では。
間桐邸が燃え、当主以外の二人の家人が行方不明になったニュースを、遠坂凛は避難先の母方の実家、禅城宅で知った。
凛の父親、遠坂時臣は、聖杯戦争に参加した魔術師の一人である。
遠坂家の娘として、凛も冬木での戦いについては、聞き知っていた。
七騎のサーヴァント、そして七人の魔術師が、聖杯を求めて争う魔術儀式。これに勝つことは、遠坂家の悲願であり、義務である。
今の冬木は戦場で、だからこそ凛は自分と母親が冬木から逃がされたのだということも、わかっていた。
わかっていたのだ。
間桐に行った桜が、妹が、行方不明になったのも聖杯戦争に巻き込まれたからだということを。
今、冬木はおかしくなっている。
何も知らない友達のコトネだって、怯えていた。
聖杯戦争が始まる少し前に、冬木では連続殺人が起きていた。その犯人は捕まったらしいけれど、それが済んだと思えば今度は港湾地区でも爆発が起きて、その次には有名なホテルがひとつ、爆弾で瓦礫の山になった。
そこへ来て、間桐のお屋敷が燃えた。
ニュースではガス爆発だなんて言っていたけれど、あれはきっと、いや絶対に、サーヴァントの仕業だと凛は確信していた。
間桐は、遠坂と同じく聖杯戦争を始めた御三家のうちの一つ。だというのに、その家すらも襲われ、破れたのだ。
当主一人が逃げ延びて、間桐の長老と桜が行方不明になったと知ったとき、母親の葵は真っ青になって今にも倒れそうになった。
きっと、桜は連れ去られてしまったのだ。
お父様の、遠坂時臣の敵であるマスターとサーヴァントに。
テレビから流れる無機質なアナウンサーの声を聴いた瞬間、凛を強くかき抱いたお母様、葵の涙の熱を凛は忘れられない。
桜を連れて行った何者かが、間桐の翁ですらも太刀打ちできなかったような相手が何を目的にしているのかも、凛は知らない。
知らないけれど、でも桜は凛のたった一人の妹なのだ。
遠坂凛が、間桐桜を助けに行こうと思う理由なんて、それだけで十分だった。
父親に母親にも、きつく叱られることだろう。
それでも、桜はきっと凛を待っている。
引っ込み思案で小さくて、お姉ちゃんの凛の後ろに隠れていた、大切な妹。
あの子を取り戻すためなら、凛はどんな怖いことだって耐えられる。
父親に貰った魔力を示す道具、魔力針と、魔力を込めた水晶の欠片が二つを持って、凛は冬木へ向かう覚悟を決めた。
魔力針を頼りに桜を探し出し、力を籠めたら爆発する水晶片でなんとかするつもりだった。
それがどれだけ無謀なことか、凛にも心のどこかではわかっていた。
けれど、こぼれた母の涙と桜の面影が凛には何をしたって、忘れられなかったのだ。耐えられなかったのだ。
手持ちの小銭で、冬木に行くには十分だった。
電車に乗り込み、降り立った冬木の駅前で、凛はすぐに魔力針を取り出した。
方位磁針に似たそれは、ぐるぐると、見たこともないような反応を示す。
より強い魔力がある方角へと導いてくれる道具は、無茶苦茶な動きを示していた。
