アマゾンズチャレンジ!~千翼は仮面ライダーになれるのか!?~ 作:エボルアマゾン
それを狩るアマゾンハンターの実態に迫る!
―――7年前、この世界にある脅威が放たれた。
事故により放たれたその脅威の名は・・・『アマゾン』。
大手製薬会社『野座間製薬』により秘密裏に研究されていたこの生命体は恐るべき身体能力を持ち、人間に擬態することも可能であり、さらには人間のタンパク質を好む―――すなわち、人間を喰らうと言う。
事故により放たれた4000体の怪物・・・我々がこの存在を知るのは5年前、野座間製薬が行ったアマゾン殲滅作戦『トラロック』の後になる。
特殊ガスを街に散布したこの作戦によりアマゾンの大半は死滅―――同時に白昼堂々行われたこの作戦により、アマゾンの存在が世に晒されることとなった。
街行く人が突如悶え苦しみながら怪物へと変貌し、どろどろと溶けゆく姿がSNSに多数投稿されたことは記憶に新しい。
『トラロック事件』によりアマゾンの大半は駆除された。
しかし、全てのアマゾンが駆除されたわけではない。
トラロックを生き延び、今も街に潜むアマゾン―――そしてそれを狩る者たち。
今回我々はこのアマゾンを狩る者たちに迫った―――!
~激撮!アマゾンハンター24時!~
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アマゾンを狩る者たち・・・彼らを取材するために我々はここ〈特定有害生物対策センター〉通称〈4C〉を訪れた。
「ようこそ〈4C〉へ。私がここの局長を務める、橘雄吾です」
我々取材班を出迎えてくれたのは大柄な壮年の男性―――ここ〈4C〉の局長である橘雄吾さん。
―――今回は我々の密着取材を引き受けてくださり、誠にありがとうございます。
「構いませんよ。国民の皆様に今この街で何が起きているか、そしてアマゾンの脅威をお知らせするいい機会ですから」
―――ではまず、〈4C〉の設立理由からご説明いただけますか?
「設立理由・・・と申されましても、5年前の「トラロック事件」を生き延びた実験体を駆除するためです」
―――実験体?
「ああ失礼、野座間製薬では逃げ出した4000体のアマゾンを実験体と呼んでいまして。
この実験体を狩るために野座間製薬では秘密裏に駆除班を結成し、これにあたっていました。
まあ、アマゾンの存在が明るみに出たため、野座間は多額の罰金を払うこととなり、政府の認可を得ていなかった駆除班も解散となりましたがね。
その後、私が政府機関に働きかけ野座間製薬共同でこの〈4C〉設立に至ったというわけです」
―――なるほど。確か橘局長も野座間製薬の元役員だったとお聞きしていますが?
「ええ、国際営業戦略本部長でした」
―――当時はアマゾンとはどのような関わりを?
「直接的な関わりはほぼありませんでしたね。
アマゾンプロジェクトは特殊研究開発部門の主導でしたから。
まあ、ビジネス面から見てもアマゾンは魅力的でした」
―――アマゾンがビジネスに?
「その通り、アマゾン細胞には無限の可能性がある、と私は当時から考えています」
―――アマゾン細胞とはどのようなものなのでしょうか?
「わかりやすく言えば、ウイルスサイズの人工生命体です。極めて高い生命力を持ち、人のタンパク質を好む。
これをヒト型まで成長させたものをアマゾンと呼んでいます。
ヒト型まで成長させたアマゾンは動植物の性質を持ちます。
アマゾン細胞誕生の経緯ですが・・・実験中、偶然誕生したと。
高い生命力から医療分野への転用が期待されていましたが、後に人喰いの性質が判明しいったん保留されていました」
―――〈4C〉はどのような組織なのでしょう?
「〈4C〉はアマゾンを駆除する組織です。
ですので、対アマゾン戦闘部隊の運用が主になります。
まず情報部が入手した情報により機動部隊を展開、アマゾンを発見次第各実戦部隊に連絡しこれを駆除します。
あとは対アマゾン用兵器の研究部門から成り立っています。
実戦部隊には、後ほどインタビューを行うように手配していますので」
―――ありがとうございます。最後に〈4C〉を率いる橘局長の座右の銘、信念などあれば・・・。
「そう、ですね・・・『愛』ですかね」
―――・・・
「・・・」
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「赤松隊隊長、赤松竜二です」
「藤尾隊隊長、藤尾信二です」
精悍な印象を受ける男性二人。
彼らがアマゾンハンターを率いる部隊の隊長だ。
―――今回はお忙しい中、我々の為にお時間を作っていただき、ありがとうございます。
「いえ、とんでもない」
「インタビューということでしたが、具体的にどのようなことを?」
―――アマゾンを狩る部隊は複数あると伺いました。お二人の部隊の特色などを教えていただければ。
「なるほど・・・では私から」
赤松さんは一度咳払いをし、赤松隊の特徴を語り始める。
「私が率いる赤松隊は迅速な行動と規律をモットーとしています。
アマゾンに対処するにあたって、この二つが最も重要だと私は考えています」
―――と、いうと?
