アマゾンズチャレンジ!~千翼は仮面ライダーになれるのか!?~ 作:エボルアマゾン
「休みか・・・・・・?」
「今日は休診日じゃなかったはずですけど」
「いるよ。中に、二体」
「アッ、ァッ、アッ、アッ、アッ」
「んー?・・・先生ェ?」
「んん?・・・二人分しかない。欲しいなら自分で獲れ」
「俺はお前らを狩りに来たんだ・・・!アマゾンッ!」
〈NE・O〉
「ターゲット確認。アマゾン」
「あれが『この世界』のアマゾンか。俺が知ってるのとは大分違うな」
「おいおい、お前らみたいなバケモノと一緒にするなよ?俺はーーー」
「『通りすがりの仮面ライダー』だ!覚えておけ!『変身』!」
≪KAMEN RIDE:DECADE!≫
「チャンスだ!決めるぞ、千翼!」
「ああ!」
〈FINAL ATTACK RIDE:DE・DE・DE・DECADE!〉
〈Amazon・Break〉
「「ハアァァァ!」」
「ガアガガガアアアアアーーー!」
「お前は、誰だ」
「さっきも言っただろ。俺は通りすがりの仮面ライダーだ、覚えておけ」
「仮面、ライダー・・・?」
「俺は『仮面ライダーディケイド』、世界の破壊者だ」
「世界の破壊者・・・」
厨二病かな?
「お前今変なこと考えてただろ・・・まあいい。
俺はお前に用があるんだ」
そう言いながらこちらに近付いてくるディケイド。
「・・・大丈夫?凄くふらふらしてるけど」
「お前、自分が何したかもう忘れたみたいだなぁ・・・!」
「最適解だったでしょ?コラテラルダメージ、コラテラルダメージ」
「いい性格してんじゃねえか・・・!」
「そうかな?で。えっと、俺に用があるっていうのは」
「ああ、ちょっとお前とーーー」
反射的に右腕のブレードを掲げ、振るわれた剣を火花を散らしながら受け止める。
「遊ぼうと思ってな?」
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世界の破壊者『ディケイド』
数多の世界を巡り、その瞳に何を見るーーー
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繰り返し振るわれる剣をブレードで受け止めつつ、左腕のワイヤークローで牽制する。
目の前の相手ーーーディケイドはバックステップでワイヤークローを回避、距離を取り新たなカードを取り出す。
「へえ、なかなかやるじゃないか?」
「・・・遊びに誘うにしては乱暴だね。友達いないんじゃないの?」
「バケモノに心配されるとはな。お前こそ『トモダチは、ご馳走!』なんて思ってるんじゃないのか」
「あんなエイみたいなのと一緒にするな!友達は、友達だ!」
「けっこう熱血なんだな。かっこいいぞ?まあ・・・」
軽口を叩くディケイドが取り出したカードをバックルに挿入する。
≪KAMEN RIDE:FAIZ!≫
≪COMPLETE≫
「俺の方が格好いいけどな!」
「うお、眩し」
バックルから伸びた紅く輝くラインがディケイドの体を包み、眩い光を放つ。
光が収まると、そこには大きな黄色の複眼と紅いラインの走る黒いスーツに銀色の装甲を纏った戦士が佇んでいた。
「・・・ディケイド!どこに行った!?」
「目の前にいるぞ!よく見ろ、ドライバーが一緒だろ!」
思わずキョロキョロしながら声を上げると、しっかりとツッコミを入れてくれた。
いや分かってるよ。でも・・・
「姿が変わった・・・?あんた一体何なんだ?」
「さあな。それより第二ラウンドだ。しっかり付いて来いよ!」
カシャッと、小気味のいい音をたてて手首をスナップさせ、こちらに接近するディケイド。
振るわれる剣に合わせるようにブレードを振るい、ディケイドの剣を弾く。
その隙を狙い、クローで胸部を殴り付け吹き飛ばした。
「・・・あれ?さっきのバーコードよりパワーが落ちてない?
・・・『第二ラウンドだ。しっかり付いて来いよ!』」
「馬鹿にしてんだろ、お前!・・・いいぜ、もう付いてこられると思うなよ!」
≪FOAM RIDE:AXEL!≫
ディケイドが取り出した新たなカードを挿入すると、胸部のプロテクターが展開し、複眼の色は赤に、紅いラインは点滅しながら銀色に変化した。
「また変わった・・・。でも、何度やったって同じでしょ!」
「どうかな!付き合ってもらうぞ、10秒間だけな!」
≪START UP≫
姿の変わったディケイドに向けて、ワイヤークローを射出する。
クローはまっすぐ対象に向けて飛び、当たる瞬間にディケイドの姿が掻き消えた。
「!消え」
瞬間、体中に衝撃が走り、俺は空中でピンボールみたいに弾き飛ばされた。
≪3...2...1...TIME OUT≫
≪RE:FORMATION≫
「ガッ・・・!カハッ!」
「しっかり付いてこいって言ったけどな。ま、無理だったか」
地面に叩き付けられた俺を見ながら、紅い姿に戻ったディケイドが軽口を叩く。
高速移動・・・!それも目に映らないほどの・・・!
