ガンダムビルドアウターズ   作:ク ル ル

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7章3話『企業バラム』

 遠目から見ても途方も無く巨大な建造物である企業バラムの本社ビル。そのメインゲートまで続く階段の前まで守衛に通されるも一同は階段に足を掛けない。

 

「これ……登るのか?」

 

「お兄さんファイト〜っ!」

 

「おいリュウ•タチバナ、両手が空いているな? ならば俺様を抱える事を許す。学園都市最高の頭脳を持つこの俺様を抱えるなど、この先二度と無いぞ? 丁重にな」

 

「じゃあハオには僕を抱えてもらおうかな〜。悪いねリュウ君」

 

「……」

 

「もしかして常識人俺だけなのか! もしかして常識人、俺だけなのかっ!?」

 

 天を仰ぐと曇りの無い青空がリュウを迎える。哀しいかな、普段一緒に行動しているナナが隣にいれば応援の言葉一つでも掛けてくれるのに。その声があれば変態女教師の鬼のシゴキで培った筋力で全員抱えれるかも知れないのに。

 リュウが心で嘆いているとヒールの一際高い音が鳴り響いた。その音は結構な距離のメインゲートから聞こえ。

 

「──初めまして、萌煌学園の先鋭達。ようこそバラムへ」

 

 美人女性秘書、という印象の女性が階段の最上部へと足を置く。するとモーゼの海割りのよう階段が左右へと分かれエスカレーターが地面から顔を覗かせた。

 地下へ続く穴は暗く、最低限の照明だけが奥深くまで照らしている。

 

「私の名前はユミ•サクラ。学園都市におけるガンプラバトル開発の主任を務めているわ」

 

「では代表して僕が。萌煌学園生徒会長ナガト•シュンです。会えて光栄です」

 

 握手を交わす両者。

 リュウがやり取りをなんとなしに眺めていると隣から荒々しい鼻づかいが聞こえた。

 

「俺様は東征ハオ。早速質問だが貴様が付けているアウターギア、もしや新型か?」

 

「あら、やっぱりあなたには分かるのね。どう? イカしてるデザインしてるでしょ」

 

「外見など二の次で良い! 機能は! どう進化しているのだ!?」

 

「聞くにも勝るせっかちちゃんね。……新型アウターギアは従来のアウターギアよりも粒子放出力が35%上昇した上でナノサイズの導体の周囲に電気変換を出力としたプラフスキー粒子を電子レベルで組み込んでいるの。よって──」

 

「あっ僕はもういらないね」

 

 たはは、と苦笑しながら後ずさる生徒会長。

 これまでのやり取りで有名人かもしれないと言う漠然とした想像しかリュウは出来ていない。

 黄土色の綺麗な瞳に整ったスタイル。正直メディアに出演している芸能人よりも華がある印象だ。

 

「彼女は学園都市のガンプラバトルのシステムを構築した天才だよ。電脳世界(アウター)もバウトシステムも彼女が立案し設計したんだ」

 

「え」

 

「もっともシステムを開発したのは彼女だけではないけどね。今から僕達が出会うのはそういった本物の天才達だ。緊張するなぁ〜」

 

 生徒会長の耳打ちを聞いた瞬間アウターギアを起動し視線制御で検索を入れる。すると直ぐに検索一覧がユミ•サクラの名前で埋まり、よく分からないトロフィーや賞状を持っている画像や、中には何故か宇宙服を着用している画像まであった。

 

「ハァッ! ハァッ……! 素晴らしい、素晴らしいぞ企業バラム……!」

 

「うわっ! 鼻血出てる!」

 

 一筋の鼻血を垂らしている東征ハオの姿にエルがリュウの背に隠れる。

 

「それじゃ案内するわね。中は私のアウターギアが無いとどの部屋も入れないから離れないで頂戴」

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