嘘の仮面   作:妖魔夜行@

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はい、どうもお久しぶりです妖魔夜行です。まず最初にどゆこと?UAとかお気に入りとかその他もろもろとか伸びすぎじゃないですか?どうしたんですか?どうゆうことですか?説明してください。(無茶苦茶)

ではどうぞ。


4話

『マンガのようなお金持ち』。1度は皆考えたことがあるだろう。沢山のお金があれば、あれが買える。これも買えるのに、と。

『マンガのようなお金持ち』と聞いてみんなが想像するのは『中川財閥』や『姫川財閥』、『才虎財閥』等だろう。まあ他にもあるかもしれないが有名なのはそこら辺になると思う。

僕はマンガを見てそれを知ったが、まさか、現実にも本当にそれらの財閥と同じレベルの金持ちがいるとは思わなかった。

 

 

僕と桐野は今、大学近くのカフェでコーヒーを飲んでいた。そこで僕達はいきなりの事で戸惑っていた。

 

「一体今のは何だったんだ……影山?」

 

「さあ…俺にも分かんねぇよ……」

 

数分前、不可解な現象が起こった。僕がGoogle検索を使って調べ物をしていると突然『み』の検索トップに『ミッシェル』と言う謎のマスコットが上がったのだ。これは僕だけではなく、桐野のYahooでも同じだった。現在は『み』じゃなくて『M』で『ミッシェル』が出てきた。

と言うか全ての検索エンジンのトップに『ミッシェル』が出ている。

 

『ミッシェル 何?』『ミッシェル とは』『ミッシェル 可愛い』etc……。

 

「これ、一体どういう事だ?」

 

試しに調べてみると派手な衣装に身を包んだピンク色のクマの着ぐるみが出てきた。

これがミッシェル…?

 

「あ!これか!」

 

「何だ桐野?お前知ってるのか?」

 

「いや近所でたまにライブしてる女の子たちがいるんだがさ、その中にこのミッシェルもいたんだよ。確か名前は『ハロー!ハッピーワールド』だっけ?」

 

「そんなバンドがあるのかよ!?てか近所にライブハウスなんかあったか?」

 

「いーや、公園。それと幼稚園だったな。妹の参観日に行ったら女子高生達がライブしてた」

 

「それがその『ハロー!ハッピーワールド』だったと」

 

「おう。あれは驚いたぜ、先生がいきなり『今日は素敵なお友達を呼んでいまーす!それではどうぞ!』って言ったらデッケーピンク色のクマとカラフルな女子高生4人が来るんだぜ?そんでもって謎の黒服黒サングラスの人達が物凄いスピードで楽器を準備してくんだよ」

 

見るか?と、桐野がスマホを見せてくる。画面にはざわざわしている校庭で園児たちが映っており、先生の声とともに画面の端からピンク色のクマと4人の女子が歩いてきた。縦長の赤い帽子に、赤と白、そして金色で装飾された衣装を纏った着ぐるみと4人の女子達が画面の中央に並ぶ。その5人が現れたのを見て園児達は大はしゃぎをしており、母親たちの歓声も聞こえる。唯一他と違う声が聞こえるとしたらスマホを持ったまま戸惑っている桐野の声くらいだろう。

 

「元気いいなーこの子達。てかこの謎の黒服達の事を不審に思わないのかよ保護者は」

 

「あーいや、このライブが終わったあとにお袋に聞いたら毎月一回ライブしに来てるんだってよ。それで最初の頃は黒服の人達の早業に驚いたけど今ではすっかり慣れちまってんだと」

 

「いや慣れるところおかしくね?にしても子供達も歌えるんだな…『笑顔のオーケストラ』って言ってたか?」

 

「ああ、何か毎回その歌だけは絶対に歌うらしいぜ。何でも『世界中を笑顔にする』最高の歌だとか」

 

『世界中を笑顔にする』、ね…。

スマホに映る彼女達は本当に楽しそうに歌って、演奏していた。

 

