アマゾンズチャレンジ!~千翼は仮面ライダーになれるのか!?~   作:エボルアマゾン

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第4話の伏線回収


第5話

油断した・・・!

壁をぶち抜いて現れたそいつは勢いのままに俺を跳ね飛ばした。

床を滑りながら体勢を整え、闖入者に向き直る。

 

「―――え?」

 

そいつを視界に納めた瞬間、思わず動きを止めてしまった。

鱗に覆われた太い手足、鋭く生え揃った牙が覗く長い顔を持つアマゾン―――ワニアマゾン。

問題はワニであることじゃない。服だ。

 

どぎついピンクのハーフパンツに同色の「親しみやすさ」とプリントされたTシャツ・・・。

それが逞しい身体によりぱっつんぱっつんになってる・・・。

それが「親しみやすさ」を強調するように胸を張っている。

いや、全然親しめないよこれ・・・。

 

ああクソッ、余計なこと考えるな!相手はアマゾン、狩るだけだ!

頭を振って気持ちを切り替え、やつに向き直ると―――

大きく開いた顎が目の前にあった。

 

「カァァグ!」

「―!ウグアァアァ!」

 

避けるのが一瞬遅れたせいで左腕に噛み付かれる。

幸い装甲のあるところだったけど、顎の力が強すぎる!装甲がバキバキいってる、このままじゃ腕もってかれる―――!

自由になる右腕や膝で胴体を殴打するが、分厚い鱗はそのまま鎧となり衝撃を通さない。

さらにやつは体を沈め、上半身を軽く捻り―――やっばい!

咄嗟にやつの背中に回り付き、そのまましがみつく。

やつは溜めた力を解放するように一気に回転を始める。

 

ワニが噛み付いた獲物を仕留めるために行う必殺技―――デスロール。

腕をねじ切られるのは回避したけど、装甲が軋みを上げ、そのまま持って行かれそうな衝撃が走る。

ワニは獲物が死ぬまでデスロールをやめない・・・まずいこのままじゃ―――。

 

「おっらあ!」

「ギッ―――」

 

車のタイヤを殴ったような音が聞こえ、デスロールが停止する。

顔を上げると―――

 

「っしゃあ!どうだ!」

「長瀬君すげぇー!」

「ばっちり撮れてるよ、ヒロキ!」

 

さっきバッドで殴りかかってきた人がいた。

どうやら思いっきり振ったバッドがやつの目に直撃したみたいだ。

 

「どーよ、俺の上腕二頭筋!」

 

デスロールが止まった、チャンスだ!

 

「オォオォオォオ!」

「うぉ!」

 

やつの体を持ち上げ、全力で走る!向かうのは―――外!

壁をぶち破りそのまま落下する―――やつを下にしてなぁ!

 

「ガッ、フッ―――!」

「よし、抜けたァ!」

 

そのままやつから距離を取り、噛み付かれた腕を確認するけど・・・装甲はボロボロ、力も入らない。

荒く息を吐きながらもやつからは目を離さない。

どうする?堅い鱗はカッターもブレードも通しそうにない。打撃なんてもってのほかだろう。

なにより今度噛み付かれれば、脱出は絶望的だ・・・なら、手は一つ・・・!

 

「追いついた・・・見て、腕抜けてる!」

「長瀬君のおかげだね!」

「たりめーだろ!おい、さっさと片付けちまえよ!」

 

好き勝手言ってくれるなぁ、肝が据わってるって言うか何というか・・・。

・・・まあ、さっさと片付けたいのだけは同意するよ。

 

〈Blade・Loading〉

 

インジェクターを押し込み、ブレードを生成する。

タイミングを間違えば今度こそアウトだけど・・・俺はこんなところで死にたくないし、死ねない・・・!

 

「何だあれ、かっけー」

「武器作れるんだ!」

「でもどうするんだ?あのワニ、すげえ堅そうだけど・・・」

 

右腕を引き、力を溜める。

そして一気に―――!

 

「突っ込んだ!?」

 

弾丸のように地面を駆け、やつに肉薄する!

やつは待ち構えるように少し顎を開き―――

 

(―――今だ!)

 

さらに速度を上げ、やつの顎にブレードをねじ込む・・・口の中に鱗はないだろ!

 

「ギグガガガガガァ!」

「オォォオオオォオ■■■■■■■■!」

 

〈Amazon・Break〉

 

左腕の痛みを無視してスロットを操作する!

 

(ブチコロス―――!)

 

そのまま一気に腕を引き下ろし、やつを下顎から股まで切り開く。

黒い体液が噴き出し体を汚すが構わず、最後まで腕を引き下ろした。

 

「―――――」

 

やつは声もなく崩れ落ち、いつものように干からびていった。

か、勝った・・・!

