楓さんの弟はクールで辛辣な紅葉くん   作:アルセス

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今回は台本形式になります。

この作品では珍しい、敬語メインの楓さんですね。


レイ・ディスタンスのマジックアワー

楓さんとラジオ番組

 

 

瑞樹「マジックアワーのお茶会へようこそ!」

 

瑞樹「皆さんこんばんは。シンデレラのお茶会へウェルカム♪このラジオは346プロダクションから毎週ゲストをお呼びして楽しいおしゃべりを楽しむ番組よ。皆さんがディナーをちょうど食べ終えた頃のちょっとした時間だけど、今日からぜひ私たちのラジオに耳を傾けてね」

 

 

瑞樹「月替わりで皆さんをおもてなしするパーソナリティー、記念すべき第1回目はこのわたくし川島瑞樹28歳、28歳!がお相手するわ」

 

瑞樹「それじゃあまずはマジックアワーメール、略してマジメのコーナー・・・といきたいんだけど、始まったばかりだからお便りがないのよね。だから皆さんどんどん送ってきてね」

 

瑞樹「というわけで、今日はさっそくゲストを呼んじゃうわね。1回目のゲストはこの方。今や346に欠かせない私も公私共に仲良くさせてもらってるこのアイドルよ♪」

 

楓「皆さんマジアワ~、高垣楓です。1回目の放送のゲストということで少し緊張していますけど、川島さんと一緒なので自由にやれそうですね」

 

瑞樹「今日はラジオ前の食事も一緒だったわね。早苗ちゃんや美優ちゃんも一緒で盛り上がったわ」

 

楓「はい、川島さんたちにはいつもよくしていただいて。私、結構人見知りなタイプなので助けられてます」

 

瑞樹「うっそぉ、人見知りだなんてそんな感じ全然しないわよ。何か最初から仲が良かった気がするわ」

 

楓「川島さんは輪の中心で皆の良いところを見つけて楽しく引き込んでいくのが得意ですから。その観察眼はさすが、元アナウンサーというところでしょうか」

 

瑞樹「やだもぉ、急に褒めても何も出ないわよ。そう言えば楓ちゃんは元モデルなのよね。皆も聞きたいと思うんだけど、当時の楓ちゃんはどんな子だったの?」

 

楓「モデルの時、ですか」

 

瑞樹「あら、急に暗くなっちゃったけど。もしかして聞いちゃいけない話だった?」

 

楓「いえ、そんなことはありませんよ。ただ特にこれといって思い出がないというか」

 

瑞樹「モデルの世界も色々と大変そうだものね。楓ちゃんはスカウトでモデルに?」

 

楓「友達がいつの間にか応募しちゃってて。それで何度か審査するうちに最後は合格、という感じです」

 

瑞樹「すごいじゃない!346のモデルオーディションは厳しいことで有名なのに」

 

楓「そこでやりたいこともあったんですけど、何かが違う気がして・・・3年で辞めちゃいました」

 

瑞樹「じゃあそのあとすぐアイドルに?」

 

楓「はい。アイドルになるきっかけはいくつかあったんですけど、実は1つが川島さんなんですよ。川島さんがお話をしているアイドル部門の前を何度か通ったこともあります」

 

瑞樹「ええ!?初耳よそれ!」

 

楓「はい、今初めて言いましたから♪」

 

瑞樹「私は楓ちゃんのことはよく知らなかったのよね。当時はアイドルになりたてで自分のことで精一杯だったし」

 

楓「わかります。私もモデルとアイドルでは全然違っていたので最初はかなり戸惑いました」

 

瑞樹「でも今や346を代表する歌姫、高垣楓だものね。アイドルになってからは以前より充実してる感じかしら?」

 

楓「ええ、とっても。アイドルになって、あの時アイドルになる決断をしてよかったと今でも思っています」

 

瑞樹「その原動力は何かしら?やっぱりお酒?」

 

楓「ふふふっ♪それはもちろんありますよ。仕事を終えたあとの1杯は格別ですから」

 

瑞樹「ちょっとやだもう楓ちゃん!私たちまだまだ若いんだから、そんなおじさんみたいなこと言わないの」

 

楓「すみません。お酒は大事ですし、もちろんそれ以上にファンの皆さんに私の歌を届けたいという想いは強いです。けどやっぱり一番は・・・」

 

瑞樹「どうしたの?言いたくない話なら無理しなくていいわよ」

 

楓「いえ、言いにくいわけじゃないんですけど・・・(私じゃなくてもいいみたいだし)」

 

瑞樹「え?」

 

