インフィニット・ストラトス 転生者は双子の姉 作:夜光・陽炎
……と、さけんでみました。遅れました。ぁぁぁぁぁぁぁぁぁ………
「……どういうことだ」
「ん?」
「いっつつ……何が?」
昼休み、私は屋上に居た
かなり痛む背中を押さえながら、周りを見渡す。
周りには、セシリア、鈴、箒ちゃん、一夏、デュノア、円夏、そして私が居る。
普段なら女子でにぎわう筈の屋上は、私たちしか居ない。
ま、理由は簡単。女子がデュノア君目当てで全員学食に行ってしまったのだ。今頃目標の人物がいなくて混乱しているだろうな。
ついでに、先ほどの喧嘩の決着はこうだった
『いたたたたたた!!ギブ、ギィィィィィブ!!いったああああああああ!!』
『フハハハハ!!どうだ私のアルゼンチン・バックブリーカーの味は!ふーはははははははは!!』
『ちょ、折れる!マジやべぇ!ぎゃああああああっ!!』
『さ、さすが織斑教官!あの凪紗教官を抑えている!!』
『実況してんじゃない!助けてラウ―――らおぐあああああああああああ!!!』
『私に喧嘩を売った罪、得と味わえ!!WRYYYYYYYYYYYYYYYYY!!!!』
『うぼあああああああああああ!!』
バギゴギガギ
『あ』
『あ』
『…………(チーン)』
……というわけで、背骨折られかけました。治りましたけどマジ痛い。死ぬかと思ったよ
とりあえず、ここで一旦思考を断ち切る
「天気がいいから屋上で食べるって話しだっただろ?」
「そうではなくてだな……!」
「お前等、授業のとき何話していたんだよ……」
「えーと、昼に用事あるかって言ったんだが」
「……なるほどねぇ。それで勘違いしたわけだ」
その一言で大体理解できたよ。つまり箒ちゃんは二人で一緒に、とか思っちゃったりしたわけだね。
「なんかわかんないけど、飯はみんなで食ったほうが美味いだろ?それにシャルルは転校してきたばっかだから右も左もよく分からないだろうしさ」
「そ、それはそうだが……」
箒ちゃんはその何かと言いたそうな顔に持ち上げた拳を握り締めている。諦めろ、こいつにはアピールそのものが無駄だよ。
「っていうか、いつの間に呼び捨てにする仲になったのかなぁ?織斑君よ」
「なぜ苗字で呼ぶんだよ……いや、名前で呼んで良いって言われたし。俺だって名前で呼んで良いって言ったぞ」
「ふーん、よくこんなのを信用できたねデュノア君」
「え、いや、えーと……シャルルでいいです」
なぜ敬語なんだ。それは他人だからか?私が知り合って間もないからか?
「敬語はやめてくれ。反応に困る」
「あ、そ、そう……改めて自己紹介するよ。シャルル・デュノアだよ。シャルルって呼んでね。よろしく」
こちらに手を差し出したので、握り返す。
……やっぱり手細い。女の子だからか
「よろしく。私は……えー……なんて言えばいいかな」
「どうぜ学園中にアンタの噂が流れているんだし、バラしちゃえば?」
「鈴、お前なぁ………まあ、いいか。藍更詩織、またの名を……篠ノ之凪紗だよ。よろしく」
「……ほへ?」
自己紹介した途端、不思議そうな顔でこちらを見てくるシャルル。
うん、予想はしていたよ。誰だってこんなリアクションになるよね、わかってた。
「……えっと、これって冗談、だよね?」
「私が冗談を言うほど、お気楽な奴に見えるの?」
「いや、だって………」
シャルルは、誰かに説明求むというような顔をしながら回りを見渡す。が、皆諦めろと言わんばかりの顔をしていた。いや、誰か説明してあげてよ
「………ごっ、ごめんなさい!」
そう言って手を離し、ズササっと下がるシャルル。え、何で?
