愛する者よ、死に候らえんな。   作:hasegawa

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第十二殺、散花海峡

 

 

 ここは桑名の船場。

 

 伊賀鍔隠れ衆の5人は甲賀組に先回りすべく、ここから船を用いていく事となった。

 通称“七里の渡し“という航路。現在朧たちは、船上の人である。

 

「……海ですなぁ、天膳さま」

 

「……あぁ、海じゃなぁ陣五郎」

 

 腰に手を当て、なにやら感慨深いという風に海を見つめる二人。そしてそれは他の伊賀衆も同じである。眼をキラッキラさせていた。

 

 海の香り、波の音、海鳥の声。その全てを身体で感じ、魂を揺さぶられる想いだ。

 現在その瞳を塞がれている小四郎でさえも、なにやらワクワクと高ぶっているのが見て取れる。

 

「やはり殿方は皆、海という物がお好きに御座いまするか小四郎どの?」

 

「しかり。やはり男子に生まれたる者、海と聞き、心ときめかぬハズもなく」

 

「そうじゃぞ朱絹どの! 海じゃ! 海へと来たのじゃ!!

 叶うならばこの場で素っ裸となり、海へ飛び込んでしまいたい気持ちに御座るぞ!!」

 

 同じく腰に手を当て、ニッコニコしながら海を眺める小四郎と刑部。その微笑ましい男達の様子に苦笑を返す朱絹だが、自分とてその気持ちは分からないでもないのだ。

 その隣には潮風に身をさらし、波の音を聴く朧の姿。

 未だ思い悩み、塞ぎこんでいる事も多い彼女だが、この船旅が少しでも心の癒しとなってくれればと朱絹は願う。

 

「さぁ! 名残おしゅう御座るがそろそろ部屋の中へと参ろうかぃ!

 時はまだまだあり申す。今はしばし身体を休められよ、朧さま」

 

「……お、およよ」

 

 天膳と陣五郎に「ルンルン♪」と両手を引かれ、部屋へ案内されていく朧。まだもう少しここに居たいような様子であったのだが、おっさん二人のMAXテンションに戸惑い、押し切られる形で共に歩いていく。

 

「さぁて、行くとするか! それではの! 小四郎どの朱絹どの」

 

 大きく「ん~っ!」と背伸びをしてから、先んじて歩いていく刑部。その姿を見届け、朱絹たちも部屋へと向かう事とした。 

 

「では小四郎どの、お手を。船は危のぅ御座いますゆえ」

 

「かたじけのぅ。世話になり申す」

 

 目的地の“宮“までは、七里。

 今しばし皆と共に、この船旅を楽しもうと思う朱絹であった。

 

 

 

 

「………………………………ん? なにやら今、おかしゅう御座いませんでしたか?」

 

「……は?」

 

 

 

……………

…………………………

 

 

 

(“伊賀の七人“。……弦之介さまはわたくしも敵として数え……指を折っていなさる)

 

 

 船にある部屋のひとつ“銅の間“。

 そこでひとり、想いにふける朧。

 

(わたくしがそれと知った上で、罠にかけたと……。そうお思いなされたに、違いない)

 

 ちなみに、先ほどまでは仲間達と同じ部屋に居たのだが、一人になりたいと言い残してこちらの部屋へと移って来たのだ。

 

(そうでなかった事だけは、知って頂きたい。…………そして)

 

 自分は、弦之介の手によって斬られよう。

 改めてそう決意を固める朧ではあったのだが、心のどこかで、また別の事も考えていた。

 

(……と、言いますか。こうしてひとり考え事ができるというのも、

 ほんに良き物にございますね……)

 

 考え事をしたかったというのは本当だが、こちらの部屋へと移ってきた一番の理由……。

 それは船旅でテンションが上がった天膳と陣五郎が、いきなり半裸となって部屋で“つぃすたぁげぃむ“をおっぱじめたからだ。それを見ていられなかった為でもある。

 

