もう一人のレンちゃん   作:ランブルダンプ

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エムさんのエムはドMのエム!
電気責めです。


すたんがん

帰省中は地元の友達と遊んで過ごしていた香蓮ですが、予定より少し早めに東京に戻る事にしました。

蓮に早めの飛行機に乗って帰る事を伝えると「じゃあ駅まで迎えに行きますね!」と返事が返ってきました。

 

そして飛行機に乗り、空港から近くの駅まで電車に揺られ、香蓮は東京の街へと帰ってきました。

 

「香蓮さーん!!」

「久しぶり、蓮ちゃん」

 

改札口でキョロキョロしていた蓮は出て来た香蓮にすぐ気付きました。

 

 

「お疲れ様です!」

「こっちも待たせてごめんね」

「いえ、好きで待ってただけですし!」

 

久しぶりに飼い主に会えた犬の如く、テンション高めの蓮です。

香蓮は蓮が尻尾をぶんぶん振っているのを幻視しました。

 

「……動物パジャマ……似合うかな……」

「香蓮さん?香蓮さーん?」

「……はっ」

 

GGOではお洒落のアイテムが少なく、レンをピンクのファッションで飾ることしか出来ない香蓮ですが、ここはリアルの世界、蓮をもっと可愛い格好にさせられる事に気付いて何かいけないスイッチが入りかけました。

あぶないあぶない。

 

「ごめん、ちょっと疲れてるかも」

「すぐ家に戻りますよね、荷物持ちますよ!」

「え、平気だよ?」

 

それに只でさえ小さい蓮にそんな事させたら良心が痛みます。

しかし、蓮の強情さに負けて荷物を持って運んで貰うことになりました。

しかし、蓮の身体に香蓮の荷物を運ぶの重労働で……

 

「GGOならっ……疲れないのにっ……!」

「蓮ちゃん……そろそろ代わろうか?」

「いいえ!言い出したのは私ですから!」

 

結局根性で荷物を香蓮のマンションまで運びきった蓮は香蓮の部屋に入るや否や崩れ落ちました。

 

「蓮ちゃん、今日は泊まってく?」

「すいません、お願いします……」

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

急な泊まりになりましたが、二人には何の問題もありません。

何度も二人で遊んだりしている内にお互いの部屋に着替えセットを置いてあるからです。

これは美優に話したら引かれそうなので秘密にしています。

因みに蓮も香蓮と同じく一人暮らしです。

 

つい何時間か前まで北海道に居た香蓮が呟きました。

 

「……3月だけどもう暖かいね」

「北海道は涼しかったですか?」

「涼しいってより寒いかな。コートにマフラー必須!」

「そうなんですか。香蓮さんの地元、今度行ってみたいです」

「その時は案内するよ。友達の美優も紹介出来るし」

「確かMMORPGやり込んでる方ですよね」

「うん、多分蓮ちゃんとも話が合うんじゃないかな。蓮ちゃんが特撮好きって教えたら食いついてたし」

「仮面ライダー好きなんですか美優さんって!?私すっごく会ってみたくなりました!」

 

蓮の目がキラキラと輝いてます。

香蓮は初めて泊まりに行った時に知ったのですが、蓮は結構な特撮……というより少年が好きそうな趣味に傾倒している女の子でした。

香蓮は美優以外でガンプラを作っている女子を初めて見ました。

 

そんな訳で夕方まで二人で話したりテレビを見て過ごしていたのですが、ふと香蓮は思い出しました。

長い間家を留守にするので食材が殆ど冷蔵庫に入っていないのです。

そこで、体力が回復した蓮と一緒に二人で近くのスーパーまで出かける事にしました。

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

ある一人の男がマンションから出て来た長身の少女をこっそりと追跡しています。

長身の女性の側にはパーカーのフードを被った小柄な子供が付いていましたが、男は自分の目的には支障をきたさないと判断し注意する対象から外しました。

 

二人が近くのスーパーで恐らく夕食の材料を買うのを見届け、帰り道の二人を見失わない距離で追いかけます。

そして、二人が曲がり角を曲がりました。

行きには使わなかった道ですが、地図上では近道です。

 

慌ててストーカーの男は道を曲がり……自分に向かって小柄な子供が突進してくるのを見ました。

驚きましたが所詮は子供、落ち着いて対応しようとした瞬間、子供が被っていたフードが風で後ろに外れました。

その露になった顔を見て男は驚きました。

 

 

「なっ!?レン!?」

「香蓮さんに手を出す人は死んじゃえばいいんです」

「何故ここにい、ガァッ!??」

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

時間は遡ること15分前。

 

あの人、もしかしてストーカー?と話していた二人でしたが、スーパーの帰り道にも男が居たので疑いが確信に変わりました。

 

「……香蓮さん、出来るだけ振り替えらずに」

「え、でもどうしよう!?」

「……確かそこの角って近道でしたよね」

「そうだけど……でも暗いよ?」

「私にいい考えがあります」

 

まるでどこぞの正義のロボット集団のリーダーの様な事を蓮が言い出しました。

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

結果としてストーカー男こと阿僧祇豪志は蓮からの何発ものスタンガンを喰らって路上に倒れ込みました。

 

「ふぅ、さて香蓮さん警察に連絡を!」

「ちょ、ちょ、ちょっと!?一体何をして……」

「スタンガンです」

「すたんがん?」

「電気をバチってやって動きを止める奴です」

 

スタンガンくらい香蓮でも映画なんかで知ってます。

問題は何故それを蓮が持ち歩いて居るのか、それとやけに手慣れてないか、という事。

 

「えっと……」

「じゃあ私が警察に連絡しますね」

「あ゛……ま゛、まっでぐれ!!レ゛ン!ボグでず!エムでず!!」

「ほう、ドMと。なら喋れないようにもうちょいスタンガン逝きますか」

「ちょっとストーップ!蓮ちゃん!!」

 

手元の機械をバチバチと鳴らし始めた蓮をなんとか押し止めて地面に転がる男に香蓮が話しかけます。

 

「エムって、あのエムさん?」

「はい゛!そ゛う゛です!」

「象?動物園から逃げ出して来ましたか。知ってますか?象の調教に使う道具って……」

「蓮ちゃんちょっと落ち着いて!?」

 

ゲーム内でレンはイカれると強いですが、現実世界の蓮もスイッチ入ると大概ヤバイというのを知った香蓮でした。

そして何故蓮が一人暮らしを許されてるのかも何となく察しました。




漫画版GGO二巻買いました。

レンのころころ変わる表情見てるだけで癒されます。
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