ギターの子はいちいち動作にカッコつけている。それが母親たちには眩しく映るのだろう。時折「キャー!」などと年甲斐もない黄色い悲鳴が聞こえてくる。

ベースの子は元気に演奏している。時折ボーカルの子と一緒に「いえーい!」と声を上げて、それに釣られるように子供たちも元気に叫んでいる。

ドラムの子はそんな2人の様子に気を取られないで一生懸命ドラムを叩いている。だが、この子もやはり笑顔で演奏していた。

ミッシェルは……何これ?DJ?ボーカル、ギター、ベースの子達が時々演奏しながら絡んで来たり抱きついたりしてるが、何も文句を言わずに黙々と皿…でいいんだよね?それを回している。

最後にボーカルの子、他の子もそうだがこの子は特に楽しそうに歌っている。世界中を笑顔にすると言っているだけあって自分も気持ちのいい笑顔を浮かべている。

 

 

その笑顔は人の黒い部分を一切知らない笑顔だった。僕が一番、妬ましいと思っている笑顔。それを彼女は浮かべていた。

 

 

それから数十分程経ち、ライブが終了した。そこでスマホの動画も止まった。

 

「どうだった?」

 

「うーん、なんて言うか凄かったな。色々と衝撃的だった」

 

「まあそう思うのが普通だと思うぜ?俺も初めて見た時は驚いたしなぁ」

 

「動画にもお前の声入ってたもんなー、『え!?え、なにこれ!?』ってさ!」

 

「笑うなっての!しゃーないだろあれは?初見で驚かない方がおかしいって!」

 

桐野がギャーギャー騒いでいるとスマホが振動しているのに気がついた。取り出してみると画面に『12:30』と映ってアラームが作動していた。何でこんな時間にアラームが?と思っていると、スマホのメモを見て思いだした。

 

「おい桐野。お前これから彼女とデートとか言ってなかったっけ?」

 

「え?あ!ホントだ!やっべ、サンキュー影山!危うくすっぽかす所だったぜ!」

 

「おー気をつけて行けよー」

 

「ああー!じゃあなー影山ー!」

 

そう言って桐野は席を立って走って行った。

飲みかけのコーヒーが2つ、テーブルの上に置かれている。

 

「……桐野の奴…金払ってねぇ…」

 

去って行った桐野の飲み残しを見つめながらそう呟いた。

 

 

「あ!いた!美咲ちゃ〜ん!ま、待って〜!」

 

「あれっ、花音さん?どうかしたの?」

 

バンドの練習をする為にCiRCLEへ向かっている途中、息を切らせて走って来た先輩を不思議に思い首を傾げる。花音さんが何度か深呼吸をして呼吸を落ち着かせると話し始めた。

 

「えっとね、さっきこころちゃんから連絡が合って、家の都合が入ったから今日の練習は休みにするって言ってたの。それで美咲ちゃんにメッセージ送ったんだけどいつまでも既読がつかないからもしかしてスマホ見てないんじゃ無いかと思って…」

 

言われてスマホを取り出してトークアプリを開く、するとそこには目の前の先輩から送られてきたであろうメッセージがいくつかあった。

 

『美咲ちゃん!今日練習は無しだって!』

 

『美咲ちゃん?見てる?』

 

『もしかして…もうCiRCLE行っちゃってる!?』

 

などなど。他にももう少しあったが割愛させてもらう。

だけど困ったな…練習が休みになったはいいけど今日の予定がなくなってしまった。

 

「あー、わざわざすみません花音さん。でもこれからどうしよっかな…」

 

「じゃあさ、美咲ちゃんさえ良ければ何だけど…一緒にショッピングでもしない?」

 

「え、でもいいの?私は有難いけど…」

 

「うん。私も練習無くなっちゃって暇だったから…それに、折角だから美咲ちゃんと一緒に遊びたいし」

 

