アマゾンズチャレンジ!~千翼は仮面ライダーになれるのか!?~ 作:エボルアマゾン
「ホットプレートって結構色々あるんだねー」
「・・・『プレートを入れ替えればたこ焼きが作れます』ただのホットプレートじゃ、売れないのかな」
「お、これいいんじゃねえ。煙吸うんだってよ」
「こーゆのって買ってから後悔することが多いからね。店員さんに聞いた方がいいよ。
すいませーん、店員さーん!」
ホットプレートて丸いやつだけだと思ってたけど、色んなタイプがあるんだな。
・・・たこ焼きかぁ・・・。
「君もたこ焼きに興味があるのか?」
「うぇ!?」
後ろから急に話しかけられた。誰?誰このイケメン!?
「驚かせてしまったか。
すまない、ずいぶん熱心にたこ焼きプレートを見ていたからな。
君もたこ焼きが好きなのか?」
たこ焼きへの暑い情熱を感じる・・・!
「えっと、たこ焼きは好きですけど、別にたこ焼きプレートを見てたわけじゃなくて・・・。
今日は焼き肉用のホットプレートを買いに来たんです。
それで、色んな種類があるなーって・・・」
「そうだったのか・・・だが、たこ焼き好きとは見る目がある。
良ければ一つどうだ」
そう言ってその人はスッ、と箱入りのたこ焼きを差し出してきた。
おいどっから出したそれ。
「あ、ありがとうございます・・・。おいしいですね」
「そうだろう!私はいつか、たこ焼きで世界中の人々を幸せにしたいんだ」
壮大な目標とたこ焼きについてしばし語り合い、友達と来てることを伝えて分かれた。
別れ際に「心を許せる友は一生の宝・・・大切にするべきだ」って言われた。言われなくても、大切にするさ。
「千翼、どこ行ってたんだよ」
「うん、知らない人からたこ焼きもらってた」
「なんだそりゃ・・・知らねえ奴からものなんてもらうなよ!」
「長瀬君、母親みたい」
「ああ!?」
「まあまあ・・・店員さんのオススメ幾つか候補を絞ったからさ、良さそうなのをみんなで選ぼう」
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というわけで
「買っちゃいましたホットプレートォ!」
「イエーイ!」
「夜は焼き肉っしょおーー!」
「イエッ・・・!誰だお前!?」
「どーも―!佐藤太郎でーす!これから新薬のバイトなんスよー!」
「お、おう、がんばれよ」
「報酬かなりいいみたいでぇ、終わったら後輩連れて焼き肉行くんすよー!
ひゃほほひゃほーい!」
「あ、なら駅前の焼き肉屋がオススメ。
安いけどそこそこおいしいし、雰囲気もいい感じだよ」
「情報提供、ありがとうございまーす!
それでは佐藤太郎、新薬のバイトに出撃しまーす!
さよーならー!」
行っちゃた・・・なんだったんだろ、あの黄色いツナギの人・・・。
「なんかこの街もヘンなヤツが増えたよな・・・」
「なんかひったくりとか捕まえてボタン毟り取ってくイケメンとか、ケーキバイキングに出現する目つきのヤベーヤツとか、最近色々聞くよな・・・」
大丈夫なのか?この街・・・。
「そんなことより肉だよ、肉!」
「おお、そうだな。
千翼、お前いいとこ知ってんだって?」
「うん、この前の商店街にさ・・・」
気を取り直して、肉を買いに行こうとしたところで―――
細胞に衝撃が走った。
アマゾンだ・・・!
遠い・・・、この近くじゃないみたい!
「?どした、千翼?」
「・・・肉は後みたい。ヒロキ、アマゾンだ」
「ああ!?マジかよ、空気読めって!」
「千翼、場所は?」
「結構遠い・・・。先導するからバイクで付いてきて!」
「りょーかい!行こうよ長瀬君!臨時ボーナス、臨時ボーナス!」
「ったく、しゃーねえな!さっさと片付けて、焼き肉パーティーだ!」
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ジャングレイダーでヒロキたちを先導してたどり着いたのは、・・・お城みたいな教会?
入り口を開けると、中は無人・・・微かに音が聞こえる。
「なんだよいねーじゃん。
千翼ぉ、勘違いじゃねえの?」
講堂には誰もいない・・・でも
「いや、気配はする・・・。こっち!」
講堂を出て左に進むと、二階への階段があった。
ここだ・・・この上から音が聞こえる。
「この上だ・・・。
ヒロキたちは外で待ってて、叩き出すから」
「オッケー、頼むぜ千翼!」
頷き返しながら、ドライバーを装着し階段を登る。
・・・音と血のにおいがどんどん強くなる。
階段を登り切ると―――いた。
こちらに背を向け、白いスーツを着た男の人に喰らいついている。
周囲に目線をやると、スーツを着込んだ男女の遺体がある。
結婚式、だったのか・・・?だからこいつは―――。
ドライバーにインジェクターを装填し、内部の薬液を押し込む。
〈NE・O〉
その音でようやく俺に気づいたようで、くるりと振り向いた。
純白のウェディングドレスを伴侶となるはずだった男の血で汚したそいつは、頭部に大きな鋏を持っていた。
「ウゥゥウウゥ・・・!」
そいつ・・・クワガタアマゾンが唸り声を上げる。
ハア・・・今日は一段と・・・胸クソ悪い・・・!