「……なぜ下がった」
「い、いや……なにかと、馴れ馴れしく接して、迷惑かと……」
「全く、人を社長みたいに……別に私は偉くもないし、ここではあなたと同じ一般生徒。だから、そんなにかしこまらなくて良いよ」
「そ、そう……な、なら、よろしく」
再度手を差し出してくるシャルルに、今できる最高の笑顔を作り、手を握り返した
「改めて、よろしく」
「んじゃ、自己紹介も終わったところだし、飯にしよーぜ」
「あ、そう……んじゃ、はい一夏。アンタの分」
そういって鈴がタッパを投擲してくる。中身が無事だといいな
「おお、酢豚だ」
「そ。今朝作ったのよ。アンタ前に食べたいって言ってたでしょ?」
こいつは女運にだけは恵まれている。現にこんな幼馴染がいるぐらいだ。しかし、現実は残酷だ。本人が異常に鈍感なのだから、こんなパラメーター役に立つわけが無い。
「ンンン。―――えー、一夏さん、わたくしも今朝たまたま、たまたま偶然早く目がさめてしまいまして、こういうものを用意してみましたの。よろしければどうぞ」
そんな遠まわしに言わなくても……単に「私のと一緒にあなたの分も作ってみました」って言えばいいのにね。……あれ、なにか大切なものを忘れている気がする
「お、おう。後で頂くよ」
なにかと一夏が引いていたので、私はセシリアが開いたバスケット(スポーツじゃない方)を見てみると、そこにはサンドイッチが綺麗に並べられていた。激臭を放ちながら
「うっ……これは、一体……」
そう呟くと、鈴が近づいてきて耳打ちしてきた
「アンタは知らないだろうし、今のうちに教えるわ。セシリア、料理、へた」
「……なぜ片言なんだ。つーか、なんで気付かないんだ私……」
「仕方ないじゃない、あいつが料理したのは一ヶ月前ぐらいにあたしたちに差し入れしたときぐらいだし。アンタにも届けようとしたのを必死に止めてあげたのを感謝しなさいよね」
「……面目ない」
ああ、昨日吐いたけどね。これ以上のダークマターに対して……
「……なに涙目になってんのよ」
「気にするな。トラウマを思い出しただけだ」
私と鈴がこそこそ喋っていると、セシリアが不思議そうに見てきた。
「お二人とも、どうかなされました?」
「「い、いや!なんでもない………」」
「え?」
ああ、これに自分に対しては鈍感らしい。助かった。
料理がへたなのはきっとイギリス人の血統だろう。いらぬものを引継ぎよって
「今日のは結構自信作でして。本と同じ様につくってみましたの」
……『本』じゃなくて『写真』の間違いだろ。という言葉は胸に閉まっておく。はっきり言った方がいいのやら
「言った方が言いと思うわ。将来的にも」
「いや、こればかりは本人に気付いてもらわないと……逆鱗に触れたら私でも制御できそうにないよ。物理的には倒せるけど」
「……アンタ最近物騒よ」
「すまん、自重しているのだが……」
まあ、この話は置いといて。今私は手持ちがない。つまり食べるものが無いのだ。別に無くとも一ヶ月ぐらいは大丈夫なのだが、それでも味が恋しくなるのだ。誰かがこう言っていた『デブは一食抜いただけで餓死する』と。私デブじゃないけど。
あと、私自身料理が得意なわけではない。精々一人暮らしが出来るぐらいの技量だ、具体的には見習い主婦ぐらいの。だって、私が料理する必要は無いし、していたのは教官時代で料理当番を負かされたときぐらいだしねぇ……
「ええと、本当に僕が同席していてよかったのかな?」
シャルルが唐突にそんな事を言う。さっきから遠慮深すぎて逆に呆れるんだが、これは私が異常なのか?
「あのねぇ……さっき言ったでしょ?同じ一般生徒だって。そうやって一々誰かに許可貰わないと同じ場所にいられないわけじゃ無いんだから」
「そうよ。アンタ、別にあたしたちから嫌われるような事していないでしょ?それかなんか避けるわけでもあるの?」
「い、いやぁ……ないよ。うん、ないない。ちょっと癖で注意深くなっちゃって……あはは」
「ふーん……癖、ねぇ……」
「そうだぞシャルル。男子同士仲良くしようぜ。色々不便もあるかもしれないけど、その時は協力してやっていこう。わからないことがあったらなんでも聞いてくれ―――ISのこと以外」
「お前、私が勉強教えてんのになにジリ貧になってんだ」
「いや、まだ覚える事が多すぎて自分の知識に自信が沸かないんだよ。それに、他の奴は入学前から予習しているから勉強の必要あまりないだろ」
「お前はアホか。誰だって今は勉強するわ」
「けど、一夏さんの言い分も間違いではないですわ。一夏さんのような特例者以外は皆遅くてもジュニアスクールの時期から専門の学習を始めていますわね」
だそうだ。ちなみに私は『超』の付くほどの特例らしく、政府からの推薦入学(という名の強制入学)なので筆記試験なんてする必要も無かった。