「何、これ……」
ぽつりと、呟きが漏れた。
胸に沸いた弱気を、凛はぶんぶんと頭を振って追い払う。一番近くにある魔力反応を目指して、凛は歩き出した。
手に握り込んだのは、とっておきの水晶。ちょっとした爆発が起きる、凛の一番の武器だった。
魔力針が、眦を決した凛を導いたのは、繁華街。
人の賑わいを前にして、凛は立ち尽くした。こんなところに、魔力を放つ何かが、あるというのだろうか。
それにここは、凛にとってはまずかった。
何しろ、凛はまだ子どもだ。警察官に見つかったら、絶対に家へ連れ戻されてしまう。
パトロールと思しき警察官たちをすり抜けて、凛は針が示す方向へと向かう。
そして、見つけたのだ。
色鮮やかで眩しいが、安っぽいネオンを灯すファストフードの店の中、小さく佇んでいる桜の姿を。
「桜!」
思わず、凛は店の中に飛び込んでいた。
自動ドアをくぐり、明るい店内に駆け込む。
客たちが皆、凛に視線を向ける。でも、そんなこと構っていられなかった。
「桜!桜、ここにいたの?」
男の子みたいな格好をしていたって、見間違う訳が無かった。
けれど、桜に駆け寄ろうとした凛は、桜と手を繋ぐ人影を見つけて足を止めた。
店の他の客と同じように凛を見て目を瞬いている、穏やかそうな線の細い少年だった。
凛より十歳くらいは歳上に見えた。
背丈は母親の葵と同じほどで、男にしては長い、白と黒と灰色の髪を飾り気ない紐で一つに束ねて、余った横の髪が二房、顔の横に垂れていた。
纏っているのは、袖を余らせた茶色いコートと、飾り気ない白いシャツに黒いズボン。腰には結構大きめでごつい感じの、革でできたポーチを巻いていた。
少年はきょとんとした顔で、桜の手を引いている。
空いている片手で頬をかいて、彼は困ったように膝を追り、桜の顔を覗き込んだ。
「桜、君の友達かい?」
「……」
桜は、ふるふると首を振る。
地味な二ット帽に紺の安っぽいコートは、まるで男の子のようだった。
そして、桜は凛を目にしても、何も言わなかった。ぼう、と人形のように手を引かれているだけ。
くるり、と桜の瞳が、凛に向く。
虚ろな瞳を見た瞬間、かっ、と凛の頭に血が上った。
「アンタ!桜に何したの!?」
「はい?」
「とぼけないで!アンタ、聖杯戦争のマスターなんでしょう!?わたしの妹に……桜に何したのよ!このヘンタイ!」
「うえぇ!?ち、ちょっと待ってよ!君、何か重大な誤解してるよ!」
店の真ん中で変態と叫ばれ、少年は思いっきり狼狽えていた。
尚も怒鳴ってやろうとした凛の手の中で、針がぶるぶると動き始める。
さっきとは桁違いの、強い魔力反応。
それは間違いなく、目の前の少年から放たれていた。
気づけば、少年は空いていたはずの指に、長細い札を挟んでいた。そこからかぐわしい金木犀の香りが溢れ、店内に漂い始める。
怪訝な顔をして、凛と少年を注視していた店員と客たちの目が焦点を失い、一気にぼんやりしたものになった。
──────やっぱり、コイツは魔術師!
