そろそろ、5時間目の授業が始まってしまいますね。
菜「香奈ちゃん、五時間目の授業の科目はなんですか?」
私が香奈ちゃんに聞くと、
香「なんだっけ?」
どうやら、香奈ちゃんも知らないらしいです。
智「忘れんな!!古典だよ」
智樹くんが覚えてくれていました。
さっきから皆さんが言っている『こてん』って何でしょうね?
授業の科目と言う事は分かるのですが。
香「古典か~、……つまらないな~」
智「香奈は古典嫌いだもんな」
香「古典って何?って感じ」
菜「苦手科目なんですか?」
智「いや、テストは毎回100点だ」
菜「??どういうことですか」
智「まあ、色々あるんだよ」
急に焦ったような顔になる智貴君。
ココは、敢えて聞かない方がいいのでしょう。
香「そろそろ授業開始のベルが鳴るから、席に着こうよ!!」
智「そうだな」
そう言われたので、私は自分の席に着きます。
菜「ところで智貴君。古典とはなんですか?」
智「ハ?お前、古典が苦手科目なのか?」
菜「苦手と言うより、どういった物なのかが分かりません」
智「……そういえばお前、帰国子女だったな」
【智樹視点】
菜「古典とは一体、どういったものなのですか」
俺とした事が、コイツが帰国子女だと言う事を忘れてたよ。うん。すっかりと。
取り合えず、テキトーに教えたら納得するだろ。
智「簡単に言うと日本の昔の言葉や文章だ」
菜「成る程、よく分かり――ませんよ!!」
コイツ頭いいからな。だませないや
智「香奈に聞けよ……、後は教科書とか……」
菜「……分かりました。その、教科書を見せてください」
返事に少し間があいたから、コイツの顔を見た。
ああ、またなんか一人で我慢してるな。
姉貴がよくこの顔をしていたから分かる。
智「そういや教科書まだ、貰ってないんだったな」
菜「はい……。」
ハア、・・・・・
なんでこうも一人で頑張ろうとするんだろうね。香奈みたいに図々しく頼めないのか?
菜「やっぱり、他の人に借ります
智「こっちはレベル高い学校だ。古典知らない奴が教科書よんでも理解なんてできねーよ」
菜「えっ、そうなんですかっ」
少し、驚いてるな。
無理もない、これから頑張ろうと闘志を燃やしている奴に頭から水ぶっ掛けてるようなものだからな。
智「だから後で基礎の方の問題集、家から持ってきてやるから。今日はどんなものかだけ分かればいいだろ。授業でもみてろ。」
菜「へ?」
どうやら意味が理解できていないようだ。
智「一度で聞き取れるだろ。帰国子女」
頭がいいからコレで俺の意図を理解してくれるはずだ。
菜「あっ、有難うございます!!」
やっと理解してくれたのか、満面の笑みで礼をいってくる。
別にもう必要ないからやると言っているだけなんだが。
仕方ないよな~。小さい頃の姉貴みたいに、ほっとけないんだから。
授業のチャイムが鳴ると同時に先生が教室に入ってくる。
【??視点】
やっぱり、アイツは誰にでも優しいな。
だから私はアイツに惚れたんだけども。