インフィニット・ストラトス 転生者は双子の姉 作:夜光・陽炎
今後ちょっと暇が出来そうに無いので早く投稿しました。少し短めです。
「ねえ、聞いた聞いた?」
「聞いた!あれでしょ?」
「え、何の話?」
「あの織斑君の話よ。しかも超付きの良い話!」
「何々?聞く聞く!」
「まあまあ落ち着きなさい。いい?これ絶対に女子にしか話しちゃダメよ?女子だけの会談なんだから。えーとね、実は、今月の学年別のトーナメントで――――」
いつもながら、というかあんな事が起きたにもかかわらず、相変わらずの賑やかさが食堂中に広がっていた。
部屋で調整を続けていたら、急に腹が減ってきたので食堂にきていた私は少し遠くでノーパソいじっている。が、イアホンしていても聞こえるほどの盛り上がりっぷりである
「……やかましいわな……少しは静かにしてくれんかね」
喚声の中、ぶつぶつと愚痴を呟くが、勿論聞こえるはずも無くそのままその声は消えていったのだあった。
再度集中してキーボードを叩こうとしたが
「ええええっ!!え、何、それ、マジ?」
「うんマジ!超マジマジ!」
「うそー!きゃぁーっ!どーしよー!」
「………(プチッ)」
そんな悲鳴じみた見た声のせいで集中もクソも無かった。
頭の血管が切れる音がしたが、たぶん気のせいだろう。私はこんな短気な性格ではない。……たぶん
ま、まぁ、笑顔は大事だ。高校女子の盛り上がりっぷりは女性の時期の中でもピークらしいからな。これぐらい我慢しないときりが無いよ。
ちなみに私の飯はトーストだ。夜になんちゅーもん食ってんだという人はいるかもしれんが、こんなの軍の少食訓練時に見れる。朝に豆一個食っている奴もいたし。
……何を話しているんだ私は。
「ふーっ……なんとか集中できんものか……」
ノーパソを閉じ、一気にトーストを平らげる。元々量が少なかったので時間はかからなかった
ふらーっと立ち上がり、食器を下げて一足先に寮へ戻ろうかと思った矢先、後から急に肩を叩かれた。
「おい凪紗、一緒に飯食おうぜ」
私に話しかけたこの男こそ天然ジゴロ№1、「唐変木・オブ・唐変木ズ」の異名を持つ男、織斑一夏である。
「断る、大体今食べ終えただろうが」
「そんなこと言わずに、ほらほら」
「んもー、なんだよ……」
一夏がいたのは隣のテーブル、しかもまだ食事中だったようだ
「こら一夏、私と食べるんじゃなかったの?」
そして、隣にいるのがセカンド幼馴染の凰 鈴音
「勿論鈴も食べるぞ。皆で食う飯ほど美味いものはないだろ?」
「たーくもう。また年寄り臭いこと考えて」
「いやいや、失礼な。ほい、座ってくれ」
「だーから、私食べ終えてるって言っているでしょうが」
「話しぐらいしてもいいだろ?」
「あーもう。いいや」
こいつのしつこさはたまに凄くなる。昔「食べ物を残すな」とか「あんまりテレビに目を近づけると目が悪くなるぞ」とか、お前はおかんかというほどしつこくなる。母親代わりは私のはずではなかったのか。別に良いが
「いやー、なんかさっきから盛り上がっているっぽいな。なんかやってんのかな?」
お前のせいだよ
「なんか言ったか?」
「言ってない。で、なんで私までつき合わされなきゃいけないんだよ」
「え?単に見かけただけだから一緒に、って思っただけだけど?」
……こいつはとこか私の姉に通じるところがあるな。
つーか、そんな理由で引きとめるなよ。
「帰って良いかな」
「まあまあ詩織、落ち着きなさいよ」
「……お前はまだ私のことを詩織って呼んでいるのか?」
「あ、いや。ついつい」
「ま、人の勝手だけどさ」
藍更詩織。という偽名は捨てた、つもりだった。
もう隠居生活をする理由はなくなった。なので、本名を明かして慣れない偽名なんぞ使っても無駄だと思っていた。そう思っていたので意識してはいなかったが……今度は本名で呼ばれるのが変なった、というパラドックスを生み出してしまった。
そもそも、本名も偽名みたいなものだが
