ガンダムビルドアウターズ   作:ク ル ル

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4章22話『“エルオーネ”』

『アデル、どうしてあのお兄さんの事逃がしたの? 途中で来た“アイツ”、あれ絶対(かぎ)だったよ』

 

 大小2つの影が学園都市の闇を駆け抜ける。

 入り組んだ小道に路地裏。ゴミ箱の上で寝そべる猫がその影を見送る。

 “学園都市第1学区”の摩天楼(まてんろう)の元、少年と少女はまるで昔から慣れ親しんだ道を行くよう狭い道を()って走り、その目には迷いが見当たらない。

 

「奴はいつでも潰せる、泳がしたところで脅威(きょうい)にはならない」

 

「へぇ~~」

 

 駆ける少女の金髪が揺れて顔に掛かり、その奥の瞳がにやりと光る。

 

「初撃、危なかったね?」

 

「何が言いたい」

 

 男の、アデルの刺すような横目に肩をすくませて少女は含んだ笑みのままに続けた。

 

「あのビームは既存(きぞん)のガンプラの物じゃなくて、作った人間の創意工夫に凝られたビームだったよ。あんな出力のプラフスキー粒子を発したのに……Hi-ガンダムだっけ? 元気に動いてたよね」

 

「……機体にファイターが付いてこれていなかった。ガンプラが不憫だな」

 

「めずらしっ! アデルが誉めた! …………あ~ちょっと! 速度を早めるな! 少女だよ女の子だよっ!? 少しは気遣いを覚えてよ!」

 

「次の道はどっちだ」

 

()()()()()。この道から入れば監視カメラの死角になってる。もうここを越えれば到着だよ。アデル、おんぶ」

 

 曲がった角の向こう、見える景色は突き当たりでおおよそ道と呼べるものは存在していない。

 袋小路はコンクリートの壁で囲われており、しかしアデルは走る速度を(なお)も上げる。

 その背中にぴょん、と少女がしがみつきアデルの肩から再び壁を(いぶか)しげに見上げた。5メートル程の壁を前にして速さを緩めないアデルに少女の顔が(わず)かに引き()る。

 

「これ、行けるの?」

 

「背中の重りが無いなら行けるな」

 

「重くないですけどっ!!?」

 

「少し黙って、──ろッ!」

 

 激突もかくやという速度で壁へ向かって走り、跳躍(ちょうやく)。慣性も合わさって壁の半ばまで跳び、重力に引きずられる前に側面の壁へ更に跳躍、跳躍。

 (またた)く間に壁の頂点に手を掛け、少女を背に抱えたまま一息に登りあげる。

 三日月に晒される顔の、変わらぬ冷たい面持ち。

 夜風が吹き抜けると同時、少女を置いてアデルが下へと降りる。その距離もまた5メートル程か。

 

「早くしろ」

 

「絶対見えるじゃんこれ……」

 

「先に行くぞ」

 

「鬼畜かッッ!! ……あぁもう~。ちゃんと下で支えて──ねっ!」

 

 両手でぎゅっとスカートの(すそ)を掴み、数度の躊躇(ためら)いを経て少女も跳躍(ジャンプ)

 身体の内容物が裏返っているかのような錯覚に目も思いきり(つむ)って、下のアデルを信じて落下をやり過ごす。

 

「ぐぇっ!!?」

 

「このまま真っ直ぐか?」

 

「何だろ、お姫様抱っことか少しでも期待したあたしが馬鹿だったよ」

 

 落下中に体勢が崩れた少女はうつ伏せの状態で地面に迫り、それを脇に抱え込む形で強引に衝撃を殺す。そして急に腕から解放された少女はコンクリートの地面にそのまま落ちて軽く腹を打ち、涙目でアデルを睨んだ。

 

「……()()の身体はそんなにヤワじゃない」

 

 その視線を。

 ()め果てた瞳はどこか遠くを見詰め、月明かりに認識標(ドッグタグ)が閃いた。

 釣られるように少女もまた視線を虚空へと投げて1歩アデルに寄り添う。

 

