マギアレコード・歪なるお話   作:ぼたもち21

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違う土地から神浜市へ入ってきた魔法少女の原田唯。
途中で魔女を一体倒し、中央区へ向けて歩こうとした所をマギウスの翼に呼び止められる。だがしかし、煙幕で巻くと同時にスパイ用として予備のローブをかすめ取っていった。その後は中央区で休息をとり、神浜市の探索に当たろうとした矢先に黒羽根に助けを求められ、その結果として七海やちよという魔法少女と対峙することとなった。


2話

私が目を向けたその先にいたのは正体を晒している魔法少女。しかも大人に近い。

取り敢えずこの魔法少女が何者なのか黒羽根に聞く。

 

「あの魔法少女は?」

「七海やちよです。ここ神浜市を拠点にする魔法少女の中でも

 際立った実力持つと称される人物です。」

(実力的に言ってしまえば・・・巴マミとかいう人間と同レベル?)

黒羽根の情報曰く七海やちよと言う人物はどうやら巴マミと同レベルか

それ以上のスキルを持っているようだ。

走行している内に敵さんは戦闘態勢に入ってしまって・・・。

 

「どうやら退く気はないみたいね。仕方がないけど、

 まとめて片付けてあげるわ。」

 

この一言。此方に残された選択肢は現状これだけ。

 

「ふむ・・・君は大切な情報を持ってはいれど手負い。

 ここは傷を癒して本部に帰還するのが賢明です。」

「す、すいません!ここは隊長にお任せします!」

 

私はすかさず黒羽根の傷を癒してある魔法をかけた。

心筋活性化の魔法を。かけてしまえば心筋は最大限に活性化され

いつもよりもさらにスピードが上がり逃走時間を確保する事が出来る。

 

「逃げていいと誰が言ったのかしら?」

 

これにいち早く察知した敵さんは逃げる黒羽根に攻撃を仕掛けるも私が間一髪で割り込んで阻止する。

 

「追って良しとも言ってはいない。少しの間、相手をしてもらいます。」

 

こうしていきなりの強敵と対決することになった私。初見故に警戒心だけが募る。

といきなりの切れのある槍捌きを受ける羽目に。

 

「・・・っ。思ったより速い!」

「まだまだっ!」

 

組織には潜入した身であるが表面上は組織の一員。

私はどうにかあの子の逃走できる時間を確保しなければならないが、

同時に自分の身を守らなければならない。

が、今は避ける事と防ぐことで精いっぱい。

 

(何とか間合いから離れる事が出来た。・・・とはいえ

 これだけ素早いと正攻法は難しい。)

「こっちも武器を取らせてもらいます!」

私が生み出したのは電気を帯びた刀。取り敢えず防戦に徹して

痺れさせて反撃・・・とはいかなかった。相手も一枚上手の作戦で行ってた!

 

「残念だけどその手は読めているわ!」

(ばれてた!・・・でお次は地面か!)

 

あの敵さんが持っていたのは斧槍兼用で使える武器だった。

すかさずそれで地面を割り、こっちの足並みを乱してくる構えだ

 

「これしきの事!」

 

私は地面を蹴って空へ舞う、がしかしこれまた読まれてしまった。

 

「甘いな!」

 

飛んだ所を槍で狙われてしまったのである。

けれでもむざむざ撃ち落とされる為に飛んだ訳ではない。

「そう簡単に飛ぶ鳥を落とす事などできませんよ。」

私は反重力の魔法を使い、空中での緊急回避をやって見せた。

 

「これはお返しです!」

 

私は間髪いれず敵さんに向かって急降下。しかしながら後方から斧が・・・

これまた読まれていたものの私は直前で直下に着地し、至近から

ある魔法を仕掛けた。

 

「間合いに入ってくるとはいい度胸ね!」

 

間髪いれずに敵さんは槍をつきつけようとしてきたその時

 

「!!?」

 

