二週間の歳月が過ぎ、オーディションが開かれる会場へ向かうことにしていた。姉さんの車だと全員が乗れないこともあってか父親の車を姉さんが運転することになり、私達は朝早くに指慣らしと発声練習をかねてStandで最終確認をしていた。オーディションでは1曲しかできないので、新曲ではなくて文化祭で披露したStand Upを良くする方向でアレンジし、コンディションを良くして会場へ向かった。
会場はそこまで広くはなかったが、多くのアーティストが集まり、大半がプロの人達だった。その中には友希那さんの父親も参加していた。
「凄い緊張してきた。こんな人達がいる中でやるんでしょ?」
「そう、でも私達は文化祭でやった以上の演奏をするだけでしょ?それにここだと今の私達の実力を知ることが出来るわ」
「そこからどうしていくのか、それを見つけるためにもこのオーディションはLoonにとっては重要ってことでしょ?」
「イース、分かってるじゃない。だからこそ私達は全力をぶつけるだけよ」
そう言って私達はこのオーディションを向かえた。
「16番、Loon始めます!!」
そうしてオーディションがスタートし、私達の全力を審査員の人達にぶつけた。結成して一ヶ月と浅い経験の中でいかに私達を表現していくのか...全てをぶつけてみたかった。これが最初の目標で、どのように歩むかの道しるべになればとそう思っていた。
演奏が終わり、待機室で結果を待つことにした。10分後には合格者のリストが掲載された。私達は落ちただろうと思っていたのだが、リストの中にLoonの文字が書いてあり、私達はFWFに参加することになった。
受かった理由が知りたいために審査員の人達に評価を聞くことにしてみた。
「Loonは結成して浅いにしてはプロに引けを取らない演奏とメンバーとの絆を感じ取れました。これからの成長が気になるし、そして何より大きな経験をさせるために今回は合格させました」
その一言で私達はどのような方向へ向かうべきかを全員が理解し、目つきが変わって本会場への課題を感じて一週間をどう当てるべきか考えた。そうして私達は一つ審査員へ伝えときたかったことを伝えた。
「審査員の人達にお願いしたいことがあるんです」
「なんですか?」
「これから私達と同じようなバンドが現れた時は、私達Loonを超えることが出来たバンドを合格するようにしてください。私達を踏み台にして欲しいんです!」
「経験が浅い割には意外と肝が据わっているんですね」
オーディションが終わりいつものようにStandで打ち上げとしてオーナーとお菓子とジュースを持ってきてパーティーをしていた。今回は他のスタッフの人達も祝ってくれた。
「まさか合格するなんてな、俺もまだまだ見る目が腐ってないということなんだな」
「オーナー、これでもまだ私達は出発したばかりですよ。これから一週間後にはFWF本番、あとは色んな音楽フェスで色んな人達を魅入らせるだけですよ」
そう話していくうちに時間が過ぎていった。そんなときに一人私を呼んだ声をした。
「Loonのリーダーってどちらですか?」
「私です。貴方は湊さんですよね?」
「ええ、少し話をしたいのですがよろしいですか?」
「構いませんよ」
そうして私は湊さんと一緒に違うスタジオで話をすることにした。
「教えて欲しい、どうして貴女達は合格できたのか、私は審査員に貶された。でもどうして浅い経験のなかで合格へ見出せたのか聞きたいんだ」
「湊さんの音楽に私達が勝ったとは思っていないんですよ。私達は私達が出来る最高の演奏をしただけ、湊さんは演奏をしている時に楽しいと感じて演奏してますか?」
「それは...いや、最近はそう感じれてはいなかった。...つまりは楽しむことが大切ということか...ありがとう、私のやるべきことを見つけることが出来たよ。FWF、Loonの演奏を楽しみにしてるよ」
そうして少し話し合って私はパーティーに戻った。そして何を話したのかを聞かれたが、普通にアドバイスをしただけとさらっと返した。そうしていくうちに時間は経過して、気付けば夜の8時にはなっていたので、仕方なく私は姉さんを呼びつけて帰ることにした。
そうして練習をすること一週間、ついにFWFの当日になった。もちろん新曲の2曲も短い時間の中に出来る限りを尽くして当日を向えた。オーディションのように姉さんが送迎...とは行かずにオーナーも音楽イベントに出展することにしていたので、一緒に向かうことになった。
会場へ着いてタイムスケジュールには時間があったので、私はオーナーと売店の方をしており、ウルズたちは会場を見て周ることになった。その時にウルズ達にナンパした連中がいたが、ついでにいろいろと見て周っていた姉さんがボコボコにして帰らせていたのを見て失笑しか出なかった。
そうこうして私達の順番が来ていたので、ステージに向かうことにした。オーナーからは楽しんで来いといわれたので、肩の荷が下りた。
「皆、最高のステージにしようよ?」
「「準備できてるぜ」」
「Loonの演奏、皆に見せつけよう!!」
「「おおーー!!」」
「Loonです。私達の演奏を最後まで聞き逃さないでください、【Kano】」
そうして演奏が始まり、私達の演奏に魅入っていく、わずか一ヶ月と短い活動なのに高い演奏技術とメンバーとの絆、ドラムとベースが土台を作り、ギターとボーカルが土台を彩る。そしてキーボードがその情景を整える。これが私達Loonだと見せ付けた。
「最後になりました。最初の曲は実は私達の新曲で、これからの最後の曲も新曲になります。では聞いてください...【The Blank Rune】」
「これが私達が初めて大きな舞台に出た思い出、Loonが一つとして自覚した出来事かしら」
その話を聞いて皆は驚いていた。目標にしていた舞台に立ったことに対して驚くRoseliaのメンバーと驚きを隠せれていないAfterglowメンバーと今この場に立って話している人達はとんでもない人達だと聞いていた26人はそう感じていた。
「私達が目指す場所に貴女達は立ってたのは分かったわ。でも、何故それを私達には話さなかったのかしら?」
「話しても意味がないと感じたからよ、それに解散した時に時期が来るまで話さないと私達が決めていたからよ」
「そう、今がその時だったってわけよ」
そう私とウルズが答え、納得をした友希那さん達だった。これが伝説の高校生ガールズバンド【Loon】の誕生だった。でもそれだけではなくほかにも大きな出来事があった。その出来事が私達を更に上のレベルに引き上げた出来事が一年後に起きたわけなのだが...
「私達はずっと同じように仲良く出来ていたわけじゃないのよ、一度だけ大きな衝突も起きていたもの」
「話すのね、あのことも」
「ええ、これは絶対に話さなければならなかった出来事だもの」
そう言いながら私はストレートの長い紅みがかった茶色の髪を束ねてポニーテールにして目を変えて次の話をし始めた。
「私達は一度の衝突をして解散寸前までに陥ったことがあった。そのことも絶対に話さなければならなかったことだから話すよ」
Loonはそのイベントで知れ渡り、いろんな大手アーティストとライブをすることになったのだが、一年後に起きた出来事がきっかけで解散寸前まで陥ってしまった。次回からの章はそんな雨が降る日の出来事です。
バンドストーリー2章風にするとこんな感じになります。
「私ってホントおせっかいだよね、それが原因でこうなってしまった感じあるし...」
「ソエルは悪くない...けど、本当にこのままでいいの?」
「エワズ、何も言わずに逃げ出して逃げるかのように去るのは違うと思うよ」
「私は...どうしてもLoonのギターとしてあの舞台に立っていたい!!」
「私達が元に戻らなければその先はない」
次回2-3章 時雨日の中で