パワプロクンポケット10〜世界の破壊者の奇跡   作:カーナビレッスン

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第七十八話 NOTした男で悩む女

 

ー女子寮ー

ー部屋ー

 

ここは、親切高校女子寮。

男子禁制の場であり、男子職員も立ち入り禁止となっている。

そのため、もし何か生命に関わる超一級の非常事態が起きない限りここに男は現れない。

最も例外が許されているのはヘルガ姉貴の子供だけである。

赤ちゃんだったり、2.3歳児は女子生徒や職員からも大人気で、癒しとされて喜ばれている。

男子寮もほとんど内容は女子禁制な所以外変わらない。

 

その女子寮のある部屋でひとりの女の子が泣いていた。

 

和那『ぐすん…なんで…なんでなんやろ…』

 

その女の子の名前は茨木和那。

別世界では、大江和那と呼ばれる彼女は今日も泣いていた。

あの日(第七十三話)以降、一度も部屋から出てこずにルームメイトの水沢も心配そうに声をかけるが反応はなかった。

一応、友人の天月、神条、浜野、高科が声をかけるが出る様子はなく停学手続きをしている状況だ。

このままだと留年してしまう。

ただでさえ、一年過去に留年している彼女がこれ以上留年するのはよろしくない。

それでも彼女は出てこない…

 

和那(うち…このままやと…留年かな…いや、ここの高校厳しいからなぁ…退学かもしれへんな。ま、でもええわ…どうせうちには…)

 

うちはもうええ…

どうせやる事も何もない

目標もないし、希望もない

どうせ家…いや、あそこが家といえるもんでもないなあ…

 

うちの家系はめちゃくちゃや。

なんや有名な一族の血統にあるとかは聞いてるけど親戚のおばはんどもは嫌いや。

うちの両親は若い頃、飲酒でヤク中の女の車にはねられて死んだらしい。

なんでそんなことをしたかというと仕事のミスを指摘したら逆にされて、イライラしたからだそうや、その相手はよく覚えてないが…というよりあんま知りたくなかったわ。

ふざけんな…なんて当時1歳のうちにはわからんかった。

 

それから、おかんの妹つまりうちの叔母さんに引き取られる予定なんやったけど、うちのことを腫れ物扱いしか育児放棄。

なんか浮気して作った子どもの子育てをうちの両親に押し付けようとした時に死んだからイライラしていたらしい。

そして、その子を母方の祖父母に預けて男遊びに走った。

 

うちは父方のじいちゃんに引き取られて暮らしたわ。

その時の暮らしが一番良かったわ。

でも、小学校に入ってからでかいうちはいじめの標的やった。

先生は見て見ぬ振り、しかもいじめの対象はその学校でうちだけやったから校長先生はうちに犠牲になれとかいっとったわ。

じいちゃんを頼ろうにも高齢で家がある山から降りるのも困難やったし、そういう学校関係のことを持ち込みたくなかった。

 

何も出来ない…

どうせうちは…

 

そんな事を考えていたうちは空っぽやった。

 

何もない自分はなんで生きているんだろう。

 

そう考えたらなんでもよくなった。

 

うちは喧嘩を始めた。

いじめていた奴を力でねじ伏せて、その地区で威張り出した。

持てるものは全て使うために暴力で解決しようという考えに辿り着いた。

だけど、その考えは甘かった。

 

いじめっ子の奴等の兄はなんか高校生の不良グループのリーダーやったんや。

それで、うちは囲まれた。

この時に本来はボコボコにされるんやったんやろうなあ…

調子乗ってた罰かな…

小学校高学年のうちじゃあ勝てへん…

そんな諦めていた時に…

 

 

 

 

 

奇跡は起きた!!!

 

 

 

 

おばあちゃんが言っていた…そばにいないときはもっとそばにいてくれる

 

 

カブトさんや!

うちのことを仮面ライダーの一人、カブトさんが守ってくれたんや。

数年前、悪の組織と呼ばれていたプロペラ団を壊滅させた仮面ライダークウガの仲間で2006年に放送していた仮面ライダーカブトの主役のライダー!