「ここが()()のある場所。────あたし達の旅はこれで終わり」

 

※※※※※※

 

 一際高い、豪奢(ごうしゃ)なビルだ。

 春に建設された学園都市は建てられた建築物のどれもが未だ新品の輝きを放っているが、そのビルは段違いな程の威容(いよう)を誇示するよう夜闇に尚(そび)えている。

 庭師が毎日手入れしているのであろう切り揃えられた木々に、(ちり)の1つさえ見当たらない星明かりを仄かに反射するコンクリートの地面。正面入り口は王墓(おうぼ)への階段を思わせる横に広い階段を上らねば入れない造りで、巨大な外見の反面入り口の幅は人が3人通って(なお)狭い。

 学園都市内では自然環境保護を(うた)うその都合上、深夜にはほぼ全ての建物が明かりを消して、山岳地帯特有の()んだ夜空の光が地面を返って下からビルを照らしていた。

 

 ────“学園都市中央ビル”。

 

 その階段前、少年と少女はじっと入り口を見据(みす)える。

 

『────いやはや、長旅ご苦労様。遠い異国から良く来てくれた』

 

 乾いた拍手が静まり返った夜に響き、その中性的な声がやけに耳に付いた。

 

『そして、良く生き延びて僕の元へ来てくれた。“エルオーネ”』

 

 見下ろすように。

 見上げた階段の先、少女とさして変わらない身長の少年が歓迎(かんげい)の言葉を告げる。

 烏木(からす)の髪に真紅の瞳。その瞳に真っ直ぐ少女が問うた。

 

「聞くまでも無いけど、どうしてあたしを呼び続けたの」

 

「失敗作だろうとその健気さに免じて答えてあげるよ。────君の因子が欲しいんだ、エルオーネ。いや、“エルオーネ機関”の生き残り、名も無き可愛い妹よ」

 

 くつくつと、喉の奥で笑う少年は道化じみた口調と動きで階段を下りながら続ける。

 

因子(いんし)を引き渡す唯一(ゆいいつ)の方法が学園都市での“ガンプラバトル”。君は僕と戦って、そして負けて欲しいんだよ」

 

「……ふ~~ん、大体分かった。あたしはもういいや。アデルも何かアイツに聞きたいことあるんでしょ? 聞いちゃいなよ」

 

 突然話の流れを切られた少年が一瞬動きを止める。

 視線で促されたアデルが冷利(れいり)()がれた視線で睨み、前に出た。

 

「──1つ、聞きたいことがある」

 

「何だお前。邪魔だよ、兄妹の会話に入ってくるなよ」

 

「────ガンプラ……、ガンプラバトルは好きか?」

 

「………………は?」

 

「ガンプラバトルを、愛しているか?」

 

 静寂(せいじゃく)が満ちる。

 少年は足を下の段に掛けたままの姿勢で止まり、吹き出しが1つ口から漏れた。

 

「ぷっ、あはははははっ!! も、もしかしてアレかお前! ガンプラビルダーか!?? 何? 本当にガンプラが好きなタイプの人間か!? あはははっ! エルオーネも面白い人間を接続者(コネクター)に選んだねっ!」

 

 破顔し、そのままよろけるように体勢を崩して立ち留まる。

 ひとしきり笑い終えた後、痙攣(けいれん)を数度繰り返してようやく瞳がアデルと相対した。

 

「笑い殺す気かよっ、ははっ。何だっけ? 僕がガンプラバトルを好きかどうかだっけ?」

 

「そうだ」

 

「ハッ、だぁい好きだよ。僕を“完全“へと至らしてくれるガンプラバトルには感謝しているに決まっているじゃないか! ……けどね、それと、フヒッ……、それと……」

 

「…………」

 

「────負けた時のさァ!! 人間達の顔ッッ!! あれが(たま)らないんだよねェッッ!! ガンダムとかいう知識が無い僕に負ける奴等の顔! 自信満々にガンプラを語るアイツらがっ、ガンプラに対してなんっにも思い入れの無い僕に負けてるって事実!! 笑っちゃうよねェ! そんな楽しみを与えてくれるガンプラバトルを、僕がッ! 嫌いな訳ないだろぉ!!?」

