インフィニット・ストラトス 転生者は双子の姉   作:夜光・陽炎

30 / 55
※話がほとんど進んでいないんですよ。わけがわからないよ。


では、どうぞ


第三十話・皆が動き出す刻(とき)

「っ………二人のためにも急がないと……!織斑先生!すぐに訓練機での出撃準備を!―――って、織斑先生?」

 

ISのプライベート・チャンネルを切った直後、すぐに考えを行動に移そうとした山田先生だが、後ろに別の方向に行こうとした千冬の姿に気付いた

 

「……山田くん、先に行っていてくれ」

 

「えっ!?で、でも織斑先生、一体どこに……」

 

「大丈夫だ、すぐに駆けつける」

 

「あっ!お、織斑先生!?」

 

呼び止めようとした山田先生の声も聞かず、どこかに立ち去ってしまった千冬。

それに続き、セシリアが山田先生を呼び止める

 

「待ってください!私にも出撃許可を!」

 

「……だめです。今回の騒動は一年全員が出撃禁止を命じられています」

 

「で、でも、わたくしは代表候補生です!無いよりはマシ―――」

 

「無い方がマシですっ!」

 

「ええっ!?」

 

今までのような弱気な山田先生とは思えない台詞が出てきたことに、背知りは内心かなり驚いてしまった

 

「セシリアさんのISは一対多向きです。多対一では逆に足手まといです」

 

「そ、そんな事はありませんわ!わたくしも邪魔など―――」

 

「ダメって言ったらダメです!セシリアさんはここで待機!いいですね?」

 

「くっ……はい」

 

今度ばかりは言う事を聞かずにはいられなかった。

これは『訓練』ではなく『実戦』であり、一つの失敗が命取りになる。そんな可能性を教師が見過ごせるはずも無い。

 

素直にセシリアはベンチに座り、頭を抱えていた。

 

「……結局、見ていることしか出来ないのですね……」

 

そう呟きながら、スライドドアから出て行く山田先生を見届けるのであった

 

「……あら?篠ノ之さんと藍更さんはどこに?」

 

きょろきょろと視線を回すセシリアは、この場に二人ほどかけていることに気が付いた。

そのうちの一人はこの騒動に対して最速ともいえる対処をしていることも気付かずに

 

 

                   ◆

 

 

「くっ………まだ電話受けないの!?」

 

天井、壁、床全部が金属製の通路をかなりのスピードで駆け抜けている少女―――凪紗は携帯電話片手にステージのリアルタイムモニターを見ている。

 

「……耐えてくれよ、一夏、鈴」

 

そう呟きながらどんどんカーブを曲がっていく。

その時、電話から「プッ」と接続音が鳴った

 

「つながった!―――千冬さん!聞こえますか、千冬さん!」

 

『大声を出すな……聞こえている』

 

「よし……!まず現状を報告してください!」

 

『遮断シールドのレベルが最高レベル5に設定してある。扉はほとんどロックされて避難もなにもできん』

 

「最高レベル……あのISのしわざですか?」

 

『たぶんそうだろう。そして、三年の精鋭がシステムクラックを開始している。遮断シールドを解除できればすぐにでも部隊を突入させ―――』

 

「―――!その部隊、今どこに」

 

『アリーナのすぐそばだ。入り口は入るのに狭いし、シールドも突破できないから手も足も出ない状況らしい』

 

「すぐに半分を上空に散開せてください!」

 

『……なに?』

 

「二度は言いません!いいから早く!!」

 

『……わかった。それで、私は何をすればいい?』

 

「決まってますよ……暮桜の単一仕様能力『零落百夜』でアリーナのシールドを破壊してください」

 

『間に合うかどうかわからんぞ?精々十五分が限界だ』

 

「十分です、というか、乗ったらすぐにアリーナ付近に向かってください」

 

『了解だ』

 

プツッと電話が切れる。

パンッ、と乱暴に携帯電話を閉じ、目的の場所―――観客席入り口へと向かった

 

 

 

 

                    ◆

 

 

 

「おいおいおいおい!?どうなってんだよこりゃ!?」

 

輸送機の貨物室で状況を把握しようと大声を出しているオータム。

しかし、意外と冷静にしているスコールはベンチに腰掛けていた

 

「スコール!お前この状況がなんなのかわかってのか!?」

 

「……ええ、正体不明のISが学園襲っている、でしょ?」

 

「そうだけどな……!」

 

