次話こそかならず・・・
楓さんといえばこの前のPretty Liarのイベントですね。
かなりボーダーが高かったようで、ミステリアスアイズのイベントをみんなが待ち望んでいたことがよくわかりました。
個人的にはTwitterにあげたPretty Liarの編集曲が初めてバズったのでかなり驚きました。
が、お陰で多くのPさんと相互フォローしてもらえて嬉しかったです。
紅葉くんたちとマジメ/ネコチャン
「失礼します」
少女はそう言ってゆっくりとこちらに近づいてきた。
何故かコロネは奈緒の後ろに隠れ、ものすごく嫌そうな顔をしている。
「もう、探したんだから。クラスの誰に聞いてもあなたがどこにいるか知らないって言うし」
「あ、あはは・・・」
どうやら少女はコロネをさがしていたようだ。ということは1年生か?
間で壁にされている奈緒がどうしていいかわからずに困っている。
「コラ加蓮!人の後ろに隠れるなよ」
「あはは!コラ、なんて久しぶりに聞いた。奈緒先輩お母さんみたい♪」
「お、お前なぁ・・・ああ、えっと、加蓮に用事か?」
怒った様子を見せながらもその場から動こうとせずにコロネに前の立つ奈緒。
彼女は面倒見がいいので、コロネだけではなくいつもクラスで頼りにされている。
「はい。私は北条さんと同じクラスで学級委員長をしている、前川みくって言います」
「そっか。あたしは神谷奈緒。で、こっちは」
そう言って奈緒は俺の方を見た。とりあえず静観しておくつもりだったが、自己紹介は必要か。
「高垣紅葉だ」
俺が名乗ると・・・委員長は会釈をしすぐにコロネの方へ向き直った。
相変わらず間に立たされている奈緒は、委員長の視線にどうしていいか分からず困った様子だ。
「すみません先輩方。私はただ先生に提出するプリントを、クラス全員分集めていただけなんです」
「あ・・・」
「朝から集めていたんですが、北条さんはいつも授業が終わるといなくなって開始のベルまで戻ってこなかったので」
「あー、確かにここ最近の休み時間はここに来てたな。ウチのクラスの子も慣れたみたいで何も言わないし」
「そうだな」
俺と同じく人付き合いが苦手、という風には全く感じない。そもそも、クラスメイトと一緒にいるより先輩と一緒にいる方がハードルが高いと思うんだが、コロネは全く遠慮せずに奈緒や俺と話をしている。ならクラスにいたくない理由があるのか?
まさか・・・
「・・・いじめ、か?」
「え?」
「お、おい高垣。急にどうした?」
「コロネがこのクラスに頻繁に来る理由を考えていたんだ。普通は慣れない上級生のクラスに来ているのは、もしかして俺たちに助けを求めていたんじゃないかと」
「ま、まっさかぁ。加蓮に限ってそれはないだろ。なあ加蓮?」
「・・・実はそうなの。毎日いじめにあってクラスにいるのが苦痛で・・・くすん」
やはりそうだったのか。ようやく本音を話せたコロネは、両手で顔を覆っている。恐らく泣いている顔を見せたくないのだろう。今までそんな素振りを見せ無かったとは言え、全く気付かなかった俺にも責任はある。
今後のことを奈緒と話し合おうかと思ったが、何故か奈緒は薄目で無表情のままコロネを見ている。
「・・・おい嘘泣き加蓮。くすん、じゃない!そんなのに騙されるやつなんているわけないだろ!」
何?冗談?どういうことだ。
「そ、そうです!私たちのクラスにいじめてなんてありません!むしろ、北条さんの事情を知った皆は積極的に話をして仲良くなろうと・・・」
「はぁ・・・それだよ。それが問題なの」
「え、どういうこと?」
状況が理解できない俺のことを誰も知るはずもなく、奈緒の後ろにいたコロネはようやく前に出て委員長と対峙している。奈緒はやっと解放されたと呟いて、机一つ離れた俺の隣までやってきた。
「アタシの入院のこと、先生が話したんでしょ?」
「うん、だから皆・・・」
「それが嫌だって言ってるの!」
「うにゃ!?」
「うにゃ?」
うにゃ?