 

「……もう1つ聞きたい。お前は、この学園都市においてどういう存在だ」

 

()べる存在さ。あと半年程で世界が僕に平服する。全能そのものに僕は()るんだよ」

 

「そうか」

 

 短く切ったアデルの言葉に少年が目を(かす)かに開く。

 しゃら、とチェーンで繋がれた認識標(ドッグタグ)を握り、アデルの耳に掛けられたアウターギアが燐光(りんこう)を示した。

 

「……お前が求めた物は、どうやら日本にすら無さそうだ」

 

 自らに言い聞かせるような声音で呟いて両手が中空へ(かざ)された。

 アデルが認識したファイターは少年1人。その間に緑光に煌めく粒子が地面からふわりと湧いて満ちていく。

 

「お前は、ここで倒す」

 

「────あのさァ、さっきから生意気なんだよ、お前」

 

 少年が片手を上に揚げた瞬間、ビルの入り口付近で()()が光ったのはほぼ同時。

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「アデルっっ!!?」

 

「暴徒鎮圧用のライオット弾さ。威力は成人男性の拳1発分程度はあるらしいけど、何。命に別状は無いさ」

 

 ツカツカと少年の階段を下りる音も少女には聞こえていない。

 倒れたアデルに駆け寄る様子を見、愉悦(ゆえつ)の笑みが少年の顔に浮かび上がった。

 

「殺す訳じゃないから安心してよ。──ただまァ? ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。このビルの入り口には僕直属の部隊が君達を狙っているから、僕の機嫌は損ねない方が良いよ」

 

「アデルっ!? 大丈夫アデル!!?」

 

「この程度、問題ない」

 

「まっ、もう遅いんだけどね」

 

 立ち上がろうとしたアデルの(ひたい)に再びライオット弾による狙撃が直撃する。

 2転3転と地面を転がり、それでもアデルは膝に手をついて少年を睨んだ。

 当たり方が悪かったのか、被弾した箇所の皮膚が割れ一筋の血が伝うその光景に少年は愉快そうな表情と拍手を(もっ)賛辞(さんじ)を送る。

 

「凄いなァ! まだ立ち上がるんだ! いいね、そこらへんにいるガンプラファイターはもう根をあげて僕に降伏するんだけど、まだそんな目で睨めるのか!」

 

「……れと、…………うの……い、のか」

 

「どうしたァ! 何言ってるのか分ッかんないなァ! ハッハハァ!」

 

 乾いた炸裂音が少年の動作と共に響いて、立ち上がったアデルの胸部をライオット弾が捉えた。

 衝撃を声1つ上げずに耐えてその場で踏み留まり、少年がにやりと口角を吊り上げ手を下げる。

 ライオット弾のよる狙撃は痛みで気絶すら有り得る代物だ。それを数発浴びてもまだ耐え、その上反逆(はんぎゃく)に燃える目で見返すアデルの胆力に少年が優しげな口調で問い掛けた。

 

「分かった分かった。ほら、言いたいことがあるんだろう? 言ってみろって、僕に」

 

「俺と、……戦うのが、怖いのか?」

 

「今ならまだその生意気な物言いを許してあげるよ。無条件で僕に降伏すると言え。そうすれば痛み無く君から因子を抜き取ってあげよう」

 

「…………お前は感謝した方が良い」

 

「何を? 何にさ」

 

 傍らの少女を支えにしてよろめきのなか何とか立ち、アデルは胸の認識票(ドッグタグ)を握り締める。

 無表情じみたその表情に、初めて不敵を(うかが)わせる笑みが浮かんだ。

 

「……ガンプラやガンプラバトルってのは、お前みたいなクズでも受け入れてくれるって事実にだ」

 

「もういい。────いたぶった末に恐怖暗示を掛けて電脳世界(アウター)で殺してやろうッ!!」

 