楓「これも初めて話しますけど、一番は紅くん・・・弟のためですね。いつもクールな弟の色々な表情が見てみたい。最初はそれがきっかけでした」

 

瑞樹「わかる!わかるわ!あの子全然表情変えずに的確に言い返せないこと言ってくるんだもの!」

 

楓「ふふっ、すみません。弟は昔からあの調子で」

 

瑞樹「ああ、ごめんなさい。リスナーの皆さんをおいてけぼりにしちゃってるわね。楓ちゃんに弟がいるって話、知ってるファンも多少いるとは思うけど、触れたことって今までなかったのよ。せっかくだし今少し話してもいいかしら?」

 

楓「ええ、構いませんよ」

 

瑞樹「お姉さんの許可も得たところで、まずは私の知ってる情報から話すわね。弟の名前は紅葉くん。楓ちゃんとは結構歳が離れてるのよね?」

 

楓「はい。今年高校2年生ですね」

 

瑞樹「容姿は、そうねぇ。簡単に言うと楓ちゃんの髪が短くなって男っぽくなったって感じかしら」

 

楓「左右違いますが瞳の色も一緒なので、親戚に会うと似てるってよく言われます」

 

瑞樹「身長は楓ちゃんよりも少し高いわね」

 

楓「去年まではほとんど一緒だったんですよ。でも1年ですぐ追い抜かれちゃって、今は174センチ位だって言ってました」

 

瑞樹「男の子だもの、まだまだ伸びるわよ。私も何度か楓ちゃんを家に送る時に会ってるけど、冷静な対応でたまに弟くんがお兄さんじゃないかって錯覚に陥るわ」

 

楓「お、弟はし、しししっかりしてますから」

 

瑞樹「でもまだ高校生だもの。やっぱり楓ちゃんが面倒を見てあげないとダメなんでしょう?」

 

楓「ええ、そそそうですね。しっかりしないとダメですね」

 

瑞樹「慣れない東京での姉弟2人暮らしは大変よね。育ち盛りだし、楓ちゃんご飯用意するの大変じゃない?」

 

楓「ま、まあ、た、確かに・・・私は時間が決まってる仕事ではないですし、毎日ご飯作るのは大変ですね!(紅くんが)」

 

瑞樹「楓ちゃんそういう隠れたところも立派よねぇ。ちなみに得意料理は?」

 

楓「えっと、魚の煮付けでしょうか。おいしいっていつも褒めてますね!(私が!)」

 

瑞樹「結構庶民派なのね!いいわねぇ、歌って踊れて料理もできるアイドル」

 

楓「あ、あは、あはあははは・・・」

 

瑞樹「ぱっと見たところリビングも綺麗に片付いてたし、楓ちゃんマメにお掃除もしてるのね。偉いわぁ、私の部屋なんて誰にも見せられないもの」

 

楓「汚れていたらきっちり叱りますからね(紅くんが!)部屋の乱れは心の乱れだと、正座でお説教です!(私の部屋は絶対見せられないけど!)」

 

瑞樹「うんうん。楓ちゃんがいるなら弟くんも安心して学業に励めるわね」

 

楓「ソウデスネー(紅くんごめんなさい!どうかこのラジオ聞いていませんように!)」

 

瑞樹「弟くんの将来の話とかしたことあるの?何になりたいとか」

 

楓「・・・いえ、紅くんは自分のことあまり話しませんから。きっと私がいなくても・・・

 

瑞樹「あ、あら大変!あっという間に時間が来ちゃったわ。最後は一緒に締めましょうか。楓ちゃん、ここ一緒に読んでね」

 

楓「あ、はい・・・え、こ、これは」

 

瑞樹「お茶会も盛り上がってるところではあるけど、魔法の時間は過ぎるのが早いものでもうお別れの時間がやってきたようね。マジックアワーのお相手は川島瑞樹と」

 

楓「まだ一週間過ぎ・・・あ、高垣楓でお送りしました」

 

瑞樹「それでは皆さん、来週のシンデレラのお茶会も」

 

楓・瑞樹『たのしんでれら!』

 

 

楓「紅くんごめんなさいいいいいいい!!」

 

 

 

 

 

 

高垣家マンション・ラジオ終了後

 

紅葉「・・・姉さん、最近様子がおかしかったのは自分で家事がしたかったからなのか?とりあえず約束のダジャレ一週間禁止を破ったのはどうするべきか」

 

 

続く!

 

 

 

 

 




次回予告

酔って家に帰った楓さんは、紅葉くんに全てをぶちまける?
人生初の姉弟ゲンカの予感!

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