インフィニット・ストラトス 転生者は双子の姉 作:夜光・陽炎
特にコメントは無かったので、短縮はしない事に決めました。……正直、短縮したら私のライフが0をオーバーするんですけどね(精神的に
六月も最終週に入り、IS学園は月曜から学年別トーナメント一色へと変わる。
そして、その慌しさは予想を超えるもので、こうして今第一回戦が始まる直前まで、全生徒が雑務や会場の整理などを行っていた。
それからやっと開放された生徒たちは急いで各アリーナの更衣室へと走る。が、私はギュウギュウ詰めになるのは勘弁なので、ISの機能で速攻で着替えた。さすがの私でも蒸し饅頭にはなりたくない。
「しっかし、見たくもない顔ぶれがいっぱいだよ、ったく……」
目の前の投影モニターから観客席の様子を見ている。
そこには各国政府関係者、研究所員、企業エージェント、そして高級ブランドのISスーツ外車所員やIS用武器販売会社関係者なのが腐るほどいた。そこには世話……お得意様も一部混じっている。私のISスーツのベース素材を提供してくれた社の者や資材を提供してくれた社の関係者もいた。正直、こっちの正体を知って機嫌をとろうとする奴の顔は二度と見たくなかった。
「どーせ、見込みの良い生徒でもチェックしに来たんだろうがな。私には……関係ありそうだから面倒なんだよ」
「教官?どうしました?」
「だから教官じゃ……もういいや。好きに呼んで……あと、なんでもない」
「そうですか」
ま、今の状況を簡単に言うと、私は結果的にラウラと組むことになった。
正直出る予定は無かったのだが、というか私が出たら勝負にならないから出たくなかったんだが、ラウラが何度も「お願いします」の一押しで、ついに折れてしまった。仕方ないから、あまり手は出さないようにしよう。
「話を聞けば、教官は今日本の代表候補らしいではないですか。今回を機に代表になろうと思わないんですか?」
「どうやってなるんだよ。一年を一人二人潰したところで何も変わらないと思うんだが」
「いえ、二年も三年も潰すという話では」
「いや、ならないから!無理だから!学年別だし!」
「でも、なろうと思えばなれるんじゃないですか?」
「……いや、なる気はないよ。私が候補になったのは、政府からの援助を受けるためだし。へたに代表になって名前を公言されたら溜まったもんじゃないよ」
「そうですか。なるほど」
「あと、私以外の候補がかわいそうだし」
「………え?」
「なんでもない。話は変わるけど、私たちは一年の部Aブロック十二回戦一組目だよ」
「ずいぶんと後のクジを引いてしまいましたね」
「しょうがないでしょ……戦闘の制限時間は確か十分。その計算で行くと、私たちの順番が来るのは二時間後だね。はずれクジを引いちゃったよ……」
「忍耐も修行のうちですか……ふむ」
何を納得したのかわからないが、二時間もモニターを見続けるのはしんどい。せめて、何かつまみながら観戦でもしようと購買に行こうとしたら、都合が良いタイミングでモニターが切り替わった。
「お、対戦相手が決まったみたいだ」
投影モニターがトーナメント表へと切り替わり、ラウラと共にそれを見る。一旦、最端にいるだろう私たちの相手を見てみる。
「ふむ。ただの雑魚ですね。名前も聞いたことありません」
「いや、雑魚って………えーとなになに、ペアは布仏本音と……誰だよ山坂って」
片方はきいたことも無い名前だったが、もう片方は聞いたことある。
あまり登場していないが―――していたっけ?―――確かに名前は聞いたことある。というかクラスでもかなり浮いている存在なのでわかる。話した事は無いが。
しかしそんな脅威でもないだろうと思い、第二回戦で当たるかもしれない相手の名前を見る。
「今度は……佐々木、吉川。どうでもいいな。もう片方は………――――!」
出てきた名前を見て、私はついぼーっとしてしまう。
第十一回戦の対決ペアの片方は、円夏と箒のペアだった。
「これは……一筋縄ではいかないかもな」
「……これは確かに強敵です。しかし、私たち二人の前では誰も敵いませんよ」
「そうかな?まあいいや。私たちは最後だし、なにか食べ物でも持ってくるよ」
「それは、保存食の類ですか?」
「違うから。菓子の類だから」
「菓子ですか……それはやはり栄養価が高くて保存性に長けるチョコレートなどですか」
「……もういいや、後で買おう」