 

武装した高校生たちをキャストオフという外部装甲をパージして当てる技で全てなぎ倒した。

そして、うちと手を繋いで一緒に帰ってくれた。

あの時は本当に嬉しかった。

自分を本当の意味で信じてくれる人に出会えたと思ったわ。

 

そして、そこからうちの人生は変わった

 

仮面ライダーカブトのことを調べ、全ての玩具を買い漁って、DVDを全部買ってかぶりついて見ていた。

なんやマスコミから仮面ライダーの質問ぜめにあって、学校側の対応としてうちは一年引きこもりになった。

昔やからともかく今は学校はそんなこと出来へんけどな。

凄い嫌なイメージあるけど、うちはその一年間を仮面ライダーカブトを知ることに使った。

 

必殺技にライダーの特徴などなどあらゆる物を調べてカブトを見たわ。

そんなことしていたらいつのまにか一年経ってて、学校に戻ったわ。

そしたらなんや上手くいく友達も多く作れてな、楽しかったわ。

 

かつてうちがあんまり人と関わらないのはうちに趣味とかが無かったからかもしれへんと今頃思った…

なぜならうちは仮面ライダーカブト以外あまりそういったものに興味持ったことない。

他の仮面ライダーもよく知らへん。

でも、カブトのことだけはめっちゃ調べた。

そのお陰で男子はもちろん、女子とも交流が増えた。

ま、いじめっ子はいたけどな。

 

でも、それも変わった…

いじめっ子がいなくなったことがあった。

 

"仮面ライダー革命"

 

これで全ての国民は知った。

自分達が操られるだけの愚かな人民だったこと

支配者たちがやってきたえげつない出来事

社会の仕組みなどなど…

 

だけど、悪いことばかりではない。

仮面ライダーの事を誰もが認めるようになった

今までは唯のTV番組の絵空事程度にしか考えていなかった人間も仮面ライダーのことを世界を救ったヒーローだと認識した。

そうしてうちの元にも何人かが集まって仮面ライダーの事を聞くようになった。

色々と盛り上がっていじめっ子達は孤立し、うちはみんなとかなり仲良くなっていった。

 

でも…

 

 

寂しかった…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

会いたかった…

 

 

あの人に…仮面ライダーカブトに

 

会いたかった。

 

カブトの俳優さんのロケ地とかに行ってみたけどこの人があの時のカブトとは思わなかった。

声は確かにあの人だったし、身長もそんな変わらないはず…

でも、違った。

あの人はあの時のカブトさんやない!

断言できた。

それからも仲良く順調に成長して、親切高校に入学した。

全寮制の学校に入ったのはじいちゃんが中学生になってから死んで、遺産やらなんやら相続したらそこそこの金になって一人暮らししたまではよかったんやけども…

 

久しぶりね、和那ちゃん

 

と、借金まみれの叔母さんが家に帰ってきた

葬式も火葬も参加しなかった人が借金を持って帰ってきた。

どうやらなんか借金を踏み倒して生活保護を受けているらしいし、DVしとるらしい噂を耳にしていた。

そこで、うちの爺ちゃんの遺産を貰おうとうちに擦り寄ってきたわ。

ここで追い払いたかったけど、

 

'.酷いことするのね、和那ちゃん。

あなたのお母さん…つまりお姉ちゃんとは仲良くしていたのに。

ぜひ、息子と遊んで仲良くしようよ。'

 

こいつのこんな会話を耳に入れると吐き気すら覚えた。

でもうちはこう答えた。

今思うとあまりに酷いことを言ってしまったと感じる。

 

うちに関わるとカブトさんが黙ってへんで。

と言ったら顔面蒼白にしてその場から出てったわ。

実際に仮面ライダー革命の時にちょっとだけあったけどそんな関係はなかったけど、うちの後ろ盾になってくれるのはカブトさんしかいなかった…父方の祖父母は叔母さんの味方やったから…

本当に申し訳なかった。

そのことについて謝りたいこともあってカブトさんに会いたい願望は年々増えるばかりやったけど。

そして、この親切高校で再開した。

 

カブトさんの知り合いと言う男

"門矢士"に出会った。

なんか仲良く出来る友達が出来たおもうた…

そこから、桜空、荷田、ナオ、いつき、五十鈴達と仲良くしていったわ。

段々と大親友のように…

でも……うちは裏切られた

 

門矢士は仮面ライダーカブトやった!

