全ての始まり
12月2日。
冬の時期真っ只中。
外に出るとちらほらカップルがいる。爆発しろ。
現在時刻、11時37分。午後の。
艦武守大学。僕の行ってる大学の略称だ。ちなみに、医学部で、5年だ。
や、まあ、留年中なんだが。
録に単位をとれず、数人の前で留年と言う名の公開処刑を食らう事となった僕は、夜の”艦市”を全力疾走していた。
奴から逃げる為に。
何があったか?まあ待ってくれ、ちょっと思い出す。と言うわけで、
回想。
「ダルい」
「何言ってんすか先輩」
今日の全講義が終わったので、僕の後輩の堂島と大学の門へと足を運ぶ。
「だってさあ、お前分かるか?留年キツいぞー?」
「あんたが悪いでしょうが」
「ひどすぎだろ!」
「今年も単位落としたら神裂先輩は先輩じゃ無くなりますね」ハハハ
「アイアンクローすんぞコラ」ワキワキ
「すんません」
僕がアイアンクローの体制をとると、堂島が焦った様に謝る。
そんなに痛いかこれ。
「にしても、先輩相変わらず髪長いっすねー」
「ん、そうか?」
「ええ、腰辺りまで先輩の黒髪が伸びてますよ」
「そうか」
気付かなかったが、そんなに長いのか。
「だってそれのせいで先輩、髪下ろしてた時に男に告白されましたよね?」
「やめてくれ、あれは僕の中でもトップクラスにトラウマなんだ」
そう、同年代の男に、僕は告白された。
僕が気まぐれで髪を下ろしてた日に、告白された。
一応誤解は解いたが、何か可哀想だな、と思った。
おいそこ、僕はホモじゃないぞ。
「それじゃ先輩、僕はここで」
「お、もう着いてたか」
どうやら堂島と喋ってる間に着いていたみたいだった。
「じゃあなー後輩ー」フリフリ
「お疲れ様でしたー先輩ー」フリフリ
「...さて、どうするか」
堂島が人混みに消えるのを見て、僕はそう呟いた。腕時計を確認。現在時刻、....ぶっ壊れてる、安物は壊れやすいなあ
「まあ大体...4時くらいか」
取り敢えずやること無いのでそこら辺をぶらぶら歩く。
「......」
なんとなく河川敷のベンチに座り込む。
艦市。ある日突然現れた”深海棲艦”と言う奴らを唯一倒せる”艦娘”と言う少女達が住む街だ。
言ってしまえばただの人口都市なのだが。
そこにある、大学に通ってる僕。留年者。
「...惨めだなぁ」
自分の言った一言で泣きそうになる。
生まれてこの方女性とは全く縁がないし、過去にとても良い成績を残した訳でも無い。そう、全く。
まあなぜこの時僕がこう呟いたかはまた後々としよう。
僕が艦市に来た理由は、取り敢えず今の場所から離れたかったから。だ。
「くだらないな...」
結局僕が今やってることはただの自堕落だ。
「当たり前です」
「うおっ!?...って何だ、お前か」
不意にかけられた声にビクッとする。
「貴方が惨めなのは元からです」
「ひどい!僕は今心にダメージを受けたぞ!」
今、僕の肩に乗っている小さい生物。これを、妖精と言うらしい。
気付いたら居た。
「僕はこれでも頑張ってるんだぞ!」
「へーそーですか、留年してて頑張っているんですか」
「くっ...」
「ほら見たことか」
くそっ、辛辣な上に酷い!
「くっ、お前今日オヤツ抜きだからな」
「そんな殺生な」ヨヨヨ
ヨヨヨじゃない!
「あーもう...(コツッ)ん?」
何かが足に当たった。
「...石?」
石が、僕の足に当たる。
「何なんだよ一体...」ブンッ
石を投げる。
「ちょっ!?アンタ何いきなりこっちに石投げてくんのよ!?」
すると、石が当たったのか、少女がこっちを見てくる。
「...あーもうっ!...」ザッザッ
少女がこちらに近付いてくる。
「...ちょっとお兄さん」
「...それは僕に言っているのか」
「貴方以外誰がいんのよ」
「それもそうだな」
「アンタねえ!何で女の子に石投げてくんのよ!?常識を知らないの!?」
「...は?」
「は?じゃ無いわよ!」
少女が自分の前に立ち、僕を睨んでいる。何故見ず知らずの男に突っかかる?
