嘘の仮面   作:妖魔夜行@

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他の方が書いているBanG Dream!の小説を読んで自分も書きたくなったので書きました。後悔はない。


1話

僕はいつも仮面を付けている。

それは、嘘で作り出された仮面。

表面上は皆と同じ考えを示し、周りの意見に賛成し、おちゃらけた性格で明るくする。

所謂ムードメーカーと言うものをしている。

だが心の奥底では違う。

ドロドロとドス黒い感情が渦巻いて、ただただ気持ち悪い。

 

誰も、僕の本性には気付かない。

 

 

 

 

だから今日も僕は仮面を付ける。

 

 

 

 

すぐ外したけど。

 

「ちす」

 

「お、来たね想君。じゃあ今日もよろしくね」

 

「うす」

 

「…本当の君を見せてくれる様になったのは嬉しいけどもう少し言葉を多くしてもいいんじゃないかな?」

 

「面倒、こっちの方が楽」

 

「相変わらずだなー…」

 

この人は月島まりなさん。大学に入ってからやる事がなく暇である喫茶店でバイトを探していたところ、近くにいたこの人に声をかけられた。

元々バンドと言うのに憧れていたのもあり、こちらから頼んだ。仮面を付けたままね。

 

まあそうやって声をかけられてから一年近くも経てば次第に打ち解けていくわけで…何度も一緒に飲みいったりしていたらポロッと仮面が外れて本当の自分を見せてしまった。まりなさんはそんな僕を受け入れてくれた。

それからはまりなさんが今まで以上に優しくなり兄弟がいなかった僕には姉のような存在に思え、良くしてもらっている。

家族以外で僕の本性を知っているのは彼女だけだろう。

 

「まあいいけど、じゃあギターのメンテからお願いね」

 

「了解」

 

まりなさんにそう言って僕はギター等の機材が置いてある部屋へ向かう。

 

「もうちょっと愛想良くしてもいいんだけどなぁ……」

 

ポツリと呟いたまりなさんの言葉は届かなかったが。

 

 

「終わりました」

 

「うん、ありがとう。これで開店時間に間に合うね!」

 

「…毎度思うんだけど明らかに僕、バイト以上の仕事してるよね?」

 

機材の準備、チューニング、メンテナンス、PA、ホームページの管理、etc……。

うん、すっごい働いてる。

 

「あはは、でもその分お金に色つけてるしお互い様でしょ?」

 

「まあ…」

 

確かにここのバイト代は物凄くいい。まあそれもこれもスタッフが僕と上司のこの人しかいないからなんだけど。

ここCiRCLEはここのオーナーが学生の為に作ったライブハウスで、財布に優しいライブを行えることでそこそこ有名だ。

他にもいろいろあるのだがそこは割愛させてもらう。

 

「今日はRoselia?」

 

「うん。開店後直ぐに来ると思うよ。さ、そろそろ開けるよー」

 

そう言うとまりなさんは店の外に出て「CLOSE」の看板を裏返し「OPEN」にした。

さあ、また仮面を被るか。

 

 

「まりなさん!影山さん!おはようございまーす!!」

 

「おはようあこちゃん。それに燐子ちゃんも」

 

「お、おはようございます…」

 

「おー!宇田川ちゃんに白金ちゃん!おはよー!今日も可愛いねー!!妹にしたいくらいだよー」

 

この2人は今若い世代で話題の大人気バンド『Roselia』のドラム、宇田川あことキーボード担当の白金燐子だ。

宇田川の方は紫の髪をツインテールにしており、カッコイイものが大好きな中学生だ。確か『After glow』のドラムの宇田川巴だったかな?その子の妹だったはずだ。

白金の方は腰まで伸びた艶やかな黒髪とそこらの男がすれ違うならすぐに目を奪わられるであろう発達した胸が特徴で、控えめで大人しめな性格をしている。

 

「あれ?今井ちゃんと湊ちゃんと氷川ちゃんは?」

 

「リサ姉達はもう少しで来ると思うよ!あこ達が早く来すぎただけだもん!ね、りんりん」

 

「えっと、はい。私が早く来て少し練習していたいって言ったらあこちゃんが賛成してくれて……」

 

