パワプロクンポケット10〜世界の破壊者の奇跡 作:カーナビレッスン
崖から落ちてディケイドになった後に海に落ちた。
ま、そのおかげでほとんどダメージはないが問題は五十鈴が海から出たらその場にいたことだ。
五十鈴『ま、また…おもちゃかコスプレを?だ、だからこういうのは見つからないようにしないといけないぞ…』
士『そうだな、俺は結構好きだからやってるぞ、名前だってそうだろ?俺の親父がプロデューサーと知り合いでな、名前を一緒にしてもらったんだ。結構好きなものがあると楽しいぞ…』
五十鈴『そうか…父親との大切な思い出か…』
士『仮面ライダーと野球、その二つは俺にとって重要な役割を占めてる。だって…俺の父さんと母さんが出会ったのも仮面ライダー趣味が合ったかららしいんだ。
そして、野球。昔から家族みんなで外に出ては遊んでいて…その時にキャッチボールをしたり…野球観戦に行ったりと…家族の思い出が詰まっているんだ。今でも、話しはその二つばかりだけどね。』
五十鈴『…羨ましいな、お前は…家族みんなとの大切な記憶や思い出があるんだろ。私には母がいない。私が産まれてすぐに死んだのだ。
そして、父親もシングルファザーとして薬剤師として仕事熱心だったため…私はずっと一人だった。
でも、父親がある時、一回だけレンタルビデオ屋に連れて行ってくれた。
初めて連れて行ってもらった時に父親と共に初めて借りて見た映画…それがウルトラマン物語だったんだ。』
士『う、うーん…荷田君は知ってるかもしれないけど俺はちょっと…』
五十鈴『まあ知らなくて当然だ。私は女の子だったので魔法者とかはよく見ていたが…一人で家で見たのでストーリーも曖昧にしか覚えていない。
それに寂しかった…みんなで楽しむ彼女たちを見ていると…
でも、忙しい父親と一緒に見たウルトラマン物語…あの話はとてもよかった。
ウルトラマンタロウという若き少年が父親と母親とペットともに成長して、最後には凄い敵を倒す話は…父と見て…嬉しかった。』
士『そうなんだ、五十鈴さんはお父さんが大好きなのか?』
五十鈴『ああ、その後も父親とは一ヶ月に一度帰ってきて、ウルトラマンを見た。
昭和ウルトラマンシリーズのDVDは父は全部あったウルトラマン物語だけはなかったからレンタルビデオ屋に借りにいったがな。
昭和のウルトラマンしか見なかったし、そんなに時間もなかった。
でも、その時間だけは父親と私が一緒にいられる時…その時だけは本当に楽しみだった。
怪獣が怖くてよく父に泣きついたりしていたがその度に泣き止ませてくれたり、甘えさせてくれて嬉しかった。
仮面ライダー革命が起きた後でも、私は父親とウルトラマンを見たよ。
本当に面白くてファンになったよ、ウルトラマンでは家族の話が多くてな…ウルトラの父やウルトラの母…家族の温もりが感じられたよ。』
士『そ、そうなんだ…俺は昭和ウルトラマンはさっぱりなんだよね。』
五十鈴『だが、私が高校受験をしようとした時に父親は病気を患った。もう助からない不死の病だったらしい…
私は父親の側に少しでもいたかった。
そして、私は病院で父親とともに残っていたウルトラマン80を見ることにした。
これがラストかもしれない…ウルトラマンを見終わったら父親は死ぬかもしれない。
でも、しっかりと向き合っていたかった。
そして父は…ウルトラマン80の49話のEDを見た後に父の容態は急変した。
いや、限界ギリギリだったにも関わらず…死に物狂いで49話を見終わったのだ。
必死の努力もあったが…もう駄目だったらしい。
私はウルトラマンの80のDVDケースに入っていた父親の遺書を見せた。
『ずっと一人にさせてごめんな…母さんが死んだ時に父さん死のうと思った。
でも、お前が…お前がいたから俺は今まで頑張ってこれた。
俺は子どもとの…女の子との関わり方なんてよくわからない駄目親父だった。
仕事も忙しく、お前に構う時間すらほとんどなかった。
結局、私は自分の趣味だったウルトラマンを一緒に見ることくらいしか関われなかった。
たまには外に出てあげたかったが…帰るのは夜、休日にたまに遊びに行ったのもそんなに多くない。
ほとんど週7みたいな所だったからな。
ごめんな…本当に淋しい思いをさせてごめんな。
でも、お前と見るウルトラマン…中々楽しめたよ。
一人で見るより、大事な家族と見ると素敵だな。
母さんとの初デートの時にウルトラマンの特製Tシャツを着ていたくらい好きだったんだ。からかわれたよ。
そして、父親となりウルトラ兄弟の大切さが家族の大事さが胸に染み渡ったよ。
最後まで見れないかもしれない…でも、最後は…ウルトラマン80の50話は一人で見てほしい。それまではなんとしても一緒に見る。
多分、お前に大事なことがえがかれているから、五十鈴…俺の気持ちはその話しにある。』
私は父親の遺書通りにウルトラマン80の最終回、50話を見た。
それはなんとウルトラマンが一切出ない話だった。
防衛隊の隊長が気づいたのでだ!ウルトラマン80の正体を…そして、彼らは頼んだ。
もうウルトラマンに変身しないでくれ!
