「女の匂いがするっす!リーダーどこほっつき歩いてたっすか!?私に内緒でデート行ってたっすか!?」
「うるっせぇよ……耳元で
頭に響く声に顔をしかめながら、カガミ・レンはフォース
目が覚めてからとにかく頭痛も酷く、本来であればアストラルホークの調整を行いたいところだが体調的にそれは無理があった。
内心
「イヌチヨ……」
「はいっ! フォース工房のNo.2。ヒメジ・イヌチヨっす! 何ですかリーダー!」
「だから、
名前の如く駄犬のアホ面が横たわるレンを
頭のなかで鳴り止まない轟音に眉を寄せ、何とかテーブルの
「ん、なんすかこれ。私へのプレゼントすか?」
「相手にすんのもダリぃ……。その中にアストラルホーク入ってるから動かしてみてくれ、お前の意見が聞きたい」
「………………っ」
「あ?」
頭痛の中顔を見やれば、イヌチヨが箱を両手に震えている。
どうしたか、と聞こうとした矢先、ぱぁっと輝いた笑顔に嫌な予感が
「いやっほぉーい! リーダーの新作私が使えるんすか!? 任せてくださいリーダー! このイヌチヨがリーダーの納得するレビューを叩き出してあげますよぉー!」
二日酔いじゃなかったら
そそくさと隣の部屋の、ガンプラバトルの筐体が置いてある場所へ向かったイヌチヨを横目で見て、そこで悟る。
「あ、イヌチヨ。実物じゃなくてバウトシステムで試験しろよ?ただでさえアストラルホークは俺用に調整してあんだから────
どんがらガッシャーン!!
「ひゃーっ! このガンプラ動作が
わなわなと、血管が浮き出るのを二日酔いの中でも
目を見開いて上体を起こす。他に人が居たならばレンの表情を
「欠陥なのはテメェの脳みそだぁ────ッッ!! なんでいつも俺の言うこと最後まで聞かねぇんだよこの駄犬がよォ────!!」
「ぎゃ───! リーダーが怒った!! ここは逃げるっす! 逃げるが勝ちっす!」
「待てやこらァ────!! 今度こそ糞が詰まってる脳みそ取り替えてやるよォ────!!」
※※※※※※※※※※
照明の消された暗い部屋だ。
中央に配置された椅子を中心として大小のケーブルが部屋の端へと伸びており、椅子には1人少年が座っている。
耳に掛けられたアウターギアが
「やれやれ、遊んでやったら付け上がって……全く
深く呼吸をし、年相応の身体が
成る程、
開いた瞳が
「あの4人、次に会ったら今度こそ本当に」
────殺してやる。
少年の顔が
今の自分に
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まずあとがきの冒頭に謝罪をさせて頂きます。大変お待たせして申し訳ありませんでした。
生活の環境が少し変わって執筆が遅れる日々、こんなこと書きたいなーという脳内妄想は捗るのに執筆は一切進まない。
ガンプラ製作も小説の執筆も、同じ創作物なのでそこは似ているんですね(書け)。
さてさてとりあえず終わりを告げた外伝『Gun Through the Dust Anima』ですが、やはり書き初めは「こんな新キャラと新機体書けねぇよ!何考えてんだよ自分!」と嘆いていた訳ですが、いざ書いてみたら登場ガンプラが好きになり、キャラクターにも愛着が湧き、筆が進む進む。
この場を借りて参戦を承諾して下さった4人のフォロワーさんに感謝であります。
リアルの方で仙台の展示会に行く機会がありまして、そこでアストラルホークとガンダムラファールの実物を見たとき、いやぁ感動しました。ビルドアウターズあわせをしてくれてたんですもん、感激。
今回外伝と銘打った訳ですが時系列的には3章の後なのに加えて、本編と関係する事象が進行したので実質3.5章ですね。盛り込んでいくうちに合計文字数が大変な事になりました。
次に自分が書くのは恐らく1章と2章のリメイクかと思います。辻褄合わせの修正と新規エピソードの大幅追加!
いやぁ!更新はいつになりますかね!
そんなわけでビルドアウターズはまだまだ続きます。
どうか読者の皆様、これからもビルドアウターズとクルルをよろしくお願いします。皆様のガンプラライフに幸あらんことを。