「え?」
「なんでもない――――お、そろそろ始まるよ」
ディスプレイの画面が切り替わり、アリーナのステージ内を映し出した。
それをラウラは集中してみている。どうやら動きのパターンを脳内にインプットする気だろう。そして、その情報を元に対策用のAssault Combat pattern(通称ACP)を作り出す気だろう。そしてそれを――――と、そんな事を言ったらキリがないので、一旦考えるのを辞めて、私も画面を見た。
そこには、ISに乗った四人の姿が映し出されていた。
ステージ内(数十秒前)
「ううむ……きついクジを引いたな」
「全く、一夏ったらさっきは『一回戦一組目なんで運がいいよな』って言ってたくせに、もう前言撤回するの?」
「いや、あいつと戦うには優勝までこぎつけないとならないんだから、かなりハードル上がったなって……自信がなくなってきた」
我ながら運が悪いと思う。
実を言うと、あのラウラって奴と対戦できれば後は別によかった。しかし、神の嫌がらせか、目的の相手は一番最後にいる。
つまり、優勝まで行かないと対戦できないということになった。いきなり出鼻をくじかれた俺は自信が折れかけた。
「もう、そんなのでボーデヴィッヒさんを相手に出来るの?大体、計算でいくと僕たちは四回勝てばいいんだよ」
「それはわかっているけど、なんで俺たちの方が一戦多いんだ?」
グループ数は二十四。つまりトーナメント形式でいくと一回戦は十二回あるということだ。しかし、その計算だと二回戦は六回、三回戦は三回、それでは一組余ってしまう。
「よくわからないけど、たぶん戦力差でこっちの方が一戦多いと思う。ほら、パラマストーナメントっていうもので、強い人は試合回数が少ないときってあるでしょ?」
「ああ、あれか。……せめてなんかの勝負で決めて欲しいな」
「ま、まあまだ決まったわけじゃないし、最後までがんばろうよ!」
「そうだな。まずは勝ってからだ……相手も出てきた」
その言葉で話しは終わり、向こう側のハッチからISが二機出てきた。
そのISは地面に着地。あちら側もこちらを向いてくる
「こ、こんにちは……えっと、今日は良い試合を……えっと、何言おうとしたっけ?」
「ちょっと!アンタが『今日は試合で剣を交えてお互いを理解してその末に」
「ちょーっ!言わないでよ!恥ずかしいでしょうが!」
「んーーーーっ!もかもごむぐ!」
「え、えー、そんなわけで、お、お互いがんばりましょう!」
「お、おう」
なんかあちら側のテンションが異常に高いが、まあついに来たトーナメントでかなりわくわくしているのだろう。あ、相方さん苦しんでますよ
『それでは両組は定位置についてください――――確認、試合開始まで、五秒』
スピーカーからアナウンスが流される。
それと同時に、両方とも自分の武器を展開し、構えた。
『四、三、二、一-―――開始』
試合開始のブザーが鳴り、同時に瞬時加速を行う。ここで一気に勝負を決める
「ぬおおおおりゃあああああ!!!」
「え、ちょ、いきなり!?」
さすがに開幕突進は怯んだようで、相手は一瞬だけ動きを止める。
「ひぃっ!」
そして怖気ついたのか、手に持っていたブレードで頭を守るように丸くなる。正直抵抗があったが、今更な感じがしたのでそのまま突進と共に斬りつける。
しかし、その攻撃は意外な形で防がれる事になった。
「―――え?」
「……え?」
雪片は、確かに装甲が薄い頭部を狙って振り下ろされた。しかし、その攻撃が『偶然』頭を守ろうとしていた相手のブレードにぶつかり、反動で弾かれた。
「ふ、防いだ?」
「ま、マジですか……ヤベ、引かないと!」
「よし、攻撃!」
「え―――わふっ!」
逃げようとして背中を見せたのが運のつき、背中から斬りつけられてしまった。勿論シールドはがりがり削れる。
それでもなんとかシャルルの下まで戻ってきた俺は、早速どうするか相談した
「シャルル、どうすりゃいいんだこれ?」
「……一夏、どうしちゃったのさ。急に弱気になって」
「……いや、今更だけどさ、初対面の女子をいきなり切るのは若干抵抗があって……無意識に手加減してしまったらしい。前なら弾かれてもそのまま力押しで追撃したんだが……」
「………一夏」
「……なんでしょうか?」
「ボーデヴィッヒさんと、そんなので勝負できると思うの?」
「いや、それは」
