インフィニット・ストラトス 転生者は双子の姉 作:夜光・陽炎
「なあ………」
「………」
「なあって、いつまで引きずってるんだよ」
「………人の裸見てするリアクションはそれだけか?」
「……はい、すんません」
現在、教室にいて休み時間です。
入学式の翌日。そんなに他の学校と変わらないんだね
「大体、怪我させたのは私の責任だったんだけど、その原因はお前の責任だ」
「いや、あれは不可抗力で―――」
「手前がノックぐらいして入ってこればよかったろが?」
「………そのとおりです」
ちっ、他人だったら切り殺してるよ。全く
「さっさと自分の机に戻れ。そして一回死ね」
「なんで!?」
「お前が生まれ変わって良い奴に生まれ変わることを祈っているよ」
「なんじゃそりゃ!?」
「……察しろ」
このラッキースケベ。もうすこしまともな奴になってくれ
キーンコーンカーンコーン
おっ、チャイムだ。そろそろ二時限目だ。用意しないと
二時限目
机でうーん、うおーっ、と頭を抱えている一夏をほっといて、授業はどんどん進んでいきます。
山田先生は時々噛みながらも、生徒たちにISの基礎知識を教えている。
あー、基礎知識とか、無駄すぎる。暇じゃ
「というわけで、ISは宇宙での作業を想定して作られているので、操縦者の全身を特殊なシールドバリアで包んでいます。また、生体機能の補助する役割があり、ISは常に操縦者の肉体を安定した状態へ保ちます。これには心拍数、脈拍、呼吸数、発汗量、脳内エンドルフィンなどがあげられ――」
「先生、それって大丈夫なんですか?なんか、体の中をいじられているみたいでちょっと怖いんですけども……」
あー、それか、確かにここだけ訊いたらそう考えるわな。
山田先生が戸惑っているので、私が補助するか。
「いい質問だね、そこら辺については私が説明するよ」
「えっ?藍更さん?」
「確かに、普通ならそう思うかもしれないけど、ISがやっているのは補助のみ。わかりやすく言うとISがこっちにあわせて調整して、さらに搭乗者を最高の状態に保つための補助を行っているだけなんだ。」
ま、それでも例外中の例外が搭乗者の体を好き勝手いじりまくった末に自分と融合に近い現象を起こさせて最悪植物人間状態だけど、あくまで理論上の話だ。流して。あと、生体同期型ISってのがあるけど、それは体の一部か臓器の一つに擬態して待機するだけで、他のISとはほとんど変わりないよ。あ、これ読者の皆さんに言ってるものです
長ったらしい説明を終えた後、何事も無かったように座る
しばらく女子たちはボーッとしていて、それが解けたのは山田先生が発言して女子たちの意識を引きずり戻した頃だった
「せ、説明ありがとうございます。ほ、ほら、皆さんもしっかり!」
少しだけ先生らしさを見せて生徒たちのリーダーシップを取る。
皆が気を取り戻して、山田先生は話を続けた
「そ、それともう一つ大事な事は、ISにも意識に似たようなものがあり、お互いの対話―――つ、つまり一緒にすごした時間で分かり合うというか、ええと、操縦時間に比例して、IS側も操縦者の特性を理解しようとしています」
「わかりやすく言えば、乗れば乗るほど上手くなっていくってわけ」
「そ、そのとおりですっ!そして、それによって相互的に理解し、より性能を引き出せることになるわけです。ISは道具としてではなく、あくまでパートナーとして認識してください」
すかさず、女子が挙手をする
「先生ー、それって彼氏彼女のようなものですかー?」
「え、ええ?そ、それは、その……どうでしょう。私には経験が無いのでわかりませんが……」
肝心の私といえば、手で顔を覆い隠している。恥ずかしいのではない、呆れているのだ。これだから最近の若者は……
「……助け合う相棒って感じだよ。お前は機械と付き合いたいのか?」
「え?いや……冗談ですよ冗談!やだなーあっはははは……」
冗談ならもう少しまともな奴を言ってくれ。頼むから
キーンコーンカーンコーン
「あっ。えっと、次の時間では空中におけるIS基本制動をやりますからね」
そういえば、このIS学園は基本担任が全部の授業を受け持つらしいですよ。あれ?主担任は千冬さんじゃ?
