前回のあらすじ。
黒潮「ち、違うんや!」
陽炎「何が違うのか私には理解に苦しむわねぇ...」ペチペチ
このssは他のssの設定をお借りしています。
ー神裂家ー
ピヨピヨ
「……」
朝。
あ、ヤバイ行かなきゃ、と思ったが、確か行かなくて良いんだった。久しぶりに暇だ。
「…妖精」
は、居た。隣でグーグー寝息立ててやがった。
「今日どうするかな…」
取り敢えず郵便受けを見に行こう。何か入ってるかな。
「…ん、スポーツセンターか…ジム的な事もやってるっぽいな」
決めた。
「今日はここ行ってみよう」
「アイツ起こすか…」
踵を返し、アパートの方へ向かう。
「あ、おはよう。蓮くん」
「あ、大家さん」
「…また一人居なくなりましたか」
大家さんが元気無さそうな顔をしている。一応聞いてみよう。
「そうなのよ、3号室の岡田さん、昨夜夜逃げしたらしいの」
「またですか」
またか。最近このアパートでの夜逃げが多発している。ちょうどいい家賃だと思うのだが。僕の懐にも優しい。
「ほんと、ちゃんと払ってくれるの蓮くんくらいだから、いつもありがとうねー」
「いえ、お礼を言われる程じゃありませんよ、では」
「またねー」
ガチャリ。
現在時刻を確認。6時47分。取り敢えずパパっと朝食を作ってしまおう。
「おーい起きろー妖精ー」
「…なんですー?」
「朝御飯だ」
「おや、もうそんな時間ですか」
「そうだよ、ほら、起きろ」
「出来たら教えて下さいー」
「駄目だ」
「ちぇっ」
当たり前だろう。朝早く起きるのは当然だ。多分アイツらも、この時間には起きているだろう...
ー陽炎邸ー
「んもー起きろやー姉さんー」
「あと、あと30分寝かせてー」ゴロン
「そうですよ、陽炎姉さん。早起きは三文の徳と言うじゃないですか」
「萩風が健康的過ぎんのよー!」
「陽炎、3秒数えるのでそれまでn」
「!あーもうわかったわよ!起きる起きる!」
「それで良いのです。寝癖立ってますよ、陽炎」
(不知火...)
(姉さん...)
「眠いー!」
ー神裂家ー
...多分だが。
「今日はなんですか?」
「ん、ピザトースト」
朝は大体こんくらいが十分だ。
「やったぜ。」
「何言ってんだ」
30分後
「おし、じゃあ僕はちょっとスポーツセンター行って来る」
「お、身体鍛えるですか?」
「まあ、そうだな」
いやまあ、暇なだけでもあるのだが。
「行って来まーす」
そう言って僕は、黒のスニーカーを履いて家を出た。
ー道中ー
「…ん?」
スマホで道を確認中、何やら影が出来たので、顔を上げると、僕の目に、何か…でかい豪邸があった。
「はは、まさかな…」
一瞬アイツらの事が頭に浮かんだ。
「うん…気のせい気のせい…」
ー陽炎邸ー
「へえっくしょん!」
「どうした?姉さん?」
「んー、いや、大丈夫よ、嵐」
「そうか?風邪なんじゃねえか?」
「うーん…そんな事は無いと思うけど...」
ースポーツセンターー
「ゼエゼエ...ハアー!」
「つ、疲れた...」
道中、なんと犬に絡まれた。で、逃げてきた。情けないと言われても言い返せない今日この頃である。
「取り敢えずえーっと...ジムの方は3階か、疲れたからエレベーターを使おう」
ウィーン
「!」
「!!」
「ドアガシマリマス」ウィーン
「...えっと...誰だっけ」
「不知火です」
エレベーターから出てきたのは不知火だった。灰色のパーカーにスポーツタイツ...だっけか?スパッツ的な奴を履いていて、両手をパーカーのポケットに突っ込んでいる。
「.......」
「どうしたのですか、人の事をジロジロ見て」
「いや、何か新鮮だなぁって」
「そうですか」