「ありがとう。皆、優しいね」
「……oh……」
いきなり無防備な笑顔でそう言ってきたので、これは……うーむ、この子正体隠す気あるのか?と思ってしまった。というか変な声出してしまったよ。なんだよ「オゥ」って
「い、いや、まあ、これからルームメイトにもなるだろうし……ついでだよ、ついで」
「一夏さん、部屋割りがもう決まったのかしら?」
「いや、普通に考えたら俺の部屋だろ。同じ男同士だし」
「ようやくお前と離れられると思うと、心が躍るよ」
「ひでぇ。俺もお前の変な実験の礎にならなくてほっとしたよ」
「あ、そ。んじゃ、お前のISの武装整備、やめようかな」
「いや、ちょっと待って。お願い、やめないで」
「言葉に気をつけろアホ。いい加減雪羅を毎回毎回ぶっ壊すの辞めろよな……」
愚痴愚痴言いながらもそんな会話をしながら話が進む。皆自分の分の食事は持参のようだが、セシリアは自分の作ったサンドイッチはなぜか一口も口にしなかった。どうやら食べるのは一夏決定らしい
「…………」
そんな中、先ほどから全然会話していない二人組みがいた。そう、箒ちゃんと円夏だ。
いや、元々あまり喋らない円夏はともかく、箒ちゃんは先ほどから弁当の包みを開かずだんまりとしている。
そしてついに動いたと思ったら、二人で何かを話しているではないか。
少しだけ耳を立ててみると
「……なあ、円夏」
「……うん?なーに?」
「ええと……じ、実は、その……(ごにょごにょ)なのだが……」
「ああ、そうなの。じゃあ(ごにょごにょ)とか言えばいいんじゃない?」
「え、いや、それは………」
「ほらほら。最初が肝心なんだから」
そう言いながら箒ちゃんの背中を押してくる。というか、肝心な部分だけが聞き取れないって、こんな都合のいい話があるのか。どうなんだ作者、どうなんだ
と、そんな話はどうでもいい。話が聞こえなくなると、箒ちゃんが前に出てきた
「どうした?なんか黙ったままだけ、ど……」
「いや、えーと、だな………」
「?」
「お、おおお、お……」
「お?」
「お、お前、の、ために、弁当を作ってきたっ!受け取れ!」
「え?―――ちょ、投げんなよ!」
「う、うるさい!とっとと食え!」
……おお、甘い青春ですな。と、そんな反応しかできないやり取りに砂糖を吐きそうになった。円夏さんは一体何を吹き込んだんですか
こっちのやり取りはすっぽかして、円夏の方に行って隣に座る
「……何を吹き込んだの?」
「ん、ああ。えーと、弁当を渡したいけど、中々勇気が出ないから私に後アドバイスして、って言ってきてね。どうせなら素直になればって言ってみたの」
「まぁ、結果はこのザマなんだけどね」
一夏たちの方を見てみると、ギャーギャー騒いだり叫んでいる。賑やかだねぇ……
「あ、わすれてた―――はい」
「……え?」
急に思い出したかのように、なにかの包みを渡してくる。
それは四角形の箱のようなものだった。
「えと、これは?」
「ん、弁当だけど?」
「いや、なんで円夏が私の弁当を?」
「ああ、うーんと、実は今日お兄ちゃんに渡すつもりだったんだけど、あれじゃあちょっと渡しにくいかなって」
再度、あちらを見てみると、いつの間にかおかずの奪い合いをしている。鈴が弱肉強食よ!とか叫んでいた。
「なるほど。それじゃ、遠慮せず貰うよ」
その場を立ち上がろうとすると、円夏に呼び止められる。
「え?何処行くの?」
「……ちょっと、ね。問題児の監視だよ」
「問題児?」
「ま、容器は後でちゃんと返すからさ。それじゃあね」
◆
一年一組の教室のドアをガララと開ける。
すると、中にはたった一人だけしか人がいなかった。その人物は小柄で銀髪。間違いなくラウラ・ボーデヴィッヒその本人だった
「……やっぱ、ここにいたか」
「……教官?いつからそこに」
「今着たばかりだよ。――――ちょっと、隣良い?」
「はい、どうぞ」
自分の席から椅子をつまり、引きずりながら運んでラウラの机の反対側に座る。
「――――さて、これから残り十分間。これは尋問と言って良い。むしろそれだ」
「……?教官?」
「前から散々流していたけど、私は教官じゃない、軍から足を洗った身だ」
「しかし」
「くどい!」
「っ………!」
少し気合を入れて叫ぶと、一瞬で押し黙ってしまった。そうするために叫んだのだが
「……なんでここに来た」
「それは……」
「私たちを連れ帰るためか?」
「…………」
図星なのか、返事をしない。
「お前が来た理由は大体検討付いている。黙っても意味は無い。どうせ、政府から連れて来るように指示されたのだろう。――――それとも、個人的な理由か?」
「…………」