あはは、と照れくさそうに笑う花音さん。不覚にも、ときめいてしまった。あたしも女なのに。

 

「じゃ、じゃあショッピングモール行こう!」

 

「うん!あ、ちょっと早いよ美咲ちゃーん!」

 

赤くなった顔を誤魔化すためにあたしは早歩きでショッピングモールへ向かった。

 

 

ショッピングモールに到着し、中に入る。中は冷房が聞いており、とても涼しかった。

 

「涼しいね、美咲ちゃん」

 

「そうだね。今日はいつもより気温が高かったのもあって尚更…さて、どこから回る?」

 

「うーん…あっ、服でも見に行かない?ほら、これから暑くなってくるし…今のうち夏服を見繕っていた方がいいかなって」

 

「なるほどー、じゃあ行きますか」

 

そう言ってあたしと花音さんは洋服屋に向かう。

休日という事もあり、人が多い。私はたし花音さんと逸れないために花音さんの手を握る。

 

「花音さん、ちょっと人が多いんではぐれないように手繋いで下さい」

 

「ふえ!?う、うん」

 

それから数分後、人混みに揉まれながらも何とか洋服屋に到着した。

 

「はあ…疲れた…まだ何も買ってないのにもう疲れた…」

 

「うーん…やっぱり今日は人多いね…」

 

あたしと花音さんはぐったりとした様子で店内に入る。店内の中は、まだ5月だと言うのに夏服一色だった。

 

「わぁー、美咲ちゃんはどんな服にする?」

 

「えっ、あたしも買うの?」

 

「うん。嫌だった……?」

 

「いや別にそういわけじゃないけど…花音さんの買い物に付き合うつもりだったから」

 

「じゃあ私が美咲ちゃんに合う服を見繕ってくるから!ちょっとまってて!」

 

「えっ、ちょっ、花音さん!?」

 

花音さんはあたしの言葉を聞く前に服を見に行ってしまった。花音さんはあたしに似合うと思った服を片っ端から取っていく。

 

……これ、1時間くらいは着せ替え人形になりそうだなぁ。

 

服をかき集めている花音さんを見て、あたしはため息をはいた。

 

 

桐野と別れた後、僕は映画を見にショッピングモールに来ている。

 

「へぇーオールスターズ復活するのか」

 

某美少女戦士達の映画ポスターを見ながらそう呟く。それにしても久しぶりに見たな。前見たのが小学1年生くらいだから14年ぶりくらいかな?

 

「久しぶりに見てみようかなぁ」

 

期待に胸をふくらませて僕はチケット売り場へ向かった。

 

 

泣けた。笑えた。感動した。

何なの?今の映画ってあんなに凄いんだね。女児向け映画じゃないでしょあのクオリティ。

 

カフェスペースでコーヒーを飲みながら映画を振り返る。アニメ映画だからって馬鹿にしちゃいけないね。

 

「にしても腹減ったな」

 

腕時計を見ると時刻は既に12時を回っていた。そろそろ腹の虫が暴れそうだ。

こんな洒落た所でガツガツ食べるのもあれなので僕はコーヒーを飲み終え、近くにあるファストフード店へ向かった。

 

 

「すみませんお客様。現在席が殆ど埋まっておりまして…相席になりますが宜しいでしょうか?」

 

「あっそうなんですか…相手の方が了承してくれるんなら俺は大丈夫ですよ」

 

「分かりました。では確認をしてきますので少々お待ち下さい」

 

そう言って店員さんは小走りで相席の許可を取りにいった。目で追ってみると2人の高校生くらいの少女の元へいき話をしていた。少女2人は嫌がる素振りも見せずに少し話し合ったあと店員に返事をした。それを聞いた店員が戻って来た。

 

「あちらのお客様から了承が取れましたので注文を取りしだいあちらの席へどうぞ」

 

「ありがとうございます。あ、ダブルチーズバーガー2つとコーヒーのSサイズを1つ」

 

「かしこまりました」

 

数分後注文したバーガー2つとコーヒーを持って席へ行った。

そこには4人席に向かい合って座っている女子がいた。1人は黒い帽子を被っている黒髪の少女で、もう1人は水色の髪をサイドテールにしている少女だった。

あれ、この子って桐野から見させてもらった『ハロー!ハッピーワールド』のドラムの子じゃない?

