インフィニット・ストラトス 転生者は双子の姉 作:夜光・陽炎
作者「ふふ~ん♪もうすぐ完成だな」
数分後
ウィンドウ「エラー」
作者「は?」
作者「ウオオオオオオオおおいいいいいいいいい!!!!!」
……と言うわけで遅れました。
一から作り直しましたが、後から自動保存の存在を知り、私のメンタルはもうぼろくズ当然です。
あああ……なきたい。もう……ゴールしていいよね?
「ふっ……!ふっ……!ふっ……!」
もう八分近く無酸素運動と長距離移動をしている凪紗は、もううんざりしていた。
凪紗はこのアリーナの構造に詳しいわけではないので、行き会ったりばったりが続いているのだ。この緊急時にはちょっと勘弁して欲しい。
「FUCK……!こんな事なら構造ぐらい把握しておくんだった……!」
今更ながら後悔しながらも、分速二十キロで走りつつけ、急な曲がりに差し掛かる。遠くから見てもかなり広そうな通路だった。
「よし……!当たりか?」
スライディングするようにブレーキをかけながら速度を緩め、その勢いで立ち上がる。
そして正面には閉ざされた大扉―――アリーナ観客席への入り口が見えた。
「よ、ようやくか……って、言ってる場合じゃない」
金属製の扉に近づくと、向こうから何人もの声が聞こえた。
『何?どうなってるの?』
『ちょっと!開いてよ!』
『誰か!いないの!?』
全員助けを求めている。当然だ、だれだっていきなり閉じ込められたら助けぐらい呼ぶ。
だが、助けにこれる人員はここに入ってこれない状況であって、アリーナ内の人が助けるぐらいしか出来ない状況なのだ。
凪紗は扉に手を当てる
「扉の前に居る奴!離れて!」
『―――え!?み、皆!助けがきたよ!』
『ほ、ほんと!?ねえ、助けてよぉ!』
『ちょっとどいて!私が先に出るんだから!!』
『お、押さないで!い、いたいいたいいたい!!』
こんな緊急の状態で人の話など耳に入るはずもない。皆自分の生存のために他人を犠牲にしようとしている。
しかし、助けようとしているのにこれでは助ける事が出来ない。
「ねえ、聞いてる!?扉から離れてって!」
『出して!ここから出して!』
『は、放しなさいよ!動けないでしょ!』
ここにきて、凪紗はなにかが切れた。大事な心の『制御棒』とやらを
「―――離れてって言ってるだろ!!非常時ぐらい人の話し聞けや!!!全員死ぬぞ!!!」
『ひっ………!!??』
その一言で向こうの騒ぎは収まった。
やっと言う事を聞いてくれたか、と胸をなでおろす
『ど、どきました……!』
「OK、動くなよ………!」
迅速一刀流、八の型八番、奥義―――
「―――
かすかな声と共に、凪紗の手が一瞬目視できなくなった。
ほんの一秒未満で手の動きは止まったが、その手は
刹那、超硬質鉄製の扉は砂のように消えた。
それは風化したようでもあり、何度も砕かれ、もう一度成形したものが崩れ去るような。
「……はぁ」
そして、全てがなくなった頃―――
「や、やったああああ!」
「みんな、扉が消えたよ!」
と、大声を出しながらこちらになだれ込んできた。
これはまずいと思い、ジャンプしてさけようとした瞬間―――
―――トカアァァァァン!!
