放物線を描いて飛び掛かるプルーマの集団。
ニヴルヘイムが両手に構えたグレイズライフル、宙を捉えた銃口から交互に閃光が
それをグレイズフレーム特有の恵まれた可動による
元々射撃精度の長けるグレイズライフルだが、ニヴルヘイムのグレイズライフルは銃身に追加装甲による改造が施され、貫徹力と射撃精度が更に増しており加えて強化されたフレームは近接時の防御としても運用が可能だ。
「────ふっ!」
レーダーフリップを見、自機の周囲にプルーマが居ないことを確認したところで正面モニタにコールマークが点滅。フミヤだ。
『それにしても大変だね、特殊な挙動を取ったプルーマを真っ先に排除しろなんて』
「確かに慣れない戦闘ではあるが、なに。やってやれない我々ではないだろう?」
ライフルの弾倉を入れ換えつつ、先程交わした情報を思い返す。
確かにそう言われてみれば粒子の砲撃による狙撃も納得が出来るものだな、と。未だ赤色の敵性マーカーに染まるレーダーを見ながらアキラの
※※※※※※
『まず、プルーマが取る妙な動き……、力を溜めると言うか、飛び掛かる前に取る
『
『プルーマの本質はハシュマルの随伴ユニット。つまり
『そうか、それで……。こちらからも情報がある、のだが今となっては遅いな。プルーマの索敵範囲は私達が知っているプルーマとは比べ物にならず、加えて思考するAIも非常に高度だ。私達が分断されたのもあちらが計算したものだろう』
『なんだって……?』
『奴等は初めから私達が峡谷のどこにいるか分かっていた。その上分断出来るタイミングを見計らってグレイズランサーを潰し、私達の各個撃破を狙っていたようだ。奴等が持つ規格外の通信でこちらの作戦が逆探知された可能性が大きい……よって』
「──────ハシュマルは僕らが飛び込んでくる事を察知してるって事だよね」
先程行われた通信を思い返し、トヨザワは自身が吐いた言葉が思ったより焦っていることに驚きながら操縦桿を握る。
それでも、プルーマ達の足がマラサイに追い付くことは無い。トヨザワがマラサイに
谷底に見られる多少の隆起も推力調整を手動によって行っているトヨザワのマラサイにとっては厄介極まりない地形ではあるが、それを肌感覚と経験で無意識下に抑え込んでいる事が何よりの
「大分集まってきたな。アキラ君の言い方だとそろそろ────、居た」
マラサイを追跡するプルーマの集団、その
急激に減速し飛び掛かるような体勢を取るプルーマと視線が
左手で推力の制御を、右手は精密機械を思わせる素早い手つきで動き、武装スロットの4────ビームバズーカを選択。
マラサイがモノアイを1度大きく輝かせ機体を反転。メインカメラと連動したビームバズーカのロックオンサイトが正面モニタに出力され、プルーマの集団その少し手前の地面に標準を合わせる。
反射する黒と
「頼んだよ、……マラサイ」
呟くように、愛する人の耳元に囁くような声のまま
黄緑色の弾頭が砲口より放たれ、反動によって大きくマラサイの体勢が揺らぐ。
風を切り裂く粒子を撃ち込まれた地面は一度