インフィニット・ストラトス 転生者は双子の姉   作:夜光・陽炎

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※少し話が飛んでいます。単に必要ないと思う部分を帳消ししただけですが。一気にクラス対抗戦まで飛んでいます。注意を


追記・指摘があったので修正


第二十八話・クラス対抗戦・一夏VS鈴

―――五月。試合当日

 

場所はアリーナ・Bピット

 

 

あれから数週間たったが、亡国機業に関してのデータは一向に集まらない、それどころか、予測では今日にでも奪還する結果という始末。

 

なぜこの結果を予測できたかというと、一夏のIS奪還はこの日が―――試合中で消耗しているときに襲えば最適だと考えたのだ。あいつらがこのチャンスを逃すはずが無い

 

しかし、内通者が見つかれば即刻逮捕&尋問―――といきたかったが、そうも行かない。内通者がまだ見つかっていない。リークした三人も怪しい動きは無い。完全に手詰まりだった

 

「……くそ」

 

そんな声を漏らさずに入られなかった。

もう少しでも情報が手に入れば対策を練られるはず―――

 

「姉さん、どうしたのだ?」

 

「……いや、なんでもない」

 

どうやら感情が顔に出ているらしく、妹の箒に心配までかけられる。

……予測時間は、11:30ぐらいか。いや、その頃合がベストだ。天候はそのあたりから曇り始めるし、なんせ試合途中。これほど完璧な頃合があるだろうか

 

「あ、もうすぐ試合が始まりますよ」

 

同じく、アリーナのピットにいた山田先生がそう呼びかける。

ビットに備え付けられているリアルタイムモニターには、二人の生徒―――一夏と鈴が居た

 

「………甲龍(シェンロン)、第3世代型IS。燃費と安定性を第一に設計されているISか。なるほど、長期間戦闘を想定してのものなんだ。つまんないね」

 

「え?藍更さん、あのIS知っているんですか?」

 

「ん、まあ……」

 

正確には脳内の与えられたデータだが、詳細は空中投影したホログラフィーモニターだ。HSCを目に装着しているおでいつでもどこでもネットだろうがコア・ネットワークだろうがに接続する事が出来る

 

「にしても、これは相性悪いかもね」

 

「……えーと、よくわからないんですけど……」

 

よく分からない山田先生のために説明してやろう

 

「一夏のIS『白蓮弐式(びゃくれんにしき)』は長期間の戦闘を想定していません。『雪片弐型・改』はカートリッチによってエネルギー供給をしているんですけど、改善前の違い……IS本機体からのエネルギー供給ができないんですよ」

 

「え、それって―――」

 

「ガードリッチが切れればお終い。左手の『雪羅』にも同じ事がいえます。あれにも電力薬莢炸裂機構(エネルギー・カートリッチ・システム)を搭載していますから。薬莢切れたら切り離す他ないでしょうね」

 

「そ、それって、藍更さんがわざとそうしたんですか?」

 

「その通り。公平じゃないからデメリットを少しでもかけて置かないと、後々苦情が出ますからね」

 

「そ、そうなんですか……でも、それでなんで不利になるんです?確かに長期間戦闘が出来なくても、遠距離と近距離を併せ持つのはどちらも一緒だと思いますけど」

 

「……これが一番問題ですよ。あいつの弾は『当たらない』」

 

「……ふぇっ?」

 

そう、一番の問題。それはアイツが『ド素人』と言うこと

戦場で一番の要になるのは何か?武装?鍛えられた体?制圧武力?兵数?

 

――――ちがう。どれも大切だが、一番の要になるのは『戦闘経験』という何にも代えられない代物だ。

戦闘経験は『兵力予測』『自身の戦闘力』『動きの柔軟さ』『状況の把握』に影響し、そしてなにより『戦況の予知』という指揮官的なことをも可能とする『時間が作る宝』の一つだ。

 

これを極めたものは数少ない。対人実戦経験を多々持っている者は数十年前の『第二次世界大戦』の生き残りぐらい。ISの実戦経験を持つものはまず数えるぐらいしかいないだろう。IS同士の実戦戦闘は極めて珍しいケースなのだから。

 

「あいつはまず銃の撃ち方すら知らないです。ほとんど感任せで撃っているだけ。正直、あいつに遠距離武器持たせたのは失敗でしたよ。ほんと」

 

「そ、そんな……それじゃあ」

 

「遠距離、なんてことは死んでも考えないほうがいいですよ。絶対に近距離で使うしか道は無いですし。ま、別にいいんじゃないですかね?」

 

「ええ~!?それじゃあ負けちゃうじゃないですか!」

 

「大丈夫です。アイツが鈴に勝てるなんて今は無理ですから」

 

「な、なんかひどい……」

 

すまんが本気で言っているんですよ。あいつは『まだ』勝てない。

せめて勝とうものならば、一夏のISの周りに浮いている四つの大剣―――自動支援装備の雪無をうまく使うしかないだろう。

 

 

だが、勝ち負けはどうでもいい。今は亡国のことだけを考えるんだ

 

 

 

 

                 ◆     ◆     ◆

 

 

 

 

 

『それでは両者、規定の位置まで移動してください』

 

アナウンスに促されて、俺と鈴は空中で向かい合う。その距離は五メートル。かなり短い距離で、これなら開始早々近接武器のぶつかり合いになりそうだった

 