「ゆくぞぉ! 陣五郎ー!」「おうよ! 天膳さまー!」と、くんずほぐれつ騒いでいた二人。

 ……いや、まぁ今わたくしの目は、塞がれておりますれども。

 声だけでも、たいへんに暑苦しかったのでございまする。

 

――――この目のおかげで、見ずともすんだ。 おっさん達の、気持ち悪い姿を。

 

 お婆さま、かたじけのぅございますれば。

 今は亡きお幻婆に向かい、「ナムナム……」と手を合わせる朧だった。

 

 そして思えば、こうしてひとり考え事をするのも、なにやら久しぶりだ。

 朱絹や小四郎たちには本当に感謝しているが、時に乙女にはこういった一人の時間も大切なのだと思いますれば。

 

 さて、この船上で目の塞がったままで出来る事と言ったなら、何がありましょうか?

 舞の稽古などをしたく存じますれど、この状況にてそれを致すには、少しばかり危のぅございましょう。

 ならばここはひとつ、この美声を磨いておくというのは、如何にございましょう?

 

 

『 さだめられたぁ~ん♪ なみーだぁーを~ぅ♪ 瞳の奥ぅ~♪ とじーてーも~ぅ♪ 』

 

 

 ……あぁ、ほんにこれは、良き歌にございまする。

 乙女のいとしさやら切なさやらが、沢山つまっておりますれば。弦之介さま。

 

『 あっなぁぁぁーーーたほぉぉ~~♪ まっぶ~~~ぅ♪ ……たがッッッ!! 』

 

 この「たがッ!」の部分にてスパッと止める事こそ、極意に御座いますれば。

 どうぞ皆様、覚えて帰って下さいまし。覚えて下さいまし。

 ……あぁ、聴いておられますか弦之介さま。とどけわたくしのこの想い。溢れんばかりのこの愛を。

 

 

『 あ! おーぼぉーえーてぇーるn

 

「――――朧さま、少しよろしゅう御座いますか?」

 

 

 朧は後ろに向かい、おもいっきりひっくり返った。

 

「………………て、天膳!? ななな、何用です!!」

 

「お楽しみの所、申し訳ござらぬ。されど是非、朧さまのお耳にお入れしたき事が

 御座いますれば」

 

 どれだけ狙いすましたタイミングで来るのですか天膳。悪魔なのですかお前は。

 急ぎ取り繕うも、全ては後の祭り。本当は今すぐ海にでも飛び込みたい心境ではあったものの、天膳の真剣な雰囲気を感じ取り、根性で姿勢を正す朧。

 

「……実は先ほど朱絹より、この船に甲賀の霞刑部(かすみぎょうぶ)が

 紛れ込んでいるやもしれぬとの話を聞き申した」

 

 その言葉に息を呑み、思わず身を固くする。

 甲賀の刺客が、自分を討ちにこの船まで乗り込んで来たのだ。

 

「朧さまがこの場におられるのは、きゃつも承知しておるハズ。

 このままでは御身が危険に晒され申す。

 そこで拙者、一計を案じ申した。――――おい陣五郎! 入ってまいれぃ!!」

 

 天膳の呼びかけに答え、肩を鳴らして入室する陣五郎。

 

「これより拙者と陣五郎、きゃつをおびき出す為、一芝居うつ所存に御座る。

 朧さまはそこにお座りのまま、どうかじっとしていて下され」

 

 

「はてな?」と首を傾げる朧に指示を出し、顔を見合わせ頷き合う天膳たち。

 その表情には気迫がみなぎり、強い意志が宿る。

 しからば我ら、鬼にも邪にもならん。

 

 

 これより伊賀鍔隠れ衆が演目『散花海峡』、開幕致し候――

 

 

 

 

……………

…………………………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『 ……い゛っや゛ぁ~~~~ん゛! ……た゛っめ゛ぇぇ~~~ん゛!! 』 

 

 

 

 部屋中に、悩ましい艶声が響く。

 

 

『 あ゛っはぁぁぁ~~ん゛……! う゛っふぅぅ~~~ん゛……!! 』(だみ声)

