Hiーガンダムに搭載されたライザーソードは、厳密にはオリジナルであるダブルオーライザーに装備されたものとは異なる。
全長1万㎞までのビームサーベルを発振する事が出来るオリジナルに対してHiーガンダムの物は射程50m程の極めて限定的な距離でしか振るえず、言ってしまえば威力の高いビームサーベルの域を出ない。しかし射程を引き換えに1度発振してしまえば斬りつける角度の変更や緩急など細かな調整が出来る為、ビーム主体と
範囲はアルヴァアロンキャノンに
────だからだろう。
長槍とテールブレードで粒子の
「がぁッッ……!!?」
『リュウさんっ!? ──くぅっ!!』
武装、半
────本体、
「このッ、化け……ッッ物がぁ!!」
リュウの叫びと同時、エリゴスが長槍を構える。
トランザムが、ここで切れた……!
リュウの身体を扱う少女が即座に操作を切り替えてGNフィールドでの防御を選択、残る1基のバインダーをディフェンスモードへ変更し高密度の粒子の壁が形成される。
やがてエリゴスの携えた槍が指先で1回転し、槍投げを行う選手の予備動作のよう挙動した。
突き刺すような刺突、しかしその手の中に長槍はリュウの目では確認できない。
「────ッッ!? 槍が、消えっ」
直後、爆撃に晒されたと思える衝撃がコクピットを襲う。
恐怖で片目を
※※※※※※
荒い息を吐く声がコクピットに反響して、肩が不規則に大きく上下を続ける。耳につく呼吸の音が自分から発せられてる物だと気付いたのはつい今しがたで、抑えようと口に手を当てるも電脳世界では意味を成さない。
死ぬのか。
死ぬって、なんだ?
顔を
どうしてこんな事になったのか。涙で
────先程槍の一撃を貰いHiーガンダムはデブリ帯の中で主機を落として隠れていた。
熱源探知に掛かることもなく、レーダーによる索敵もこのデブリの数では見分けるのは不可能だろう。そう言った少女の言葉を二の次もなく呑み込み、事の行き先も見えず息を潜めていた。
『…………ごめんなさい』
『私の、…………わた、しのっ……』
声だけが意識に響く。
1つ深く息を吐いた気配を感じ、意を決したような声がか細くも通る。
『今まで、私はリュウさん────をッッ!? かはっ……!? ぁあ…………?』
しかし、切り出した声は
『こんな事も、言わせて貰えないのですかっ…………! ごめんなさい。ごめんなさいっ、リュウさん…………!』
悲痛を圧し殺し、それでも
胸に覚えた感情は
最期の時までリュウ・タチバナという人間は
──こんな。
────こんな思いをするのなら。
『多くは話せないですがっ、私は、わたしはリュウさんの事を…………!』
──────ナナの事なんて助けるんじゃなかった。
『ほんとうにっ……! 大切な人だと思っていましたっ…………!!』
突如、正面モニタがぶつりと切れた。
モニタだけではない、リュウが視認している世界が急激な速度で黒に閉ざされつつある。何故と思う前に
────黄金色の槍、その先端。
リュウの身体を真後ろから突き刺しているこの槍はHiーガンダムの背後にある小隕石ごと貫いていた。
どうして場所がバレたのか、このまま目を閉じたらどうなるのか。それらの困惑が眠りに落ちる前の