「めんどくさい、帰る」
「ちょっ、待ちなさい!」
「何だよ、僕は今忙しいんだ、帰らせてくれ。」
「アンタねぇ...!」
「...悪かったよ、ごめん状況良く見ずに投げた僕も悪かった。じゃあな」
踵を返し、スタスタと帰路に着く僕。
少女には悪い事をしてしまった。
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「......」
疲れた。
何も考えず、フラフラと歩いていたら。
「...取り敢えず、買い出しして帰るか...ありゃ、7時かよ、そんなに歩いたのか...まあいいや、買い出し行こう」
「そうしましょうか」
今まで空気だった妖精がひょっこり僕の服から出てくる。
「じゃ、レトルトで」
「またですか」
「学生の懐事情を甘く見るなよ、妖精」
「悪い意味でね」
数時間後
「よっしゃ、こんくらいだな」
現在時刻は11時27分。実は買い出しの後、少しブラブラして、ゲーセンでちょっと遊んでいた。
「パクパク」←アイス買って貰った
「さーて帰るか」ウィーン
「やーもうすっかり冬だなあー寒い寒い」スタスタ
「......」
「早く家帰って暖まりたい」スタスタ
「......」
「...どうしたんだ?妖精」
「!伏せるです、神裂!」
「は?」
ズドオオオオオン!!
僕のすぐ近く、2cm程近くに、爆発が起きる。いや、爆発の原因の物が飛んできた。
「...へ?」
「逃げるです!」
夜の闇の向こうから、肌が白く、両の腕に黒い何かを着けた、黒髪の短髪の女が出てきた。
「なん、だ、あれ...」
ドオン!
「うわっ!?」
「早く!」
「ひいっ!」
ドオン!ドオン!ドオン!
爆発が次々と僕の近くで起こる。
「あ...ああ...」アトズサリ
「走って!」
「う、うわあああああああああああああああああっ!!?」ダッダッダッ
回想終了。
怖い、怖い、怖い。
死にたくない、死にたくない、死にたくない。
「ハアッ、ハアッ、うわあああっ!」タッタッ
ズドオン!
「ひっ、ああああああああああああっ!!」
殺される。ころされる。コロサレル。
「嫌だっ!...死にたくないっ!...誰か!助けてくれえっ!」タッタッ
「クソッ...死んでたまるか!」カランッ
僕は転がってた鉄パイプを拾い、それを化物に近付いて、殴った。
「っ!?効いてない?!」
ドンッ!
「なっ」
僕は、化物に蹴られ、壁に激突した。背中から。
「がはあっ!」
吐血。
腹の辺りが生暖かい。多分、蹴られた時に貫通でもしたのだろうか、妙にお腹辺りが涼しい。
「あ...ぐ....」
「........」
「気をしっかり!逃げて神裂!」
妖精が叫ぶ。しかし着々と死は目の前まで迫っていた。
(死ぬ...死ぬのか...嫌だ...死にたく...ない...)
しかし、現実は非情だ。僕の眉間に銃口の様なものが突き付けられる。
(ちくしょう...)
僕が諦めた、その時だった。
__あの少女の、少女の声が聞こえたのは。
「夜の駆逐艦なめんなッ!」ドオンッ
「不知火を怒らせたわね...沈みなさい!」ドオンッ
「被害者発見!お兄はん大丈夫か!?」
オレンジ髪と、ピンク髪と、黒髪の少女達が来た。あの髪の色...あの少女が居る。
「黒潮!その人を連れて逃げなさい!」
「姉さん達は!?」
「たかがリ級一隻に負ける訳無いでしょうが!」ドオンッ
(リ級ってなんだ...駄目だ、よく聞こえない...何も見えない...)
「ピクッ」
「!お兄はん、大丈夫か!?うちの事分かるか!?」
「......?」パクパク
聞き覚えの無い声。誰だ、お前は。
「良かった、意識は大丈夫やな、ちょっと掴まっててや!」
「え..」
ビュオン!
徐々に視界が開けて行く。最初に見えたのは...空中だった。
飛んだ。
飛んでいる、いや、跳んでいる。
黒潮が地面を蹴り、家の屋根に次々と跳び移って行く。
ああ、父さん、母さん、今息子は女の子にお姫様抱っこされながら跳んでいます。いかがお過ごしでしょうか。
「ぎゃあああああああああっ!?」ブツッ
「ちょ、お兄はん五月蝿い!」
黒潮の声を最後に、僕は気を失った。
「ん?ちょ、お兄はん!?お兄はーん!」
駄文を書く天才の俺氏。
なるべく失踪しない様にします!