「アマゾンッ!」
赤い爆炎を纏いながらヤツに飛び掛かり、拳で打ち据える。
そのまま組み付き、窓を突き破り外に飛び出す。
再び拳を叩き込むが今度は両腕でガードされる。
昆虫型は外骨格が堅いんだよ、なぁ!
「ラァ!」
「グウ」
右腕を振り抜き、ヤツのガードを崩す。
その勢いのまま回し蹴りを叩き込む・・・!
ヤツはすぐさま体勢を立て直し、殴り合いになる。
殴り合いながら塀の所までヤツを誘導し、そのまま一階に叩き落とす。
俺もヤツを追って一階へと飛び降りるけど、降りた瞬間を狙ったヤツの拳により野外食堂まで吹き飛ばされた。
―――外皮も硬い、それに喰ったばかりだからパワーもある・・・!
テーブルの上に立ったヤツを狙うけど、ドレスから伸びる足に蹴り飛ばされる。
足払いをかけようとするが、軽くジャンプされ躱される。
今度は地面に着地したヤツに殴り掛かるが、躱され逆にテーブルに押しつけられ、そのまま―――。
「ウウゥウワアァアァ!」
「ウォア!」
力任せに投げ飛ばされた。
何とかテーブルの上に着地し、追撃をかけようとしてきたヤツを蹴り飛ばす。
怯んだヤツの右腕を取り―――。
「ハアッ!」
「ギイィィ!」
ねじ切るように空中で一回転した。
けどヤツは、俺と同時に回転することで腕をねじ切られるのを回避した。
立ち上がったヤツと重心を落とした状態で向き合い、お互いに組み合った。
「ウワァァァア!」
「グッ!ウゥウウウ―――!」
ヤツに持ち上げられた俺は、抵抗するために足をバタつかせるが、またもや投げ飛ばされる。
背中から地面に落ち、すぐさま姿勢を整えると―――。
銃声と共にヤツの頭部から黒い体液が飛び散った。
「ギイアアァア!」
「!今のは―――!」
銃声のした方を振り向くと・・・十人ほどの銃器で武装した男たちがいた。あいつらは―――!
「・・・よお」
「・・・〈4C〉!」
銃器で武装した男たち・・・実戦部隊のメンバーは統率の取れた動きで、アマゾンを追い詰めていく。
「な、なにあれなにあれ!?」
「うぉおお!?」
「へっ!?」
―――ヒロキたちがいてもお構いなしかよ!
実戦部隊に追い立てられるヤツを俺も追いかける・・・この状況でもカメラ回せるケンタにはちょっと感心するよ。
「ギッ―――!」
マシンガン?で足を打ち抜かれたヤツは、膝をつく。
チャンスだ!さっさと決めて逃げないと・・・!
走り寄ろうとすると、ヤツの視線の先・・・噴水の側に人影があることに気づく。
逆光でよく見えないけど・・・女の子?なんでこんな所に・・・?それに―――
「なんだ、あの子・・・」
人間だけど、人間じゃない・・・でも、アマゾンでもない・・・一体・・・?
「ウゥウウ・・・ウワァァァアァ!」
「―!危ない!」
そう考えていたからか、ヤツがあの子に襲いかかった時に飛び出すのが遅れた。
しまった、間に合わない―――!
「・・・」
ふわり、と
あの子はまるで宙を飛ぶように後方に宙返りしアマゾンの攻撃を躱した。
着地したあの子は左袖をめくり上げ・・・『ネオアマゾンズレジスター』を露出させた。
「あれは―!?」
驚く俺には全く構わずあの子はレジスターの嘴を押し込む。
「アマゾン」
瞬間あの子は黄色い炎に包まれた。
炎を纏ったままあの子は走り出し、ヤツに鋭い回し蹴りを叩き込んだ。
その勢いで炎が振り払われ、その姿が露わになる。
黒い姿。所々に羽根のような意匠を持ち、鋭い鉤爪を持った・・・カラスアマゾン。
あの子はしなやかな動きでヤツの攻撃を躱し、鋭い反撃を喰らわせる。
「あの子もアマゾン!?」
後ろからタクの声が聞こえるけど、俺には答えられなかった。
姿はアマゾンだ、でもあの子からは・・・!アマゾンの気配が全くしない・・・!どうなってるんだ!?