凛が水晶を握りしめた、そのときだ。
「やめて」
立っていただけの桜が、ぽつりと声を出した。
「この人は……ちがうの。……わたしを、あそこから助けてくれたの」
きゅ、と桜が少年の服の裾を掴んだ。
同時に、光の粒子が集まり、二人の傍らに黒い人型を紡ぎ上げた。
呆れ顔で桜と少年の傍らに姿を現したのは、黒いぼろの着物を着た、目つきのよくない青年だった。
「おい、あんこまいのはなんじゃ、おまんの姉ちゃんか?」
「……その人は、遠坂凛と言います」
少年のコートの陰に隠れるように、凛の視線から逃れるように、小さくなって桜は言う。
一体、どうしたって言うんだろう。
桜はこんなにも、虚ろな目をする子じゃなかった。おどおどしたところはあったけれど、こんな人形みたいに冷たい目が、できる子じゃなかったのだ。
桜の変わりように、凛は立ち竦む。
「じゃあ、この子は本当に君のお姉さん?」
「……わたしは、間桐の子になったから……だから、遠坂の子じゃありません。お姉ちゃんって、呼べる人はもういないって……お爺さまが……」
言って、桜はますます小さくなってしまう。
そう。確かに桜は、遠坂の者ではなくなり、間桐家の養子となったのだ。それ以来、遠坂の家では桜の話を出すことすら憚られていたのだ。
あの子はもう妹ではない、と父親から言われた言葉を、凛は思い出した。
そしてほかならぬ桜が、自分は遠坂でないと言ったのだ。
店の中で、凛は立ち尽くしてしまう。
「えーと……とりあえず、店を出ようか。ってか、アサシン、店内では実体化しないって言ってたじゃないか。何で出てきちゃうんだい」
ぼんやりした面持ちの店員から紙袋を受け取りながら、少年が言う。
アサシン、と少年は目つきの悪い青年のことを呼んだ。
つまり、目の前にいる、この凛よりはかなり歳上だが、父の時臣と比べればずっと歳下に見えるこいつは、紛れもなく父と同じマスターなのだ。
謹厳で誇り高い大好きな父親と、余りに違うその姿に、凛は戸惑う。
「細かいことはえいやないか、マスター」
「細かくないよ!」
彼のサーヴァントであるはずのアサシンのほうは、少年の小言などどこ吹く風で、彼の持った紙袋に勝手に手を突っ込んで、中のポテトを食べ始める始末だ。
英霊のはずなのに、その余りの俗っぽさに、凛はさっきとは別の意味で途方に暮れた。何気に桜にもポテトをやっている辺り、本当コイツはなんなのだ。
「……ま、監視カメラの映像に心霊現象が残るだけだし、どうせ教会が隠蔽するか」
そう言って、少年はコートを翻して店を出る。桜は小さな紙袋を一つ持たされ、その後ろについていく。
敷居のところで、少年は凛を振り返った。
「どうしたの?君、来ないのかい?」
「い、行くわよ!言っとくけど、桜に変なことしてたら承知しないわよ!このヘンタイ!」
「してないよ……。だから頼むから変態はやめてくれよ……。なんでボク、日本に帰ってまで女の子に罵られなきゃならないの……」
「そん景気悪いツラのせいじゃないかのう」
「えぇえ……嘘ぉ」
げらげら大爆笑するアサシンに肩を叩かれ、やたらしょぼくれた少年が向かったのは、店から少し離れた公園である。
「それで、君は遠坂の家の子なんだろう?こんなところで一体、何をやっているんだい?」
ベンチに座り、少年は口を開く、凛はぐっと歯を食いしばって、その前に立った。
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間桐桜にとっては、何もかもいきなりの出来事だった。
いつも通り─────そう、いつもと同じようにムシグラに閉じ込められて、痛くて辛くて怖くて、でも誰にも助けてもらえなくて、頭がぼんやりして、そんなふうにじっとしていたときに、いきなり全部が、壊れた。
大きな音と、熱い炎と、とても大きい誰か男の人の声がムシグラに届いたのだ。