地球は地球人の手で守る!
私たちは頼り過ぎていた。
そして私は気づいた!自分たちの手で守りぬかなければならないと。
防衛隊は自分たちだけで怪獣を倒した。
そうして、隊長は言った。
今、我々は怪獣に勝った。
胸を張って80にさよならを言える。
私はそこで気付いた。
父とこの隊長の言葉の意味が重なった!!
父は私にこう言いたかったんだ!
五十鈴…今、お前は一人でウルトラマンを見た。怪獣が怖かったお前はよく抱きついてくれたな…続きが気になっても一人では見ようとしなかったな。
ずっと俺に頼りっぱなしだった。
そんな中で俺がいなくなったらと思うと不安で仕方ない。
でも、お前は…お前は一人でウルトラマンを見ても大丈夫になった。
つまり、一人で何かをしても寂しくなくなったじゃないか。
私は自信を持って母さんの所に行ける。
って伝えたかったのだと思う。』
士『そうなんだ…なんか辛い話させちゃったみたい…』
五十鈴『大丈夫だ、私はもう一人で大丈夫だ。それに父との大切な思い出のウルトラマンのDVDもちゃんと持ってる。
これは私の父との絆だからな。』
士『…五十鈴は平成ウルトラマンは見ないのか?結構面白いって聞いてるけど…』
五十鈴『いや、なんというか…まだ見たくないというか…ウルトラマンは好きなんだが…なんとなく……上手くいえないんだが、誰かと観たいんだ。やっぱり…一人で観れるが…それじゃなんか違う気がするんだ。
ウルトラマンは誰かと一緒に見たい。
しかし…ここではな…』
士『じゃあさ、俺と一緒に見ない?ウルトラマンティガ、まあクラスメイトだしほっとけないし、それに俺も見たかったけどきっかけがなかったんだよ。』
五十鈴『し、しかし…DVDは?』
士『それは荷田君から借りるから大丈夫。それに、俺、荷田君と見ようとしたらネタバレの連続でついていけなかったんだよね。』
五十鈴『しかし、二人っきりで見るのは…それに私はあまり喋らないので…友人は…』
士『確かにそうだな、うーん…』
考えていると良いタイミングではカズがこちらに来た。
和那『いやはやすまんなぁ〜士。訓練しとったら服が破れてしまってなぁ〜それで天月さんかと思ってでたら士やったからな、つい♡』
そこには赤いジャージを着たカズがいた。
士『つい♡で飛ばされる俺の身を考えろよ。俺以外だったら大事故だったぞ。』
五十鈴『ああ、なんせ士は…』
士『ちょっ!』
俺はとっさに五十鈴の口を塞ぐ!
五十鈴『な、何するんだ?』
士『ご、ごめん…でも、このことは言わないでほしいんだ。』
和那『ん?どうしたん?』
士『なんでもない、そうだ!カズってウルトラマン観たことないだろ?今後、俺と五十鈴と一緒に観ていみない?』
和那『えっ!何で急にそんなん言うん?』
士『いやぁ〜純粋にこういうのを楽しめる友人がいないし、それに、みんなで見た方が楽しめるかなと思って。嫌かな?』
和那『うーん、まいっか。結構面白そうみたいやしな、一緒に見たるか?で、いつに見るん?』
士『そうだな、三人の都合がつく時間…夜なんてどうかな。明日にでも。』
五十鈴『私は構わないが。』
和那『うちもええで、じゃあうちはそろそろ飯食ってるくるわ!』
士『おう、じゃあな。』
俺が帰ると案の定飯はなく、残っていたペラでポテチを食べて空腹を凌いだ。