「アマゾンは人を食います。なので発見から対処が遅れればそれだけ被害が増える可能性が高くなります。
また、対アマゾン戦闘において普段から規律正しく行動することで、隊員への被害を押さえることが出来ると考えています」
―――規律を守ること被害を押さえることに繋がる?
「ええ、アマゾンとの戦闘においては不測の事態に陥ることが多々あります。
そもそも人間を遙かに上回る存在です。そのとき各員が好き勝手に動けば、被害が増加します。
それを防ぐ為にも、隊員たちに規律を守りお互いをフォローしあえるように訓練を重ねています」
「実際、対アマゾン戦での赤松隊の負傷率はかなり低いんですよ。
まさしく〈4C〉きってのエリート部隊ですよ」
「おいおいよせよ。
藤尾隊もバロンを使っての急襲はなかなかのもんだろ」
部隊のことを説明するときとは打って変わって、和やかに藤尾隊長と会話する赤松隊長。
部隊内部だけでなく、ほかの部隊との関係も良好なようだ。
ここで気になる名前が飛び出した。
―――先ほどお話しに上がったバロンというのは、〈4C〉が開発した対アマゾン用兵器のことですか?
「え?ああ、違います。バロンはほら、あいつですよ」
そう言って藤尾隊長が指さす先には犬を抱いた男性隊員がいる。
「うちの中島です。彼が抱いているのがバロンですよ」
―――犬のことですか!?
「ええ、正確には軍用犬です。
アマゾンの臭いを覚え、追跡するように訓練しています。
あいつのおかげでうちはアマゾンを追跡・急襲しやすいんですよ」
―――犬がアマゾンを追えるのですか?人と間違えることは―――
「バロンは訓練されています!間違えることなどありません!」
「落ち着け中島!
・・・すみません、中島は特にバロンと一緒に行動することが多く、信頼関係も強いんですよ」
―――失礼しました。ですがそんなに便利ならほかの部隊も採用するべきでは?
「訓練自体は多くの犬がクリアしました。
ですが実戦となると怯えるものも多く・・・結局実戦に耐えれるのはバロンだけでした」
―――なるほど。
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―――VTRでアマゾンと戦闘を行っていたのは赤松隊ですよね。鮮やかなお手並みでした。
「ありがとうございます。」
―――それでは最後の質問です。お二人にとってアマゾン狩りとは?
「人を守る為のものです」
「私もおなじですね。
私も赤松も元自衛官でして。人を守りたいという気持ちは強いです」
そう語るお二人の目には強い正義感が宿っていた―――。
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アマゾンハンターは〈4C〉だけではない。
ここ半年でアマゾン狩り動画を配信し、圧倒的支持を得ているチームがある。
我々は彼らに接触し、取材の許可を得ることができた。
―――失礼します、取材を依頼した「激撮!24時!」です。
地下への階段を降りるとこぢんまりとしたクラブがある。
半年前からアマゾン狩り動画を投稿しているチーム
「おお、きたきた。ようこそ!チーム
印象としては最近の若者だ。四人とも赤松隊長や藤尾隊長のように精悍な印象は受けない。
―――では早速インタビューを行いたいと思います。まず、自己紹介からお願いします。
「うっす!このチームのリーダーやってます!長瀬裕樹ッス!
動画の編集とかやってます」
「木村健太です。ネットでアマゾンの情報収集してます」
「や、山下琢己です!動画の撮影をしてます!」
―――?あの彼は?
「あ?おい千翼!何してんだこっち来いよテレビもう来てるぞ!」
「・・・」
カウンターに腰掛ける最後の一人はイヤホンをして本を読んでいる。
かなり集中しているのかこちらの声どころか存在にすらきづいていないようだ。
「なにやってんだッよ!」
「痛て」
長瀬君が千翼と呼んだ少年の頭を叩く。
それでようやく彼はイヤホン外し、こちらに気づいたようだ。
「テレビ来るって言っただろォ!自己紹介しろ!」
「え、来てたの!?教えてよ!」
慌てたようにこちらに来る、「威風堂々」とプリントされたTシャツを着た少年。
「千翼ォ!テレビが来るからそのダセェTシャツやめろって言っただろォ!」
「?見る目ないよね、ヒロキって」
「んだとォ!」
―――では改めて、君の名前は?