新しいお父さんでも、お爺さまでも、おじさんでもない、全然知らない人の声が聞こえたと思ったら、もう、桜は外に連れ出されていた。
本当は、そこが外だと言うことも、わかっていなかった。
ただ、あれだけ自分に集っていた蟲が、いなくなったというだけ。
あたたかい誰かの腕に、ふわりと抱えられた。
桜、と名前を呼ばれて返事をして、そうしたらすぐに眠くなった。
眠くなって、目を閉じて、とろとろと微睡んでいたのに、お爺さまの怖い声がして、急に辺りの音がはっきり聞こえるようになった。
気づいたら目の前には、白と黒と灰色の髪の、綺麗だけどとっても怒った顔の人がいた。
その人は、あっという間にお爺さまの声を出す蟲を瓶に閉じ込めた。
桜は訳がわからなかった。だってあんなに簡単に、怖いお爺さまが捕まるわけがない。
呪いを叫んだお爺さまの声が怖くって、側にあった腕を掴んだ。
そうしたら、また別の誰かが頭を撫でてくれた。
あれはもう何もできなくなった、安心していいと、乾いた声の誰かは言った。
低いその声はぶっきらぼうだったけれど、その言葉は、不思議とすとんと心に落ちてきた。
そっか。
そうなんだ。
お爺さまは、もういないんだ。
低い声を聞いたら急に安心できて、桜はすぐ意識を失った。
次に起きたら、また知らない場所にいた。ずっと重たくて怠かった体が、何故だか、とても軽くなっていた。
そこは安くて小さなホテルで、あの変わった髪の人と、低い声の人は、それぞれ名前を教えてくれた。
綺麗だけど、怒った顔は怖い変わった色の髪の人は、繍。
ぶっきらぼうな低い声の人は、以蔵。
そして繍はマスターで、以蔵はそのサーヴァント。
彼らは、聖杯戦争の参加者だったのだ。
桜は、聖杯戦争のことはよく知らない。
お爺さまとおじさんの言っていた、大切な儀式に関係あることなのだろうけれど、どうだって良かった。
知っているのは、この人たちが────繍と以蔵が側にいてくれるなら、桜はもうあの暗いところに、ムシグラに、戻らなくってもいいということだけなのだ。
繍は桜を犬と遊ばせてくれて、温かい、味がちゃんとわかるご飯もくれた。自分たちが生きている限り、お爺さまから桜を守ってくれるって、約束してくれた。
人質だから桜のことを捕まえていると、バーサーカーという敵に襲われないように桜を勝手に連れて来たと、以蔵は言ったけれど、桜はそれで良かった。
痛いことも、苦しいこともないんだから。
翌日に、以蔵が出て行って、それからしばらくして、桜は繍に連れられて外に出て、繍の先生だという魔術師に会いに行った。
なんだか知らないけれど、もの凄く怒っている人だった。
いつもどこか遠くを見てゆるゆる笑っているような繍とは全然違っていて、凄くびっくりした。
ふわふわであたたかい、繍の犬の毛に埋もれるようにしてじっとしていたら、もう話は終わっていた。
帰りにホテルによって、少し街に降りて、明るいお店に入った。甘いもの食べたかったんだろう、と繍が言ったから、こくりと桜は頷いた。
店の中で待っていたら、いきなり名前を呼ばれた。
「桜!」
それは、その人は、昔、お姉ちゃんと呼んでいた人だった。
遠坂桜のお姉ちゃんだった、可愛くて明るくて、強い、遠坂凛。
ムシグラで酷いことをされて、汚くなってしまった
─────わたしを、助けてくれなかった、人。
─────どうしたら、いいの?
「桜に何したの!」
凛はそう叫んでいた。
それを聞いて、繍は困ったような、少し悲しそうな顔になった。
それを見て、桜は繍の服の裾をぎゅっと掴んだ。
だって、繍が、以蔵が、桜に困ったからっていなくなったら、どうしたらいいのだろう。
また、間桐のお家に、ムシグラに戻されてしまうかもしれない。
そう思うだけで怖くって、桜は繍にしがみついた。繍はびっくりしたようだけど、以蔵と同じように頭にぽん、と手を置いた。
しがみついているうちに、今度は公園に来ていた。昔遊びに来た、見覚えのある公園。
