アマゾンズチャレンジ!~千翼は仮面ライダーになれるのか!?~ 作:エボルアマゾン
千翼就活編です。
( OMO)<みんな!ゼリーがあるぞ!ウニもだ!
「・・・加納君、これはなにかな?」
「千翼君の雇用契約書です」
食事は後回しにして、俺と加納さんは橘の局長室に来た。
加納さんにまとめてもらった俺の雇用契約書にサインさせるためだ。
「・・・つまり、うちで働きたいと・・・?」
「頭大丈夫?ここでやるしかないんだから、せめていい条件でってことだよ」
「・・・なるほど、なるほど・・・、ここを離れてからずいぶんと余計な知恵を付けたようだ・・・。
ふむ、条件的には戦闘部隊員と殆ど変わらないね・・・。」
「隊員一人雇うのと同じ条件でアマゾンが雇えるんだ。良心的でしょ?」
「そう、君はアマゾンだ。いつ我々に牙を剥くか分かったものではない」
「あんた達が俺を撃たない限り、俺もあんた達を裏切らない。
俺はここに居る・・・、あんたの元で、アマゾンを狩る」
嬉しそうな顔・・・、そんなにアマゾンが怖いのかよ・・・。
でも今は我慢だ。ヒロキ達のためにも・・・!
「なるほど、では」
「その代わりに!・・・その代わりに約束しろ」
「・・・なにかな」
「ヒロキ達に、俺の友達に手を出すな・・・!絶対にだ!これだけは、譲れない!」
「・・・彼らのことが相当気に入ってるようだね。いいだろう、彼らに手は出さない。
我々はアマゾンの脅威から人間を守るための組織だ。」
そう言って橘は契約書にサインをした。
やったぜ。
これでいいように使い潰されることも無くなったし、ヒロキ達に危害が及ぶことも無い・・・!
後はここでアマゾンを狩り続ける。そうすれば、いつかはあのアマゾンの手掛かりが見つかるはず・・・!
「では契約成立ということで」
「改めてよろしく頼むよ、千翼」
「ああ、よろしく」
そういえば、あのアマゾンについて何かわかった事とかあるのかな。
ご飯食べながらでも加納さんに聞いてみようかな。
「そういえば千翼君は食事がまだでしたね。雇用契約も完了したことですし、社員食堂を利用するのはどうでしょうか」
「へー、〈4C〉って食堂とかあるんだ。前に居たときは行った事無かったな」
「きみが居たときはまだ未完成でね・・・。去年完成したんだよ。職員専用だったんだが・・・。
ちょうどいい。加納君、千翼を案内してくれ。食事の後で色々と話し合おうじゃないか。
・・・おや、連絡が・・・?」
ていうか、捕まってから何も食べてないし、そろそろ腹になんか入れときたいな。
焼き肉食べ損ねたし、やっぱり肉かなー。
「では千翼君、食堂へ案内します。こちらへ・・・」
「はーい」
さあ、ランチタイムだ・・・!
「悪いがランチはキャンセルだ、千翼。早速仕事だよ」
「えっ」
「何か問題が?」
「ああ、例のウォーターサーバーの販売元に向かっていた部隊がアマゾンの奇襲を受けて壊滅状態になった」
「イユも同行させていたはずですが・・・苦戦していると?」
「そのようだ。千翼、黒崎隊と共に出撃し、アマゾンを狩ってくれ」
「それはいいけど、ご飯は・・・?」
まだ何も喰ってないんだけど。
このままじゃ力でないんだけど。
「それについては問題ない。加納君!千翼に例の物を」
「は。千翼君、こちらを・・・」
加納さんが差し出した二つのパックを手に取る。てゆーか、これって・・・。
「激マズゼリーじゃないか!俺これ苦手なんだよ・・・」
高濃度タンパク質ゼリー・・・確かにアマゾン細胞に必要なタンパク質は一気に摂取出来るけど・・・味がなあ・・・。
「安心したまえ!君からの要望に答えるためにそのゼリーは改良されている!」
「本当かね、ドクター!」
「局長だ!・・・主に不味いと評判だった味の部分を改善した!」
「おお。ちなみに金色と青色があるけど何味なの?」
パッケージには何味か書いてないんだよなあ。ドラゴンやロボットみたいなマークと商品名みたいなのしか書いてないし。『スクラッシュ・ゼリー』?名前だけだとお菓子みたい。
「青色はラムネ味、そして金色は・・・」
「金色は?」
「 ポ テ ト 味 だ !」
「何でだよ!」
ラムネと来てポテトォ!?普通リアルゴ○ルドとかじゃないの!?