「……あんなIS見たこと無いわ。うちの秘蔵ってわけでもなさそうだし……どうするの?」

 

「いや、私に言われてもな……今のまま襲ったら、火に油をかけるようなもの―――」

 

「それよ!」

 

急に大声を出したスコールは、自分に視線が集まっている事に気付き、「こほん」と咳払いをする

 

「……この混乱に乗じて、作戦を開始するわ」

 

「なっ!?」

 

全員が同意見だった。今の警戒状態じゃ返り討ちにされかねない。

だがそんな事はスコールも承知の上だった

 

「……潜入している彼女が『織斑円夏』につけた発信機の座標を見ると、アリーナから離れた学生寮にいることが先ほどわかったわ」

 

「……そうか、警備が別の場所に集中しているところを狙って」

 

「ええ、そうよ。でも、降下中に感知されるのは目に見えているわ。だから私と数名は陽動の方に回るの」

 

「それは足止めか?それともフェイクか?」

 

「どっちもよ。どの道戦闘は免れなかったし。逆に好都合だわ。上空から面制圧すれば少しは勝機もある」

 

「ふふふっ、いいなそれ。乗ったぜ」

 

「そう来なくては話にならないわ――――総員、降下用意!作戦は11:20開始よ。すぐに準備して!」

 

 

 

 

 

                      ◆

 

 

 

「くっ……!うああああああああっ!」

 

一撃必殺の間合い。

だが、俺の斬撃はすぐに避けられてしまう。

 

「―――フェイントだ馬鹿!」

 

袈裟斬りをかわされた俺は、すぐに逆袈裟斬りを放つ。

神速の斬撃と不意打ちをかわせるはずも無く、その胴体は刃で切り裂かれた

 

これで終わりではない。

超速回転しながら相手の背中に付き、回転の勢いで雪片を横薙ぎする。追加でもう一度袈裟斬りをお見舞いする。

 

普通ならここでシールドエネルギーが切れて倒れるはずだ。「普通」なら

 

「くそっ……倒れねぇ!」

 

後ろに居る俺に気付いたらしく、腕を思いっきり横薙ぎしてきた。

動揺していた俺は避ける事を忘れていて、見事に横腹にクリーンヒットしてアリーナの壁まで吹っ飛ぶ形になった。

 

「うわああああああっ!?」

 

ボコン、とアリーナの壁が陥没する。

ぶつかった衝撃で白蓮弐式の装甲も一部破損したらしく、目の前ではアラートを示すウィンドウが表示されている。

どうやら足の一部パーツがこぼれたらしく、足が上手く動かない

 

さらに四機のISがこちらに砲口を向けている。

 

「やべえ……!」

 

即座に上空へと急上昇する。

直後、俺がいた場所にビームの束が放たれた。

 

「鈴!そっちは!」

 

オープン・チャンネルで通信を送る。返事は

 

「うっさい!集中できないでしょ!黙って攻撃しなさいよ!」

 

罵倒の連続だが、それほどに相手も余裕がないと言うことだ。

現在、俺たちは計十一機のISを相手にしている。俺が五機で鈴が六機だ。

 

なぜこんな差が出来たかというと、なぜかほとんどが鈴の方に行ってしまったのだ。どうやらあちらの方が強敵だと判断してのことだと思う。

 

ついでに、最初は十二機だったが、何分か前に鈴と共同して倒してしまった。

その回想がこちら

 

 

※回想中です

 

 

『鈴!一秒だけ隙を作ってくれ!』

 

『わかった、二秒よ!仕留めてよね!』

 

鈴が青龍刀をブーメランのように投げる。あんな使い方できたのかと思いながらも一緒に突っ込んでいく。

敵ISは青龍刀を当然のように巨大な腕で弾き、第二撃目として俺に拳を放つ。

 

だが、直前に鈴の衝撃砲で弾かれ、狙いは大きくそれてしまう。

 

雪片で相手の胴体目掛けて腕を振りかぶり―――降ろす。はずだった

 

『一夏!横!』

 

『え?―――おわっ!?』

 

いきなり横からビームが飛んできた。なんとか雪羅をシールドモードにして軌道をずらし、体を横にすることでかわす。

IS十二機に囲まれているんだから当然といえば当然だ。証拠として六機以上俺の方に向かってきている。

 

だが今はそんな問題じゃない。

振りかぶって降ろした雪片は相手に当たっているか確認しようと目線を上に向けたら………首にめり込んでいた

 

『……は?』

 

え?もしかして俺この年で『少年、自己防衛のために女性殺害!』なんて記事を作ってしまうのか!?