 

「ごめんね君たち、いきなり相席なんか頼んでじゃって」

 

「ん?ああ、いえ。別にそれくらいいいですよ。取り敢えず座ったらどうですか」

 

「じゃあそうさせて貰おうかな」

 

許可も貰ったので席に座らせてもらう。

ハンバーガーを食べ始めると横から視線を感じたので振り向いてみる。するとドラムの少女がこちらをじっと見つめていた。

僕は口に入れたハンバーガーを飲み込み、話しかける。

 

「んくっ、どうかした?俺の顔に何かついてるかな?」

 

「え、あっ!その…私、お兄さんの事をどこかで見た事があるような気がして…」

 

「うーん、もしかしたらライブハウスで会ってるのかも。俺CiRCLEでバイトしてるからさ、君ハローハッピーワールドのドラムやってる子でしょ?うちに練習しに来た時とかに見かけたんじゃないかな?」

 

「え!?CiRCLEでバイトしてるんですか!?」

 

僕がそう話すと花音と呼ばれた少女は大声を出して驚く。帽子を被った子はどこか納得した様子で頷いていた。

 

「やっぱりそうだったんですね。あたしもどこかで会った事あるなーと思ってたんですよ」

 

「え?君もこの子と同じバンドしてるの?でもあの4人の中にいなかったような…」

 

「あー…あたしミッシェルなんです」

 

そう言って彼女は照れくさそうに帽子の鍔を触る。なるほど、ミッシェルだったのか。それなら納得いく。

 

「そうだったんだー。いつもうちの店をご贔屓にしてくれてありがとう!あ、俺は影山ね。よろしく!」

 

「あっ、私は松原花音って言います。よろしくお願いします、影山さん」

 

「あたしは奥沢美咲です。よろしくお願いします」

 

「松原ちゃんと奥沢ちゃんね!うん。覚えた覚えた!」

 

それから僕達は雑談しながらハンバーガーを食べ終えた。

これから2人はどうするのかと聞いてみると、まだ時間があるので江田川楽器店に行って松原が気になっていたドラムのスティックを見に行くらしい。

 

「なら俺も一緒に行ってもいいかな?丁度見たい物があってさ」

 

「あたしはいいですけど、花音さんは?」

 

「私も大丈夫だよ。と言うか影山さんに選んでもらうつもりだったし…」

 

「えっと俺、楽器とかなんにも分かんないからね?」

 

一応一般的な知識はあるかもしれないが実際にそれ専門の人と比べると雲泥の差だ。ドラムなんか一番分からないし。

 

「でもライブハウスでバイトしてくらいだから人並みには分かりますよね?」

 

「いやまあそれ位ならあると思うけど…」

 

「じゃ、決まりですね。行きましょう花音さん。影山さん」

 

奥沢が立ち上がるので僕と松原もそれに続く。結局ドラムのスティックを選ぶのは断れなかった…。僕本当に分かんないだけどなぁ?

 

そんな事を考えながら僕達はファストフード店を出て、歩き始めた。

 

 

「あら!美咲と花音じゃない!一緒にいる貴方はだぁれ?」

 

歩き始めて数分、太陽のような笑顔をした少女がそこにいた。

 

 

「こころ。アンタどうしてここに居るの?用事があったんじゃないの?」

 

「用事ならもう済ませたわ!ミッシェルのファンだっていう女の子に会いに行ったの!病気にかかっていて元気が無かったんだけどミッシェルと会ったら直ぐに元気になったの!あの子とっても喜んでいたわ!」