突然敵さんの動きが止まった。これこそが足止めの時間を稼ぎたい理由だった。

私が何故無防備なほど敵さんの至近距離から魔法を使ったのか

私が使った魔法は、相手の感覚麻痺、今戦っている七海という敵さんの感覚は

私が1秒で感じている時間を1分ぐらいかかって感じているというわけ。

すなわちこの人は圧倒的に無防備な状態に変わってしまったと言う事。

効果を維持しておきたいけどこれだけの練達者相手に持続するのは魔力を浪費してしまう。

それに中々武器を持たせてくれなかったし、隙もあまりなくてとても強い。

出来る事ならここで仕留めておきたい所。今後此方の手を読まれてしまうと厄介だ

そう決意した私は手に持った雷刀を相手の肘に突き刺し痺れさせて動きを封じ

相手のソウルジェムに手を伸ばそうとしたその時だった。

 

「やちよさん!」

「!?」

 

目の前にピンクのフードをかぶった魔法少女が現れた。味方と最初は思った。

けれども声のかけ方と容姿が違うのですぐに敵と認識した。

その魔法少女は私の行動を見るやないや装着していたクロスボウから矢を放ってきた。

 

(どうやら事は上手くいかないみたいだ。ここは討ち取りをやめよう。)

 

こっちに向かって来た矢を避けて退散を開始しようとするが後ろも塞がれていた。

 

「おっと! 俺から逃げられると思ってるのかな?」

 

今度はハンマーを持った別のフードの子に背後を取られた。

完全に逃げ道を防がれた私、ここは煙幕をと思ったのだが

奇遇な事に横手に奇妙な魔女の結界を見つけた。

選択肢として私はその中へ突っ込んだ。

 

中に入ってみると中は階段だらけ、敵さんはやってこなかったようだ。

とはいえ、一時逃げる為に結界に入ったものの、ここからどう脱出するか・・・

取り敢えず結界内へ視点を戻し、周りを確かめてみる。

 

時折行き来する使い魔、どうやら使い魔達は私など眼中にないらしい。

とはいえ、何かしら意味があるのだろうと察知した私はある部屋に入ってみる。

 

入ってみると無数の仕掛けが設置された部屋だった。これらをのうち一つを動かしただけでも変化が起こるかもしれない。けれどもこれだけの量があると正直不安しか無かった。この中から当たりを当ててみろと言わんばかりの仕掛けの量。

 

前の入口の状況を思い出してみる。すると使い魔がある法則に従って動いている事が分かった。使い魔達が入っていったルートと入口の扉の数と位置・・・そしてこの部屋の仕掛けの数と位置・・・。驚いた事に同一だった。そして特に使い魔の出入りが激しかったのが私の入った部屋・・・つまり・・・本当の当たりはこれだ。

 

私は自ら入った部屋・・・それに該当する仕掛けを発動させた。少しだけ魔力をあてるだけで起動するようになっていた。それと同時に外の空気が一瞬にして変わったみたいだ。けれども、仕掛けを発動したと同時に使い魔達が行く手をふさいできた。扉を見渡すと丁寧に施錠されていて出られない。

魔力を使いたくないのだけど、この状況を見る限り平和的にはいかないらしい。

 

使い魔A

その役割は案内。客人をもてなす為に魔女の結界内にあるルームへ案内する役

相手から怪しまれない様に敵意をしっかりと隠す。

だがしかし魔法少女に蹴散らされやすい特性上不憫。

 

使い魔B

その役割は施錠。案内した客人を逃がさない為にひっそりと部屋を施錠して閉じ込める役。

但し知能は良くなく、考えなしに相手を閉じ込めようとする為

強敵を閉じ込めてしまった場合、返り討ちにされるのでやっぱり不憫。

 

使い魔C

その役割は対話。客人をリラックスさせる為か知性と感情は他の使い魔達と比べて豊かで

まるで人間としゃべっているかのような錯覚を客人に与える。

でもやっぱり話の通じない相手だとすぐに倒される。当然だが不憫。

 