「グウ・・・アアァァアァ!」
「・・・」
そうこうしているうちに、あの子に蹴り飛ばされたヤツはドレスを突き破り、鋭い肢を伸ばす。
あの子はそれを躱し、いったん距離を取った。
ヤツはそれを追うように連続で肢を伸ばしあの子を追い立てる。
「・・・」
「キィアァァア!」
それをあの子は壁を軽やかに走ることで全て躱す。
それが気に入らなかったのかヤツは癇癪じみた声を上げつつ、自分で突っ込んでくるあの子に向かって再度、肢を突き出した。
カウンターのように突き出された肢を避けることが出来ず、あの子は串刺しにされた。
けど・・・どういうことだ!?体を貫かれてるのに悲鳴どころか呻き声一つ上げないなんて・・・!
しかも、そのまま進んでる!?どういう精神力だ!?
再度銃声が響き、伸びていた肢が打ち抜かれる。
少し間を置いて、再度銃声が―――
「いって!」
俺の頭に当たった。
振り返ると―――メガネをかけた長身の実戦部隊員がスナイパーライフル?を構えていた。
「おい!」
「―!言われなくても!」
撃つより前に言ってくれればいいのに!
そのままヤツと戦ってるあの子と共闘しようとするけど・・・
ダメだ、この子!俺に息合わせようともしない!
むしろ俺ごと殴ってない!?
「クソッ!」
〈Blade・Loading〉
コンビネーションが取れない状態で長期戦は危険だ・・・!
ここは一気に・・・!
「ハアァ!」
「ギイィア!」
あの子の攻撃でがら空きになった胴体にブレードを当て、力任せに引き抜く!
両断は出来なかったけど・・・問題ない!俺はいったん後ろに下がる。
ヤツに出来た致命的なスキをあの子は見逃さず、首筋に回し蹴りを叩き込んだ。
「・・・」
「ギイァアア!」
「ハアァァアア!」
蹴りの勢いで背中から地面に叩き付けられたヤツが起き上がる前に、胴体に勢いを乗せたブレードを叩き込む―――!
勢いよく叩き込んだブレードを引き抜くと、傷口から黒い体液が飛び散る。
それが致命傷になったのかヤツは動きを止め、干からびていった。
「・・・」
「ハア、ハア・・・」
ヤツが完全に沈黙したことを確認し、俺はあの子に向き直る。
「君は・・・一体・・・?」
「・・・」
「・・・おーい?」
「・・・」
無視ですよ。目の前で手を振って見たけど、全く反応しない。あれ、俺嫌われてる?
そうこうしていると、あの子は人間態に戻る。
俺も変身を解除するけど、あの子はノーリアクション。でもまあ取りあえずは・・・
「傷の手当てしよっか?
お腹貫かれた後にあんなに激しく動いたら、死んじゃうよ?」
「・・・」
「おーい」
全然反応してくれない・・・心が息苦しい・・・!
「問題ねーよ」
気だるげな声が聞こえ、そちらを見るとあいつ・・・『黒崎武』がいた。
相変わらず目つき怖い・・・。
「『イユ』は死体だからなぁ。
その程度の損傷じゃあ、機能停止はねーよ」
「またまたー。死体が動くわけないでしょ」
そう言いながらこの子、イユの首筋に手を当てると―――!
「脈がない・・・!死んでる・・・!」
「だから言ったじゃねーか。
死んでるから痛みも感じない。
腹ぶち抜かれよーが、腕引き抜かれよーが許容ダメージ内ならイユは戦闘を継続する」
死んでる・・・?だからか?俺が―――
「君が、死体だからか・・・?
俺が喰いたくないって思うのは・・・?
こんなに触っても、全然平気だ・・・」
初めてだ・・・触れても食人衝動が働かないのは。
まあ、死体だからか。
取りあえずアマゾンは狩ったし、厄介なことになる前に逃げよう―――!
「ってわけには、いかないみたいだ・・・」
「ああ?・・・そういうことか」
俺と黒崎の目線の先には、三人の女性。
結婚式に参加する予定だったのか、ドレスを着込んでおしゃれな鞄を手に持っている。
問題があるとすれば・・・首筋に浮かんだ黒く太い血管があるってことか。
次の瞬間、女性たちは三人とも体から蒸気を吹き上げ、アマゾンへと変貌した。
「一度に三体も・・・!」
「黒崎さぁん・・・」
「ハッ、アマゾンの結婚式かよ」
そう言って黒崎はしかし、不敵な笑みを浮かべる。
俺もやるしか・・・!
「ターゲット、確認」
「ん?」
イユはそう言うとアマゾンたちの方へと足を進め・・・
「って、待って!その怪我じゃ無理だ!
あいつらは俺と黒崎たちでやるから、君は休んで―――!」
「・・・」
無視ですよね!知ってた!
「安心しろ、いまのイユでもこいつら位なら問題ねえ。
まあ、少しは苦戦するかもだけどなあ」
分かったよ、やればいいんだろ!また慣れない共闘をさあ!
―――今度は後ろから撃つなよ!〈4C〉!
たこ焼きはいいぞ・・・!