「成程ね、いいよいいよ!可愛い子の我儘なら大歓迎!さっ、すぐ部屋に案内するよ!」

 

「ちょっと想君?君は今日1日カウンターの筈なんだけどなー?」

 

「ええ!?そんなぁー!!」

 

僕のオーバーリアクションに宇田川と白金がくすりと笑う。

 

これが僕の仮面だ。

自分のこのテンションで軽くおちゃらけた態度を取り、場を盛り上げる。皆もそれで明るくなる。お互いウィンウィンの関係だ。

 

「じゃああこちゃん、燐子ちゃん。着いてきて。想君はそこで他のメンバーが来るまで待っててね」

 

「はーい、二人とも頑張ってねー!」

 

ブンブンと大きく手を振って2人を見送る。宇田川は手を振り返してくれて白金はぺこりと会釈を返してくれた。

 

さて、僕も仕事頑張りますか。

 

 

音楽雑誌を読んでいると3人組の女子高生がやってきた。僕はそれを見て雑誌をカウンターの端に置く。

 

「おはようございます。今日3番室を予約していたRoseliaです」

 

「お、湊ちゃんおはよー!氷川ちゃんも今井ちゃんもおはよう!いやー今日も可愛いねー!」

 

湊友希那。銀髪のセミロングでRoseliaのボーカルとリーダーを務めており、その桁外れの歌唱力でファンを釘付けにしている。

 

「…影山さん。湊さんに早く部屋の鍵を渡して下さい」

 

「なーにー?相変わらず氷川ちゃんはつれないなー」

 

氷川紗夜。水色のロングヘアーで厳しめな口調が特徴だ。Roseliaでは確かギターを担当していた筈だ。

 

「それと鍵だけど宇田川ちゃんと白金ちゃんが先に来て練習しているから無いよ」

 

僕がそう言うや否や湊と氷川の2人は3番室へ向かって行った。まあ何度も来ているからどこにどの部屋があるかなんて二人とも把握している。

 

「あはは…すみません影山さん。二人とも素っ気なくて」

 

「気にしなくていいよ今井ちゃん。俺がちょっと悪ふざけしすぎちゃっただけだからねー」

 

今井リサ。茶髪の髪を今どきのギャルっぽく纏めた子だ。確かRoseliaではベースを担当している。こう見えて面倒見がいいらしく、よくメンバーのまとめ役をしている。湊の幼馴染でもあるとか。

 

「それじゃ今井ちゃんも頑張ってねー!!」

 

「はーい!」

 

そう返事をして今井も3番室へ向かって走って行った。

 

これで暫くは休めるな……。

 

「……疲れた」

 

カウンターに腕を投げ出し突っ伏す。

 

僕は湊と氷川に嫌われている。あの二人の性格からして不真面目そうな見た目のこんなチャラチャラした男は嫌いなのだろう。

まあこちらとしてはそっちの方が有難い。仮面を被った僕に好意を持つくらいなら嫌ってくれた方がマシだ。

そう思いながら僕はまりなさんが戻って来るまでだらーっとしていた。

 

 

結局、まりなさんは昼の休憩に入るまでカウンターには来なかった。

どうやらRoseliaの指導をしていたらしくずっと付きっきりだったらしい。

 

「想君は休憩まだだよね?入って来ていいよ」

 

「あ、本当ですか?じゃあお先に休憩いただきまーす!!宇田川ちゃん達も後でねー!」

 

宇田川の「はーい!」と元気な声を聞いて僕は休憩室へ向かった。

休憩室に着くと財布を取り出して自販機にお金を入れる。いつも飲んでいる無糖コーヒーのボタンを押す。

取り出し口からコーヒーを取り出して蓋を開けて口をつける。

苦味が口の中いっぱいに広がり、目を覚まさせてくれる。

 

「今日入ってた予約は午前から午後までのRoseliaだけだし…今日は比較的楽だなー」

 

「そうなのー?」

 

「楽も楽。忙しい時なんか休む暇すら無いからねー!で、何でここにいるの青葉ちゃん?」

 