「た・・・千翼です。ええっと、すいません。本に夢中になっちゃって・・・」
―――ずいぶん熱心に読んでいましたが、本のタイトルは?
「これです、『水の世界』。
『本郷猛』ていう水の研究者さんが出した本です。おもしろいですよ?」
そう語る目の前の少年。このチームの中でも一番大人しそうな、「威風堂々」の文字が似合わない彼こそが―――。
―――確認したいのですが、動画でアマゾンと直接戦っていたのは・・・?
「はい、俺です」
チームのなかで荒事から最も遠そうな少年が、あの動画ように荒々しく戦う青い姿のアマゾンだという。
―――千翼君はアマゾンということで間違いありませんか?
「はい。えっと、ほらこれで」
そういって突き出された右腕から蒸気を噴き出したと思うと、一瞬のうちに青く凶暴な腕に変わり、思わず身を引いてしまう。
「あ・・・ごめんなさい。びっくりさせちゃいました?」
―――い、いえ大丈夫です。ではなぜ君たちはアマゾンを狩っているのですか?
アマゾンへのインタビューなど前代未聞・・・ほかのどの局もやっていない・・・ここで逃げ出すわけには行かない。
「まーやっぱ、動画のためッスかね。再生数が上がると収入増えるし」
「それにスリルの為ってのもありますね。退屈な日常より刺激的な日常でしょ」
「お、俺も二人と一緒です!」
「・・・」
―――千翼君は三人とは違うのですか?
「俺、小さい頃人間に育てられたんです」
―――人間に!?
「はい。でもその人・・・母さんはアマゾンに喰われて・・・俺はそいつを追ってるんです」
―――つまり復讐?
「はい。その途中でヒロキたちと会って、力を貸してもらってるんです」
―――なるほど、具体的にどのような?
「ええっと・・・」
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その後チーム
千翼君がチームに入った経緯、チームが千翼君にどのように力を貸しているか。
興味深いのはアマゾン狩りの方法だ。
なんと千翼君はアマゾンの気配が分かるそうだ。それもかなり距離があっても分かるとのこと。
ネットの情報やチームの掲示板に書き込まれた情報をケンタ君がまとめ、千翼君を情報のあった場所に向かわせる。
当たりであれば襲撃を行い、動画を投稿する。
なるほど、確かに効率的な狩りの仕方だ。
「でもそのせいで最近困ったことがあって・・・」
―――困ったこと?
「街とか歩いてると遠くからキャーキャー言われたり、握手してとか写真撮ってとか・・・」
そう語る千翼君はげんなりとしている。
―――ほかのメンバーもそういうことが?
「あるけど、別に嫌じゃねーよな?」
「まあ、そうですね。嫌ってわけじゃないです」
「俺も俺も!なんか有名人になったみたいで!」
やはりアマゾンということで心ない声をぶつける者もいるのか―――?
「まあそういうのもありますけど、それは別に平気です。
人間にとってアマゾンは怖いものですし」
―――では何が?
「その、俺、人に触られるのが嫌いっていうか、苦手で・・・。
だからテレビ見てる人にお願いです。街で見かけてもそっとしといてください」
案外ユニークな少年だ。
ここで一番気になることを質問する―――。
―――千翼君は人間を食べないの?
「―――食べたいと思ったことはあります。
でも母さんと約束したんです。人間は食べないって」
亡き母との約束を守る・・・家族や仲間を思う気持ちはアマゾンと人間にそう差はないのかもしれない・・・。
彼らを見ているとそう思う。
―――では最後の質問です。最後は若者らしく最近気になったことについて教えてください。
「あー、やっぱファッションかな。チーム一のおしゃれを自負してますから」
「俺はやっぱ動画のことかな。どうやったらもっと視聴者が増えるのか知りたいです」
「彼女ほしいです!」
「やっぱあれかな、ニュースで見たIT企業『エクストリーム』の風見志郎社長が発表した『深海探査プロジェクトX』への投資です」
「「「真面目か!」」」
―――三人は若者らしい答えですね。
千翼君が上げた『深海探査プロジェクトX』は今注目を集めていますね。アンドロイドによる、より詳しい深海調査だとか。
「たしか『カイゾーグ』って名前の人間大のロボットだとか。興味あります!」
―――ありがとうございます。本日のインタビューはこれで終了です。放送を楽しみにしていてくださいね。
「「「「ありがとうございました!」」」」
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この放送は
幻夢コーポレーション
ユグドラシルカンパニー
鴻上ファウンデーション
スマートブレイン
難波重工
アンブレラ
キサラギ
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放送後
一同『アマゾンハンターって何だよ・・・』
後日
「おかしい・・・街で絡まれることが増えた・・・テレビでお願いしたのに・・・」
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※最後のスポンサーは名前だけ同じの変態企業たちです。