Standから何も言わずに逃げるかのように飛び出し、私は例の公園へ走っていた。走っている時に急に雨が降り始め、公園に着いた時には結構降っていた。着いた途端に涙が出てきた。試行錯誤をして考えた歌詞が受け入れてくれなくてとても悲しいことだけど、それ以上に私自身に対して腹が立って遂には泣き始めてしまった。
「うっ...どうして...どうしてよ....こんなに考えて出来た歌詞がこうも受け入れてくれないのよ!!!あああああああ!!!!!」
とても悔しくて、自分が段々嫌になってきてしまいにはこうして発狂しだす状態になってしまった。そうしたなか、後ろから歩いてくる足音が聞こえてきた。傘も差さずに同じ学校の制服を着た赤髪の女性が現れた。それは中学からの仲であるイースであることはすぐに分かった。
「...イース」
私は今の状態でLoonのメンバーに顔を合わせれる気がなかった。ただ何も言わずに逃げるようにして飛び出してしまったのだから守られる義務はないと思っていたのだから...でもイースは私にそっと手を差し伸べしてくれた。それもこれまでを知っているからこその暖かな温もりに私はとても嬉しかった。
「イース、どうして付いて来たの?」
「和澄が心配になったからよ、エワズ、何も言わずに逃げ出して逃げるかのように去るのは違うと思うよ」
「ごめん」
「それでも私は和澄のほうに付くつもりだよ、でも今の状態のままでは自然とLoonを解散させてしまうことになってしまうよ」
「そうだね、本当にごめん、私が原因でソエルとの関係を崩してしまっちゃってるんだこのままではダメだよね」
「うん、この状態で元に戻るにはそれこそ和澄自身が答えを出さなければいけないことなのよ」
そうして話していくうちにどんどん雨が酷くなっていったので、一旦自宅に戻ることにした。雨でかなり濡れたので、お風呂に入ってからまたイースとどうしていくか考えることにした。これは一人では答えが出ないことだったからこそ少しでも答えを出すヒントをほしかったからイースに頼るしかなかった。一人ではやはり何も出来なかった。
私が全ての引き金であること、あの日のライブで自分たちはどうしたらいいのかということに考えすぎてその中で考えた結果がここまでの歌詞だったこと、その歌詞をみて良しとしなかったことに私は溜まりに溜まったものをぶつけた結果答えが見つかってないことを見透かされてしまい、逃げ出したことの全て話し、そこから答えを探し始めた。そこからは本当に一人で探さなければならないことだと分かったからイースは私とイースの荷物がStandにおきっぱであるから取りに行った。数分後に戻ってきて荷物を渡してイースは家に帰っていった。
「答えが見つかったら私に言ってね」
エワズが悩んでいるのは分かっていた。それこそ、あのライブ会場でツーマンライブをするかどうかで考えていた時に一人悩んでいたことも、歌詞を見て守りに入ったような歌詞ばっか書いていたことも何も感も全て分かっていた。エワズが私に似ているところも、中学から一緒にいたからかもしれないけど、それ以上に私はエワズが道を踏み外してしまわないようにしなくちゃいけないことをLoonを結成してからそう感じていた。元々Loonは私がエワズの笑顔を取り戻すために結成しようと話したことがきっかけだったんだということ。結成して一年が過ぎているなか、確かに笑顔が戻り始めていたこと、私がしていたことは間違いじゃなかった。だからこそ、自分が今できることはこれしかなかった。ただエワズの傍でエワズが歩み続ける道をしっかりと作り上げるために今こうして私はLoonのベースとしてエワズの傍で音色を奏で続けている。私がただ一人の『井住田 綾』としてみてくれていたことに対してのお返しとして...ただ、エワズ...和澄の歩みたいものの手伝いが出来ればとそう思っていた。
「雨が酷いな、早く荷物を取って帰らなきゃ」
荷物がカウンターにあるところからしてソエルかべオークがそうしてくれていたのだと感じ、あえて憎まれ役をすることにしたソエルが本当の意味でエワズのために行動していたのだと思ったら、あんな酷いことを言って和澄を追ってしまったことに対して罪悪感というものが目覚め始めた。腐ってもリーダーであるとそう感じてしまった。荷物を持ってエワズに荷物を渡して家に帰り、いつものように執事とメイドが帰宅にあわせて風呂の用意と荷物を部屋に持っていくことをしていて、まるでこれはいつものことの繰り返しであると感じ、同じような生活から一つ殻を破らなければならないとそう感じた。だからそれを踏まえて私はエワズからの返事を待っていた。そうして連絡が来たのは寝る10分前に嬉しい結果で届いた。
イースとエワズルートはそれぞれが答えを探す方向へ向かった。次回はソエルとウルズ、べオークのルートです。
次回、目の前で見えているもの