爆発音が響き、後の扉が吹き飛ばされた。
「きゃあっ!?」
そのおかげで女子たちの進行も止まり、その場で立ち尽くす事になった。
そして、壊れた扉の向こうにいたのは
「み、みなさあぁぁん!ご無事ですか~!?」
……あいかわらずおっぱいが目立つ、一年一組の副担任。ISを纏った山田真耶先生であった。
くそう……もみくだしたい。という雑念は捨てて
「山田先生、助かりましたよ」
「え?藍更さん?―――って、あれ!?扉無くなってません!?」
ま、そういうリアクションすると思ったよ。だが今はそれに構っている余裕など微塵もない。
さっさと山田先生に指示を伝えて、一夏たちの救援に向かわねばならない
「山田先生、今すぐ東側の入り口まで生徒たちを誘導してください」
「え?でも、安全な校舎に近いのは南側―――」
「残念ながら、校舎も安全じゃありませんよ。東側には救助部隊がいます。彼らにシェルターまで誘導してもらってください」
「ど、どういうことですか?校舎が安全じゃないって……?」
「十数分後に、ここは戦場になります。だから早く!」
さすがにこの威圧は鈍感な山田先生にも伝わったようで、「は、はいっ!」とさけび「皆さん、今から私についてきてくださ~い!」と叫びながら、生徒たちを誘導していった。
だが、ここに居る生徒は約百人越え。とても短時間で避難完了できることは「不可能」ではないが「至難」だ。できれば短時間で完了していただきたい
「さて……私もステージに向かうか……!」
◆
「くうっ……!」
一夏は、右手を押さえながら逃げ纏っている。たぶん無理に腕を動かしたからであろうが、こんなことでも十分戦闘に影響していた。
一夏は利き手の右手で武器を扱う事が出来ず、左手に持って牽制するしかなかった。
そして雪片のカートリッチも切れているので、《零落百夜》を使うこともできない。シールドエネルギーもほとんど底をついている。
正直言うと、もう限界だった。
これ以上時間が経つならば、さすがに覚悟を決めなければならないだろう。
「―――――!?一夏、後!!」
「な―――くっ!?」
前進を続けながら体だけを回転させ、後を振り返る。
すると、自分よりも一回り大きい体格の存在が自分を追いかけていた事に気付いた
「いつの間に……!?っ……雪無、防御だ!」
腰の周りにあった大剣を繋いでいる留め金がパージされ、自分の目の前に広がる。
だが
「……………ァ」
ふと、なにか聞こえたような気がした。
「……ァ……ス…ヶ……ェ……」
「―――え?」
「ァ……ァァァァァァアアアアアアアアアアアアア!!!!!」
機械音じみた叫びが耳を貫き、無意識に耳を塞いでしまう。
刹那、雪無が巨大な腕によってまとめて吹き飛ばされ、破壊される。
「嘘……だろ?」
その声は自分にも聞こえなかった。ただ無意識に出てしまったのだ。
咄嗟に頭部へのキックを試みたが、遅すぎた。
キックを繰り出した瞬間、頭部へ届く前に巨大な腕で掴まれる。瞬間、パキバキと足が潰されていく音が聞こえる。
「まずい……!」
そう判断し、掴んでいる腕にもう片方の足でキックを繰り出そうとした―――が、足が動かなかった。
恐怖、ではない。先ほどのパーツ破損が原因で足の駆動部が壊れてしまったのだ。
さらに無人機が俺のキックする予備動作に気付き、もう片方の腕でその脚を思いっきり殴る。
無人機の拳がぶつかった瞬間、脚は真っ二つに折れて、衝撃で俺は回転しながら吹き飛ぶ。
しかし、衝撃で吹き飛ばされた瞬間、掴まれていた足が千切れたのでなんとか距離をとることができた。
「はぁ……はぁ……どうしろと、全く……!」
片方の脚は千切れ、もう片方は真ッ二つに折れている。
――――これが絶体絶命って奴か。全然いい気しねぇよ……ははは
「一夏っ!逃げて!」
鈴が叫んでくるが、もう無駄だ。こんな脚では反撃すらままならない。
最後の悪あがきとして、雪片を後に思いっきり振るが、もちろん効果は無かった。
後から近づいてきた無人機に折れた脚を掴まれ、投げられる。
その方向は、アリーナの壁だった。
本日二度目、アリーナのかべにぶち当たる。そしてまた、壁を陥没させることになった。
そしてついに体か耐え切れなくなったようで、喉の奥からなにか生暖かいものが出てこようとしていた
「がはぁっ……!がっ……あぁっ……ッ!」
吐血。
それも仕方がない。何発もの攻撃を体に直撃させられたのだから。きっとダメージが蓄積してついにあふれ出したのだろう。