「一夏、手加減無用よ。負けが決まっているんだし、どれだけ私を楽しませる事が出来るかが見ものね」

 

「けっ、俺が負ける前提かよ。その言葉、後悔しないよな?」

 

こっちは最初から全開で行くつもりだ。鈴は何かと油断しそうだし、早期決着が最良だな。

 

予め、左手の雪羅と右手の雪片弐型には薬莢を装填してある。トリガーを引いた瞬間、エネルギーが駆動部に送り込まれ光の刃を形成するだろう。

 

雪羅はブレードモードで同じくエネルギー刃を出して攻撃できる。

雪無も前方防御モードにしておいたし、準備は満タンだ

 

「一応言っとくけど、ISの絶対防御も完璧じゃないのよ。シールドをぶっ壊して攻撃すれば本体にもダメージは入るからね」

 

「あたらなければどうという事は無い」

 

「……コピペみたいな台詞言ってないで真面目にやりなさいよ」

 

会心のボケにツッコミが入ったところで、ふんどしを締めなおす。いや、精神的な意味だよ

 

『それでは両者、試合を開始してください』

 

ビーッとブザーが鳴り響く。瞬間、瞬時加速(イグニッション・ブースト)よって加速された勢いに乗って、雪片を振る。

 

――――ガキィンッ!!

 

激しい金属音がして、反動によって吹き飛ばされる。俺はセシリアに習った三次元跳動旋回(クロス・グリップ・ターン)でどうにか姿勢を立て直し、鈴を正面に捕らえる

 

「いっつつ……いきなり飛ばしてくれるじゃない。けど―――」

 

鈴が手にしているのは大型の青龍刀―――と呼ぶにはあまりにも禍々しく、しかもそれをバトンのようにぶりまわしている。ISの機能によって補助されている筋力があったとしても、ほとんどは個人の実力によって左右されるものであり、いかに鈴が優れているかを今実感した。

 

そして、それを縦横斜めの軌道を描いて切り込んでくる。追加で高速回転して遠心力で勢いをブーストしている分、その威力はとんでもないものになっていた。

 

(まずっ!これじゃあ得意の近距離戦を持っていかれる。一旦距離を取って………!)

 

「―――遅い、温い、甘い!!」

 

ガンッ、と肩にある非固定浮遊部位(アンロック・ユニット)がスライドし、中心の球体が現れた。

その瞬間嫌な予感がして左手の雪羅をシールドモードにして展開するが―――

 

「だから、甘いって言ってるのよ!」

 

鈴が青龍刀を持っていない右手で雪羅を殴りつけてきた。

勿論、少し動いたがそれでもガード体勢は崩れなかった。だが

 

「かかったなアホが!」

 

鈴の右手の一部装甲がパージされたかと思うと、その中から現れたのは巨大な『杭』だった

 

「まさか―――」

 

「パイルバンカーよ。残念だったわね」

 

パァンッ!と火薬がはじける音がした瞬間、左腕の雪羅が少々の破片を散らしながら弾き飛ばされた。

右手は鈴の青龍刀をホールドしているので防御には回せない。

 

ますい、と思ったときにはもう雪無に脳内から指令を出していた

 

肩部位の球体が光る直前、四つの大剣が目前に現れる。刹那―――

 

―――ドォン!

 

実弾ではない、ビームでもない。だが、『何か』によっての衝撃で弾き飛ばされた

 

「ぐあっ!?」

 

前方の雪無ごと吹き飛ばされ、体勢を崩してしまった。

 

「しまっ――――!?」

 

「今のは前菜―――次がメインディッシュよ」

 

―――ドカァンッ!!

 

「っつあっ!!??」

 

目に見えない『何かに』吹き飛ばされ、俺は地表に叩きつけられた。背中から叩きつけられていたので数秒間呼吸ができなかった

雪無のサポートのおかげでダメージは32まで半減しているが、アシスト無しだったらと想像するとぞっとする

 

「くそっ……出鼻をくじかれた。だけど、ここで逃げたら男がすたる……!」

 

左手を見ると、装甲が少し欠けた雪羅があったが、動かすにはまだ十分のようだ。

右手の雪片も少しだけ刃こぼれしていたが無問題。

トリガーを引いてイジェクターから薬莢がはじき出される。瞬間、刀身の鎬が開き、間から光の刃が生成された

 

「本番はこれからだぜ、鈴」

 

「しぶといわね~……ま、嫌いじゃないけどね。掛かってきなさい、遊んであげるから」

 

「その言葉、後悔するぞ?」

 

 

 

                    ◆

 

 

「なんだあれは………?」

 

ピットからリアルタイムモニターを見ていた箒がそうつぶやく

それに答えたのは、さきほど合流したセシリアだった

 

「『衝撃砲』ですわね。空間自体に圧力をかけて砲身を生成、それによって生じる衝撃を砲弾化させて打ち出すものですわ」

 

「おまけに燃費も最良。軽いチートだね」

 

それに説明を付け足した凪紗。外見とは裏腹に、かなり頭を悩ませていた

 

彼女は一切モニターを見ていない。見ているのは右手に握っている指輪―――黒桜の調整ウィンドウだった

 

ウィンドウに表示されている時刻が一秒過ぎるたびに、彼女の頭はズキンと痛んでいる

 

(………潰す。ここで、決着をつける)

 

ただそれだけを思い、作業を進めていた

 

 

 

 

 

 




さて、何話になるやら。そんなに長くはならないと思いますが……
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