クラス中に響き渡るコロネの大声に委員長が変わった声を上げる。奈緒もそれに反応して首をかしげているが、コロネは気にせずに委員長を睨みつけていた。
「最初は皆普通に話してたのに、入院のこと知った途端大変だったね。とか、今日は大丈夫?無理しないで、何かあったら言ってね。とか、気を使った会話ばっかり!アタシは同情されるために学校に来てるわけじゃないし、ちょっと昔のアタシを知ったくらいで今のアタシの何がわかるって言うのよ!」
「わ、私はそんなつもりじゃ・・・」
「・・・ごめん、少し言い過ぎたかも。委員長1人のせいじゃないのに。何も言えないアタシにも問題あったし、ただの八つ当たりだった」
「北条さん・・・」
「な、なあ高垣。あたしたちはどうしたらいいんだよ」
「・・・」
コロネの言葉は委員長だけじゃなく、俺にも言っているのではないかと思った。初めて会ったときから今まで、俺はコロネの体調に気を使って接していた部分がほとんどだ。昔の姉さんに重なった部分があり少し気にしすぎていたかもしれない。
奈緒はコロネの昔のことを知っても普通に接していたから問題ないだろうが、俺のことは上級生でしかも無表情な異性のために強く言い出せなかったのではないだろうか。だとしたら、俺の方から謝るべきだ。
「コロネ、悪かった。嫌な思いをさせていたみたいだな」
「・・・へ?なんで先輩が謝るの?」
「俺もお前のクラスメイトと同じだろう?最初から体調を気にして接していたからな」
「この状況でこんな盛大に勘違いできるのって高垣だけだよな・・・」
「ふふ・・・ふふふ・・・あはははは!やっぱり先輩は面白いね!他の人とは全然違うよ」
「まあ、高垣だからなぁ」
「だね♪」
「ん?」
相変わらず状況が理解できない。何故か奈緒とコロネが意気投合して笑っている。許してもらえたのだろうか?
「先輩が本気でアタシのこと心配してくれてるってわかってるよ。不快だなんて思ったことは一度もないし、今まで通りの先輩でいてよ」
「・・・いいのか?」
「もちろん。むしろそうしてもらわないと困るんだけど?お弁当は美味しいし、奈緒先輩はいじれるし♪」
「なっ、あたしは関係ないだろ!」
「あ、あの北条さん・・・」
「ごめん委員長。戻ろっか?プリントは机の中にあるから戻って渡すよ」
「う、うん」
「それと改めてごめん。それと探しに来てくれてありがとう。クラスのことはまだ考える部分があるけど、先輩のお陰で少し軽くなった気がする」
「何かあったら言えよ?あたしに出来ることなら協力するからさ」
「うん!当然奈緒先輩には色々協力してもらわないと。この時間の紅葉先輩の発言で2回いじれるし!」
「げっ!流したのかと思ったら覚えてたのかよ・・・」
「当たり前じゃない。じゃあまたね先輩たち」
「ああ、またな」
「無理してくるなよ!絶対だぞ!」
どうやら今まで通りでいいらしいので安心した。
笑顔で手を振り走って行ったコロネを見送った奈緒は、やれやれとため息を吐いて自分の席に戻る。俺も次の授業の準備のために席に着こうと思ったが、迎えに来たはずの委員長は入口でじっとコロネの向かった先を眺めていた。
「北条さんの笑顔、クラスで見たことない。・・・みくも、みくもファンをあんな笑顔にできるアイドルになれるのかにゃ」
小さな声で何か呟いていたようだったがここからではよく聞こえなかった。が、明るくなったコロネとは逆に委員長の表情は暗いままだった。
つづく。
もう少し前川さんを前面に出して行きたかったですが、それはいずれ。