 

いや、正確には仮面ライダーディケイドカブトフォームと呼ばれるような存在で、仮面ライダーカブトではなかったらしい。

カブトさんは門矢士だった、その事実に対して驚き半分、嬉しさ半分やった。

しかし、助けられた理由を聞いて驚いた…

 

 

 

 

 

 

 

 

うちが世界を脅かす悪になる。

 

仮面ライダーだから助けた

 

この二つの理由を聞いてうちはキレた。

 

ふざけんな!!!

そんなことをために助けたんか!

うちのためやないのか!

自分の為なんか!自分が目立ちたいだけなんか!!

この!仮面ライダー!

良かったなぁ…目立てて!!!!

 

うちはそういって言葉を投げかけてその後は今のように泣いている。

 

うちの人生はなんやったんや!!!

 

あんただけが…カブトさんだけが全てやったのに!

うちは…うちは…

 

もはやこれ以降誰が来ても意味はなかった。

多少会話はするが、ほとんど門前払い。

ルームメイトの水沢も心配してくれとるけどあんま意味ない。

あいつは男が出来たいうとるしな……

 

ま、もうどうでもええ…

 

うちはもう……

 

 

ピンポーン。

 

 

急にチャイムが鳴り、びくんと体が震えるがうちはそのチャイムを無視した。

 

ピンポーン

 

ピンポーン

 

ピンポーン

 

何度もチャイムを鳴らされ、丁度あいつのことを思い出して怒りたかったので外へ飛び出し、力強く声を出した。

 

和那『うるさい!!なんや人が寝てるのにじゃかあしい!!』

 

そうすると、そこには見たことない人がいた

 

??『やっぱり出て来たか…あたいの言う通りになったってことね。』

 

和那『な、だ、誰や!!あんたは!一体…』

 

夏海『あたいの名前は天加夏海!!なみって呼んでくれ、よろしく!』

 

和那『て、てんかなみ…な、名前はともかくなんでここに?』

 

夏海『まあ、用事があってな。あんたのクラスに入ったから、自己紹介に来たんです。

それだけって訳でもないけどね。』

 

和那『く、クラス……が同じ…転校生か?』

 

夏海『ちょっと違うんだけどね〜ま、そんなもんだから、とっとと停学取り下げてクラス行こう!みんな、待ってるよ。』

 

和那『…な、何言うとるんや!うちは…戻らん、このまま…学校やめ…』

 

夏海『逃げるんだ』

 

和那『え。』

 

逃げる…

 

夏海『そうやって逃げて逃げて、駄目だよ。立ち向かわないと道は開かれない。』

 

和那『そ、そや!何が悪いんや!うちは逃げるで!』

 

夏海『お父さんが言っていた…逃げていても必ず全てに立ち向かわないといけない時がある。

その時に互いに守り愛し合う者がいたら…全てを変える事が出来る…ってね。』

 

和那『……立ち向かわないといけない時…』

 

夏海『それが今よ。わかったら、行きなさいよクラスに…そして立ち向かって…さらに…士に…カブトさんに…あの男は私がなんとかするから!!お願い!かあ…』

 

そういうと彼女は走り去って行った。

うちはそこから動かず考えることにした自分が立ち向かうことを…

 

 

和那『うちは…さらに…士に…カブトさんに…何をすればいいんやろ…』

 

士のことをうちはどう思っとるんやろ…

 

 

 

 




烏丸ちとせ『どうもーこんばんはー、今年も皆さまお疲れ様でした。
2018年最後の更新です、それではみなさま来年もよろしくお願いします。それではまた来年〜』
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