「勝利はねだって手に入れるんじゃない、自分から取りに行くんだよ。そのためには『敵』という壁を叩かないと、何も始まらないんじゃないかな?」
「………」
そうだ、何弱気になってんだ。俺。これまで負け続きだったからか?それともボーデヴィッヒが強敵だからか?ちがう、それは自分自身の限界を知りたくなかったからだ。それで負けたら、俺はきっと俺じゃなくなる。そうだ、自信を持て俺。勝つんだ俺。
「そうだ……そのためなら……俺は悪魔にだってなる……」
「――――あれ?一夏?」
「勝つぞおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」
「うひゃぁっ!?」
「ぬおおおおおおおおおおおお!!!」
俺はふんどしを締めなおして、再度相手に突っ込んでいった。
「い……いやぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
このときの俺はどんな顔をしていたのかわからないが、相手が物凄く顔を青ざめる。しかし、俺はそんなのは気にせず特攻する。
突進の途中で、雪片のトリガーを引き零落百夜を発動する。
そして、雪片を俺の頭上に構えると、相手もその攻撃を防ごうと両手でブレードを垂直に持ち、防御体勢になる。
が、そんなのはこの時の俺に聞くはずも無かった。
なんと、雪片で相手のブレードを二等分に折り、そのまま相手の頭にぶち当てる。
「ぐはぁっ!」
その一撃をモロに喰らった……えーと、誰だっけ?小山さんだっけ?シールドを一撃で削られ、力なく足が崩れて気絶してしまった。
そして、俺はもう一方の、某立ちしている子を見つめる。やはり恐怖の目線で返される。
「え、ええ、と……こ、降s」
「退かぬ!媚びぬ!省みぬううううううう!」
「ひぃっ!」
「帝王に逃走は無いのだああああああああああああああああああああ!!!!!」
変なテンションで雪片のトリガーを引き、光刃を更に長く展開して相手に突っ込む。
正直……このときの俺はどうかしてた。
「いやあああああああああっ!!!」
「ふはははははははははははははははははっ!!!」
「……一夏、ほんとにどうしちゃったのさ……」
……過去に戻れるなら、このときの俺を殴りたい。
◆
「ぷっはははははははははは!!!あははははははははは!!!」
「な、なんですか、これは……」
一回戦が終了した直後、私はこらえていた笑を噴出した。そしてラウラといえば、驚愕したような声を出している。
「ぷっくくくくく……!な、何を悟ってあんな顔とか台詞吐きながら戦えるんだ……っ!ふくくくく……っ」
「………一撃でシールドを削るとは……とんでもない力だ」
「くくくく……ラウラ、気が変わった。男子更衣室に行くぞ」
「りょ、了解」
実はそのまま観戦を続けようとしたが、気が変わってあいつの顔を見に行きたくなった。
若干抵抗気味のラウラを引きずりながら、男子更衣室のドアを勢いよく開く
「よー。一回戦突破、おめでとう」
「……ああ、凪紗か」
「え、ここ男子更衣室……」
「女子が紛れ込んでいるのに今更何を……」
というか、以外に一夏のリアクションが無い。なにかあった……いや、あったな
「いやぁ、笑わせてもらったよ。お前の変な台詞で」
「くっ……あれは」
「帝王に逃走はないのだあああああああああ!!だっけ?」
「やめろおおおおおおおお!!俺の黒歴史を抉るなああああああ!!」
「ふはハハハはハハハ!お前のそんな反応が見たかったよ!」
「鬼!悪魔!魔王!」
「なんとでもいえ、今の台詞はお前の黒歴史保存ファイルに入れとくよ」
「やめてください死んでしまいます」
「だか、断る」
「いやあああああああ!」
いやぁ、こいつの傷を抉り返すのは楽しいなぁ。くけけけけけけ
「教官、『クロレキシ』というのはなんですか?」
「ああ、それはねぇ」
「変な知識を吹き込むな!お願いだから!」
「さて、落ち着いたところで真面目な話しに移るぞ」
「…………」
本題に入ろうとしたところで、一夏から冷たい目線を送られる
「なんだよ?」
「……いや、俺を精神的に殺すために来たわけじゃないんだなーと」
「ま、そっちが主な目的だったんだがな」
「そうなの!?」
そんな反応はスルースルー。付き合っていたら時間が無くなる。
実を言うと、これは一夏の今後の成長に関わる重要な事だったが、一瞬敵に塩を送るのは同かと迷った。しかし、人生に関わるかもしれないので言う事にする。