「まだ、まだぁ・・・!」
「いいや、終わりだ」
≪FINAL ATTACK RIDE:FA・FA・FA・FAIZ!≫
新たなカードを挿入すると音声と共にディケイドが持つ剣に紅い光が宿る。
「ッ・・・!ウォオオオオオオオ!」
〈Amazon・Break〉
こちらもドライバーを操作し、ブレードの強化を行う。
腰を落としてこちらを待ち受けるディケイドに駆け寄り、唐竹割りの要領でブレードを叩き付ける。
ブレードは紅く輝く剣によって受け止められたけど、関係ない・・・このまま!
武器ごと切断しようと力を込め・・・剣がぐるりとブレードを巻き込むように滑りーーー
「え」
「ハアァ!」
ガランと言う音と共にブレードが地面に落ちる。
その直ぐ後にぼとり、と俺の手首が落ちた。
「あ・・・、う、ぐああああああ!?」
それを認識した直後、右手首から激痛が走る。
まるで焼けた鉄をずっと押し当てられてるような痛みに耐えつつ、目の前のディケイドから距離を取る。
追撃はなく、ディケイドは落ちた俺の手首を拾い上げる。
「・・・まあこんなもんか」
拾い上げた手首をしばらく眺め、ディケイドはこちらに向き直る。
マズい・・・このままじゃ、やられる・・・!早く・・・!
「今日のところは・・・なんだ?」
「ウウゥゥゥウアアアアア!」
腕のアマゾン細胞を活性化させる・・・!斬り落とされた手首の断面にグジュグジュと細胞が集まり、新たな手を生成する。
生成した手の上に装甲を再度纏い、斬り落とされる前と同じように修復された。
「はあ、はあ・・・!」
「驚いたな。トカゲもびっくりの再生力だな、お前」
こいつは強い・・・!さっきから姿がコロコロ変わってるけど、あれは姿に応じて能力が変わるのか・・・?
片膝を付いた状態で油断なくディケイドを観察する。
いつの間にか、元のバーコード姿に変わってる。でもまたあんな高速移動を使われたら、今度こそ・・・!
「クソッ・・・!」
「ん?後ろのヤツはお友達か?」
「え・・・?イユ!」
後ろを振り返るとイユがいた。ナイスタイミング・・・!これで・・・!
「これで二対一だな!」
「二対一か、俺は構わないぞ。このまま続けるか?」
「行くよイユ!」
「ターゲット、確認」
背後から振るわれた鉤爪を咄嗟に受け止める。
イユ、何をするんですか!
「・・・驚いたな、お前が一だったのか。それとも裏切りか?」
「イユ、俺は味方だって!本当に裏切ったんですか!?」
なおも振るわれる鉤爪を躱し、隙を突いて腕を取り、肩関節を極める。
「暴れんなよ、暴れんなよ・・・!腕が取れちゃうだろ!」
「・・・お取り込み中みたいだから俺は帰るぜ?じゃあな」
「ま、待って!イユを止めるのを手伝って!」
「また会おうぜ、千翼」
「一人にしないでー!うぉあぶな!」
肩を外しながらこちらに襲いかかるイユをいなしながら、ディケイドを呼び止めようとするが、すでにバイクに乗って走り出していた。
「うわ、あぶな!なんだ今のピンク色の・・・」
「アマゾンじゃあねーよな、今の。千翼、なんだアイツは・・・お前何遊んでんだ?」
「これが遊んでるように見えるのか!?襲われてんだよイユに!」
そんなこと言ってる間にバイクはどんどん遠ざかり、ついに見えなくなった。
「いっちゃた・・・。そんでお前はいい加減に・・・!」
後ろから襲いかかろうとしていたイユに向けて、
「しろぉ!」
振り返りながら腹部に右ストレートを打ち込み、吹き飛ばした。
倒れたイユの変身が解除されるのを確認し、黒崎達に詰め寄る。
「黒崎、どうなってるんだ!イユ、見境無しに襲いかかってくるよ!お陰でディケイドに逃げられたじゃん!」
「ディケイドってのはさっきのピンクのヤツか?まあいい。アマゾンは始末したのか?」
「殺ったよ、ちゃんと!それより・・・!」
「イユのことだろ。時間が無かったからな、お前が狩っちゃいけないヤツだって教えて無かったんだよ」
「こっちのミスですねー、ごめんねー千翼君?」
「マジかよ・・・おのれディケイドォ!」
「で、アマゾンの死体は」
「爆発したよ!」
「何言ってんだこいつ」
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「クッシュン!・・・風邪か?」
最近冷えるからな。今日は暖かい物でも食うか。
バイクを降りて、ジュラルミンケースを持ってアジトの扉を開く。
中にはPCとごちゃごちゃした機械に向かう本郷がいた。
「本郷、戻ったぞ」
「ああ、お帰り、門矢。それでどうだった?」
成果を確認する本郷の前にケースを置き、蓋を開く。
白い煙が溢れだし、ケースの中身が露わになる。
「これは・・・!」
「アイツの手首だ。斬り落として直ぐに冷凍保存したからな、細胞の変化はないはずだ」
「手首って・・・!?やり過ぎだろ!彼は無事なのか!?」
泡を食ったように俺に問いかける本郷を鼻で笑いながら答えてやる。
「ああ、問題ない。あっという間に、元通りになってたぜ」
「元通りって・・・、その場で修復したのか!?凄まじい回復力だな」
「まあ、さすがにちょっとふらついてたがな。で、そっちはどうだ?
