5つのルーン~想い繋ぎながら~   作:Crina

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現役モデルとして活躍している傍ら、毎日ベースを弾いているイース。そんな彼女が何故ベースを始めたのか...そんな話です。
「そうだね、だったら私から行かせて貰っていい?」


2-1-2話 イースとベース

綾様、そろそろ夕食のお時間です」

 私は資産家の家計に生まれて何不自由なく幼少期は生きてきていた。欲しい物はすぐに手に入る、それが当たり前と思っていたの...でも小6の頃に一緒にいたクラスメートが教えてくれたことがきっかけで少し変わろうと思えた。その時に出会ったのが楽器というものだった。

 

 親に言うのも躊躇し始めたのもその頃からで、祖父に頼んで楽器を教わった。ピアノ、ヴァイオリンと色々とやったけどどれも私に馴染むものではなかった。けどヴァイオリンをしていた時に弦楽器の楽しさを知ることが出来たのは事実なの...その時に祖父の物置にあった一つの赤いベースに興味を持った。それが今も使っているギブゾンEB-0 61年型だったというわけだった。祖父にベースをやりたいと頼み、その赤いベースを弾かせてもらった。基礎から祖父に教えてもらっていたからすぐにできるようになったし、もっと深くやりたいからロックバンドの曲を聴くようになったのもちょうどこの頃からだったの

 

中学に入った頃は周りの目は小学校の頃から変わっておらず、ただ金持ちの娘としか思われていなかった。友達というものが欲しかった。小学校の頃にはただ一人孤独だったからその渇きを潤わせてほしかった。その時に出会ったのがエワズこと和澄だったわけ。

「入学した時から気にはしていたんだ。だって私と少し似ているところがあったから」

 その一言が私の渇きに一滴の雫となっていた。それがきっかけで和澄と友達になって色々と打ち明けた。たまに和澄が弄られていたのを目撃したけど、それをかばったりと何かと仲良くなっていた。

 

「たまには私に家に来てみない?」

「いいよ、和澄の家に行ってみたかったし」

 和澄がそう言ってくれたこと、そうして行って見た事がきっかけで私は変わろうと誓った。ただ金持ちの娘とか井住田家のお嬢様というレッテルを引っぺがすためにも...そうして和澄と一緒にライブというものも経験した。ちょうど私と和澄が同じバンドが好きだったことがきっかけで和澄がライブのチケットを一枚くれたの。その頃にバンドにも興味を持った。和澄は一緒にカラオケを行ったりした時に歌唱力がとても高いのを分かっていたから一緒にやろうと言ったけどギターとキーボード、ドラムのメンバーを見つけなくてはならなくて中学の時は諦めたけどスタジオへ行き始めたのはその頃からだった。そのスタジオがソエルが家を飛び出して向かった場所である『Stand』だった。

 

 Standのオーナーはとても優しくて、大体中学生がここに楽器を持ってくる奴は大体何か事情も持っている人しかいないらしくて、私のことも相談に乗ってくれていた。それきっかけで毎日ベースの練習や弾きたいためにStandに向かうことが多くなった。もちろんそのことを両親は黙っていなかったのは事実で、冬休みに入ってクリスマス会というのが必ず私の家ではやっていたのだけど、私はStandでベースを弾いて家に帰ったのが少し遅かった。それについて両親がStandに殴り込みをしかけたこともあった。

「綾、この一年くらいを見て思ったが、好きにしてもいいが限度と身分を弁えなさい」

私はその一言がきっかけで両親に猛反発をした。

「お父様もお母様も私がこれまで幸せだと思ったの?これまで学校でもずっと孤独だった。私は井住田家のお嬢様だとかお金持ちの娘とか思われるのがもううんざりなの...私のしたいことをさせてよ!!」

 そうして両親との喧嘩は中学卒業まで長引いたのも事実で、親は身分を考えろの一点張りで私はしたいことをさせてほしいとどちらも曲がらなかった。けど、母親は中学卒業の時には折れて私の好きなようにすればいいと言ってくれた。高校生になればこれまでのようにはならないことを知っていたからこそ逆に応援したくなったらしい。

 

 高校に入るときはベースは高いレベルまで弾けるようになっていた。それがきっかけでStandでソエルと出会い、同じ高校へ入学してバンドを組もうということとなり、Loonを結成することになった。というのも、和澄が中学3年の時にちょっとしたことがあって和澄から笑顔がなくなっていたことからまた和澄の笑顔が見たいからバンドを組もうと発端したのだった。

 

「まあ私とベース、ソエルが中学までのことを話していたから私も中学までもことを話したわけだけど、どう?」

「壮大です。イスミダさんが昔のことをあまり話してくれなくてインタビューとか見ても高校生までのことまでしかなかったから驚きしかありません」

イヴが驚くだけではなく、ソエルと私と壮大な話しかないから魅入るしかないのだろう...

「だったら、次はウチが行こっか?」

「そうだね、ウルズ...いや潤香、お前が話したほうがよいかも」

「だな、これは愛美と何かやろうかなと思った話からすぐの出来事になるよ」




イースはただ一人の存在、井住田 綾としてみてほしかった。それがきっかけでベースを弾いていた。次はウルズこと潤香とドラムの話です。
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