 

 

 現在天膳と陣五郎は、互いに正座をして向かい合い、“喘ぎ声を出していた“。

 

『 い゛っやぁぁ~~~ん゛……! は゛っかぁぁ~~~~ん゛……!! 』(低音)

 

『 う゛っふぅぅ~~~ん゛……! あ゛っはぁぁぁ~~ん゛……!! 』(だみ声)

 

 目を見開き、真顔で顔を突き合わせ、喘ぎ声を出すおっさん二人。

 その気迫によって眼は血走り、額に青筋が浮いている。地獄のような光景だ。

 

 

(……な、なんたる、……なんたる事をなさっているのだ! ……天膳さまっ!!)

 

『 た゛っめぇぇ~~~ん゛……! そ゛っこ゛ぉぉ~~~ん゛……!! 』

 

 

 人払いの為、部屋の出入り口に座らされていた小四郎。

 

(てっ…天膳さまは……我が主。 ……たとえこの口が裂けようとも、

 天膳さまに背く事など…………できぬ!)

 

『 い゛っやぁぁ~~~ん゛……! あ゛っはぁぁぁ~~ん゛……!! 』(低音)

 

『 あ゛っはぁぁぁ~~ん゛……! う゛っふぅぅ~~~ん゛……!! 』(だみ声)

 

 ちなみに部屋の中にいた朧は、ガタガタと身を震わせて怯えている。

 いくら目が塞がっているとはいえ、敵をおびき出す為の演技とはいえ。

 この地獄のような光景は、乙女の心に消えないトラウマを作った。

 

(そ、それをこのような……、無残な振る舞いをなされてまで……)

 

『 は゛っかぁぁ~~~ん゛……! た゛っめぇぇ~~~ん゛……!! 』(低音)

 

『 う゛っふぅぅ~~~ん゛……! お゛っふぅぅ~~~ん゛……!! 』(だみ声)

 

 おっさん二人の、演技に賭ける熱い情熱。

 その想いは日本海を駆け巡り、五大陸を震撼させる。

 

 

( ……おやめくださいませ! 天膳さまッ! 伊賀の恥に御座いまするぞッッ!! )

 

『 あ゛っはぁぁぁ~~ん゛……!  そ゛っこ゛ぉぉ~~~ん゛……!! 』

 

 

 

 

 楽しかったハズの船旅は、一転して地獄と化す。

 

 この筆舌に尽くしがたい惨状は、見かねた刑部が天膳をぶん殴り、陣五郎を海へと放り込むまで続いた。

 

 

……………

…………………………

 

 

 

『――――え~っとですな……、大丈夫に御座るか? 朧さま』

 

 

 騒がしかった音が止み、耳を塞いでいた手をようやく下ろした朧。

 その傍に立ち、彼女に語りかける者がいた。

 

「…………霞、……刑部どの?」

 

『――しかり。拙者、甲賀卍谷衆が一人、霞に御座る。

 先日といい、此度といい……怖がらせてしもうて申し訳御座らぬ』

 

 刑部は極力優しい声で、朧へと語り掛ける。それに対し状況が呑み込めず、ただただ困惑する朧。

 

『これから拙者、ちと伊賀の者達と忍法比べなどを致しますゆえ。

 朧さまはここに隠れておって下され。外に出れば、なにかと危のぅ御座いますゆえな』

 

 そう伝え、ゆっくり出入り口へと歩いていく刑部。

 その声はどこか朧の身を案じ、心から労わっているかのようだった。

 それが一体何故なのかが、朧には全くわからない。

 

「……刑部どのは、何故ゆえ………何故ゆえわたくしを、討たぬのですか……?」

 

 遠ざかっていく足音に向け、追いすがるようにして声をかける。

 刑部が足を止め、こちらへと振り向いてくれた気配が分かった。

 

 

『――朧さまと立ち合うは、この刑部の役目に非ず。

 それは甲賀卍谷衆頭領……、甲賀弦之介さまのお役目なれば――』

 

「……ッ!?」

 