「うーん……とりあえず食べるか」
一夏の一言で、会話は途切れてしまった。
二人は自分が頼んだ献立を少しずづ食べていくだけ。私は単に二人を眺めてボーッとしているだけだった。
そのまま二人が食べ終える。晩飯とはいえ、何を言わずに食べていたらすぐになくなるのは当たり前か
「お茶取ってくる。番茶でいいよね?」
「お、サンキュー」
「詩織は?」
「ん?」
「お茶よお茶。取って来るから注文しなさい」
「ああ、じゃインスタント緑茶で」
「うん、わかったわ」
お茶を持ってきてくれるのなら助かる。しかし、私の分も取って来るとは、気の聞く子になってきたね。昔は「あたしの茶、とって来なさいよ!」と、人に命令して飲んでだ子だったんだがね。
「あーーーーーっ!織斑君だ!」
「えっ?うそ!?どこどこ!?」
「ねえねえ、あの噂はほんと――――もがっ!?」
殺気まで集まっていた女子群の中から、こちらに気付いた所持がなだれ込んでくる。
やはり噂とはあれだろうか。勘違い野郎のせいで、私の妹の約束がアレになった件か
「い、いや、なんでもないの。なんでもないから、あはは……」
「―――バカ!秘密って言ってたでしょうが!」
「いや、でも―――」
「噂って、アレの事?」
私が面白半分に横槍をなげると、なだれ込んできた三人の動きがピタッと止まる。
瞬間、私の腕を三人が同時に引っ張った
「え?」
「ちょっとアイさん!アレ、喋ったんですか!?」
「いや、えと」
「ど、どうなんですか、本当なんですか!?」
「いや、だから」
「それより何でアイさん知っているんですか!?言っていないはずなのに」
「………うーん。私に言えることは、一つ」
「「「(ごくり)」」」
「……あの唐変木にそんな甲斐性があると思うか?」
「え?」
「それは、そのぉ……」
「つまり、どういうことですか?」
「……期待、しないほうがいいよ。噂はあっているけど、本人が違う形で認識してちゃあお終いだろうよ」
「「「(ポカーン)」」」
三人は理解できないような顔でこちらを凝視していた。
これ以上の話も無駄だと思い、先ほど居たテーブルに近づく
「えーと、何の話していたんだ?」
「お前に話しても無駄だと思うがな」
「は?」
「なんでもない。私は先に寮に戻ってる。お茶はごめんって鈴に伝えといて」
「あ、ちょ」
「んじゃ」
最後まで聞くことも無く、私は食堂を立ち去った。
しかしこの時、私の中には無性に嫌な予感がした。
明日は何か起こると、直感した
◆ ◆ ◆
「やっぱりハヅキ社製のがいいなぁ」
「え?そう?あれってデザインだけって感じしない?」
「そのデザインがいいんだよ」
「私は性能的ならミューレイのがいいかなぁ。機能的ならH・S(ハヴェリック・サーペンス)社製の動きやすそうなあのスムーズモデル」
「あー、あれって結構高めだから中々手が付けられないんじゃなかったっけ?」
月曜日の朝。クラスズ宇野女子が昨日みたいにわいわい騒いでいた。
ISスールのカタログのようなものを持って、あれこれ意見を交し合っている
「そういえば織斑君のISスーツってどこ製なの?見たこと無い型だけど」
「あー、特注品だって。男のISスーツがないから、どっかのラボが作ったらしいよ・えーと、確かイングリット社のストレートモデルベースカスタムって聞いてる」
あいつの頭にしてはよく覚えているなと褒めてやりたい。夜たまに勉強教えている甲斐があったよ。
ついでにISスーツはISの反応速度に影響するので、国家代表は最高峰のモデルに個人用のオーダーメイドらしい。
「ISスーツは肌表面や体内の微弱な電位差と電気信号を検知することによって、操縦者の動きをダイレクトに各部位へと伝達、それでISは操縦者の手足のように動けるわけです。それに、ISスーツは耐久性にも優れ、一般的な小口径の拳銃弾程度なら受け止めるができます。あ、でも衝撃はきえませんので、覚えておいてください」
すらすらと説明しながら現れたのは山田先生だった。あいかわらす胸が豊かですねぇ……
