それでは『歌姫の襲来』スタートですよ!
〔大空家:冬也の部屋〕
冬也「………」
俺は自分の部屋のベッドで就寝していた。流石にこの時間は誰にも邪魔はされたくない。……さて、俺の事はこれくらいにして、本筋に入るとしようか……。
冬也のスマホ♪♪♪
(BGM:高橋洋子[残酷な天使のテーゼ])
冬也「誰だよ……」
俺は少々ムカつきながらも、枕元に置いてあったスマホを手に取る。そして見てみると、着信が届いていた。送信相手は、………彼奴からだ。
冬也「何だ」
?『何だとは随分なご挨拶ね、冬也』
冬也「ああ……悪い、友希那」
友希那『それはイイわ。だって、寝起きの貴方はとてつもなく機嫌が悪くなるでしょう?』
冬也「……っ。知ってたんなら、何故こんな朝早くに掛けてきた」
俺がいきなり起こされた不満を込めて友希那に聞くと、ある答えが返ってきた。
友希那『久しぶりに貴方の声が聞きたくなったのよ……ダメかしら?』
冬也「そ、そんな事は無い……」
友希那『ふふっ。そう言えば……昨日はリサとお楽しみだったみたいね?』
冬也「ああ。でも、何故こんな事を?」
友希那『このパターンから分からない?……今日は私に付き合ってもらうわよ』
冬也「分かった、後でな」
友希那『ええ』
その言葉を最後に俺と友希那は電話を切った。色々引き伸ばしちまったが……友希那は俺のもう1人の幼馴染だ。小さい頃から音楽が好きで、いつか友希那の父を超えたいとも言っていた。……そして、8年前俺が引っ越す時に、1番泣いていたのが、意外な事に……友希那だ。
冬也「……アイツには、悪い事したかな」
そう呟きながら俺は部屋の隅に立て掛けてある、黒いギターを手に取る。この黒いギターは引っ越した先で購入した物であり、ここに戻ってくる前まで結成していたバンドで弾いていた物である。俺はギターを見ると、誰にも聞こえないように声を発した。
冬也「お前の出番……作ってやれなくてゴメンな?でも何時か、必ず作ってやるからな」
そう声を掛けて1階へと降りた。材料については、昨日リサと買い物に出掛けた時に、充分すぎる程買ったので暫くは困ることは無いだろう。今回は簡単な料理にしよう……そう決めた俺は準備に取り掛かる。
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そして……しばらくした後。
( ´-ω-)σ ピンポーン♪
冬也「はーい!」
ドアを開けると、そこには予想通りの人物が立っていた。銀色の艶やかな髪に、明るい琥珀色の目をした少女……湊友希那である。
友希那「お邪魔するわ」
冬也「どうぞ」
俺はそう言って友希那を自宅に入れる。その時の友希那の顔が少しだけ暗く見えたのは、気のせいであってほしいが。
冬也「はい、紅茶で良かったよな?」
友希那「ええ、ありがとう」
友希那は俺が出した紅茶に口を付ける。8年も見ない間に、こんなにクールになっていたのかと驚く自分がいた。紅茶を飲み干した友希那は、俺を見ながら聞く。
友希那「何時帰ってきたの?何も連絡が無かったみたいだけど」
冬也「昨日だよ……帰って来てすぐにリサが来たもんだからビックリしたよ」
友希那「そう……」
冬也「友希那こそ、元気にしてたか?」
友希那「ええ」
冬也「今でも、親父さんの音楽が好きだったりするのか?」
友希那「……!」バンッ!!
俺が友希那の親父さんの事について聞くと、何かの琴線に触れたかのようにテーブルを強く叩いた。紅茶の入っていたグラスがカタンと音を鳴らした。
冬也「ど、どうしたんだ……友希那」
友希那「私は……父を超えるわ。フェスに出て、頂点に立ち……私の音楽を認めさせるわ」
冬也「お、おおう……」
友希那「……貴方、ギターがあるでしょ?」
何を思ったのか、友希那から鋭い事を聞かれた!……1度も俺のギターの話はしてないぞ!?……どうしてわかった!?
冬也「……どうしてわかった?」
友希那「貴方の爪……綺麗に整えられてるわ。ギターを弾く為には爪の手入れも必要……だからよ」
冬也「へ、へぇ〜……」
友希那「貴方のギター……聞かせてくれないかしら?」
冬也「分かった……部屋に行こうか」
そう言って俺は友希那を2階の俺の部屋に招く。ギターを弾く時は、2階の部屋の方が落ち着くから、2階の部屋で弾く事にしている。
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〔大空家:冬也の部屋〕
ギターのアンプを使って、音のチューニングを済ませた俺は友希那を部屋に上げる。今まで見たことのない眼光を走らせている友希那を前に、俺は声を発する。
冬也「それじゃぁ……弾くぞ?」
友希那「ええ、始めて頂戴」
冬也「では、聞いてくれ。『ETERNAL BLAZE』」
その合図と共に、ギターだけでのソロを弾き始める。途中に歌も交えながら、友希那へと披露する。そしてざっと5分が過ぎた頃……。
冬也「ど、どうだ……?」
友希那「……単刀直入に言うわ。貴方、『Roselia』のマネージャーになってみない?」
冬也「ま、マネージャー……?俺が?」
友希那「貴方となら、頂点を目指せるわ。その為にも、私は貴方が欲しいの。どうかしら?」
冬也「……分かった。よろしく頼む、友希那」
俺はこの日この時を境に、友希那の率いるバンド……『Roselia』のマネージャーとなった。聞けば、音楽以外に時間はあまり割けられないらしい。……それでもいいと思えた、彼女の瞳を見ていると……何かを見させてくれるかのような気がしたから……。
今回はここまでです!如何ですか?冬也くんの持っているギターはアコースティックの方ではありませんので、お間違いなく。次回辺りにでも『Roselia』のメンバー全員を出したいと思います。それではまた次回!
新たに評価とお気に入り登録が増えていて……本当に感無量です!これからもよろしくお願いします!小説執筆の際のやる気に繋がります!