1対1のガンプラバトルにおいて選ばれる
ガンダムシリーズに登場したステージや各種媒体で人気なステージのオマージュが多数ある中、ここ──水晶宙域はガンプラバトルオリジナルの
無重力の設定が為されているこのステージは鈍い白色が基調とされて、天上に位置する光球が辺りに浮遊する大小様々な結晶を照らしており、色鮮やかな結晶が360度に点在している幻想的なステージだ。
『不意打ちを仕掛けない魂胆は正々堂々を謳うから? それとも傲慢からかしら?』
「どれも違うな。俺達が勝つ為だ」
結晶を隔てて向かい合う中、Hi-ガンダムとは真逆の色の、真紅の機体を外観から分析する。
ビルドエピオン。ガンダムエピオンをガンダムエピオンのパーツを使わずに他ガンプラを使用して作られた
全身の各所に備わるクリアパーツは高純度のプラフスキー粒子を生成し、一部エネルギーにはGN粒子が使用されておりビルドの名を冠する機体に相応しく粒子を利用した予測困難な兵装を数多く備えている。
「ひとつ良いか北条院」
『えぇ、どうぞ』
「どうして俺とナナなんだ? 確かに転校生としてナナは目立ったかも知れないが、それ以上に強い人間は萌煌には大勢いる、なのに何でだ?」
『そうですわね……、それについては勝負が終わったらお教え致しますわ』
「そうか。じゃいつでも良いぜ」
『先程から思っていたのですけれど』
ビルドエピオンが不意に左手を天へ翳す。指先まで柔軟に動くフレームから窺える機体の完成度にリュウは内心驚きつつも操縦桿を握る力を緩めない。
『──やはり先程から傲慢が見えましてよ』
不敬と断ずる少女の声と機体の開いた掌がグッと閉じられるのは同時だった。
その瞬間、仄かな緑色の閃光がビルドエピオンから放たれたかと思うと、
「ッッ!!」
周囲に漂う結晶が悉く両断された。
迫る脅威の予感に弾かれるまま武装スロットを展開、GNザンブラスターに備わるGNドライヴが高出力となってGNフィールドを刀身へと纏わせる。
それを機体を回転させ遠心力のまま振り抜くと緑光の壁が機体の前面に形成され、結晶を寸断した正体が露わとなった。
空間に煌めく緑の、GNザンブラスターから発生しているものと同様の輝きを放つ刃。
GNソードビット。
計4基青のクリアパーツが防御に使用された防壁を今にも食い破ろうと刀身をH i-sガンダムへと向け、それでもその切っ先が届く事は無い。
「傲慢はどっちの台詞だぁ北条院……」
『ッッ!?』
実体剣であるGNソードビット、本来相性不利な筈の防壁が破られることは無く回収の操作すら受け付けない。
正面モニタからその様子を視認して、北条院ネネの胸中には1つの震えと共に喜びにも似た感情が表情を通して芽生えた。
──―対策、されている……!
「俺を仕留めるんだったら四方からの攻撃にするべきだった、けどお前は俺を侮り高速のビットで試合を決めようとした。──北条院ネネ、お前が格下相手に行う常套手段の1つだ」
『防いだのは見事。でもそれで? 防御の1つでそこまで勝ち気になれるのはある意味尊敬致しますけれど』
「だったら教えてやるよ、ビルドエピオンに近付く為の障害が」
ツインドライヴシステムが奏でる独特の粒子排出音。GNザンブラスターが一際強く輝きを放って。
北条院ネネが敵機の次の挙動を思考している只中だ。
「消えたって事だよッ!」
──!?
突如として近接戦闘の距離に現れるH i−sガンダム、予備動作は無かった。
反応に弾かれるまま武装スロットを展開しヒートロッドが横一文字に薙ぎ払われ、赤熱した鞭状のそれがザンブラスターを絡みとる。
『捉えましたわ! 先程の防御も今しがたの高速接近もこの武器に搭載された太陽炉からのもの!! 考えましたわね、ツインドライヴの片方を武器へと回すことで攻撃力を跳ね上げることが出来るそのミキシングッッ!! けれど、このヒートロッドの前では……ッッ!!』
出力最大。
赤熱から真白の色へとヒートロッドが変色し、周辺の空間すら歪む高温が2機を包む。
『爆ぜて散りなさい!!』
「ライザー、ソードッッ!!」
ザンブラスターの峰、斬撃時の推力補佐の為の粒子噴出口から白桃色の粒子が瞬く間に刀身を覆ってヒートロッドの熱に対抗する。
粒子と粒子が削り合う摩擦音はチェンソーの音の様で、火花とビームの残滓が刃を中心に2基へと降り注いだ。