「山ちゃん詳しい!」
「一応先生ですか、ら……や、山ちゃん?」
「山ぴー見直した」
「今日は皆さんのスーツ申し込み日ですからね。しっかり予習してきました。えへん。……って、や、山ぴー?」
入学から二ヶ月(襲撃が起きたのは大体一ヶ月半前。今思えば速過ぎる襲撃だった)。山田先生には八つぐらいあだ名が付けられていた。これ絶対先生として扱われていないよね
「あ、あのー、先生をあだ名で呼ぶのはちょっと……」
「えーいいじゃんいいじゃん」
「まーやんは真面目だなぁ」
「ま、まーやんって……」
「あ、そういえば、アイさんのISスーツも見たこと無いね」
「そういえば、なんか変な光のライン走っているし」
「ねえねえ、何製なのアイさん!?」
私に話を振らないでくれ。私女子だけどガールズトークとか無理だから。最近のブームに乗れないタイプだから。
「……えー、私オリジナルだよ」
「えっ!自分で作ったの!?すごーい!」
「一から作る時間無かったから、
「うそ!あの…えーと、何だっけ?」
「F・V・R・U社。名前長いから覚えなくていいと思うけど」
「そうそう。あのF何たら会社って、あの国家代表オーダーメイド専門業者会社じゃない!モデル一つで普通のISスーツ何十着も買える数字だったよ確か!」
「一応私専用に私自身が改良してるから。ベース用のスーツ一着買うだけなら別に問題は無かったし」
「どんだけお金持ちなの………」
あまり言いたくは無いが、私のISスーツは私の体内のナノマシンと反応して、ナノマシンを通じて発せられる電気信号をキャッチしてISの反応速度を限界まで高めている。
なので、私以外に動かせないというわけだ。しかも信号伝達の速さだけならただの電線と光ファイバーの違いだ。
「おいお前ら。もうホームルームの時間だぞ!」
『は、はい!』
急にドアを開いて現れたのは、まぎれもなく織斑千冬。
その威圧感はまるで歩く戦車―――いや、歩く難攻不落の要塞だ。正直に言ったら「ぶち殺すぞヒューマン」とか言われそうだが、そんなに脅威ではない。と思う
「今日からは本格的な実践訓練をしたいと思う。前回の事件で訓練機が何個か壊れてはいるが、ISを使用しての授業になるので各自気を引き締めて授業を受けるように。自分のISスーツがとどくまでは学園指定のものを使うので忘れないようにな。それを忘れた奴は水着でも着ていろ。それも忘れた奴は………裸にでもなれ。男子が一人いるが、まあここは女子学園だからな」
おい、それは無いだろ。と、私以外の奴もこんな感じで突っ込んだと思う。さすがに裸は無いだろ、それでも教師か
「では、山田先生。ホームルームを」
「は、はいっ」
こうして連絡を終えた千冬さんは、山田先生にバトンタッチする。相変わらずというかなんというか、おたおたしている姿がなんとも頼りない。あの頼れそうな山田先生はとこにいった
「ええとですね、今日はなんと転校生を紹介します!しかも二名です!」
「……は?」
「「「え……ええええええええっ!!」」」
いきなりの転校生紹介にクラス中がざわめく。
そりゃそうだが……なぜ一組に二人も来るんだよ。普通なら一人ずづに分けるだろ。
そう考えていたら、なぜか千冬さんがちらっとこちらを見た。
……昨日の嫌な予感が当たったような気がする
そしてついに、教室のドアが開いた
「失礼します」
「……………」
クラスに入ってきた転校生をみて、クラスのざわめきがピタリと止まる。
それはそうだろう。そのうちの一人が………男子だったからだ。
しかし、私にとってはただのアンノウンとしか映らなかった。
問題なのはその隣にいる『銀髪で眼帯をした少女』
私もさきほどこちらに目線を送った千冬さんに視線を送り返す
その千冬さんも、頭を抱えている
その少女は、ラウラ・ボーデヴィッヒ。私の元教え子だった
気休め程度で投稿してしまったが……これならもう少し長くしたほうがよかったかな?