会話だけで話を作るのも難しいですね。
ちなみに美嘉ですが、パッションタイプでは一番好きなアイドルです!
紅葉くん初めてライブに参加する
「(姉さん、こんな大きな場所で歌うのか。大丈夫かな)」
「ご、ごめんなさい!ちょっと急いでて・・・」
「い、いえいえ。あの、そちらの方も大丈夫ですか?」
「うん、大丈夫。花も無事みたい」
「(階段を駆け上がった子がスタッフらしき人とぶつかって、そのスタッフが帽子をかぶったロビー用のスタンド花を持った子にぶつかった。俺も気をつけよう)」
「・・・」
「(スーツを着た大きな男性が下の階からさっきの3人組を見てる・・・そっとしておこう)」
会場内
「(最近寒くなってきたし、今日の夕飯は鍋にするか)」
「あの前すみません。隣あたしの席で・・・って、高垣!?」
「ん?ああ、お前は深・・・」
「それはもういいから!神谷奈緒だってば!」
「・・・奈緒も来てたのか」
「うっ!い、いきなり名前で呼ばれると恥ずかしいな・・・」
「じゃあ神谷」
「あ、えっと・・・奈緒でいいよ。ぜひそうしてくれ」
「呼び方多くてややこしいな」
「そっちが勝手にややこしくしてるんだろ!あたしは美嘉からチケットもらったんだ。他にも有名な子たちがたくさん出るからすっごい楽しみ!」
「そうなのか。俺は姉さんから貰ったけど、姉さんしか知らないな」
「もう美嘉のことは忘れないであげてよ。たまに涙目になってあたしに愚痴ってくるんだから」
「知らないと思うけど、実は人の名前と顔覚えるの苦手なんだ」
「知ってる!超知ってる!でも美嘉のことは覚えろよ!」
「?」
「美嘉ごめん。あたしじゃ無理だ・・・」
紅葉くん感動する
―――ほんの少し前、私たちは・・・
「っと、始まるぞ。楓さんのセリフからスタートだ」
「ああ」
―――この魔法は私たちだけのものじゃない
―――会場のみーんなが、王子様にシンデレラになれるからー★
「曲はおねシンからだ!改めて考えると、友達がアイドルってすごいよな。お、楓さんセンター?すごいじゃん高垣!」
「そうなのか?」
「そうだよ!って、何も持ってきてないのかよ。仕方ないなぁ、あたしの1つ貸すよ。はい」
「なにこれ」
「ペンライトだよ。周り見てみろって、皆曲に合わせて振ってるだろ?」
「ほんとだ」
「せっかくのライブだ。あたしたちも精一杯楽しもうよ!」
「そうだな」
「キュート!クール!イエーイ!」
「(あんなに楽しそうな姉さんを見るのは初めてだ。とても酔って玄関で寝たり、ダジャレを言って1人で笑ってるいつもの姉さんとは思えない。なんていうか・・・)」
「なあ、お姉さんがアイドルってどんな気分なんだ?」
「子供の成長を見て感動する親の気分、だな」
「お前弟だろ!うわ、なんか涙目になってるし本当に感動してるんだな・・・あたしは異性の同級生が急に涙流して複雑な気分だ」
尊い紅葉くん
―――楓ちゃん、若い子たちに負けてられないわよ。
―――ええ瑞樹さん。私たちで夢の向こう側を見せましょう!
「お、楓さんと瑞樹さん?何歌うんだろう」
「(あれは、たまに来る酔っぱらいの人に似てるな)」
―――この歌を聞いたら、きっとこの夜から帰りたくなくなるわ。時間を止めちゃう?
―――Nocturne!