 

 その一言に、心臓が止まりそうになった。

 呼吸をする事も忘れたまま、朧は刑部の言葉に意識を奪われている。

 

『――お気張りなされぃ、朧さま。 貴方様のお力、信じており申す。

 ……っと、こんな事を言うは、ちと反則じゃったな』

 

 再び背を向け、今度こそ霞刑部が去っていく。

 もう言葉を発する事も出来ず、ただ見送る事しか出来ずにいた。

 

 

 さって……憶えておいでかな朧さま? “かくれんぼ“じゃ。

 生まれてこのかた拙者、かくれんぼで後れを取った事は御座いませぬぞ。

 

 

 

……………

…………………………

 

 

 

「 陣五郎が死んだ!! 」

 

「 このひとでなしっ!! 」

 

 

 表に出るなり、伊賀の二人から罵倒される刑部。

 

「なんと酷い事をするんじゃお主は! 人を海に放り込むとは!!」

 

「貴方には人の心が無いので御座いまするか?!

 いくら陣五郎どのが気持ち悪いおっさんとはいえ、やって良い事と悪い事がありまする!!」

 

「あんなナメクジみたいなモンでも、伊賀の忍じゃ! 人間やっとったんじゃ!!」

 

 もう天膳も朱絹も激おこでプンプンしている。怒りに我を忘れてか、酷い事を言っている気がせん事もない。

 ……まぁ実は陣五郎は、今もしっかり生きてたりするのだが。塩に溶ける身体とはいえ、ねお伊賀忍術に死角は無い。

 

 余談にはなるが、ドラゴンクエストに登場する敵“おおなめくじ“。それとまったくグラフィックを同じくする色違いの強化版に“ウミウシ“という敵がいる。

 そしてそのウミウシの生息地は、海だ。おおなめくじの強化版の敵は、海に住んでいるのだ。

 

――――ならば伊賀忍法の強化版である“ねお伊賀忍法“、それを操る陣五郎が海で死ぬ道理など微塵もない。ないったらないのだ。

 

 残念な事に此処で陣五郎は脱落となるが、今も彼は本土に向かい、頑張ってウネウネと泳いでいる事だろう。

 『さらば陣五郎! 漢の涙は一度だけ!!』である。 彼の出番は、だいたいこれで終わりだ。

 

 

「知ったことか伊賀虫どもめが! さぁ忍法勝負の始まりじゃ!

 朧さまにも夕暮れ時まで見つからなんだこのワシを、

 捕まえられるモンなら、捕まえてみせぇい!!」

 

 そう言い放つと同時に、「ヌヌヌ……!!」と床板に身体を同化させていく刑部。急ぎその場へと駆け寄った天膳が刀を振るうが、すでに刑部の姿は無い。

 

「どぉこ行きおったこのタコ入道めが! 姿を見せんかいっ!!」

 

「……あれからその呼び名が流行っておったんかぃ。

 まぁええわ天膳! こっちを見てみんかい!!」

 

 急ぎ声のする方へと向き直る天膳だが、そこに刑部の姿は無い。あるのはなにやらニヤニヤと笑う朱絹の姿だけだ。

 

「お、おらぬ! 刑部の姿が見えぬ!!」

 

「どこを見ておるんじゃ馬鹿者め! わしはここじゃ! ここにおる!!」

 

「!?!?」

 

 刑部のその声はやはり、朱絹の方から聞こえてくる。

 いや、“朱絹が刑部の声で語り掛けてくる“。

 驚いていられたのも束の間。突如襲い掛かってきた朱絹の拳により、天膳の首がポッキリといった。

 

「……な、なんと! これは一体どういう事じゃ刑部!!」

 

「ワシが一体化出来るのは、なにも壁や地面だけではないぞ!