「アンケート結果だ、何も問題はない」
「問題だらけなんだよなあ」
大丈夫か、ここ?契約するの早まったかなぁ。
この分じゃ食堂も怪しいな。
「もちろんタンパク質の改善も行っている。実質以前の二倍だよ」
「後で感想をお願いします。商品として売り出せるか検討中なので」
売るつもりなのかよ・・・。タンパク質ゼリーなんて誰が飲むんだよ・・・。
金か青か・・・。
「背に腹はかえられない・・・か」
青いパックのキャップを外し、中身を吸い出す。
瞬間、口の中にラムネの爽やかな風味が広がり、同時に全身の細胞にエネルギーが充填される。
・・・案外おいしいな、これ。なんか悔しいけど・・・。
「ポテトもオススメだよ」
「ラムネの後にポテトとかないから」
さて、行きますか―――!
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ジャングレイダーを走らせ、現場に急行・・・その勢いのまま、人間体のイユに襲いかかっていた黒いアマゾンに突撃する。
「ゴオアァア!?―――グオアァア!」
跳ね飛ばされ地面に転がったアマゾンは体勢を立て直すが―――
「ゴアー!?」
直後に突っ込んできた黒いバン・・・黒崎隊を乗せた輸送車に再度跳ね飛ばされた。
全身から棘を生やした黒いアマゾン・・・ウニアマゾンを囲むように黒崎隊が展開し、銃弾を浴びせる。
それを見ながらドライバーを取り出していると、ボロボロのイユが脚を引きずりながらアマゾンへと向かうのが目に入った。
その怪我で戦闘はまずいでしょ・・・!
「待って、イユ!その体じゃ無理だ!」
「ターゲット、確認」
ターゲット確認する前に自分の状態確認しろよ!
腕を掴んで止めようとするけど、全然止まってくれない・・・!クソ、分からないのかよ!これ以上ダメージを負ったら本当に・・・!
痛みがないから止まれないなんて、最悪だろ!ダメージ量で撤退するように教えとけよ橘ァ!
イユの手を握りしめ、声をかけ続ける。
「自分の体見てみろよ!痛くなくても分かるだろ!限界だって!・・・イユ!」
「・・・」
・・・あれ、止まった?さっきまで俺のこと引っ張ってたのに・・・まあいいや、止まってくれたんなら。
あ、そうだ。
「イユ、これ飲んで。足しにはなるはずだよ」
そう言って金色のパックをイユに手渡す。高濃度タンパク質ゼリーならアマゾン細胞を活性化させて傷を回復できるかも・・・別にポテトを押しつけるわけじゃないよほんとだよ。
パックをしっかりと握ったのを確認し、アマゾンの方へ向かう。
黒いスーツを着たアマゾン・・・もしかしたらここの社員だったのかもしれない。家族が居たのかもしれない。夢があったのかもしれない。
でも、もう戻れなくなった。アマゾンになった、いやアマゾンにされたから。
だからせめて、俺が送ってやる。友人や家族を喰う前に・・・これ以上誰かを傷つける前に。
〈NE・O〉
「―――アマゾン!」
俺があんたを―――狩る。
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手のひらが温かい。
誰かが握ってくれたから。
握ってくれていたのは、誰なんだろう。
肩車をしてくれていたのは誰なんだろう。
歌ってくれたのは誰なんだろう。
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格好つけて飛び出したはいいけど・・・なんだこいつ!
「・・・フッ!・・・ハァ!」
何発か殴り付けたら急に飛び上がって、回転しながら突っ込んで来た。
しかもただの体当たりじゃない。明らかに回転しながら滞空してる・・・!
どうやったらウニが浮くんだよ!体当たりを躱したら地面に着かずに、そのまま浮き上がって行くんだけど!
ウニってUFOじゃないよね!
考えても埒があかない・・・!次のタイミングで―――!
「・・・ここだぁ!」
「グゲエ!?」
回転しながら浮き上がる奴を逃がす事なく、回し蹴りを叩き込み吹き飛ばす。
ボール状態を解除した奴に駆け寄り、勢いのままドロップキックをぶち込む。
体勢を崩した所にアッパーを叩き込み、開いた胴体に連続で拳を打ち込み続ける―――!
「フッ!ハァ!ラア!」
「グ、・・・ガアア!」
何発目かの突き出した俺の右腕を奴は抱え込むようにして押さえ込む。そのまま口らしき部位を押しつけて噛み付こうと―――させるかぁ!