「新曲だ!すごいぞ高垣!これサプライズだよ!」
「(力強い姉さんの歌。会場の皆が姉さんに魅了されてるようだ。俺も、身内だってことを忘れそうになる。この感情は一体・・・)」
「いい曲だったなぁ。絶対発売したらCD買うぞ」
「なあ、奈緒」
「お、おう。まだ慣れないな」
「アイドルってすごいな」
「っ!?」
「ん、どうした?」
「だ、ダメだ!いまこっちみんな!」
「?」
「(今の高垣の笑顔反則だろ!尊い、尊すぎる!これが尊み秀吉ってやつなのか!?)」
紅葉くん楽屋へ呼ばれる
「な、なあ。あたしも来ちゃったけどいいのかな」
「姉さんがいいってさ。席が隣なの知ってたみたいだ」
「じゃあ美嘉もいるんだ。と、当然だよな。あ~緊張してきた。この扉の向こう側にさっきまで歌ってたアイドルたちが・・・」
「失礼します」
「もう少し心の準備させてよ!」
「おや、誰か来ましたね!」
「(日野茜ちゃんだ。テレビで見てるのよりちっちゃくて可愛い!)」
「姉さん、お疲れ様」
「紅くん、私たちのライブはどうだった?歌も昔に比べて
「ああ、すごく感動したよ。だから特別にダジャレは5点で」
「・・・紅くんの優しさで胸が痛いわ」
「ライブ・・・らいぶ上手く?はっ!?今のギャグですか!」
「あ、茜ちゃん、それ追い討ちかけてるから。高垣くん、奈緒。今日は来てくれてありがとね★」
「こっちこそ感謝だよ。すっごい楽しかった!美嘉の曲もやっぱ生で聴くと違うよな!」
「とうぜんっ★アタシも今はカリスマJKアイドルだかんね。ファンの人たちには常に最高のアタシを見てもらわないと」
「ああ、いい歌だった」
「あ、ありがと。高垣くんにそう言ってもらえるとすごく嬉しいよ」
「さすがカリスマって名前だけのことはあるな」
「やっぱり覚えてもらってないの!?アタシ城ヶ崎美嘉だってば。もうすぐ1年になるんだけど!」
「そうか、カリスマじゃなかったか」
「い、いや確かに最高のカリスマ目指してるけど」
「ならカリスマでいいんだよな」
「・・・うわーん!なーおー!」
「あ、あーよしよし。きっともう少しだから、くじけずにがんばろうな」
「・・・瑞樹さん、私も撫でてもらえませんか?紅くんの精神攻撃のダメージがまだ残ってて」
「楓ちゃんは弟くんがいると性格変わるわよね」
紅葉くんと川島瑞樹
「弟くん久しぶりね。今日は楽しんでもらえたようでなによりだわ」
「ああ、あなたはやっぱりたまに姉さんを運んで来る酔っ払いの人」
「うっ・・・そんな純粋な目ではっきり言われると心にくるものがあるわね」
「わかります。私も紅くんに毎日色々言われているので」
「私には楓ちゃんがどうして嬉しそうに話すのか、全くわからないわ・・・」
「高垣は誰にでもああなんだな。ある意味すごいよ」
「オホン。それじゃあ改めて自己紹介するわね。アイドル川島瑞樹、ピッチピチの~じゅうはっさいでぇ~す☆」
「高垣紅葉です。いつも姉がご迷惑かけています」
「紅くん?外ではもう少しお姉ちゃんに優しくしていいのよ?」
「姉さん、今日は姉さんのこと見直してたのに今ので見損なったよ」
「ええっ!?」
「この人18歳なんだろ?未成年じゃないか。未成年と一緒に酒を飲むなんて何考えてるんだ」
「ええっ・・・」
「ね、ねえ2人とも。軽い冗談でそこまで険悪にならないで。その、ごめんなさい28歳です」
「奈緒がタイミングよくツッコミ入れないから。楓さん正座して小さくなってるじゃない」
「あたしのせいかよ!いっとくけど、美嘉もツッコミ担当だからな!」
「アタシも!?」
「皆さん楽しそうで何よりです!私はクールダウンするために走ってきます!」
「茜ちゃんはどんな時でもマイペースで安心するよ」
帰宅した紅葉くんと楓さん
「あら、いい匂いがすると思ったら今日は今年初のお鍋ね」
「お帰り姉さん。打ち上げで食べてきたんじゃないの?」
「少しだけ、ね。今日は紅くんと一緒に食べたかったから」
「じゃあ温め直すから先に手を洗ってきてよ」
「は~い」
「どうぞ、鱈が安かったから鱈鍋にしてみた。下ごしらえもちゃんとしたから煮崩れしてないはず」
「いただきます。・・・うん、やっぱり紅くんの料理は最高よ」
「姉さん前に言ったよね。アイドルになってよかったって」
「ええ」
「その気持ち、今日のライブで俺も少しわかった気がするよ。ステージ上はまるで別世界で、いつもとは違う姉さんが輝いて見えて」
「紅くん・・・」
「周りの客も皆姉さんたちに引き込まれて、物凄い一体感があった。アイドルってすごいんだな。あんなに感動したのは初めてかも知れない」
「ありがとう紅くん。あなたにそう言ってもらえるのが何より嬉しいわ」
「これからも姉さんを応援するよ。何か俺にできることがあったら遠慮なく言ってくれ」
「うん!じゃ、じゃあさっそくだけど。もう少しダジャレの採点を甘く・・・」
「ごめんなさいそれは無理。それは応援できない」
「相変わらずの即答!あんまりよ!」
つづ・・・く?
もし次回がある場合は2年生4月からになるかと。
そして病弱なあのクールアイドルとの出会いが・・・
絵心がないので登場人物のイメージをドット絵の歩行グラフィックで表現しました