 

「え。まってこころ。誰がミッシェルやったの?」

 

「?おかしな事を言うのね美咲。ミッシェルはミッシェルでしょ?」

 

「…ああ、そう言えばそうだった…こころはそう言う子だった……」

 

奥沢と金髪の少女は僕と松原の前で会話を繰り広げている。時折奥沢が頭を抱える動作をするがそれ以外は普通に話している。

 

「…ところで美咲、さっきも聞いたけどそこにいる人は誰なの?」

 

「黒服さんが頑張ってくれたのかな…ああ、うん。この人は影山さん。CiRCLEのスタッフさんだよ」

 

「影山だよー、よろしくね!えっと……」

 

「弦巻こころよ!よろしくね影山!」

 

「ちょ、ちょっとこころちゃん。影山さんは歳上の人だから……」

 

「あー気にしなくていいよ松原ちゃん。俺、元気のいい子が好きだからさ!その点弦巻ちゃんは元気いっぱいでよろしい!」

 

弦巻の曇りのない笑顔にイラつきを覚えるが、それを押し殺して仮面を維持する。

僕のように醜い仮面の笑顔では無く、心の底から楽しそうに笑える彼女に狡いという感情が湧く。そんな事を考える自分が情けなくて仕方がない。

 

「そう言えばあなた達はどこへ行こうとしていたの?」

 

僕が内心そんな事を思っているとは知らない弦巻は自分の疑問を笑顔で聞いてくる。それに奥沢が答える。

 

「あたし達は今から江田川楽器店に行こうとしてたんだけど、こころも来る?」

 

「ええ!勿論!そんな楽しそうなこと、私も行きたいわ!」

 

「楽しそうって、ドラムのスティックを見に行くだけなんだけどね」

 

「あら!それでも大勢で見に行けばもっと楽しくなると思うわよ!」

 

僕の言葉に元気に返してくる弦巻。

 

 

 

 

止めろ、

 

 

 

 

 

止めてくれ、

 

 

 

 

 

 

その笑顔を僕に向けないでくれ。

 

 

 

 

 

 

駄目だ。

 

 

 

 

 

 

弦巻と一緒にいるのは駄目だ。

 

 

 

 

 

 

この太陽のような笑顔が僕の仮面を剥がしてくる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

容赦なく、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

お前のそれは偽物だと、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

責めるように。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

purururu――

 

 

 

 

突然の電子音に沈みかけていた思考が呼び戻される。

僕のスマホだ。取り出してみると画面には『桐野康介』と映し出されていた。

 

「ちょっとゴメンね。もしもし」

 

『あ、影山か?今大丈夫か?』

 

「ああ、まあ大丈夫。で、どうした?」

 

『いやぁそれがさー!彼女とケンカしちまってさー話聞いて欲しいんだよー』

 

「はあ、またか…お前それ何回目だっけ?8回くらいだっけ?」

 

『そんなにしてねーよ!で、話聞いてくれるか?』

 

「あー……」

 

チラリと3人の方を見る。奥沢と松原は気を使って小声で会話をしている。弦巻は何故かこちらをじっと見つめていた。僕のことを弦巻が見つめていた、太陽のような笑顔で、ずっと見つめてくる。

 

その視線に耐えきれず、僕は目を逸らしてしまう。

 

 

 

そして、早くここから、弦巻から逃げたいと思ってしまった。

 

 

 

「わかった。じゃあいつもの所で大丈夫か?」

 

『おおサンキュー!流石心の友!じゃ、また後でなー!』

 

「都合がいいなおい、って切りやがった!…えっと、ゴメンね!ちょっと急用が入っちゃって…一緒にスティック見るのはまた今度でいいかな?」

 

「は、はい。こちらこそ無理を言ってしまってすみませんでした…」

 

松原がしゅんと本当に残念そうに肩を落とす。声のトーンも下がっている。ああ…これ本心で思っているのか。そう思うとちょっと悪い事しちゃったかな。

 

