アマゾンズチャレンジ!~千翼は仮面ライダーになれるのか!?~ 作:エボルアマゾン
そこはさっきまで命だったものが辺り一面に散らばる世界(原作)だった。
あの番組『~激撮!アマゾンハンター24時!~』の放送から半年がたった。
放送後の反響はいい意味でも悪い意味でもかなりあったみたいで、チャンネルの登録者数は500万人越えを達成したそうだ。
半年の間に色々なことがあった。その中で一番大きな変化は俺に帰る場所が出来たことだ。
公園や野外を寝床にしていたことがチームにバレてヒロキに滅茶苦茶怒られた。
―――「何で言わねえんだよ!俺たちチームだろォ!」
別に隠してたわけじゃないんだ。物心ついた頃からずっと野外で寝てたから。
でも、本気で怒ってくれたヒロキを見て・・・ちょっと、感動した。
俺のこと心配してくれる人なんて母さん以外にいなかったから。
その後チームの拠点であるクラブのオーナー、志藤さんにヒロキが頭を下げてくれて、クラブに泊まる許可をもらった。
みんなに出会ってからだ。
みんなに出会って、寝床が出来た。
みんなに出会って、おいしいものをたくさん教えてもらった。
みんなに出会って、楽しいこともたくさん教えてもらった。
みんなに出会って、俺は一人じゃなくなった。
一番大事な目標は、母さんの復讐は変わっていない。
でも・・・でも、俺はチームのみんなとも一緒にいたい。
人喰いの化け物がこんなこと考えるのはおかしいかもしれないけど、俺はチームのみんなを守りたいと思ってる。
友達だって、思ってる。
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『千翼。おい、千翼?聞こえてんのか?』
「・・・z」
『寝てんじゃねーよ!起きろォ!』
「!?寝てない、寝てないよ!?」
『嘘つけ、ぜってー寝てただろ!
ったく、しっかりしろよ、始めるぞ』
「・・・分かった」
何日か前にチームの掲示板に書き込みがあった。
深夜にドライブしてると商店街の近くで警察官の格好をしたアマゾンを見たっていう内容だ。
情報を元に商店街の近くを調査すると、色々みつけた。
人が滅多に立ち入らない路地裏の奥・・・そこに夥しい血痕と血まみれになった片方だけのハイヒール。
この近くにアマゾンが潜んでいることを確信し、情報を頼りに付近の交番を回った。
そして昨日、お目当てのアマゾンを発見し、今日チームで襲撃をかけることになった。
やり方はいつも通り。最初に人間態のアマゾンをヒロキたちが襲撃、俺がいるところまで連れてきたアマゾンを狩る。
もう何度も繰り返した狩り。ヒロキたちもすっかり慣れて、今ではアマゾンにビビることもない。
そんなことを考えながらジャングレイダーを撫でていると―――来た。
派手な音楽を響かせるバイクを追う、黄色と黒斑の体毛を持つ―――ヒョウアマゾンが。
ジャングレイダーを発進させ、三人を追うのに夢中になっているアマゾンを跳ね飛ばしアスファルトを舐めさせる。
奴は即座に起き上がり、威嚇するように唸り声をあげ、右腕を顔の横で構える。
〈NE・O〉
「・・・アマゾン!」
対する俺は、いつものように爆炎を纏いながらネオへ変身する。
一年以上戦い続けたお陰で、今はこの体を締め付ける窮屈な感じにも大分慣れた。
爆炎を払いのけ、飛び掛かってきた奴に拳をカウンターとして打ち込み、叩き落とす。
着地した奴に即座に足払いをかけるけど、素早く後ろに飛び退き躱される。
そのまま殴りかかってきた奴を蹴り飛ばし怯ませる。
足を狙って体勢を崩そうとするけど、ネコ科特有の身のこなしで躱され、背中を蹴り飛ばされる。
「グルルル・・・!」
「フゥー・・・、フゥー・・・!」
一瞬睨み合いになり、弾かれるようにお互い地面を蹴った。
「ハァ!」
「グウ!」
連続で蹴りを繰り出すが、右足を抱え込むようにして止められる。
そのまま体勢を崩そうとしてくるので、左足を踏ん張り右足の力だけで奴を地面に叩き付ける。
起き上がった奴の胸を蹴り飛ばし、背中から地面に倒れた奴に追撃をかけようとするけど、奴はネックスプリングのように跳ね上がり両足で蹴りを繰り出してきた。
無防備な状態で胸を蹴り飛ばされた俺は、地面を転がりながら体勢を立て直す。
―――なかなか、やるなぁ・・・!
体の奥からふつふつと、熱が沸き上がる。
その熱を受け入れるように、片膝をついたまま両手を広げ―――
「ウォオオアア■■■■■■■■!」
天を仰ぎ咆哮する。
「■■■ァア!」
〈Blade・Loading〉
インジェクターを押し込み、右腕にブレードを展開する。
「おおーう」
「来た来た、かっけーの!」
チームでは武器生成プロセスはかなり好評みたい。単純に見栄えがいいもんな。
奴に向かってブレードを振り下ろし、斬り払い、突き出すけど俊敏な動きで回避される。猫強い!
