5つのルーン~想い繋ぎながら~   作:Crina

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Loonの雰囲気づくりをしているベオークと、メンバーが集まりお互いがどう思っているかというお話。


2-3-9話 私たちはLoon

 私はただ居場所が欲しかっただけ、初めての神奈川で初めてできた友達とバンドのメンバー、そのために私はLoonを無くしたくはなかった。だからこそ今こうして私ができることを探していた。メンバーとの絆を深めるための音楽や趣味でやっているお菓子作りとできることだけをしていたが、自分自身で本当の意味でLoonの為にできることは何なんだろうかと考えていてもその答えが見つからなかった。

「今頃皆は答えを見つけたのだろうかな、それに比べて私はまだ答えを見つけることができていないのかもしれないな」

 それこそ昨日にソエルとエワズがこれまで起きていた溝のことを話し、元のLoonには一応戻ったのだが、そうなった瞬間に二人は新たなことのためには自分自身が超えなくてはならないこと、Loonとしてどう思っているのかを考える必要があると電話をよこしてきていた。

「どうしよう、明日メンバーの集合があるのに私だけ答えが出ないのはさすがにまずいよな」

 そう思いながら私はただバイトを終わらせて家に帰宅していた。家に帰ってもそれだけに捉われて相当悩んでいた。それをすぐに気づいたのは一番上の兄貴だった。

「悩み続けているんなら明日のメンバーとの集合の時に答えを見つけろよ。今の麻久美ならそんなことは簡単だろう?」

 

 そう言われて私は翌日の昼間に少し濡れた屋上に向かった。そこにはただ一人曇天の空を眺めながら風に靡く髪に手を添えるソエルがいた。

「ベオークか、答えはまだ見つからないんでしょ?浮かない顔をしているのだからそうだろうと思ったのだけど」

「お見通しなんだねソエルには」

「これでもリーダーだしね」

 

 そう話しているとウルズ、イース、そしてエワズが屋上に集まってきた。

「エワズ、私たちが思っていることを話そうよ。これからのこと、そして私たちがLoonとして必要なことを...」

「そうだね、まずはごめんね、一人で抱え込んだせいでこんなことになってしまったのだから」

「分かっていたよエワズ、あのライブで悩み始めていたことも、何もかもね」

「だからさ、私は悩んだの...そして答えは見つかった。私はLoonの誇り高き歌姫エワズ...いえ、江藤 和澄よ、だからこそ私の歌声、みんなの演奏...全てがなくてはLoonではない。だから私のぶつけたい声に音楽を乗せてくれ!!そして...ごめんなソエル、私がきっかけなのにそこまでお前に抱え込ませてしまって」

「それは前にいいって言ったやろ、まあいいや、私も考えさせられたよ、潤香にどやされたあの日に忘れていたものを思い出したんだ。私は...どうしてもLoonのギターとしてあの舞台に立っていたい!!私達Loonはみんながいなくては意味がないんだから!!ってね」

 これを聞いたメンバー全員が驚いた顔をしていたが、これがソエル...添盛 愛美という人物なんだと再確認をした。

そしてイースも「私はLoonのベース、イースこと井住田 綾、演奏の土台が脆くてはなにも意味がないだからこそ私は私の課題を超えていく!!」と、ウルズも「ウチはLoonのドラマー、ウルズこと高崎 潤香だ。バーニングクイーンの二つ名は伊達じゃないということを見せるだけ...だからあのステージで叩くドラムが好きなんだ」と新たに闘志を燃えていた。

 

「私は...私はLoonのキーボードだ、だからこそ私はこのバンドの調整役なんだからくよくよしてられない!!」

 不意に出てきたこの言葉に自分も驚いたが、それ以上に他のメンバーがその言葉を待っていたかのように私の肩に腕をかけてきた。

「やっと再出発ができる。私たちはLoonなんだ、高い演奏技術とそれぞれのメンバーのひたむきさが大切なんだよ」

 そうソエルが言うと偶然なのか必然なのかわからないが、ずっと曇天だった雲が晴れ、気づけば晴天の空が私達を照らしていた。そこには虹もかかっていた。

 

 紫、黄、青、赤、緑と私たちそれぞれの色がありその色が混ざり今のLoonがあると学校が終わったStandへの向かう道のりの中で感じた。スタジオに入り、エワズが悩んだ最高の歌詞を見てこれならいけると確信をしていた。

「これならこのような曲が一番合うだろう」

そう言ってソエルは打ち込みされた曲とスコアを出してきた。それを見たメンバーはこれで行こうと言っていたが、エワズが鋭かった。

「ソエル、なんでギターが二つあんの?」

「それは簡単なことだよ、エワズってアコギできたよな?」

「ええ、できるけど...まさか?」

「そのまさかだよ、この曲だけギタボでやって欲しいんだ。アコギとエレキで奏でる音でなければこの曲の良さは引き出せないからな」

「....分かったよ、久々にやってみるよ」

 これが私たちの最高のバラード曲の【Loon】として出てくるまであと二日と迫っていた。




それぞれが思っていることをお互いに分かち合い、これからどう行くか決めて最高の曲を用意することができた。次回は文化祭ライブが終わり、ついに対バンのツーマンライブが開催される。

次回、キズナノオンガク
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