5つのルーン~想い繋ぎながら~   作:Crina

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これは私達が出会い、Loonというバンドを組んだ始まりの話。ただの友人としてではなく、それぞれがバンドのメンバーであるということを実感したあの場所FWF(フューチャーワールドフェス)に参加して一躍有名になったLoon結成秘話である。


第2-2章 Loon結成編
2-2-1話 桜が咲く頃に


 朝日の明かりが部屋を差し、目覚ましのベルがなる。もぞもぞとそのベルを止め、起きずに二度寝をしようとしたときにドアのノックもなく姉である莉奈が私の部屋に入ってきて携帯の写真モードでカシャリと写真を撮って私は目が覚めた。

「あ、愛美おはよ。母さんが朝ごはん作って待ってるから降りて来いよ~」

「だったらいちいち私の顔を撮るの辞めてくれない?」

「それは無理~だって、愛美の寝顔可愛いもん♪」

そう言って次には私が布団を跳ね飛ばしながら姉さんの腹にダイレクトに蹴りを入れた。4月になり、私は晴れて高校生のなったわけなのだが、前日に潤香と遅くまで話をしていたためにとても眠かった。

 

 朝食を済まして新しい制服を身にまとい、部屋を出たときにまた姉さんが写真を撮ったので、今度は割れたギターのピックを鼻にクリーンヒットさせてアッパーで姉さんを倒した。

「んで、なんで姉さんも制服姿なの?始業式は午後からじゃなかったの?」

「忘れたの?私、生徒会の仕事で入学式でないといけないんだよ」

私の姉の莉奈は同じ学校に通って私の2つ上、つまりは高校3年生であり、昔から頭もキレ、要領もいいから生徒会に入り、生徒会長も営んでいる。そのこともあってか姉さんも入学式に出ないといけないために制服を着て出る用意をしていたわけだが、制服姿の私を撮りたいがために私の部屋の前にスタンバイしていたわけだ。

「ほら、潤ちゃんが外で待ってるよ」

「はいはい、んじゃ姉さん学校で」

そうして私は家を出て先に待っていた潤香と合流して学校へ向かった。

 

「綾様、朝でございます。本日は高校の入学式がございます」

「分かってるよ、すまないね執事さん」

 私はいつもの通り執事に起こされ、へビィな朝食を食べて和澄の家に向かった。和澄は高校生になると同時に一人暮らしをするようになったために心配になって向かったのだが、案の定寝ていたので、起こして一緒に入学式へ向かった。

「和澄、昨日はどうしたの?」

「いや、新生活の用意をしていたら深夜になってたから寝たら目覚ましもかけずに朝を迎えただけさ」

「そっか、気をつけろよ」

そう駄弁りながら私達は高校へ向かい、クラス表を見て教室へ向かった。和澄とは違うクラスにはなってしまったが、荷物を置いて颯爽と和澄のところへ会いに向かった。

 

「麻久美、朝だから起きろ。これから入学式なんだからしっかりと目を覚ませ」

兄貴がなかなか起きないのを見て起こしに来てくれた。どうしても慣れない新しい環境とここで新しい友人が出来るのかと心配になりながら私は家を出た。

 高校に到着し、クラス表を見て入学式まで自分の机で呆然としていた...が、すぐに周りの女子達が気軽に話しかけてくれたおかげで心配や緊張でガチガチだった私はほっとした。その中には和澄もいたわけだが、和澄は和澄ですぐに綾に話しかけられ廊下へ出ていた。

 

 私達が通っていた学校は男女共学の学校で、人数もそれなりにいたわけで、愛美、潤香、綾はC組、和澄と麻久美はA組で、AからDまでの4クラスの学校だった。入学式が終わり、それぞれのクラスによるHR(ホームルーム)で軽く自己紹介をしている中で、私は綾の自己紹介を聞いて帰り際に話しかけた。というもの私は終わって『Stand』でオーナーとセッションをするためにギターケースも持ってきており、綾がベースをしていることを聞いていても経ってもいられずに話しかけた。

「えっと、井住田さん、ベースをやってるんでしたよね?」

「ええ、これからスタジオで弾こうかなと思ってましたの」

そう、これが私とイースが出会ったきっかけであり、Loonを作る一つのきっかけだった。そして綾もベースを持ってきていたので、一緒にStandへ向かうこととなった。

 私はオーナーとセッションをし終わった後にアルバイトさせてくださいと頼み込んだ。まさかこれが今の職場であるCiRCLEに強く影響するとは思っても見なかったことだから...

 

 翌日の朝も姉さんが寝顔を見ていたので、今度は鳩尾に一発ぶん殴って私のベッドに一本背負いを決めて起床した。というか私が2年生に上がるまで毎日姉さんを倒して起床していた。

「潤ちゃんが待ってるから早くしたくしなよ」

「だったらちゃんとした起こし方してよね、しかも目覚ましも勝手に変えてるし」

 こんなTHE☆シスコンな姉だけど、なんだかんだ言って感謝しているところもあるからか嫌とは思わなかった。

 

「愛美はこれからスタジオのバイトだったっけ?」

「ええそうよ、ごめんね一緒に帰れなくて」

5月に入りGWが明けてそこそこ学校にも慣れ、新しい友人もできたが、それでも愛美と一緒に帰ることは多かったのだが、バイト漬けになっている愛美に対して不安しかなかった。それにギターの練習にもよく行っているからセッションする機会も減り、逆に友人とネイルだのアクセだのやたらとファッションを見に行ったり、買ったりすぐことが増えていた。そして今日も一緒に帰るのを断られたわけなのだが...

「ねえ愛美、最近バイト漬けなんだから気をつけてよ?」

「分かってるよ、それにほしい物のためなんだからこれくらいしないと無理なんだ」

愛美は家族の影響もあって車が欲しいのは分かっていた。それがスポーツカー系統ならそれなりに高いもの愛美は分かっているからこそそこまで無茶をしていることも...ウチはとても不安で、いつか倒れるんじゃないのかとか思っちゃったりしていた。おせっかいなのも分かっているが、愛美とは幼い頃からの付き合いだから変に頑張りすぎて倒れちゃうのがとても嫌だった。そして愛美とその日は分かれて友人とまたアクセショップに行くことにした。帰宅して軽くドラムを叩いて夕飯まで友人と長電話することにはなってしまったのだが...

 翌日には6月に開催される文化祭について話をしていて、私達C組はカフェをするかお化け屋敷をするか悩んでいたが、愛美はそんなことはどうでもよさそうだった。というのも軽音楽部の演奏もそうだが、有志で高校生バンドの参加も許可されていたらしく、そのメンバーを考えていたらしい。もちろん誘われたのでウチは2つ返事で参加することにした。丁度この頃の時期はアニメで軽音楽部のアニメが放送されていた影響で、軽音楽部の倍率も高く、演奏したい人が多いため、有志のバンドはオーディションで決めることになっていた。

「私と潤香でギタボとドラム...あとはベースとキーボードがいてくれたらいいのになぁ」

愛美はほかのメンバー探しに躍起になって頭を抱えていた。

その時に後ろから綾が現れて愛美に話しかけた。




2-2章はLoonの結成のお話で、その日常系は別でオリジナル小説として投稿させていただきます。
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