取っ付きにくい感じがある、不知火。何か怖いなあ。
「昨日は良く眠れましたか?」
「ああ...ちょっと記憶が無いが、まあ、うん」
「なら良いです」
暫くの沈黙。
「で、貴方は何をしに来たのですか」
「いやなに、昨日あんな化物に会ったじゃないか、それでさ、少し体鍛えた方が良いかと思ったんだ。だから来たんだ」
今後あんなのに会わないとは限らない__僕の直感がそう言っていた。だから一応、鍛えておいた方が良いと思ったのだ。
「そうですか...ちょっと着いてきて下さい」
「あ、ああ」
「こっちです、来てください」
「は、はい」
不知火が受付の人に何か話している。暫くすると、「不知火さま、どうぞ、此方へ」と受付の人が言っていた。...突っ込まないでおこう。
「着いてきて下さい」
「おう」
何か受付の人が怪訝な目でこっちを見ている。一体何なんだ。
「早く来て下さい」
「あ、ああ。すまんすまん」
この後、僕は不知火に着いて行き、まあ色々な事をした。ランニングマシーンやら、ロッククライミングやら。
「ハア...ハア...」
疲れた。
「外に行きたい場所はありますか?」
僕はもうぶっ倒れそうなのに、不知火は全く息が上がっていない。しかも表情一つ崩さない。心臓に剛毛でも生えてんじゃないのかこの子。
「あとは...そうだな、プールって使えるか?」
「プールですか...」
不知火の眉がピクリと動く。僕はそれを見逃さなかった。ここでさっきの仕返し!
「もしかして、泳げないのか?」ニヤニヤ
「!...よく分かりましたね、ええ、不知火は泳げません」
ヤバい。聞いちゃいけなかったか。
「...不知火に何か落ち度でも?」←戦艦クラスの眼光
「無いよ、良かったら教えようか?」
大有りだ!と言ったら頭を踏み砕かれそうなので自重。
「宜しいのですか」
「ああ、これでも高校ではトップ7だったんだぞ?」
凄い微妙だけどな!
「わかりました、水着はありますか?」
「いや、持って来てるから大丈夫だよ」
「わかりました、では行きましょう。こっちです」グイッ
不知火は僕の手を握って引っ張った。気にならないのかな?多分外見とか容姿で見ると中学生位だと思うんだが。思春期真っ只中の筈だ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーー
ーーーーーーー
プールを使い終わり、スポーツセンターから出て、外で休憩中。
「あー!疲れたぁー!」
「五月蝿いです」
「すんません」
沈黙。
「...一つ、聞いても宜しいでしょうか」
「?別に良いが」
「...貴方は、何故この街に来たのですか」
「......」
それを聞いて来るか。
仕方ない、僕の過去の話と洒落こもうか。
「...あー僕の住んでるアパートあるだろ?」
頭をボリボリと掻きながら口を開く。
「はい」
「あそことは別に、本土の方に実家があるんだよ」
そう、この艦市は、日本本土とは離れた位置にあるのだ。何処にあるかは...家に帰ったら地図確認しよう。
「はい」
「あーそこに僕の家族が住んでてさ、いや、正確には”住んでいた”だな」
「......」
不知火が黙る。多分僕の言葉で察したのだろう。察しの良い奴は好きだよ。
「...15年前、僕が9歳位の頃あった事件、お前も覚えてるだろ」
「...日本本土の深海棲艦による大空襲」
不知火がギリッと歯噛みし、答える。
「そう、それで全員死んだ。僕以外、地域の人も、全員。お前らの言う深海棲艦ってのは何なのか知らないけどな」
15年前の未確認生物達による大空襲。あの時に、初めて化物の存在が確認された。未知の生物への対抗手段など無かった日本は、そのまま本土に甚大な被害を受けた。犠牲者はおよそ2万3000人。日本から結構人が減っていた。その時はだが。で、僕の家族もその被害者だった。