 少年が片手を大きく挙げる動作にビルの入り口で(にび)色が無数に光る。

 その数は10で収まる物ではなく、アレを喰らえばアデルはもう立ち上がることは無いと少女は咄嗟(とっさ)(さと)った。

 

「アデルっ!!」

 

「っ?」

 

 自分に出来る事は。

 そう考える前に身体をアデルの前へ(さら)していた事実に、少女は自分で自分の行為に笑った。

 

 無数の炸裂音が響く。

 

 そんな音も耳に入らない程、少女──エルはアデルの驚いた顔を見て少しだけ満足した。

 ……案外。

 

「へぇ~、なんだ。そんな顔もするんだね」

 

「……お前は」

 

 スローモーションで流れる世界。

 不吉な風切り音が意識に入り、幾多(いくた)の弾頭がエル諸共(もろとも)アデルを狙う。

 回避は不可能。絶必(ぜっひつ)の弾幕。

 2人の身体に着弾する、その刹那。

 

 

 

『────ガンプラバトルの匂いに釣られて来てみれば、どうやら私の出番らしいな。…………はぁッ!!』

 

 

 

 がうん! と暴風じみた風圧がエルとアデル2人の前で吹き(すさ)び、ライオット弾の全てが手前で弾き飛ばされる。

 大きな背だった。

 手にする()()のコートは反射する星光に黒く(つや)めいて、脱ぎ去った上体はシャツの上からでも一目で分かる筋骨隆々(きんこつりゅうりゅう)とした身体を意図せず周囲に誇示(こじ)をする。

 収まりつつある風圧に特徴的な銀髪が揺れて、その奥に見える青瞳(せきとう)が2人と交錯(こうさく)した。

 

「また会ったな少年達。後は私に任せろ」

 

「お前、あの時の軍人……」

 

「駐車場に居たおじさん!」

 

 エルの言葉を受けて(わず)かに軍人──ヴィルフリートが頬を緩ませる。

 

「その節はバトルを断って済まなかった。……さて」

 

 強めた視線の先、ヴィルフリートと少年の視線が静かにぶつかる。

 ……知らない顔だが、()()()()()()()()()()()()()()()()

 青瞳で睨んだ瞬間、少年がこちらへ向けたのは明らかな敵意と執着だった。

 少年の手が勢い良く掲げられる。

 

「撃てェ! 奴を撃てェッ!! 2度も僕の前に現れやがって……! 奴を倒した奴には褒美(ほうび)を与えるッッ!! 撃てッッ!!」

 

 怒号と共に空気の破裂する音が無数に重なり、人の動体視力ではまず視認が出来ない弾丸の雨がヴィルフリート目掛けて放たれる。

 その弾丸の土砂降りに軍服を握る手がギチリ、と(きし)みを上げた。

 

「はァ────ッッ!!」

 

 がうん! がうん! と二合三号に振り抜かれた軍服がゴム製であるライオット弾を絡めとっては弾いて、その猛烈(もうれつ)な風圧に後ろに控えるアデルとエルが思わず目を瞑る。

 やがてリロードの為か銃声は止み、それでも変わらず直立する巨躰(きょく)に少年は舌を打つ。

 

「防弾製のコートか、小賢(こざか)しいッ……!」

 

「私の物は防刃製も高い。……これも愛する国民の血税による物だ、何度感謝しようとも足りないな全く。────む?」

 

 炸裂音がヴィルフリートの意識の隙間に遅れて聞こえる。

 どうやら既に装填(そうてん)を終えた者が機会を(うかが)って仕掛けたらしい。

 致命的に遅れた反応。コートを振り抜いてその無防備な半身に吸い込まれる弾丸に、少年の顔が凄絶(せいぜつ)と笑う。

 …………だが。

 

「────この程度の弾速、ダインスレイヴより(はる)かに遅い」

 

「なッ……!? 手で掴みとって……!?」

 