一歩踏み込み胴体を薙ぐように斬りつけると、腕でブレードを抱え込み封じようとしてきた。
そのまま強引に腕の力だけでブレードを引き抜き、後ろ回し蹴りで蹴り飛ばす。
奴に向かって再度突きを繰り出すと、こちらに背中を向け右脇で締め付けるようにブレードを拘束してきた。
―――チャンスだ・・・!
こちらも背中を向けながらブレードを持ち上げていく。
肉にブレードが食い込む痛みから呻き声を上げる奴には構わず、ドライバーを操作する。
〈Amazon・Break〉
「オオオオォォ!」
「グギイィィイイ!」
ブレードの切れ味が強化され、奴の腕を付け根から断ち切る!
俺はブレードを引き抜いた勢いのままに体を捻り―――!
「ハアァァァア!」
「ギ―――!」
そのまま奴の胴体を両断した。
跳ね飛ばされた奴の上半身は地面に叩き付けられ、何度か腕で空を掻きむしり・・・そして動かなくなった。
「ウォオオオオ!」
天にブレードを掲げながら勝利の歓声を上げる。
戦いが終わり、体中の熱が冷めていく感覚を楽しんでいると・・・
「ハイオッケー!いい画が撮れたよ!」
「よっしゃあ!千翼、撤収撤収ー!」
・・・今回の撮影も終了みたいだ。
スロットからインジェクターを引き抜き、人間態に戻る。
歓声を上げながらバイクで走り出した三人を追うように、俺もジャングレイダーを発進させた。
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「でさ、その子がめっちゃきれいでさ!
髪もこう長くて、ロング?ロングか!」
「いーじゃねーか!ロング!」
「それで脚もすらーっと長くてさあ!」
「おお、おお!」
「でもなー背がさあ、ちょっと高くてさあ。
俺と同じくらいあったんだよ」
「あー、確かに背が高すぎるのはなあ・・・」
「そそ、俺も小柄な子が好みでさ」
「どじゃ~ん!動画の再生数上がったし、取りあえずはピザ食べ放題!」
「おお!やったー!」
「またピザかよ。
金ならあるんだから焼き肉とかにしようぜ!」
「だってヒロキ外食いに行くのめんどくさがるじゃん。
それにピザうめーし」
「千翼ー、ピザ来たよー」
「ん、はーい」
タクの呼ぶ声に応え、ノートPCで見ていた動画を一時停止。
自分の席に着く。
全員で手を合わせ―――。
「「「「いただきまーす!」」」」
カットされたピースを手に取り口に運ぶ。
絡み合う四種のチーズが生地と絶妙にマッチしている。
「うん、おいしい」
「うまい!ってあれ、千翼またチーズ?」
「うん。この前食べた駅前のピザがおいしくってさ」
「おい何の話だよ?
俺そんなの行ってねーぜ」
「あー、この前さジム帰りにばったり千翼と会ってさ。
せっかくだから飯食いに行こーよってなって、駅前の新しく出来たピザ屋にいったんだ。
そこで、千翼がさ・・・」
「何だよ、おもしれーことでもやったのかよ」
「ふふっ、いやね、出て来たピザの写真撮ってたからSNSにでも載せるのって聞いたらさ・・・」
タクが手で「言え、言え!」ってやってきたので、そのときのことを思い出しながら・・・
「いや、俺、食べログやってんだよね」
「ぶっほ!」
「んぐう!」
「うわ汚!」
同じように言うとヒロキとケンタが吹き出した
え、そんなにおかしなこといった?俺?
「お、おま、食べログ!?お前がァ?」
「うん、チームのメンバー紹介のところにリンクも貼ってるよ」
「ふふっ・・・ホントだ、いつの間に・・・んふふ・・・」
「ちょ、ちょっと見せろケンタ・・・
『アマゾン食べ歩き紀行』ォ!?ダメだ!は、腹よじれる・・・!」
「笑いすぎじゃない?」
「しかも、けっこー評価たけーじゃねーか!あははは!」
笑いすぎでしょ。
「じゃあ、さっきパソコンいじってたのも、ブログの更新?」
ああ、そっちは・・・。
「さっきの狩りの後さ、ヒロキが「もっとクールに格好よく決めたい!」って言ってたでしょ。」
「ああ、言ってたね。それの勉強?」
「うん。
カウボーイビバップ見てた」
「おかしいな。前後の文章が繋がらないぞ」
「それってあれだよね、昔のアニメ!」
「うん。格好いいシーンが多いからさ、動き真似しようと思って」
「勉強資料がアニメかー。
千翼も俗世に染まってきたよなー」
そして、笑いすぎて過呼吸みたいになってたヒロキを落ち着かせたり、クラブのオーナーである志藤さんが顔を出して「学校行けよ」って言われたりした。
いいな、学校。俺も言ってみたいな。でも人が多い所はなあ・・・。
その後、「やっぱ焼き肉食いてーよ!でも外食めんどくせーよ!」とかヒロキが言い出したので、明日みんなでホットプレートを買いに行くことになった。
肉選びなら任せろ、得意分野だ!
アマゾンズ・食べログ
千翼・・・肉料理を中心にスイーツやコンビニ飯まで幅広くやる
悠・・・主にハンバーガー中心
仁さん・・・七羽さんの手料理のみ。
飼ってる鶏の写真をアップした次の日に鶏肉料理をアップする