天道が持ってきたサンプルからなんか分かったのか?」
そう問いかけると本郷は顔をしかめる。
「なんだ、何も分からなかったのか」
「いや、分かったことはある。確証はないし、仮説になるが・・・、聞くか?」
「・・・どうやら、面倒な話題みたいだな。いいぜ、聞かせてくれ」
「天道が持ち帰ったサンプルの大半は溶原性細胞に変異していた。だが極わずかに変異前の細胞も残されていたんだ。
そこから分かったことが一つ」
「・・・」
「アマゾン細胞は突然変異的に発生したものじゃない。人為的に造り出されたものだ」
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「ホントだって!俺とディケイドが斬り付けたら断末魔上げながら爆発したんだって!信じてくれよ!」
「ははは、千翼君夢でも見てたんじゃないの?」
「千翼ォ、お前は一週間の謹慎だ」
「そんな!」
その後、爆発したアマゾンの灰を調べていた隊員から、溶原性細胞が検出されたと報告を受け、謹慎は10分で解除されました。
「いやーごめんね、千翼君。でもアマゾンが爆発するなんて思わないでしょ?」
「・・・これもディケイドってヤツのせいなんだ」
「まあ、それっぽいよね」
「・・・」
「なに千翼君?空気読めないヤツを見るような目してるよ?」
「いや別に」
「ふーん。あ、黒崎さん、イユ来ましたよ」
タンパク質を摂取し、傷を修復したイユが隊員に連れられ、こちらに近付いてきた。
アマゾン戦では殆ど傷を負わなかったけど、肩の脱臼と内臓にダメージを負っていたらしい。
俺は悪くねえ。
「来たか、イユ。いいか?こいつは千翼。アマゾンだ」
「千翼、アマゾン」
「そうだ。でも狩っちゃだめなヤツだ」
「千翼、狩っちゃダメなヤツ」
「・・・よぉし、これで今度から千翼に襲いかかることはないだろ」
「え、これだけで大丈夫なの?・・・イユ、これからよろしくね」
「よろしく」
「挨拶を返してくれた・・・!?ちょっと、感動した・・・!」
「大げさだろ。まあいい、そんなに元気なら病院の中調べてこい」
「まだ何かあるの?」
「それを探すんだろ。行け」
「りょーかい」
さて、探せっていってもな。
病院内は隊員も入ってるし、プロに任せた方がいいんじゃないかな。
ラムネ味のタンパク質ゼリーを吸いながら病院内を見回る。
「・・・遺体の損傷は少なかったな」
「ああ、中身は大分減ってたみたいだけどな」
「内臓だけを喰うアマゾンか・・・。まあ、他のアマゾンに食い散らかされた遺体よりましだな」
「遺族に返すときに色々足りないと、きついもんな」
このカーテン血まみれだな・・・。
「数ヶ月前からアロマオゾンのメーカーと契約してたみたいだな」
「行方不明者が出た頃から逆算すれば発症までの期間が分かるかもな。資料押収っと」
この部屋は、っと・・・
「うわ、なんだこれ」
「どうした千翼。・・・これは空のアロマオゾン?」
「何ヶ月分あるんだよ、これ」
「メーカー元があのザマだったからな・・・回収するヤツいたのか?」
「一番古いタンクを調べれば、いつからメーカーがアマゾンの巣になったか分かるかもな。調べてみよう」
ふーむ・・・。
血まみれのカーテン。
内臓のみを喰うアマゾン。
回収されないタンク。
これは、もしかしたら・・・?
「千翼ォ、なにぼさっとしてんだ。もういいから引き上げるぞ」
「ああうん、わかった」
もしかしたら、もう一体いたのか・・・?
あけましたおめでとうございます。
2018年からやってきたアマゾンワロスです。
艦これのイベントやウルバトやらFGOイベントやらでてんてこ舞いでした。
年末年始は忙しいですね。
ジオウも、もやしどっか行っちゃうし、映画最高やし、ゲイツ君救世主になるし。
16周年目に龍騎のスピンオフとはこのワロスの目をもってしても云々。
今年も何とか投稿して行くのでどうぞよろしくお願いします。