「お詫びと言ってはなんだけどさ。俺、基本的CiRCLEで働いてるからもし見かけたら声掛けてくれないかな?そしたら今日の埋め合わせをさせて貰うからさ」

 

「えっ?で、でもいいんですか?」

 

「良いよ良いよ!というかこっちの都合で一緒に行けなくなったんだからね!それじゃまた今度ライブハウスで!奥沢ちゃんと弦巻ちゃんもまたね!」

 

3人に挨拶をして僕は桐野と待ち合わせを約束しているカフェへ向かって走った。

 

弦巻のあの笑顔が、忘れられない。

 

 

「影山ったらせっかちね。もう行っちゃったわ」

 

電話に出た影山さんは数分、話をするとどこかへ行ってしまった。

 

「まあ友達から電話がかかってきたらそっち優先させるんじゃないの?見たところ本当に急っぽかったし」

 

「元々影山さんも江田川楽器店に用事があったみたいなんだけど…それより大事なことなら仕方ないもんね」

 

私が影山さんのフォローをすると花音さんも一緒にフォローをしてくれる。

 

「うーん…でも影山は本当にそれだけの理由で友達のところへ行ったのかしら?」

 

「え?それってどういう事?」

 

こころが不思議な事を言うので思わず聞いてしまう。

 

「あのね、影山ったら私と目を合わせてくれなかったの。だから影山が目を合わせてくれるまで私が顔を見続けていたら、まるで私のことをお化けでも見るような顔をしてたわ!不思議よね?私ったらそんなに怖い顔してたかしら?」

 

目を合わせなかった?でもあたしと花音さんが話す時はちゃんと目が合ったし、そんな人を怖がるなんて素振りも見せなかった。

 

こころだけ……?影山さんはこころに怯えていたとでも?

こころが言ってるのは影山さんが電話していた時のことだろう。その時こころは影山さんの顔をじっと見つめていたし…でもあたしもチラッとは見たけど怯えていたような表情はしてなかったと思うけどなぁ……?

 

「こころの考えすぎじゃない?」

 

「うーん、やっぱりそうかしら?」

 

「そうでしょ。さっ、こころいつまでもこんな所で立ち往生してるのもなんだし行くならさっさと行こう」

 

「そうだね。なんか天気も悪くなって来たし早く行こ?」

 

言われて空を見ると太陽は雲に隠れており、厚い雲が流れてきていた。

 

「大丈夫よ花音!あたし達が笑顔なら太陽もきっと顔を出してくれるわ!」

 

「はいはいバカなこと言ってないでさっさと行くよ」

 

こんな天気でもはしゃいでいるこころを見て、こころが言っていた影山さんの表情のことなどすっかり忘れていた。

 

太陽が、雲から顔を出すようには見えなかった。




終始適当ですみません。あと評価数どうしたんですか?(唐突)めちゃくちゃ嬉しいんですけど!本当忙しい日常の癒しでした……。ありがとうございます。

☆10を評価してくださった『森塩』様
☆9を評価してくださった『しょーき』様、『勇者4649』様、『薬袋水瀬』様、『アルタ・ランペルージ』様、『レモンに唐揚げ』様、『キズナ武豊』様、『味噌太』様、『ヨルノテイオウ』様、『璃瑠羽』様、『ケープペンギン』様、『マトリカリア』様。
☆8を評価してくださった『しきさき』様、『ヤーナムのやべー奴』様。
本当にありがとうございます!嬉しすぎて涙が出ます……

そして2話に感想を付けてくださいました『アイスティー』様。
3話に感想を付けてくださいました『勇者4649』様。
続きを書く活力になる感想ありがとうございました!

感想や評価はとても嬉しいです!

ところで最近色んな事が起こりすぎて辛いです…リサ姉に続いて燐子まで声優さんが変わるなんて……明坂さん、ありがとうございました。どうかお大事に……。
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