そして明かされる愛美の過去...そんなお話です。
Loon再結成ライブが終わってCiRCLEロビー
私達のライブが終わって今からライブの打ち上げをすることになった。
「それじゃあ私達Loonの再結成とライブの成功を記念して乾杯!!」
「「かんぱ~い!!」」
私達のライブは成功に終わった。まさか楽屋から出たところを昔のファンが押しかけてくるとは思わなかったけど...
「いや~愛美さんがまさか伝説のガールズバンドのギターをしていたなんてな~」
「そりゃあ言ってないしな...でもリサさんにはかなり昔のことは伝えていなかったしな...」
私達5人のことは皆には伝えていない。というのも私達のことを知らないままでいい...他のバンドの人にやがて忘れ去られてくれればそれでいい...私はそう思っていたし他の4人もそれでいいと言ってくれた。だけど私はやっぱりギターと自分の愛したRX-7という青いスポーツカーが無ければいけないと思ってしまっていた。どれも欠けてはいけないということに気付き、そのためにいつものエレキの代わりとしてアコースティックギターを購入して弾き語りをし始めた...今思うと結局は昔からは離れられなかったということだったんだ。
「な~にしゅんとしてんだよ愛美さん、らしくないよ」
「そうはいってもさ、色々と思うことがあるんだよ」
「そっか、だったら話したらどう?これまでの経緯全て、それがもしかしたら私達5バンドに語り継がれて愛美さん達を超えるかもしれないよ?」
「リサさん...そうね、ありがとう」
本当にリサさんは私の悩みをしっかりと聞いてくれるし助言もしてくれる。リサさんの面倒見のよさが私にとっては今とても嬉しい...イースもウルズもそうだけど、久々にべオークの明るい顔やエワズの笑顔を見れて私はつい懐かしく思えて涙した
「ソエル?どうした?」
「いや、なんでもないよ...ちょっと皆聞いてほしいことがあるんだ、私達Loonについてもそうだけど、まずは私のこれまでのことをきちんと話したいんだ」
私達は急に言われた愛美さんのそのことについてどのようなことなのか息を呑むしかなかった。あの演奏の凄さ、愛美さんがどうしてCiRCLEにいるのかなど全てを知ることになるために私達は愛美さんの話を聞くことにした。
「まずは私がこうしてCiRCLEにいることなんだけど、私は皆も知っての通り神奈川から自分の車で毎日通勤しているの、昔は神奈川にあるちょっとしたライブハウスでバイトをしていて、そこから正社員としてスタッフをしていたの、それがきっかけで機材のメンテの仕方や運営の仕方を学んだわ」
「なるほどです。確かに愛美さんのメンテナンスとかの要領がとてもいいのはそのためだったんですね」
麻弥は重度の機材オタクであるというのは初めてあった時にすぐ分かったし、話しやすかったのは覚えている。そのために私の要領のよさは知っていて当然だろう。
「だけど、そのライブハウスが閉店してね...それで去年の春頃にCiRCLEに入ったわけ、そしてCiRCLE入って初めて大きなイベントしたのがアナタ達が演奏をしたあのGBPだったわけ」
「そのことならイヴから聞いたよ、とても大きなイベントでソエルがかなり活躍したということを知ったよ」
「そうですね、イースさんとイヴさんはモデルですもんね」
「そうですね、まさか私もイスミダさんとエミさんがご友人でしかもバンドを組んだことがあるなんて知らなかったですよ」
「そういう偶然もあるということさ、それに、リサさんが何故私の相談を乗ってくれたりしてると思う?」
「確かに初対面とは思えないほどすぐにリサと相談していたわね」
「あはは、ちょっとしたことがあってね...」
「リサさん、それは私から話すよ。実は私とリサさんはこのGBPが始まる前の時に会っているの」
その発言で皆が驚くのは仕方が無いのかもしれない、それは幼馴染の友希那さんも驚いてしまうこともね
「ちょうど1年半前のとこ、私が用事があって東京に出かけていて、交差点で右折待ちをしていた時に後ろから猛スピードで衝突されてね、その勢いで更にトラックにも衝突したわけ...それがきっかけでその時愛車にしていた車が大破してね...私は半月入院したの」
「じゃあなんで今も同じ車なんだ?」とエワズが疑問をぶつけてきたが、「あれは二代目、保険代で全額事故をした人が払うことになってまた同じのを買っただけ」と返した。もちろん返事は「だから5年前と車の見た目がちがうんか」と返ってきた。
「あれは向こうが飲酒運転をしての事故だったけど、とても苦痛だったわ、その事故現場にリサさんがいたのよ」
「そうだったね、アタシも驚いたよ、いきなり凄い勢いで愛美さんが乗っていた車が事故をしたわけだし、すぐにアタシは救急車を呼んで愛美さんを助けたのよね」
そう、あの時にリサさんが助けてくれなかったら今の私はここにはいない...それに入院中にも時折見舞いに来てくれて助かった。そのこともあってリサさんが困っている時は助けて、私が困っている時は助けるという関係になっていた。
「リサ姉と愛美さんが互いに相談していたのはそういうことだったんだ」
「でも、それじゃあ愛美がここで働いているのとリサは関係ないんじゃないの?」
こころちゃんのその発言は的を得てはいるのだが、実のところ、その神奈川のライブハウスが閉店した時に次の働き場所が見つからない数日があった。その時にCiRCLEを紹介してくれたのは紛れも無くリサさんだった。前のライブハウスと同じようにスタジオ併用型で、私が働いていた場所に比べて少し広かったからすぐにここにしようと思って申し込みをしたわけだった。
「これが私の全ての経緯、これからが私達Loonの結成秘話と私のギターとの出会いについての話になるけど、少し場所を変えたいわ...この話はちょっと違う場所でしたいの、着いてきて」
そういわれて私達は愛美さんが向かっていくところを着いていくしかなかった。どんなところかワクワクもしていたが、あの経緯を聞かされてからは少し違った感情を私は感じた...
「ここよ」
そういわれて着いたのは駅前の洒落たカフェだった。
「さて、これからかなり長い話になるから好きなものを選んでね」
「香澄、しっかりと聞けよな、寝たら承知しねーぞ」
「分かってるよ有咲」
「今から私とギターについては20年前の話になるわ...」
数時間後
分かってはいたが、涙もろいひまりちゃんや彩ちゃんはもちろんだが、モカちゃんとこころちゃん、薫さん以外は泣くか涙を流していた。モカちゃんは唖然と言うか、固まっていたし、こころちゃんは馬耳東風なのか知らないが、ケロッとしていたうえに「そんなことがあったんだ」といつも通りで、薫さんなんかは「儚い」といつも通りであった。
「じゃあこれで解散ということで、第二回のための案を忘れないでね」
これでいいんだ、今日のライブのこととこれまでの私達の話から更に貴女達が成長してくれるなら私はいいと思っている...
愛美の過去についてわかったが、分かったのは愛美がCiRCLEへ入ったことについてだけ
Loonの過去...つまりは結成秘話は2章で書いていきますので、よろしくお願いします。
次回はそれぞれのバンドが愛美の話を聞いて思ったこと、それをきっかけに今後の成長のために練習に取り掛かる話になります。