「余りガンプラファイターを舐めない方が良い。常日頃ヤスリ掛けで鍛えた握力を(もっ)てすれば飛んでくる弾丸を掴みとる事は容易(たやす)いさ」

 

 青瞳が後ろの2人へ向き、未だ膝に手をつくアデルと傍らで支えているエルへ視線が交わる。

 その意図を察したエルが浅く(うなず)き返す中、ビルの入り口からざぁっと影が(うごめ)いた。

 10は優に越えるその影。光を反射しない黒の装備に身を包み、手にするのは長身の銃。その全てがヴィルフリートへと照準を定めており、少年の嘲笑が一層響く。

 

「ハッ! だったらこれでどうだァ! ライフルによる一斉掃射、アサルトライフルの威力とはワケが違うぞッ! その()ました態度、僕にひざまつかせて更正させてやるッッ!!」

 

「武力の誇示の為に控えさせていた分隊を前に出すか。どうやら指揮を()る力は見た目相応らしい」

 

 対して聞こえたのは冷然(れいぜん)だ。その言葉に少年の勝ち誇った笑みが見る見るうちに激昂(げっこう)へ変わると同時、分隊中央で照準を定めていた分隊長の悲鳴が短く上がった。

 射撃許可の下りていない隊員がスコープを覗けば、ヴィルフリートの手には先程まで指で弄んでいたゴム弾が見当たらず、代わりに見えたのは無防備に(たたず)む姿勢の中で羅漢銭(らかんせん)──指弾の構えを取っているその姿だ。

 こちらに気取られまいと無力を演出し反撃を狙うその知略、噂通りの化け物だ。

 ドイツの軍神、元特殊部隊所属……! 

 

「ヴィル、フリート・アナーシュタイン…………!」

 

 思わず(こぼ)れた(うめ)きにも近い言葉に、到底(とうてい)聞こえる(はず)の無い距離の鉄面皮(てつめんび)に笑みが薄く走り()()()()()()()()()()()()()()()

 その猛禽(もうきん)類を思わせる鋭い眼差しに小さく悲鳴が漏れ、その不安が周囲の隊員にも伝播(でんぱ)した、丁度その頃合いに。

 

「逃げるぞ少年達ッッ!」

 

「ほいさっ! アデル、走れる!?」

 

「お前が背中に乗りさえしなければいける」

 

「待って!? そのあたしが重い設定なんなのっ!?」

 

 一目散(いちもくさん)に背を向ける一行(いっこう)へ少年が射撃許可の叫びを上げるが、(あらかじ)め逃走の口裏を合わしていた彼らに、不安で駆られたなか命じられた射撃は命中せずにコンクリートへ弾かれ、運良く命中の軌道を描いた弾丸も殿(しんがり)を務めるヴィルフリートのコートに防がれる。

 ビル正面のフェンスを乗り越えた影は角を曲がり、既にライフルでは手が届かない。

 少年が1つ、長く息を吐く。

 

「おい、そこのお前。初めに声を上げたお前だ」

 

「はっ」

 

 呼ばれ、隊員が少年の前に膝を付ける。

 肩に掛けられたアサルトライフルを(うなが)され渡すと、唐突(とうとつ)眉間(みけん)へ当てられた感触に隊員は理解が遅れ、そのまま聞こえた炸裂音が意識の最期だ。

 その行為を眺めていた隊員達が息を飲み、少年がアサルトライフルを無造作に投げ捨てる。

 

「なんだ。こいつの威力が低いワケじゃないんだ。……アデルか。あの眼、覚えたよ。…………何を呆けているんだ? ────早く追え。奴等をガンプラバトルで拘束しろ」

 

『『はっ!!』』

 

 命令に次々と両手をかざし、ガンプラバトルシステムのナノチップが埋め込まれた地面が(ほの)光る。

 

「ガンプラで追跡し位置情報から逆算して先回りしろ。猟犬部隊(ハウンド・ドッグ)

 

 そう命ずる意識の(すみ)、妙だなと()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()が目に入るも、少年の意識は即座に復讐の色へと染まっていった。

 

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