全員死んだ。僕以外。その時僕は艦娘に助けられていた。そう、この時に、新たに艦娘という生物の存在も確認された。謎の化物達により絶望的状況にあった日本、いや、世界に艦娘達は手を差し伸べた。人類は艦娘達を希望の象徴とした。僕も艦娘に感謝している。命を助けて貰ったんだ。当たり前だろう。
ま、つまりは僕の家族は化物達によって殺されてしまい、僕一人となったところを艦娘に助けられ、その艦娘に進められ、この本土から離れた艦市に来たのだ。一刻も早くトラウマがある本土には居たく無かったから。それが理由だった。
「僕は艦娘に命を助けられて、この事件がトラウマになって、逃げて来た。それが理由だ」
「.........」
「だけどまあ」
「?」
「ここに逃げて来て、正解だった」
「...は?」
不知火が驚いたような、落胆しているような、そんな顔をしていた。
「だって、ここに来たお陰で、面白い事が沢山あったから」
「...ッ」
目を見開き、こっちを見ている。何か怖いなおい。
「ここに来るまではさ、すっげえ糞見たいに生きてたんだ。それを、ここに来たことでやっと変わり始めてる。僕の中の真っ黒な絵を、この街が色んな色で塗り潰してくれてる。今日、不知火。お前が、僕の中の黒い絵をお前の色で塗ってくれた。今はまだ少し黒いいままだけど、ちょっとずつ、この街が僕の色を変えてくれてる。って、これは僕の妄想みたいなもん何だけどさ」ハハハ
不知火は、こちらを見つめている。
「だからさ、何か、昨日知り合ったばっか何だけどさ、ありがとな、不知火」
「...貴方は」
「?」
「貴方は悔しくないのですか!深海棲艦に家族を殺されて、全てを奪われて!悲しく無いのですか!」
「悔しく無いわけ無いだろ、悲しく無いわけ無いだろ」
「なら何故!」
「不知火」
「後ろばっか見てても何も見えないぞ」
「確かに、僕も親を、妹を殺されて悔しいさ、悲しいさ。でも、そればっか見て、悲しい、悔しい、奴等を許さない!何て言ってても、先には進まないんだよ」
「今この瞬間でも、僕は幾らでも悲しむ事が出来るし、幾らでも悔やむ事も出来る。流石に化物は倒せないけどさ」ハハ
「........」
「大事なのは、何時までも過去を見ているより、今を見て、前に進む事なんだ」
って、何か説教見たいになってしまった。
「あー何か説教見たいになっちまったなー」
「........」
「ちょ、何か言えよ!何か僕が変なこと言ったみたいじゃないか!」
「....ぷっ」
「ぷ?」
「ぷっ...くふっ...あはははは!」ケラケラ
「笑うとこじゃないぞー」(´^` )
いきなり失礼過ぎないか?いやまあ、クサい事言った僕も僕なんだが。
「いえ、すいません...ふふっ...馬鹿だなと思いまして...ぷふっ」ケラケラ
「ちくしょう!僕的には結構良いこと言ったと思ったのに!」
「はははっ...いえ、やはり貴方は面白い人です」
「酷い!」
「ふふっ、いえ...ごめんなさい....はははは!」ケラケラ
「こんにゃろう!....ふは、あははは!」
不知火とのやり取りをしている内に、僕まで笑ってしまった。
で、そんなこんなして、面白くなって不知火をくすぐったら、鳩尾にグーパン貰った。不知火め。
んで、帰る時に、不知火に名前を聞かれたので答えた。
「では神裂さん、また」
「おう、じゃあなー」テヲフリ
...さて、現在時刻AM11:00
何か買って帰るか。
んまあ、ちょっと長め。
語彙力皆無の文を見てくださって有難うございます。