東方妖刀鬼   作:ステイゴールド

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 タイトルは妖刀、小太刀、鬼と、この作品にある要素を詰め込んだだけです。


始まり

 傷口から血が止まらず、地面を濡らす。血が流れていくにつれて、だんだんと意識が薄くなっていくのを感じる。これが『死』……? 今まで死にかけたことは何度かあったが、こんな感覚は初めてだった。

 その傷を刻んだ老人が、冷たい瞳で死にゆく俺を見据えていた。

 

 

「わしはまた妖夢の大切なものを斬ってしまったよ」

 

 

 悲しみを含めた嘆きは闇に消える。老人は刀を鞘に納めて、その場を去っていった。弱りゆく命の灯火。しかし、俺の心は安らいでいた。また誰かを傷つける前に、止めてくれてよかった。

 しかし、このやりきれない気持ちは……それはそう、老人が零した妖夢という名の人物を傷つけてしまったことか。

 

 もし俺の人生が間違いだったのなら、その間違いはきっと、幼少期から始まりだしたのだろう。

 全ては19xx年、京都から始まる――

 

 

 明治から変わらないという理由で少しだけ有名な牛鍋屋に、俺は生まれた。何の変哲もない、普通の店――だというのに、この店は昔、「隠密御庭番衆」という、江戸幕府の組織の一つの拠点でもあったようだ。

 今となっては関係ない話と思っていたが、俺は物置にて、古びた書物と長刀を見つける。

 

 書物の裏には『四乃森蒼紫』という名前が書かれており、おそらくは作者の名であろう。幼き頃の俺は書を何度か手でホコリを払ってから開いた。

 

 散っていった者たちの魂は、未来へ繋がなければならない。俺の小太刀二刀流は沢山の命を犠牲にし、完成に至った代物。せめてそれらの魂のために、この技術をここに記すことにする。

 

 古びた書の冒頭部分にはだいたいこんなことが書かれていた。その後には、隠密御庭番式小太刀二刀流について、様々なことが記されている。

 

 その時点で、さっきの長刀が、長い鞘の両端に小太刀を収納したものであることに気づいた。

 俺の子供心は完全に刀というものの不思議な輝きに囚われ、密かに俺は小太刀術を学び、体を鍛えたりなどもしていた。めげずに、何年も何年もあの書に書かれていた奥義を会得したいという目標があったから。

 

 ある日、高校生にまで成長した俺は、とある竹林に奥義を会得するために、入っていった。流石に近所で小太刀を振り回すわけにもいかないから、実際に小太刀を振りたいと思ったときはいつもここに来ていたのだ。

 

 御庭番式小太刀二刀奥義、回天剣舞・六連。

 

 大木をも一瞬で薙ぎ倒す威力を誇る、『四乃森蒼紫』という人物の最強の一手。俺はついにそれを会得したのだ。

 

 疲れ切った体を無理やり動かして、竹を掻き分けて進む。予報ハズレの雨に打たれ、獣道を歩いていく。

 その日の俺は運が悪かった。雨で滑りやすい地面に、視界の悪い竹林。そして蓄積する体の疲労。俺は進んでいった先が急斜面であることを知らず、底に転がり落ちていった。

 




 短くてすみません。
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