楓さんの弟はクールで辛辣な紅葉くん   作:幻想創造

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そうそう!今のはぁとがあるのはジャーマネのおかげ☆
このまま相方とともに一気にトップまでかけあがるの!

えい☆えい☆おーー!

って、おい。目をそらすなよ☆

~アイドルフェスサプライズ新ユニット
 "プルート"のハート担当へのインタビューより抜粋~


神谷奈緒の憂鬱

奈緒思う、ゆえに奈緒あり

 

 

(よ、よし!今日こそこれを渡すぞ!)

 

端を何度も強く握った1枚の紙は、少しよれよれになっていた。

心の中でこの言葉を叫んだのも何度目だろう。でも今日こそ最後だ。日にち的にも色々とマズイ。

 

 

 

あたしの名前は神谷奈緒、16歳の高校2年生。どこにでもいる普通の高校生だ。成績は普通で容姿もたぶん普通・・・だと思う。

 

特に褒められたことがあるわけじゃないし、周りにはアイドルを始め可愛い子や美人な子が多い。

 

そう、アイドル。その部分だけ普通じゃない。あたしの友達は1人はカリスマアイドルで、もう1人の友達・・・うん、多分友達だよ、な?

 

そういやあいつあたしのこと本当はどう思って・・・いやいやいや!今はそんなことはいいんだ!とにかく、もう1人の方は姉がここ1年で急に現れて一気に人気アイドルの仲間入りした高垣楓さんだ。

 

その友達。楓さんの弟のもみ・・・高垣との出会いは単純だった。

1年の時に共通の友達の紹介で仲が良くなったカリスマJKアイドル、城ヶ崎美嘉と話していたところに遭遇したのがきっかけだ。

 

まあ、一方的に話していたのは美嘉の方だったけどさ。同性でも憧れる美嘉が話をしているのにも関わらず、顔色一つ変えずに何やら考え事をしている変わった姿にちょっと興味が湧いたんだ。

 

 

それからクラスは違ったけど何度か話をして、勘違いもあったけど名前も覚えてもらえて・・・普通すぐ覚えるけどな!

 

で、色々と高垣のことがわかってきた。

あいつは自分が興味がないことにはとことんだ。頭はいいんだけどたまに一般常識に欠けている。だから、話すようになってからはなんか手のかかる弟・・・みたいな感じに思ってた。

 

高垣の話からすると高垣家で一番手がかかるのは楓さんだという話だけど、まさか・・・ねえ?

 

そんな高垣が名前を呼ぶのが身内以外であたしだけだと知ったときは嬉しかった。

べ、別にす、すす好き、になったとかそんなんじゃないからな?勘違いするなよ!あたしはそんな単純な女じゃないんだ!

 

結局美嘉のことも名前で呼ぶようになったしさ。相変わらず美嘉は真っ白になるけどな。

 

で、高垣が興味を持つものの1つに最近は演劇や歌があることを知ったんだけど、今はどうやら数日後に迫ってるHappy Princessのライブに興味があるらしい。

 

「ネットで抽選があるらしいな。応募できるか調べてみようと思う」

 

なんて言ってたけどさ。高垣、それは遅すぎだよ。さすがに開始数日前から始まるチケット抽選なんてないぞ。

 

あたしは何気ない顔をしていたし、今月に入ってからは聞かれるまで全くその話題をしていなかったんだけど、実は前から応募して当たっていた。それも2枚!

 

美嘉は用意してくれるって言ってたけどさ、前にも同じことしてもらったし何度もは悪いと思って断った。高垣にも話をしようと思ってたみたいだけど・・・まあ、ほらアレだよ。いつものアレで話が進まなかったみたいだ。

 

 

そこで最初の話に戻る。そう、あたしが持ってる紙はライブのチケットだ。

最近は後輩の加蓮と一緒にいることが多いから中々渡せないし、放課後も美嘉の付き添いで別々に帰るから渡す機会がないから仕方ない・・・なんて、色々と自分で言い訳を考えてみる。

 

でも何度も言うけどもうマズイ。時間が迫ってる。今は加蓮がいないし、美嘉の付き添いも終わったようだしチャンスは今しかない!