「お前、雪片をどうやって使ってる?」
「え?そりゃあ、特攻するために」
「ちげーよ。具体的にどう工夫しているかって聞いてんだよ」
「工夫?いや、したことはないが」
やはり、というかなんで今まで気付かなかったんだろうか。正直、自分のいい加減さが恨めしい。
「お前、自分の武器……いや、機体の特性を全く理解していないな」
「と、特性?そんなもんあるのか?」
「……馬鹿かお前。それぞれの機体の形が何で違うのか、わからないのか?」
「それぞれの機体の形……あ」
「ようやく気付いたようだな。例えば、防御重視の機体なら装甲を厚くするだろう?それと同じだ」
この場の三人が私の話しに耳を向ける。実はラウラとシャルルは聞かなくても良さそうだが、本人たちが聞きたいのなら鎌湾だろうと思い、話を続ける。
「お前のIS……『白蓮弐式』はフレームの形からして『超』高機動型だ。それはお前も理解していると思う」
「うん。それはわかっているぞ」
「で、お前はそれをほとんど活かしていない。何故かわかるか?」
「ええと、高起動型の利点は……」
「ヒット&アウェイ。一撃離脱戦法の主点だ」
「でも待てよ。それって狙撃の戦術じゃないのか?」
「確かにな。高起動型はほとんど狙撃に向いている。逆に、近接型は装甲を固めた方が楽だ。しかし、お前の機体はどっちの利点も存在しない。なぜなら、お前のISの特性があるからだ」
「俺のISの……特性?」
「お前のISのコンセプトは一撃必殺。つまり『ワンカット=キル』。高起動型になっのはこれが原因だよ」
「………すまん、よくわからん」
「ちっ。わかりやすく言うと、お前の機体は一撃必殺を目的とした。だから似たような主眼を持つ『狙撃』っていう戦法を取り入れたんだ」
「な、なるほど。狙撃も一撃必殺を主眼においているから、それを取り入れたってわけか」
「そうだ。で、根本的な問題を言おう。………お前、正面から戦ってどうする」
「……は?」
一夏は理解できない、という顔をしている。さすがに急がせすぎたか。
「すまん、主語を付け忘れた。ま、私が言いたいことはその、あれだ。そのISは正面から相手とぶつかるのには向いていないってことだ」
「えと、つまり?」
「クソみたいな頭だなぁ……高機動型の目的は敵の撹乱。つまり、敵を翻弄してから不意をついて後から『ドスッ』っていう戦法が向いているんだ」
「そ、それはちょっと卑怯すぎないか?」
「戦法に卑怯もクソもあるか。負けた方が悪いんだよ。大体、やれることがそれぐらいしかない欠陥機だし、仕方無いんじゃない?」
「うっ………わかったよ。検討はしてみる」
「検討じゃなくて『しろ』。……あと、この後はお前個人の問題だ」
「へっ?俺?」
「面倒だから単刀直入に言う――――遅い、単純、力任せ。以上だ」
「………おい!」
「なんだ?まだ何かあるのか?」
「いや、教えてくれるのはありがたいけどさ……もう少し言い方ってもんが」
「そんなのは私に勝ってから言え」
「おぐ……」
ま、言いたいことは全部言った。あーすっきりした。
しっかし、これあと一時間以上は待たなきゃならないんだが……ヒマだし、このまま一夏を甚振りたおすかー……いや、後々面倒だから辞めておこう。
………あ、いいこと思いついた
「おい一夏、ちょっと来い」
「え、な、なんですか――――ってうわっ!引っ張るな引っ張るな!」
「きょ、教官!何処に行くんですか!」
「あー、ラウラは……シャルルと一緒になんか食べてて」
「ちょ、僕!?」
そして、ついには二人の視界から消えてしまった。
困ったシャルルはラウラの顔を見つめたが、何故か言葉が出ない。
「……えーと、お茶、飲む?」
「……うむ、頂こう」
シャルルは自分用に買ったお茶を差し出して、断られると思ったが意外に素直に受け取ってもらった事に驚いた。
(あ、意外と素直なんだ)
「……シャルル、と言ったな?」
「あ、うん」
「貴様、今『意外と素直なんだな』などと思っていたろう」
「え!?ど、どうして―――じゃなかった、違う!思ってないよ!」
「隠しても無駄だ。一応読心術の心得があるのでな」
「そ、そうなんだ……ご、ごめん」
その言葉を聞いたラウラが「?」という顔で見つめてくる。
「何故、謝る?」
「え、だって、機嫌をそこねたかもしれないと思って……」