ゆっくり壁からなだれおちる。
「……ああ、ここまでか……?」
「一夏ぁぁぁっ!!!逃げて!!お願い!!!」
鈴が必死に叫んでいる。
―――ごめん、鈴――――
一機の無人機が鈴を阻んでいる。俺のところに行かせないためだろうか、はたまた単に命令に従っているだけなのだろうか。
そんなことを考えても仕方がない。今の俺はゆっくりステージから降りるだけ。
―――お前は、いき―――
「生きろよ、一夏」
「……え?」
後から声がしたと思えば、いきなりアリーナの防護用シャッターが切り裂かれ、そこからなにか『衝撃波』のようなものが飛び出してきた。
そして、その衝撃波は目の前に居る無人機を切り裂き、見事に胴体が縦に真っ二つになる。
数秒たった頃、誰かが『生身』で後から降りてくる。
その顔には見覚えがあった。どんなにがんばっても、倒せない。そして、誰にも負けることはない『最強』という言葉を化身ししたような存在
「な、ぎさ………?」
「―――よくがんばった。きっちり十分、稼いだじゃないか」
そして、『最高』の味方でもあり、『最強で最凶』の援軍。
―――そう、篠ノ之凪紗本人であった
ジュゥゥゥゥと、目の前の無人機は無残にも二つに分かれ、機能を停止している。
胴体ごとコアを両断すればそうなるか、と思う。
「う~ん……とりあえず鈴ちゃん助けるか」
向こうでぼーっとしながら無人機たちに囲まれている鈴を助けるべく、『生身』のまま駆け出した。
それに気付いた無人機たちは高速で凪紗に近づいてくる。
同時に、凪紗は光に包まれ、黒い装甲もったIS『黒桜』を身に包む。
そして突っ込んできた二機の無人機の攻撃を一瞬で予測、回避し、その間を通り抜ける。
だがそれで終わりではない。
一時的に旋回し、高出力荷電粒子砲を肩に展開と共に発砲。それは見事に脚を奪い、バランスを崩させて転倒させる
さらに猛攻は続く。
その二機に、いつの間にかワイヤーアンカーを仕込んでいたのか、腕からワイヤーが伸びて無人機たちを捕まえる。
それを鈴を囲んでいる無人機に投擲。その巨体は軽々と飛び、狙い通りに無人機達の胴体に激突する。
凪紗は四機のISが体勢を崩しているところを狙い、一蹴りで一気に無人機との距離を詰めた。
「二の型二番『
なんと彼女は、腰に設置している『雪影』と『紅桜』を同時に抜刀し、
無数にばら撒かれた衝撃波は、まっすぐ無人機へと向かう。
寸前、仲間の体をぶつけられた無人機は、
だがしかし、逃れなかった仲間二機は、豆腐を切るようにあっさりと切り裂かれ、鉄くずと化した
それでも、凪紗の猛攻は止まる事を知らない。
「六の型十番『奥義』、《
その技は《結閃》の最終進化系。
ただ清らかに鮮麗された技。そこには悪意も無く、善意もない。あるのただ《結果》のみ
無数の衝撃波で作られた「衝撃波の壁」。それは避ける事も防御も出来ない、まさに奥義というなのふさわしい技であった
衝撃波はゆっくりと、静かに鉄の塊を粉微塵に変えてゆき、自然に消えていった。
残ったのは、射線から外れた腕や脚のみ。その断面は『鋭い刃で断たれた』ように綺麗なものだった
その技を使用した張本人は、刀を鞘にしまい、ぼりぼりと頭をかいでいる
「いや~、こんなに技使ったのは久しぶりだな……腕の筋肉繊維が何本か千切れ飛んだよ。すく治るけど」
暢気に軽口を叩いているが、本人もそんな状況じゃないのは自覚している。しかし、こんな状況だからこそだろうか。
「びょ、秒殺……二人ががりで十分使ってやっと二機なのに……四機を一分も経てずに……」
「ん、鈴、無事?」
「あ、う、うん……」
さすがに元々桁違いの強さを誇る凪紗でも、ここまでくるともう笑いたくなる。どれだけ常識から外れているんだこの人外は
「一夏、無事だな?」
「……あ、あ。なんと、か、な……」
口から血を出しているあたり全然無事そうではない。もう、彼は戦闘を続ける事は出来ないだろう。すぐに応急処置をほどこさないかぎり戦闘継続は不可能だ。
「鈴、一夏。すぐにここから離脱して」
「―――は?」
「え………?」
二人ともきょとんとしたような目でこちらを見ている。今は止まっているが、無人機はあと五機も残っているのだ。確かに凪紗は不意打ちに近い形で五機を葬り去ったが、もう簡単にやられる相手でもないだろう。
「で、でもまだ敵は―――」
「これから増える、だから逃げろ」
「なっ!?ど、どういう―――」
ビィィィィィィィィィ!!!