繍はそこでベンチに座った。桜はその隣に座る。さっきまで繍をからかって大声で笑っていた以蔵は、横に立っていた。
「なるほど。君は遠坂凛で、桜のお姉さん。何の為に来た……なんて、聞くまでもないか。その様子だと、桜を探しに来てボクらに行き当たったんだね」
「おい、マスター。あん蝙蝠に見られてから、結界とやらで隠れとったんやないんか。どういてこん餓鬼に見つかるんじゃ?」
「いやぁ、ボクの結界はね、敵意ある奴に避けられるようになるんだよ。だけどこの子はさ、ただ桜を助けたいって思ってたから、惑わされてくれなかったみたいだねぇ。ほら、単なるメッセージ送ってきた教会の鳥も、届いただろう?」
参ったなぁ、と眉を下げる繍である。
以蔵は呆れたとばかりに、白い目になった。
「こんべこのかぁ。しっかり張っちょけや」
「バーニング間桐家を隠した結界と、君の戦闘と偵察と黒白の顕現で、魔力結構かつかつなんだぞ。この上、完全気配遮断結界まで張ってたらぶっ倒れてるよ」
「ケチって餓鬼に見つかったら世話ないき」
「……あー、はい、すまない。返す言葉がないや」
凛に言葉を挟ませる間もなく、繍と以蔵は話し続ける。この二人は、桜が知る限りいつもこうだ。
ぶわりと、凛のツインテールが膨らむ。
「勝手に納得しないで!間桐の屋敷を襲ったのも、やっぱりあんたたちなのね!」
「実際に燃やしたのは、ライダーだけどね。ボクらは、その尻馬に乗ったというか……隠蔽役と邪魔者撃退役をやってたんだ」
「それで桜をさらったの?」
「うん」
あっさり、繍は頷いた。
以蔵が腕を組みつつ、言う。
「……先にゆうとくがな、こん桜は、わしらにおうたときからずっとこうじゃ。あん家でなんぞ怖い目におうたんじゃろ」
「そんなの……!」
凛が否定する前に、桜は頷いて繍の袖を握った。
怖かったのは、間桐邸。
この二人と会ってからは、怖い目になんか遭っていない。
凛はまた、途方に暮れた顔になった。
ぼんやりと笑みを浮かべていた繍は、まるきり変わらない顔色で、不意に声を低めた。
「つまり、君は拐われた妹を探してここに来たわけだ。……勇敢だね。だけどねぇ、君、敵のマスターの前に、マスターの実の娘で、御三家の跡取りがのこのこ出てくる不味さ、わかってるのかい?」
淡々と、間違いを指摘する先生みたいな声で、繍は言う。
穏やかな表情も、纏う空気も変わらないのに、声は温度が無くて、少し怖い。
「あ……」
「こんな誰もいない公園に来たなら、ボクは君を簡単に人質にできる。アサシンに殺せと言うこともできる。そう思わなかったのかい?ボクらの態度がいくら惚けてたからって、誤魔化されちゃあ駄目だよ」
茶色い瞳の、目の奥ばかりが笑っていなかった。
凛の顔が青くなるのを、桜はどこか、ぼんやりと眺めていた。
次の瞬間、くるり、と繍の声色が変わる。声に、温度が戻った。
「と言っても、ボクにはどうでもいいけどね。君のことは君の家の人が叱ってくれるだろう。とっとと帰りなさい」
「え?」
しっし、と繍は手を振った。
「こっちはこれ以上、子どもの相手なんてしてられないんだよ。桜も……」
面倒くさそうな軽い声色だった。
繍が次に何を言おうとしているのか、桜にはわかった。
「……わたしは、帰りません」
「は!?」
繍が桜の方を見た。目が丸くなっている。
以蔵も桜を見ていた。こっちは、少し眉をひそめただけだ。
だけれど、次の瞬間以蔵の手に刀が現れた。一拍遅れ、繍も立ち上がる。
それで桜もようやく気づいた。
辺りには、白い髑髏の顔と黒い衣の人間たちが集まっていたのだ。
その数は、五人。
「な、何よコイツら!」
凛の叫びに答えたのは、闇から現れた黒衣の人物だった。
「これは私のサーヴァント、アサシンだ」
夜の暗闇から姿を現した、カソック服を纏う長身の男は、そう言って辺りを光の無い瞳で眺め渡したのだった。
他人と街に幸運をもたらしても、自分たちは…という話。