……きっと実践担当だろうか
ていうか、一時間一時間が暇すぎて話にもならない。どうにかならないのか
右手の中指にある黒い《指輪》を見る。
読者の皆さんはもう察していると思いますが、
やる事ないし、PCでもいじってるか
だが、女子たちが集まってきて(近くの一夏に)それをさせてくれない
「ねえねえ、織斑くんさあ!」
「はいはーい、質問しつもーん!」
「今日のお昼ヒマ?放課後ヒマ?夜ヒマ?」
最後のはスルーしよう。うん、そうしよう
つーか、昨日の話しかけづらくて様子見はもう辞めたのね。いい迷惑だよこんちきしょー
しかもなんか整理券くばってるし。有料で。何やってんだお前ら
「千冬様って自宅ではどんな感じなの!?」
「え、えーと、意外と弟&妹にベタベタして―――」
パパパパパパパパパパパァン!
「休み時間は終わりだ。私の一夏に群がるな」
一夏を囲んでいた女子たち全員に出席薄アタックを決める千冬さん。最後の台詞が無ければかっこよかったのにね。つか、私の警戒範囲内に入っていたのに私が気付かなかったとは。腕を上げたな千冬さん。私も精進しないとなー
「ところで一夏、お前のISだが準備まで時間が掛かる」
「へ?」
「予備機が無い。だから、学園側で専用機を用意するようだ」
「???」
ああ、白式のことか。完成度60%で未完成だけど、一週間で完成するかな
そんな事を考えていると、教室中がざわめいた
「せ、専用機!?一年の、しかも今の時期に!?」
「それってつまり政府からの支援が出てるってことで……」
「ああ~。いいなぁ……。私も早く専用機欲しいなぁ」
何なら作ってあげようか?という冗談は口に出さないよ。
政府が姉さんに頼んだみたいだけどね。どうやって頼んだんだ?
ついに千冬さんが耐え切れないという表情をして、溜息混じりに呟く
「一夏、教科書の六ページ。音読しろ」
「え、えーと………―――――(中略)」
超長いから省略したが、簡単にまとめると
・コアは現時点での技術じゃ、生産どころか解析すら不可能
・コアを作れるのは篠ノ之博士二人だけ
・コアは世界中あわせても467個しかない。つまり超希少
・全て二人で作り、基礎理論も大半が理解不能の状態らしい
・467個のコアは各国家・企業・組織・機関で使用し、研究・開発(コア以外)・訓練を行っている
・コアの取引はすべての状況下でも禁じられている
・ちなみに、一夏は完全異分子なので、政府からはモルモット扱い。あと、命を狙う奴や解剖目的の変態科学者が何人もいるらしい
ということだ。あと、余談だが、一部では篠ノ之姉妹を「頭のいかれた糞アマども」とか言っているやついたので半殺しにしておきました
「つまりそういうことだ。本来なら、IS専用機は国家あるいは企業に所属する人間しか与えられない。が、お前の場合は状況が状況なので、データ収集を目的として専用機が用意されることになった。理解できたか?」
「な、なんとなく……」
嘘をつくなら信じられる嘘を言ってみればどうだ
「あの、先生。篠ノ之さんって……あ、こっちじゃなくて、あちらの方ですけど、もしかして篠ノ之博士の関係者なんでしょうか………?」
私じゃなくて箒ちゃんの方を刺して言う。え?だって私自己紹介のときもう正体バラしちゃっているからね
「関係者も何も、篠ノ之は束とこいつの妹だぞ」
おい、指を刺すな指を。あと個人情報バラすなよ
私は一応政府に保護されている身なので、つかまる事は無いが。
「ええええーっ!す、凄い。このクラス有名人の身内が何人もいる!」
「ねえねえっ!篠ノ之博士ってどんな人!?やっぱり天才なの!?」
「篠ノ之さんも天才だったりする!?今度ISの操縦教えてよっ!」
ほら、やっぱりこうなるじゃないか。
姉さんは自由気ままな人なので底がつかめない。天才といえば天災だが
箒ちゃんはまあ、『剣術』の天才だが、私ほどではないか
「……すまない。私は姉さんほどISが得意ではない。すまんが、あの人に聞いてくれ」
「なっ!?」
いや、え。こっちに話し振らないでよ!
「そうなんだ。じゃあ、藍更さん。ISのことおしえてよ!」
「いや、ちょ、まっ―――」
「さて、授業を始めるぞ。さっさと座れ」
千冬さんの声でクラスが静かになる。
……アンタはなんで妹を抱きしめながら言っているんだ
「ふぅ、これで今日も仕事がはかどる。山田先生、号令を」
「はっ、はい!」
………また暇になるよ。
基本的な展開は変わらないかも?