エムこと阿僧祇剛志をスタンガンで撃沈した蓮と香蓮でしたが、このままエムを地面に横たわらせたまま放置する訳にもいかないので、エムが回復するのを待って香蓮のマンションのラウンジまで案内しました。
「で、話なのですが……」
内容は香蓮が第二回SJに参加しなければ人が死ぬとか。
蓮はエムの話の内容より香蓮に手を出さないかだけに注意を配ってました。
なので、エムが香蓮に壁ドンを仕掛けた瞬間、再びエムに蓮のスタンガンが襲い掛かりました。
「学習しない人ですね」
「ごががあああアアアア!!??」
「蓮ちゃん!蓮ちゃんストーップ!」
マンションなので余り騒ぎを起こすと人が来るので、電撃はそこそこにして蓮はスタンガンを納めました。
エムが言語機能を回復させるのを待って蓮が話を再開させます。
「で、そのピトフーイのリアルが死ぬのを防いで欲しいから香蓮さんに頼みに来たと……大体死なせたくなかったら相手を監禁して拘束して洗脳でも調教でも依存でもさせて死なせなければいいじゃないですか」
「えっと……蓮ちゃん冗談だよね……?」
見た目幼女の蓮が言うと中々犯罪臭が漂います。
「大切な人の為ならやりますよ私は?」
「ああ、うん?」
蓮がこちらを見つめる目が熱っぽい理由がよく分からない香蓮でしたが、エムの方を見ると何故か感動したような目をしていてますます訳が分からなくなってきました。
「……というかレンにそっくりな貴女は一体……?」
「そうだよね、流してたけどまずはそこ気になるよね……」
人の生き死にと蓮の発言で吹っ飛んでましたが、GGOのレンというキャラクターを知っていたらまず驚くのが蓮の容姿です。
なので香蓮から蓮とあったこれまでの経緯を話しました。
エムからの説明は……
「いや、結構です。香蓮さんから大体聞いてるので」
エムには塩対応の蓮がバッサリ切り捨てました。
蓮から散々電気ショックを浴びせられたエムでしたが、最後にレンならピトフーイを救えるという事を説明し、それに納得した香蓮はSJ2への参加を決めました。
「SJ2に出るのはいいんですけど、私と香蓮さん二人で大丈夫じゃないですよね?」
「人数が足りないね……」
前回はエムという終盤以外では頼りになる仲間が居たレンですが、今回は敵に回っています。
レンもロータスも近距離型、遠距離攻撃の出来る味方が欲しい所です。
「あ、美優さんは?」
「それだ!!」
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数日後、GGOにレンと同じちびっこアバターが一人増えました。
「おーっす!レン、久しぶり~。それと、そっちのコヒーそっくりさんが……」
「ロータスです。初めまして!」
「聞いてはいたがマジでそっくりだな……」
香蓮の地元の友人である篠原美優、アバター名はフカ次郎です。
「フカ次郎のフカって鮫の……?」
「あーちゃうちゃう、よく勘違いされるけど、昔犬飼って貰おうとした時に散々駄目って言われてね。で、漸く飼って貰えた犬に付けた名前が何度も駄目って言われたから「不可」、前に太郎って文鳥飼ってたから今度は「次郎」、合わせてフカ次郎だ。いいネーミングっしょ~?」
「そんな由来があったんですね。ちなみにそのワンちゃんは……?」
「そいつはもう死んじまってるよ。だからあたしは愛犬の魂を継いでこの名前にしたって訳よ!」
「成る程!」
ロータスとフカ次郎のファーストコンタクトもそこそこに済ませて、レンは二人と今後の作戦会議に入りました。
まずはフカ次郎のステータスを確認すると、流石ALOコンバーター、かなり高めの数値でした。
「強い!頼りになる!」
「へへ~んそうだろ?でもお金がな~」
フカ次郎がメニューを開いて自身のクレジットを確かめると初期資金の1000クレジットしか入っていませんでした。
「ナンパでもして集めるか~?」
「ちょ、ナンパって……」
引き留めなければすぐにでも街に繰り出しそうなフカ次郎をロータスが手で止めて提案しました。
「そもそもエムが依頼してきたんだからお金も払わせましょうよ」
「あ、あ~……確かに手助けお願い出来るかも。ちょっとメッセージ送ってみるね」
メッセージを書き始めたレンを机に残してフカ次郎がちょいちょい、とロータスに顔を近付けるようにジェスチャーしました。
「お主随分と容赦無いな?」
「香蓮さんに危害加えるような人には私の引き金はかなり軽いですよ?」
「ヒュー!やりますねぇ!」
某店にて、その頃のエムさん
「いらっしゃいませー!」
「すいません……SM用のスタンガンは置いてありますか?」
「御座いますよ!案内しますね!」
何かに目覚めたエムさんでした。