 朱絹とかいう女の身体、この霞刑部が乗っ取ったぁーっ!!」

 

 即座に死から復活し、首をゴキッと元に戻す天膳。

 朱絹は現在、腰を微妙に落とした姿勢から、股間のVラインにそって手をシュッシュッとやっている。いわゆる現代における“コマネチ!“というヤツだ。

 

「……ひ、卑怯なり霞刑部! 朱絹の身体で……、お主ッ!!」

 

「おや~まゆ~えんt…………さぁさぁ捕まえてみんかい薬師寺天膳!

 出来るものならなぁ!!」

 

 両の親指を鼻の穴につっこみ、そのままユラユラと手をグッパーグッパーしていた朱絹(刑部)が「ヒャッハー!」とばかりに元気に逃げ去っていく。人権の蹂躙だ。

 急ぎ天膳が追いかけると、ちょうど建物の角を曲がった所に倒れている朱絹を発見。そしてそのすぐ傍には現代における“トカゲのおっさん“的な踊りを踊っている小四郎の姿。もうやりたい放題だ。

 

「……ぬぅっ! 許せ小四郎っ、ぬぅえぇぇーーーいッッ!!」

 

「あまいわ薬師寺よ! キィエェェーーーイッッ!!」

 

 ダッシュから勢いを付けて殴り飛ばそうとするも、即座に身を屈めてそれをやり過ごす小四郎(刑部)。次の瞬間には刑部が小四郎の身体を捨て、“天膳の身体へと乗り移った“  

 

「……はっ!? 俺はいったい何を?!」

 

「小四郎どの! そやつが刑部です! そやつ、天膳さまの身体をっ!!」

 

「ふぅははははは!! やった! やったぞ伊賀虫ども! 天膳の身体を乗っ取ってやったわ!!」

 

 正気を取り戻した小四郎。駆けつけてきた朱絹。

 そして伊賀のリーダー的存在である天膳の身体を乗っ取った事により勝利を確信した刑部。

 現代における“そんなの関係ねぇ!!“の踊りで喜びを表現する。ちゃんと“うぇ~い“と相手を煽る事も忘れない。

 

 

『 さぁさぁお主ら! 殴れるモンなら殴ってみんかぃ! 斬れるなら斬ってみぃ!!

  この薬師寺天膳のお身体が、どうなっても良いと言うのならなぁーーッッ!!!! 』

 

 

「…………」

 

「…………」

 

 ……そして言うまでもない事だが、それは本当に『どうなっても良かったので』

 とりあえず天膳の身体ごと、ザックンザックンと斬りまくる二人。

 いやまぁ……、死んでも生き返りますゆえ?

 

 結局の所「こりゃたまらん」と天膳の身体より逃げ出した刑部。

 人の身体は諦めて壁板へと潜ろうとした所に朱絹の“血煙忍法“を喰らい、その身体を赤くペイントされてしまう。

 そして壁に隠れた甲斐もなく、そこを天膳に「グゥサー!」っとやられ、あえなく御用となる。

 伊賀の業物“刺そうとすると刃が引っ込む刀“なので死ぬ事はなかったが、これにて刑部は無事脱落となった。

 

 

(霞刑部、これにてお主は“死“じゃ。

 ……ってなんじゃお主……えらく腹の立つポーズをしおってからに……)

 

 

 いつもの如く忍法てれぱしぃの術にて遺言でも聞こうと思った天膳だったが、何故か舟板に血で滲む刑部の姿が、現代における“アへ顔ダブルピース“のポーズをしていたので、イラッときて止めた。

 

 敵ながら恐ろしいヤツだったし、拭い切れない伊賀への恨みとかもあったのやもしれんが……、

コイツとは一生、分かり合う事は出来ないのだろう。天膳は思う。

 とりあえずこのアへ顔ダブルピース舟板は、切り取って甲賀者どもに送り付けてやる事とした。

 

 

 

 

――――朧さま、お気張りなされ。 貴方ならばきっと、やり遂げる事が出来申す。

 

 

 

 そう願いながら、舟板の中で波に揺られる刑部。

 

 ちなみに刑部のアへダブピース舟板を発見した甲賀卍谷衆たちは、イラッとしたので、そのまま川へと流した。

 

 

 

 


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