間をおかずして使い魔達が詰め寄ってきたが私は意に介さず魔法を発動させた。発動させたのは磁力を伴う魔法で使い魔達に磁力の効果を付与した。詰め寄ってきた使い魔達は互いの磁力で引き合い、やがて縛られるかのように固まって動けなくなった。・・・年の為3種類ある使い魔を1体づつ繋がりの糸で味方につけた。

面倒事を避けた私は入口に戻る。するとエントランスの入り口に変化が起きていた。まず、扉の位置や通路の構造、そしてその数があっさりと変化を起こしており、何よりも注目すべきなのは通路や部屋の大きさが違っていたのだった。私がすんなり入れる部屋もあれば使い魔しか入れない特殊な部屋まで大小5つに絞られていた。うち一つは鍵がかかっていてしかも強固な壁・・・となれば鍵を探すしか手はないようだ。

 

倒すは小さき者より始め、事の終わりには大いなるものを倒して扉を開けよ。

選びしは大いなる者より始めよ。

 

こんな看板が取り敢えず目の前にあった。

 

取り敢えず先ずは小さな使い魔Aに操りの目を使い、部屋を覗かせてみた

すると使い魔を通してみた私は更なる問題を目にすることになった。

小さい部屋に対していたのは大きな使い魔・・・。

明らかに符合しない相手だったのでこれは外れ・・・。となると

大きい私が真っ先に大きい部屋に入って小さな相手を倒していく所から始める事となる。

確認して内部に踏み込むと・・・答えが一致した。アリぐらいではあるが素早い使い魔が

かさかさかさかさと徘徊していたのである。

 

使い魔D

その役割は逃走、魔女から部屋を守る為に逃げろと命令された不憫な使い魔。

部屋はいたって大きく逃げやすい部分があるが気を許せばあっさりと狩られてしまう。

 

動きが素早いと見るや答えは出たもののそんな事をしてしまえば

重要な手掛かりすら破壊してしまいかねない。

面倒ではあるものの蠅たたきを作って鳴くまで待つことにした。

その工程は使い魔が相当警戒心が強かったのか1時間待たされた。

相当ストレスがたまっていたのだろう。使い魔が痺れを切らして出てきた。

待ちかねた私もここぞと言わんばかりに反射神経を使って叩きつぶした。

 

どうにか使い魔を倒した私だが、課題はあと3つある。

この過程を考えるに次に私が用意したのは使い魔Bで二回り小さい扉を覗いて貰った。

だがしかしその過程もまた外れた。中にいたのは一回り大きい使い魔。

となるとこれは違う。中くらいの方へ向かって貰う事で正解と相成った。

 

「今度は相手を円より外へ出した方の勝ち・・・相撲形式か」

 

相手がよりにも寄って使い魔B、それをただ見守る私、・・・分かってはいるけども

ここまで高度な罠を張ってくる知的な魔女も珍しい。

此方は数十分で決着がつき、無事に仕掛けを解いた。

この後も予想だにしない罠に少し手を焼いてしまったが、何とか全ての問題を解き

何とか鍵を入手し扉を開けようとしたが、隙間が見えた時点で立ち止まった。

あの魔法少女の一団がいたからである。見る辺り魔女に苦戦しているようだ。

さてここはどうするか、私は少し考えた。このローブを着たまま戦列に加わるのはNG

次にローブを脱いで戦列に加わる・・・しかし事後の次第によっては素性がばれるので良くない。

そのまた次・・・開いた先の結界は意外な事に出口が見えていた。

丁度私の等身大ほどある使い魔から服装を剥いできたのでそれを使って欺いて脱出する。

 

もう、最も後者を選んだ。使い魔になりきることを最優先した。

変装と同時にドアをこっそりと開ける、覗いたときは良く見えていなかったけど、

広がっているのはガラス張りの部屋でまるで個室のように仕切られていた。

私は此処から抜け出せるのだろうか・・・。

 

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