「私がそんなことで機嫌を損ねる馬鹿に見えるか?」
「それは……」
「ふっ。なるほど。私が回りにどのように見られているか、今ようやく理解した――――安心しろ、前のように感情的にはならん」
「………(あれ?前よりちょっと変わった気が……)」
「おい」
「ひゃ、ひゃいっ!」
いきなり声を掛けられて変な声を出してしまった。
やはり心を読まれているのかと思いきや、掛けられた言葉は意外なものだった
「お茶」
「………はい?」
「お茶、おかわりは無いか?」
「あ、ああ。うん、ちょっと待ってね、今買ってくるから」
「いや、無いなら私が行こう。他人に甘えるのはよくないからな」
そう言って立ち上がり、ラウラは更衣室を出て行った。
シャルルは感じた。ラウラ・ボーデヴィッヒと言う人の意外な一面を
「お、おい!何処行くんだよ!」
「黙ってついて来い」
「ついて来いって言うか引きずっている――――いて!」
どこかに引きずられていた一夏は、急に支えを失い尻餅をつく。
尻をさすりながら立ち上がり、周りを見てみるとここは今は使用されていないどこかのアリーナだというのがわかった。
「えっと、ここは?」
「ああ、使われていないアリーナをちょいとな」
「つか、なんで連れてきたんだよ。勝負でもするのか?」
「残念ながらはずれだ。さっき言うのを忘れていたけど、お前の武器の特性について言ってなかったよ」
「覚える事が多すぎて分かんないぞおい」
「あとで簡略的に話すから。まずはIS展開しろ」
「あ、ああ」
指示通りに一夏はISを展開し、自分の武器も展開してそれを構えた。
「よし、トリガーを引いて零落白夜を使え」
「え?まあ、やるけど」
トリガーを引いたら、イジェクターから金色の薬莢がはじき出され、鎬が二つに分かれて間から光刃が生成される。
「………よし、ファーストフェイズは終了だ。次、刀身を長くしろ」
「わ、わかった」
そして、一夏はもう一度トリガーを引いて、更に刀身を長くする。
「やはりか」
「?なにがやはりなんだよ」
「お前、薬莢を無理に消費しないと刀身を長く出来ないと思ってるだろ」
「違うのか?」
「お前、そのIS何世代機だと思ってる?」
「えーと……第三世代機だろ?」
「そのコンセプトは」
「イメージ・インターフェイスを利用した特殊兵装の運用……って、ああ!そうか!」
前に教えた知識が役に立ったようだ。
そう、一夏のISは第三世代型―――厳密に言えば第四世代だが、一夏が使いこなせていない、というか展開装甲の覚醒さえできていないので三世代型分の出力しか出せない―――なので、なにかしらと便利な機能が付いているのだ。それは勿論
「イメージ、つまり思考制御によってお前のその雪片は無類の強さを発揮する。試しに、何か思ってみろ。短くなれとか細くなれとか」
「わ、わかった」
そして一夏は雪片を片手で強く握り、一切不動の構えになる。
しかし一方に変わる気配は無く、ただ何も変わらない雪片がそこにあるだけだった。
「……っぷはぁっ!おい、何も変わらないぞ?」
「おっかしいな。……声出してやってみろ。そのほうが集中できる、かも」
「……よし。噴出しろ!」
一夏がそう叫んだ瞬間、雪片のエネルギー噴出口から、まるで中にためていたエネルギーを一気に吐き出すように力強く青い光が噴き出した。
「おお……」
「どうやら、感覚はつかめてきたようだな。後は声を出さずにやれればマスターだ」
「おい!じゃあ、一番簡単なやり方はなんだ?」
「あるわけ無いだろ。地道な練習だけだ。けど、幸い模擬戦があと二回もあるんだ。チャンスもあるし、それを気にがんばれ」
「地道な練習……よし、がんばってみるか」
どうやら、もう一夏自身は物にする気満々なようなので、たぶん結晶になる事にはもう習得完了しているだろう。しかし、今までどうして気付かなかったんだといってやりたいが、本人のやる気に水を指すので辞めた。
「決勝まで上がって来いよ。私個人の特別指導をしてやるからな」
「それはそれは、お厳しいことで」
冗談みたいな気分で言い合い、互いにやる事をやりに歩き始めた。
さて、私も試合があるのでさっさと準備しますか。
深夜テンションで書いてしまったところ多々ありです。
改めてみたらなんでこんなの書いたんだろうと思います。ほんとに。
聖帝サ〇ザー「滅びるがいい!!愛ととも「言わせねーよ」