「そうだね、ウルズ...いや潤香、お前が話したほうがよいかも」
「だな、これは愛美と何かやろうかなと思った話からすぐの出来事になるよ」
ウルズがドラムをするようになり、そして素早いドラム捌きができるようになったきっかけの話です。
「しっかし、えっちゃんがギターを弾いている姿ってめっちゃかっこいいよな、私もなにかやろうかなぁ?」
「やってみればいいんじゃない?私は好きなことをするためにギターを始めたんだから」
ウチが愛美と小学生のときに話したこの他愛の無い話の後にフラッと楽器屋を見てそこにあったドラムセットに目が合ったんだ。その時はただかっこいいなと見てその場を離れたのだけど、気になって何度も通ってそのドラムセットを見ていたら店員に目を付けられ「叩いてみる?」と言われて叩いてみたことがきっかけでドラムをしようと思ったの
ただドラムセットは普通に高くて買おうにも買えなかった。親に頼もうにも否定されるのは目に見えていたし、誕生日まで待とうかなとも思ったことがあった。けど、元軽音楽部にいたという母親に「最近帰りが遅い時あるけどどうした?」と聞かれて正直に楽器店にあるドラムセットを叩いて帰っていると話し、その月の給料日にドラムセットを買ってきてもらったの
ウチはそれからずっとドラムの基礎とかを母親に教えて貰っていた。始めは上手くいかなかったけど、気付けば一人前に出来るようになってツーバスも欲しくはなっていた。たまに愛美がギターを持ってきてたから一緒に愛美が好きなバンドの曲のセッションとかやっていって楽しかった。今でも始めてやったあの曲は忘れてはいない...だから高校の時に愛美と一緒に練習をしていたときも必ずその時の曲をやっていた。
ウチの場合はそこまで大きな衝突は無かったし、中学の時にはライブハウスにはライブを見るときしか行かなかった。だけどそのバンドのライブの時にドラムの人の姿を見てウチもこうしたいと思えた。「ああ、これがバンドをしていることなんだ」と思えたし、ドラムをしていたらどんどん楽しくなって、よりポジティブになっていたら気付けばギャルになっていたけどそれは母も昔は同じようにギャルをしていたから母親譲りなのだった。
そんなウチが相当素早いドラム捌きを出来るようになったのはその日々の積み重ねだったのだけど、軽い気持ちでデタラメに打ってみようとしたときに素早くできたという偶然の出来事だったんだ。そして中学卒業前にはあの境地の4刀流に見える素早いドラム捌きを身につけた。それを愛美に見せたときには驚いていたけど、楽しいからやり続けれていた。
でも中学の時からギャルやり始めたからかドラムを触る時間が小学生の時に比べて減ったのは事実だし、その時から一人称なんか私からウチに変わってたしねw
まあ良かったんじゃないかなとも思えたし、友人も意外な顔されたけど皆、口を揃えてかっこいいといってくれたら嬉しかった。バンドを組もうにもメンバーが見つからないんじゃあ無理だしとも分かっていたし、愛美もバンドは乗る気だった。
そんな愛美が家出をしたことは驚いたが、姉の莉奈さんに聞いてみたらそんな事情があったんだと思って何かできないかなと思っていた。「ウチにできることって何かあるのかな?」と思っていた。その時に母親と莉奈さんと話してみたら「ずっと幼馴染として昔から見てきたんだからやることは一つでしょ?」と言われた。たしかにずっと愛美の事を見てきた。アイツが落ち込む時は大抵必ずウチを頼ってくることも、何もかも知っていた。だから愛美が家出をしてウチの家に来た時にあの言葉を言ったんだ。
「それが愛美が今思っていることだし、その出来事が無かったらそう思えなかったでしょ?」
ウチはそれからというものの絶対に愛美を悲しましたくないという気持ちがますます強くなっていって高校に入っても傍にいた方がよいと思ってバンドをしたいということに乗ってLoonのドラムとして活躍するようになったわけだったの。
「まあそんな感じだよ、そこのところはちょっとリサと友希那に似ているのかもな」
「そうだね、似ている気がする。アタシが友希那のことを気にするところも潤香さんと同じということもね」
「こいつがただ心配性なだけさ」
「心配性とは酷いなぁ」
そう言って愛美の脇腹を突きまくっていたら普通に愛美の飛び蹴りが飛んできた。
「まあいいや、べオークは最後がいいだろ?」
「うん、そのほうが助かるよ」
「となると私か、いいよあまり話したくないことも話すことになるけど」
そう言ってエワズが話し始めた。
「そう、私は昔から歌うことが好きだったからボーカリストとしていけれたけど、あの時に笑うと言う感情が固まったんだ」
ウルズはこれまでの自分のスキルをそのままに愛美の傍にいようとして叩いていた。次がエワズとボーカルとアコギです。