「………これ以上時間を無駄にするのもなんだ。私は食事をしながら言わせて貰う。依存は無いな」
「……はい」
持っていた包みを解いて、中身を拝借する。
中身は、白米にから揚げ、簡単な野菜類などのシンプルなものだった。それを備え付けの箸を使って口に運ぶ。中々美味である
「(ムシャムシャ)……お前たちには悪いが、帰るわけには行かない」
「っ!―――なぜですか!ここではあなたの実力が発揮されません。そもそも私たちでさえあなたの本当の力の10%を引き出すことも出来なかったのに、ここにいてなんになるというのですか!このようなISをファッションかなにかと勘違いしている者たちが居る場所に、あなたはふさわしくない。周りの者とは違うんですよ!こんな脆弱な者たちに囲まれて貴重な時間を削るなど―――」
「おい」
「っ―――!?」
「……ずいぶんと大層な態度を取れるようになったな?ボーデヴィッヒ。目上の人間には慎め。今は上官じゃあないが、お前よりは年上だぞ?」
「それ、は………」
「それに、それは単なるお前のエゴだ。私が何処にいて何しようがお前に指図される筋合いは無い。だろう?」
「ぁ………」
「確かに、私はIS学園に来てみたらどうだ。とは言った。しかし、お前がこんなくだらない理由で入学したとなると……私はお前を軽蔑するぞ?」
「………」
「お前はこの学園を舐めすぎだ。ちょいと成長する段階が一、二段上がったところで、なにを調子に乗っている?ほとんどの国家代表はこの学園から出ているんだ。評価するなら、もう少し考え直してからにしろ」
「………」
「今だから言う。お前は自分を基点にしすぎだ。自分と他人を比べるな。そのうち痛い目に遭うぞ」
「………」
「確かに、お前の言い分も間違ってはいない。この学園は危機感が薄い。だからこそ、先月のような事件が起きたりした。しかし、人は問題あるからこそ成長できる。問題が無いことなんてあるわけ無いしな」
「だからといって、なぜあなたがここに居なければならないんですか………っ!」
「……間違いがあるからこそ、誰かが正さなければならない。彼等は学生。そこだけは忘れるな。いくらお前がとやかく言っても、それだけは変わらない。学生が世間話で盛り上がるのが彼等の十八番だよ」
「………」
「いいか?さっき言ったけど、問題は誰かが正さなければならない、具体的に言うと、コンピューターに出来たバグみたいなものを消す者だ。要するにワクチン。それが私だ」
「ワクチン……」
「あくまで、間違ったところを正すだけだがな。それ以上は自分たちでやれってことだ。あいつ等には、ISが何たるかをここで学ばなければならない。そして、それをどう扱うということもな。お前等にも教えただろ?命は、限りあるものだ、とな」
「それなら、他の者たちに任せておけば、いいではないですか……」
「逆に問う。なんで他のものに任さなければならない?」
「質問を質問で返さないでください!」
「んじゃ、それがお前の質問に対する答えだ」
「そんな屁理屈、通じませんよ」
「ったく、どうでもいいとこだけ成長しやがって………自分以外は頼らないんだよ、私は」
「それは、どういう……?」
「教師たちも、戦争なんて起こらない、なーんて軽い頭になってきたわけだ。こんなやつ等頼れるか?頼れないよな。元々期待はしていなかったが」
「それなら、まあ………しかし」
「あと、単に私が学園生活を満喫したかっただけかもな」
「な、なんですかそれは!」
「お前は十六歳の少女に鉄臭い人生を送れって言うのか?実にナンセンスだな」
「そうではなくて……!」
キーンコーンカーンコーン、とKYなチャイムが会話を途切れさせた。
そのときにはもう、弁当も平らげていた。
「おっと、この話ももう終わりだ。さっさと次の授業の準備をしろ」
「に、逃げるんですか!」
「さーてね。教えられる事は教えたよ。それじゃあ」
「あっ………」
何か言いかけたラウラのことも気にせず、着々と次の授業に備える凪紗であった
おまけのあとがく
凪紗「あけましておめでとーございます」
ワワーパチパチ
凪紗「……三日も遅れて言う事か?うp主」
うp主「しょうがないだろ、宿題があったんだから」
凪紗「あぁん?遅れた奴が言うことか、おい?」
うp主「はい、すんませんでした。読者さんたちも、遅れてすいません。前述の通り、色々あって正月ぴったり投稿ができませんでした、はい」
凪紗「はい、土下座は?」
うp主「するか!」
凪紗「私にしろ。まあ、うp主は学生さんなのでね、ゆるしてやってNE☆」
うp主「というわけで、改めてあけましておめでとう!お年玉、貰ったよー!わーい!」
凪紗「子供かよ………あ、相変わらずどうでもいい質問応募は受け付けておりまーす。いつでもコメントしてね♪」
おわり