない様子。

 そうしている俺にむかって雪ノ下陽乃が言った。

「さっき店員さんたちに、すこし奥の方で話し合いをするからって断わってあるの。君があまりにも『不気味』だったからね。さあ、君の『本性』を教えてよ?」

 こ、こいついったい何を言っているんだ? 

 ぶ、不気味? この俺が不気味だって? なんなんだいったい。どうしてだよ、さっきまではあんなに上手く行ってたじゃねえか。なんでこんな展開になるんだよ……

 その場で口を開いたのは平塚だった。

「優木……お前が由比ヶ浜にタックルしたことはもうわかっているんだ。なあ優木、いったいなんでそんなことをした? それにどうして比企谷のことにそこまで拘る? いったいお前と比企谷の間に何があるんだ? 何か思うことがあるのなら聞かせてくれ」

 何がって……なんでそんなことをいちいちてめえに言わなきゃいけねえんだよ。

 というか何か? 言いつけたのはガハマてめえか? お前気が付いてなかったんじゃねえのかよ、知ってて俺に向かって微笑んだのか? ああん!? じゃあなにか? てめえは俺の前で演技していたってのか、このクソ女!! 俺を騙していたっていうのかよ、このくそがっ! だからてめえは人の気持ちがわからねって言ってんだよ。

 イライラがすでにピークを超越していたが、とにかく俺は自分の置かれた状況の把握に努めていた。だが、出てくる考えは『裏切られた』という絶望のみ。

 こいつら俺を罠に嵌めやがって……そのことばかりが頭の中をぐるぐる回って、まったく思考がまとまらなかった。

 そんな中で再び平塚の声が。

「私は、比企谷たちから相談を受けていたのだ。『修学旅行中に由比ヶ浜が誰かに襲われた』とな。その襲った人間は彼女のことを『ガハマ』と呼んだというから、私は最初に陽乃を思い出した。陽乃は由比ヶ浜のことをそう呼んでいたからな。だが、今は君が気になっている。さきほども奉仕部の部室まで来て、私が比企谷に行った暴力の話を持ち出していたし、由比ヶ浜が暴行をうける直前にも君が近くにいたらしいと聞いたからな。だからもし何かあれば連絡するようにと、比企谷と、それに陽乃にも報せて置いたのだ。そして今に至るわけだが……」

「はいはいーい。なら続きはお姉さんが少し補足しちゃうぞ。静ちゃんからそんな連絡があったから当然私は比企谷君を探すじゃない? 丁度千葉に来るって話だったしぃ。そしたら、まさに比企谷君をストーキングしている男の子を見つけたってわけ。で、さっきこのお店に入ろうとしていたから、ならさっさと詳細を聞いてしまおうと思って声をかけたわけよ。うん、君は本当に比企谷君が大好きなんだね。でもストーカーはダメだよ」

 そんなことを陽乃は平然と言ったのだ。

 は? 相談を受けただ?

 は? 暴力だ? ストーキングだ?

 いったいこいつらは何を言ってやがるんだ? この俺を取り囲んで……

 そもそも俺は八幡をくそな展開から救い出そうとしていただけで何も悪いことなんかしてはいない。

 そう考えていた時だった。今まで黙っていた残りの四人が口を開いた。

「優木君ごめんね? あたし何か嫌なこときっとしちゃったんだと思う。でもお願いだからもうやめて、ね?」

 ガハマ……

「悠斗……いったい何があったんだよ。俺で良ければ相談に乗るからなんでも言ってくれ。問題はきっと解決できるから」

 葉山……

「貴方の抱えている問題がなんなのかは分からないのだけれど、少なくとも暴力に訴えるやり方を容認することだけは出来ないわ。これが奉仕部への依頼というなら私達が必ず力になると約束します」

 雪ノ下……

「あー、わりぃ。多分原因は全部俺っぽいよな。お前にどこで何をしちまったのか本当に覚えていないんだが、ムカついてるのは十分理解している。だから何かするなら俺にしろ……でもなるべく痛くしないでね」

 ひ、比企谷……

 連中はそう言いつつ俺へと柔らかい表情を向けて来ていた。

 やめろよ、なんだよその顔は!

 やめろよ、余裕ぶっこいた顔してんじゃねえよ!

 なんだよ大勢で集まったからって寄ってたかって弱い者虐めかよ? 数の論理かよ? 数で集まれば偉いとでもいいたいのか? そんなにして俺を排除したいのか? そんなに俺が嫌いなのか? こんなの間違っている。いくら自分たちが正しいと思っていたとしても、それでその人を追い出していいなんてことにはならない。そもそも俺は間違っていはいない。だって##さんの話みたいに、雪ノ下とガハマと葉山は首を吊って自殺して丁度いいくらいなんだ! あの小説が出たときに、ガハマ厨、葉山厨どもは一斉に##さんにやりすぎだとか、頭おかしいとかほざきやがって、結局渋から##さんは追い出されてしまったが、そもそもそれくらいの悪事をこいつらはしたじゃねえかよ、バーカ。八幡がどれだけ酷い目にあったかきちんと読んでねえくせに、自分の感情で言いたいこと言いまくってんじゃねえよ、ばーか! まじでふざけんなよ! いったい俺が誰の為にこんなに心を折っているとおもってんだよ! そもそも俺は八幡の為に……

 そう思った時、俺の怒りはマックスに達した。

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