 

放課後靴箱に手をかけ校舎から出ようとする高垣の後ろでずっと考えていたあたしはようやく重い一歩を踏み出す。

 

「た、高垣!あのさ!」

 

「ん?ああ、奈緒か」

 

名前を呼ばれるのを前は少し恥ずかしかったけど、今は少し心地いい。なんて考えてる場合じゃないな。早くしないと。

 

「一緒に帰るか?」

 

「あ、うん・・・じゃなくて!」

 

「帰らないのか?」

 

「いや帰るけど!ああ、もうっ!」

 

ダメだ。肝心なことを話そうとするといつも調子が狂う。

 

無表情が多かった高垣も最近は困ったり喜んだ顔が少しだけ出てる気がして左右の色が違うオッドアイが綺麗で・・・じゃ・な・い!余計なこと考えるなあたし!

ただライブに誘うだけでいいんだよ!しっかりしろ神谷奈緒!

 

・・・あれ?誘う?2人で?

 

「・・・」

 

「奈緒、どうしたんだ?」

 

こ、これってまさか・・・デ、デート!?

 

「いやいやいや!違うから!そんなんじゃないから!運良く2つ手に入って1つ余ったから渡すだけだから!」

 

「何がだ?」

 

「勘違いするなよ高垣!そういうんじゃないからな!」

 

「何を言ってるのか全くわからないんだが・・・」

 

「だから!今度のライブのチケット余ったからあげるって言ってるの!」

 

よ、よーし言ったぞ。は、ははは。なんだ簡単じゃないか。これでミッションコンプリートだ!

 

「いや、いらない」

 

「うん、それで時間だけど・・・って、はぁ!?」

 

え、何?何が起こったの?あたし断られた?う、うそ!

 

「知り合いのプロデューサーがくれたんだ。奈緒も持ってるってことはライブに行くんだな。なら一緒に行かないか?」

 

「ア、ハイ。ソウデスネ」

 

あ、あたしの数日の苦悩と苦労は一体・・・しかも高垣のやつあっさり誘ってきたし。

 

「先輩たち今帰り?一緒に帰ろ?」

 

「カ、カレン、カ?」

 

「ぷっ!どうしたの奈緒先輩。なんか美嘉先輩さんみたいになってるよ」

 

そうか、これが美嘉の気持ちになるってことか・・・ってうるさい、ほっとけ!

 

「そうだ奈緒。チケット余ってるならコロネも誘ったらどうだ?」

 

「なになに?何の話?ああ、奈緒先輩は1回ね♪」

 

「ア、ハイ。ソウデスネ」

 

「今度の美嘉たちがやるライブのチケットだ。奈緒が1つ余ってるらしい」

 

「わあ!行きたい行きたい!ねえ奈緒先輩いいでしょ?ちゃんとお金は払うから!」

 

「ア、ハイ。ソウデスネ」

 

 

 

こうしてあたしの挑戦は終わった。蓋を開けてみれば何もしなくても同じ結果になったような気がする。いや、何かした分加蓮という後輩がついてきたから失敗、成功?

 

あーーーっ!もういい!どっちにしろライブは行けるんだ。こうなったらとことん応援して騒いで楽しんでやるからな!覚悟しろよ美嘉!

 

 

つづく!  

 




今回はちょっと変えて奈緒視点で話を進めました。

ちなみに二次創作とはいえオリジナルユニットを結成させて書くのは抵抗ありますかね?
いくつか増やしたいとは思うんですが。

追伸、誤字報告ありがとうございました。
それとお気に入りが1000を超えていたのでビックリです。
皆さんありがとうございます!

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