 

「■■■■■■■■ー!」

 

勝利の歓喜に身を震わせながら夜空の三日月に吠える。

 

「よっしゃ!見たかよ、あいつマジすげーぜ!おい、やるじゃねーかお前!」

「めっちゃいい画が撮れた・・・!再生数爆上げ間違いなしでしょ、これ!」

「名前なんてーの!」

 

息を整えてると、さっきの三人組が寄ってきて俺に触ってきた。

 

「うわちょっとやめて触らないで」

 

もみくちゃにされそうなところから抜け出し、周囲の気配を探る・・・よし、もうここにはアマゾンはいないみたいだな。

ドライバーからインジェクターを引き抜き、人間の姿に戻る。

改めて目の前の三人組に向き直り、お礼を言う。

 

「さっきはありがとう。おかげで助かったよ。お詫びするものなんて何もないけど・・・」

「おお?いいってことよ!タクのこと助けてくれたからな!」

「うん!ホントーにありがと!」

「そっか・・・じゃ、俺はこれで」

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

そう言ってあいつはあっさり背中を向けて立ち去ろうとする。

やべえ、このままだと帰っちまう!

 

「おい、お前名前は?」

 

何とか引き留めてチームに引き込まねーと!こいつがいりゃあ、アマゾン狩りもスムーズに進みそうだしな!

 

「名前?・・・千翼だよ。鷹山千翼」

「千翼か!俺は長瀬裕樹、こいつが北村健太でお前が助けたのが山下琢己だ。俺たち三人でチーム(キス)だ!」

「へぇ、三人はチームなんだ。じゃあ縁があればまたどこかで」

 

何だこいつ会話が続かねえ!コミュ障か!?

 

「さっきの戦い、凄かったね。千翼もアマゾンなんだろ?なんで同じアマゾン狩ってるの?」

 

ナイスフォローだ、ケンタァ!そーだ、こいつがアマゾン狩ってる理由が分かれば、チームに引き込みやすくなる!

 

「・・・あいつらと一緒にしないでほしいんだけど・・・。」

「ごめん、気を悪くしたなら謝るよ」

「・・・いいよ、人間から見ればアマゾンはアマゾンだし。えっと、俺がアマゾンを狩る理由だっけ?」

「ああ、ちょっときょーみあるかなーって」

「・・・探してるアマゾンがいるんだ。俺の母さんを喰った水色のアマゾン」

 

・・・!これだ!

 

「じゃあ、俺たちのチームに入れよ!助けになれるぜ!」

「えっ?」

「俺たちがアマゾンを狩るお前を動画に撮って配信する。で、チャンネルの告知でそのアマゾンの目撃情報を視聴者から集めるんだよ!」

「それいいかも!一人で闇雲に探すよりずっと効率的だよ!ヒロキ珍しくさえてるじゃん!」

「珍しくってなんだよ!」

「でも、俺、アマゾンだよ?」

「千翼は俺のこと助けてくれたじゃん!ほかのとは違うんでしょ?」

「それは・・・そうだけど」

 

案外しぶといな、ここは強引でももう一押し・・・!

 

「じゃああれだ、恩返し!お前さっき詫びがどうの言ってたろ!それ返す為にチームに入れ!」

「えっ、さっき気にしなくていいって・・・」

「忘れた忘れた!お前はチームに入る、ハイ決定!」

「・・・強引だなぁ。でも恩返しなら、しょうがない、か・・・」

 

そう言ってこいつ・・・千翼は照れたように笑いながら―――

 

「改めて、鷹山千翼です。俺を、みんなのチームに入れてくれないかな?」

 

そう、いった。

 

「大歓迎だぜ、ようこそチーム(キス)へ!これからよろしくな!千翼!」

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

咎人を串刺しにするような三日月の下に〈それ〉はいた。

 

「よーし、チーム(キス)新メンバーの歓迎会やるぞ!」

「イエーイ!」

「別に気を使わなくても・・・」

「まあまあ、千翼の歓迎会を口実に騒ぎたいだけなんだよ。千翼は何か食べたいものある?」

「えっと、焼き肉かな。俺食べたことないんだ」

「オッケー、焼き肉ね。おーい、ヒロキー。千翼が焼き肉食いたいって―」

「よっしゃぁ!今日は奮発するぞぉ!」

「イエーイ!」

 

宙に浮かぶ〈それ〉は眼下の人とアマゾンをしばらく見つめ―――

空間に溶けるように消えた。

 

人とアマゾンは何も気づかず・・・三日月だけが全てを見ていた。

 

 




衝撃の玄さん。
第4話のホテルおじさんは伏線だったのさ・・・!

次はチームの日常とか4Cの様子とか書きたいな。書けるといいな。
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