〈Amazon・Break〉
「ハアァ!」
「グギッ―――!」
急速生成されたブレードを腹部に打ち込み、勢いのまま奴を壁まで吹き飛ばす。
息吹と共にブレードを構え、奴に斬りかかる。
すれ違いざまに腹部を切り裂こうとするけど・・・堅い!それに丸みを帯びた甲殻でブレードが滑る!
どこか脆そうな所は・・・あった。
振るわれた左腕を右腕の装甲で受け止め、次いで繰り出された右腕を払い奴の体勢を崩す。
俺に背中を向ける形になった奴をそのまま蹴り飛ばし、壁に叩きつける。
壁を背にこちらに振り向いた奴に対し―――
「フゥウウウウ、ハア!」
内臓部分がむき出しになった頭部に向けて突きを繰り出した。狙い違わず甲殻の無い部分にブレードが突き刺さり、黒い体液が噴き出す。肉が潰される音に構わずブレードを押し込み、抵抗がなくなったところで引き抜いた。
いつものように干からびながら崩れ落ちるのを目に焼き付ける。
ごめん。でも、忘れないから。恨んでくれても、かまわない。
動かなくなったアマゾンを目に焼き付けていると、後ろで何かが倒れる音がした。
「・・・イユ!」
振り返るとイユが左目を押さえて倒れ込んでいた。慌てて変身を解除し、イユに駆け寄る。
やっぱりポテトは不味かったのか!?アマゾン細胞が受け付け無かったとか!
「・・・や、がて」
「なに,イユ?ポテト、ダメだったの?」
「ほしが、ふる・・・ほしがふる、ころ」
「・・・え?」
これ、歌?たどたどしいけど、歌ってる・・・?
「・・・あの時の歌だ・・・」
黒崎・・・?何か知ってるのか・・・?
「父親が歌ってた・・・」
それってイユのお父さんが・・・?あの時ってまさか・・・イユが喰われた時のこと・・・?
あれ、もしかしてイユ・・・死ぬ直前のこと思い出してる・・・?そういえば、イユは左目をえぐられたって・・・。
さっきのアマゾンへとどめの一撃でそれを思い出して・・・?うわあ。
「・・・ご、ごめん、イユ。お前のトラウマを掘り起こす気は無かったんだ。ホントにごめん・・・」
・・・まだ歌ってる、感情が無いとか嘘だよね。これ怒ってるよね。
どうしよう・・・どうすれば許してくれるかな・・・?
と、取りあえず、〈4C〉に戻って治療しなきゃ・・・それからもう一回謝ろう・・・。
座り込んだイユを引き起こそうとして、こちらに近づいてくる音に気付いた。
でもこの音・・・ジャングレイダーのエンジン音・・・?
音のする方に目を向けると、緑色のライトをしたジャングレイダーが近付いてきていた。誰だ・・・?
「悠・・・」
・・・誰だ?福田さんの知り合い・・・?
その悠さん?は俺たちの横にゆっくりと停車し、ヘルメットを取る。
髪を品良く横に流し、穏やかそうな顔立ちをした二十歳ぐらいの人・・・どこかで見たような・・・?
ブラウンのコートを着たその人は、白いシャツの上からグリップの付いたドライバーを巻いていた。
あれって確か・・・〈アマゾンズドライバー〉!?俺のドライバーの元になったていう・・・?
そうだ・・・近付いてきたときは分からなかったけどこの人・・・アマゾンだ。
無言でこちらを見つめるその人に対して、俺は・・・
「・・・初めまして・・・?」
「・・・初めまして」
取りあえず挨拶をした。挨拶は大事だからね、それに敵意みたいなのも感じないし・・・敵じゃないのかな?
挨拶を返した悠さんはそのままドライバーのグリップを捻る。
〈OMEGA〉
「・・・アマゾン」
〈Evolu・E・Evolution!〉
音声と共に悠さんの体は緑色の炎に包まれる。
炎が消え、その姿が露わになる。つり上がった赤い複眼。全身は光沢のある緑色。胸部から腹部は黄色い装甲を纏い、手足には黒いグローブとブーツを装着している。
あの日見た赤いアマゾンに似たシルエットをしている。
その全身から強者のオーラを醸し出す・・・悠さん、いや『アマゾンオメガ』。
・・・え、なんで変身するの?
もしかして敵なのか・・・!?
今だ立ち上がらないイユをかばうようにしながら、変身の準備を行う。
クソ、何時になったら俺はまともなご飯にありつけるんだ・・・!
ドラゴンスクラッシュ・ゼリー(ラムネ味)
ロボットスクラッシュ・ゼリー(ポテト味)
気軽にタンパク質を摂取できる健康飲料として〈4C〉から発売予定!
脂質が含まれていないのでダイエットにもオススメ!