 

という思考は次の瞬間一瞬で消えた。

首に刃がめり込んでいる状態で、敵は腕を動かしてこちらの左腕をがっちりホールドしてきた

 

『きぃああああっ!?』

 

装甲の上から左腕の雪羅が握りつぶされ、あの中にある俺の腕が異常な圧迫を受けた

 

背水の陣。ここまできたらやるしかない。

俺は右腕に渾身の力を入れ、無理矢理刃を進めた。

 

『ぬああああああああっ!!!』

 

そしてついに、首が切り離された。血は―――吹き出なかった。

代わりに何が電気がスパークして、煙が立っている。同時に俺を掴んでいた腕の力も緩み、ISは力なく崩れた。

 

『……どういう、ことだ?』

 

だが、そんな考えをする余裕すら相手はくれないらしく、左からその巨体をこちらに向けてきた。

 

それに気付き、すぐさま壊れた雪羅をパージ&リリースし、相手の方へ飛ばす。しかし、敵ISは気にした様子も無く、雪羅の残骸を空中キャッチする。

 

『かかった!』

 

雪羅の中にはエネルギーカートリッチが入っており、中には大量エネルギーが入っている。それを利用し――

 

『鈴!いますぐ雪羅を撃ってくれ!』

 

『――――!わかった!』

 

鈴が肩の衝撃砲を放つ。それが雪羅にぶつかった瞬間、カードリッチ内の大量のエネルギーが一一気に開放され、爆発した。

 

――――パアァァァン!!

 

雪羅はただ爆発するだけでなく、爆発で散った破片で相手の装甲を抉り取る。これなら相手も只では済まされないだろうと思い、視線を向けると

 

立っていた。何事も無かったの用に。

腹の部分はボロボロになっていてなにか黒い血のようなものがこびりついており、「キリ……キリ……ビチッ」と人が出すような音ではない音を発していた。

 

これで確信した。

 

『アレは……人が乗っていない!鈴、アレは無人機だ!!』

 

『はぁ!?そんなわけ―――』

 

『あるんだよ!現に血が出てないだろ!』

 

『……確かに。でも、どうして……』

 

『知らん……だけど、これで手加減せずに済む』

 

『……確かにね。人が乗っていないとわかれば、私も衝撃砲を最大出力まで伸ばすわ』

 

『よし……うおおおおっ!』

 

 

回想終わり

 

 

というわけで手加減無しで挑んでいるわけだが……先ほどの撃沈が嘘のように無人機たちの動きは早くなっている。ラーニングマシンでも積んであるのか?

 

「一夏、今よ!突っ込んで!」

 

鈴の一声で目を覚まし、すぐさま突撃する。

どうやら隙が出来たのは先ほど雪羅の爆発を喰らったISのようだっだ。

 

「―――ふっ!」

 

気合をいれ、素早く懐へ潜り込む。

そして無人機の右腕を狙い―――

 

「うおりゃあっ!!」

 

雪片の刃が無人機の腕を断つ。断たれた腕はそのまま地面へと落下する。

同時に、左腕で掴んでこようとするが

 

「その手はもう通用しない!」

 

背中を思いっきり仰け反り、腕を回避する。

仰け反った勢いで宙返りして相手を正面に捕らえた時に、瞬時加速(イグニッション・ブースト)を使用して体当たりする。体当たりで体勢が崩れ、攻撃不能になった瞬間、俺の猛攻が待ち受けていた

 

「迅速一刀流、二の型八番『奥義(・・)』《燕返し(つばめがえし)刀醒乱舞(とうせいらんぶ)》!!」

 

一撃にして三撃、三撃にして九連撃。文字通り、神速の三連撃でISは九回(・・)切り刻まれた。

 

「いっ……!凪紗のやつ……一週間でこんなの叩き込みやがって……!腕がも持たねぇよ……」

 

無理をしたせいで腕がかなり痛むもの、敵ISは無残にバラバラになって地上へと堕ちて行った

これであと十機、時間もあと三、四分かせげば十分だ。

 

「頼むから早くしてくれよ……!」

 

 

痛む右手を押さえながら、一夏はそう呟くのであった

 

 

 

 




一夏が迅速一刀流を覚えている事を疑問に思うこともあるかもしれませんが、それは次話判明するのでお待ちください。

………次話はきっと話すすむはず!(だと思いたい)
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。