泡のような儚い恋   作:ぬっくん丸

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こちらは3章になります。


3章 人魚の観察

あれからコンビニで買ったおにぎりを一緒に食べた。

 

いろんな種類のおにぎりを買ってきたつもりだったが意外にも人魚の少女が選んだのはツナマヨとしゃけだった。

 

美味しそうに食べてるので深くは考えないことにした。

 

それよりも……

 

(正直驚いたなぁ……)

 

人魚が魚肉を食べてるからではない。

 

食べているところを観察していて気づいたが、彼女の傷が治りかけている。

 

見つけた時には切り傷、擦り傷、打撲など酷い有様だった。

 

今となっては見えている範囲の傷は綺麗になっている。

 

生命力というか治癒能力が高いのか。

 

それと今更になってだが目の前の人魚の少女の格好は水着なのだ。

 

「その格好は……人魚みんな同じなのか?」

 

こくり……とまた頷きが返ってきた。

 

何もつけてないよりはマシだが少々目のやり場に困る。

 

そして1番疑問に残るのは彼女の足のことだ。

 

何故足が出現したか、出現したことに対して彼女が何も知らないこと。

 

人魚の足は水をかければヒレに戻ると昔読んだ漫画に書いてあったのを思い出した。

 

(これに関しては後でやってみるしかない……)

 

────────────────────

観察してわかったこと

・人魚でも魚は食べられる。

・名前の習慣がない。

・治癒能力が高い。

・人魚にとって水着は主な格好。

・足の出現した原因は本人にもわからない。

────────────────────

 

今のところわかるのはこのくらいだ。

 

 

わからないことはしょうがない。

 

次にこれからの事だ。

 

そんなことを考えていたら携帯電話がなった。

 

母親からだ。

 

人魚の少女は音のなる手のひらサイズの物体を怖がりながら眺めている。

 

……これもおいおい教えた方がいいな。

 

「ちょっと出てくるね」

 

電話をしに部屋を出た。

 

「もしもし、どうしたの母さん?」

 

「あ、隆?電話出るの遅かったけど掃除かなんかしてたの?」

 

……マズい、あの子のことなんて説明したらいいかわからない。

 

仮に『人魚拾っちゃいました!』なんて言ったら頭のおかしい人認定だ。

 

これだけは避けよう。

 

「ごめん、昼食べてた。」

 

嘘は言ってない。

 

「そうなの?まぁいいわ。おばちゃん家に行くのは明日の朝になるから。掃除は全部終わらせなくても大丈夫だから。」

 

「……わかった。でも出来るだけ終わらせとくね。」

 

よろしく、と母親との通話を終えた。

 

さらにマズいことが起こった。

 

あの子をここに置いておけない。

 

海に返した方がいいのかもしれないが、あの傷だ。

 

海で何かあったのかもしれない。

 

タイムリミットは明日の朝だ。

 

彼女の部屋に戻り、単刀直入に尋ねた。

 

(正直、面倒事には関わりたくないけど……。)

 

「海に戻れるなら戻りたい?」

 

────────────

 

夕方、坂本の住んでるアパートに到着。

 

車を駐車場に停め、一息ついてから後部座席を見る。

 

そこには車に揺られて寝てしまった人魚の少女がいた。

 

(やっちまった、やっちまったよ俺……)

 

そう、連れてきてしまった。

 

とても悲しそうな顔で海に戻りたくないと言われてしまった。

 

(あんな顔されちゃ帰れなんて言えないよなぁ……。)

 

半ば諦めのような気持ちで彼女を連れ出した。

 

出る前にばあちゃんの家から服を少々拝借し、彼女に着せた。

 

流石に水着姿での移動は色々と問題があった。

 

ちょっと見た目の割に年寄り臭い服装になってしまったが、水着よりはマシだ。

 

彼女を起こさないように自室まで運んだ。

 

(マジでこれからどうしていいかわからねぇ……)

 

彼女を自分のベットに寝かせてから、自分はソファに横になった。

 

(今日は色々ありすぎて疲れた……。これからの事は起きてからから考えよう……。)

 

坂本はまた現実逃避したくなった。

 

そんな事考えていたらいつしか眠りに着いてしまった。

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