一夏が言葉を続けようとしたが、その前にサイレンが鳴って言葉をかき消した
『緊急事態です!上空四千メートルあたりでISの反応、数は五です!生徒の皆は至急シェルターに非難してください!!』
――――敵?まさか援軍?いや、十二機も導入して援軍もくそもないだろう。だとしたら……
「……ちっ!予定より十分早い……!混乱に乗じてきたか……二人とも、早く!」
「お、おい!一体何が起こっているんだよ!?」
「そ、そうよ!何も知らずに行動できるわけ――――」
「黙って聞け!!!」
「っ……!?」
「ぁ………」
「一夏ぁぁっ!!!」
突如、キ――――ン……とスピーカーがハウリングした。その声は、箒のものだった
「な、何してるんだお前……!」
「箒……避難したんじゃ……!?」
中継室の方を見てみると、ただ一人、自分の妹が立っていた。審判とナレーターはもう避難しているのでいない。
まずい、これでは箒を止められる人がいない
「男なら……男なら、そのぐらいなんとかしないでどうする!」
「いや、無理言いすぎだろ!」
一夏のツッコミはハウリングによってかき消されたが、それには大いに同意する。箒ちゃん、無茶いいすぎだよ。
「……………」
気が付くと、敵IS―――無人機は今の館内放送、その発信者に興味を持ったようだった。三人から目を逸らし、じっと箒の方を見ている。
「箒、逃げ―――」
一夏は飛ぼうとしたが、瞬間スラスターが爆発し、煙を出している。
その間にも無人機の内一機はゆっくりと腕を箒のほうに向けている
「く、そっ―――!」
「ダメ、私でも間に合わない!」
「ああっ、もう!」
声を出したときにはもう飛び出していた。
同時にビームが発射され、箒の方に向かう
「間に合えっ……!」
凪紗は瞬時にビーム斜線上に静止し、肩の粒子砲を発射する。
二つの光柱がぶつかり、互いを相殺し合いながら力比べを開始した。
だがすぐに決着はついた。
凪紗の粒子砲が煙を立て、スパークし始めたのだ。試作ゆえの故障だろう
「こんな、ときに……ッ」
粒子砲をパージしたと同時に、相手のビームが勢いを取り戻し再度向かってくる。
出来れば使いたくは無かったが、仕方がない
――――五の型四番、
呟くことも無く、神速の居合いが放たれる。
が、この技は『防御用』。自身の周囲に風―――突風の嵐の球体を作り、攻撃を防ぐものだ。故に攻撃目的ではない。
不可視の壁がビームを防ぎ、明後日の方向に飛ばされる。
しかし、凪紗の体にも変化は訪れていた。
「がっ………ごっはぁっ……!!」
急遽、吐血した。
原因は『体の疲労』。当然だ、常識を超えた範疇の絶技を『五回』も使ってしまったのだから。しかもほとんどが『奥義』だ。
使いたくなかったのはもう疲労をこれ以上ためないため。彼女も体は人間だ、疲労ぐらいたまれば疲れはする。
「ったく……精神では耐えられても体は正直だよ」
愚痴を叩きながら、後を向く。
そこには、この世でたった一人の妹が立っていた
「…………」
「箒ちゃん、今すぐ逃げて」
「で、も……」
「一夏たちなら後で逃げるから、大丈夫」
「…………姉さん」
黙り込んで、今度は俯いている。
振り返って一夏の方を見ると、ISを解除した一夏が鈴に抱えられていた。
「鈴、さっきの話だけど」
「ええ、この堅物を連れて逃げるわ、上を見てみると、そろそろやばくなってきたしね」
上を見ると、いつの間にか上空で対IS戦が始まっている。両陣営とも数は4対4だが、何か妙な違和感を感じる
「鈴、放せよ!おい!」
「………頼んだよ」
「了解」
そして、鈴は一夏を抱えたまま、私が作ったシャッターの切れ目から姿を消した。
「箒ちゃ―――あれ?」
後を見ると、箒も居なくなっていた。ようやく言葉が届いたのだろうか、それとも一夏たちが逃げたので自分も逃げる気になったのか、別にどっちでもいいが、立ち去ってくれたのは助かった
「―――――これで、ようやく本気が出せるよ」
静かに無人機の方に振り返り、そう呟く。
その目は、悪魔のような『紅い』目だった
ふぅ……ようやくペナルティが出せたよ。あんなもんペナルティ無しで連発されたら悪夢の他ありませんね、具体的には新幹線の雨ができたり、桃色の核兵器ならぬ白い悪魔もとい冥王さんのスターライトなんちゃららがフルオート連発できるようなものですよ。怖いな