独り言が突然会話になったのはサラッと相槌を打ってきた青葉がいつの間にかいたからだ。

 

青葉モカ。幼馴染で構成されたバンド、『After glow』のギターを務めている高校生だ。グレーのショートヘアーでいつもおっとりマイペースの性格をしている。そのせいで同じバンドの子達がたまに被害を受けている。

 

「ん〜とね〜、暇だし1人で練習しよ〜かな〜って思って来てみたら影山さんが休憩室に入ってくのが見えたからさ〜」

 

「なるほどねー、て言うか何度も言ってるけど気配消して人の背中に立つの止めてくれないかなー!?」

 

「ふっふっふ、モカちゃんは影山さんのその反応が見れるのが楽しみなので止めないのです〜」

 

「そう言うのは上原ちゃんや美竹ちゃんだけにしてよー。今度から、からかい上手の青葉ちゃんって呼ぶよ?」

 

「からかい上手の青葉ちゃん……いいね〜」

 

そんな事を話していると青葉は僕の隣に座る。他にも席は空いているのに何故隣に座った?

僕はそんな考えを顔に出さないように笑顔を貼り付ける。

 

「まったく青葉ちゃんはいつものんびりしてるよねー。少し見習いたいくらいだよ。そのマイペースさ」

 

「おお〜どうぞどうぞ、影山さんも是非見習ってくださ〜い」

 

「そうだね、じゃあ見習っちゃおうかなー!なーんて!ハハハ!」

 

それからいくつか雑談をした後僕は休憩室を出た。青葉?青葉なら「パンがあたしを呼んでいる〜」とか言ってギターだけ置いて出ていったよ。いや大事な物を置いてっちゃダメでしょ……。

 

 

休憩も終わりカウンターに戻るとRoseliaのメンバーがカフェスペースで談笑しているのが見えた。僕はそれに気づいていないフリをしてまりなさんの元へ行く。

 

「休憩終わりましたよー」

 

「あ、おかえりー。じゃあ想君、早速で悪いんだけど1番室のギターアンプの調整頼めるかな?」

 

「分かりました。あれ?誰か使ってたんですか?」

 

「うん。モカちゃんがちょっと前までね。あ、そのギターってモカちゃんの?」

 

となるとさっき僕の所に来た時は練習帰りだったのかな?僕は手に持ってるギターケースを見せながら「はい」と頷いた。

何故自分のギターを忘れていけるのか僕には理解出来ない。そう思いながら僕は仕事を始めた。

 

それから1時間後、青葉がギターを取りに来た。両手には山吹ベーカリーの名前とロゴが入った袋を掲げており、その量に軽く引いた。青葉曰く、この量でも腹八分目行くか行かないか程度なのだとか。恐るべしパン狂人。

それから青葉がギターを持って帰った後、僕は5時まで働いてから家へ帰った。

 

「ただいま」

 

そう口にするが、返事を返してくれる人は誰もいない。だからと言って両親が死んでいるだとか海外へ言っているだとか孤児院生まれだからそもそもいないだとか、もちろんそんな理由ではない。ただ単に上京してきたからいないだけだ。

家と言ったから誤解している人もいると思うが僕の家はあくまでアパートの一部屋だ。この場合の家は「いえ」じゃなくて「うち」と読むのが正しい、と思う。

 

「冷蔵庫には…何も無い」

 

文字通り何も無いと言う訳では無いがあるのはドレッシングやマヨネーズ等の調味料と作っておいた麦茶のみ。食材はすっからかんだ。

今から買いに行くのも面倒だし仕方ないので冷蔵庫の上の棚から買い置きしていたカップ麺を取り出す。味は醤油だ。

お湯を入れて3分待つだけ、そんなに腹が減っていた訳では無いのだが5分もかからずに食べ切ってしまった。

それから僕は風呂に入って布団に潜った。明日は講義だし電気代節約の為に早めに寝るのはいい事だ。

 

「おやすみ」

 

誰に言うわけでもなく、小さな声で呟いて僕は眠った。




最後の方適当ですみません。
行き当たりばったりの物語なので読むのなら暇な時気まぐれで読んだほうがいいですよ。(遅すぎる)
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